麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年06月17日(火)
加藤元浩「Q.E.D.」48巻読了。人気作家・世見一夏のエージェントが殺された。世見は犯人を捕まえたら原稿を渡すと言うが……「代理人」、アランに頼まれ、燈馬と可奈はスペイン・バルセロナの街で密航船から消えた麻薬と少女を探す「ファイハの画集」の二編収録。
タグ:
posted at 13:27:57
「代理人」は犯人当ての裏に隠された構図に唖然とさせられる一編。本作のメインは「誰がやったのか」ではなく「何故やったのか」でありそれが明かされると同時にタイトルの真の意味が分かる趣向が実に秀逸。ラストでの可奈が言った言葉に対する犯人の反応にぞくりとさせられる黒さに満ちた秀作である。
タグ:
posted at 13:28:24
一方「ファイハの画集」は事件そのものよりもそれに絡んで描かれる不法移民の少女が目指した夢の結末が印象的で、恐らく大半の読者が読み終わった後に忘れていた何かを思い起こすのではないだろうか。また今回収録された二編が何気に絶妙な対比になっている点も○。
タグ:
posted at 13:29:18
加藤元浩「C.M.B.」26巻読了。マサイの戦士は本当にライオンに襲われて死んだのか? 唯一の目撃者である少年は過去のトラウマから一切の供述ができない「ライオンランド」他、倒叙ミステリの「ゴンドラ」、魔除けのお守りに纏わる激動の中国史と悪夢の記憶「兆し」の二編を収録。
タグ:
posted at 13:29:28
今回収録された三編のうちベストは「ライオンランド」で、犯人の正体よりもむしろそれに絡んで導き出されるある人物の動機が胸を打つ。またベタではあるが、それまで足を引っ張っていたキャラが終盤で思わぬ活躍を見せる点もいい。
タグ:
posted at 13:29:50
長沢樹「リップステイン」読了。映像系の学校に通う夏目行人はある日、渋谷で制服姿の不思議な少女・香砂と知り合う。ある時は「武者修行中」と笑い、またある時は傷だらけで電話してくる彼女は何故か世間を騒がせている連続暴行事件の現場で度々姿を目撃されていた。彼女は一体何者なのか?
タグ:
posted at 23:56:14
以前、飛鳥部勝則「フィフス」を読んで飛鳥部版灼眼のシャナと称したことがあったが、本作は差し詰め、長沢樹版灼眼のシャナと言ったところだろうか。故にミステリと思って読むと確実に何人かは怒る人がいそうだが、一応ミステリ的仕掛けも用意されてはいる。
タグ:
posted at 23:56:25
但しこのタイブで仕掛けるのはそこしかないだろうなと思うところでモロにやってしまっているため、ある程度ミステリを読み慣れていると意外性はあまりないのではないだろうか(しかも前例あり)。とはいえ所々にこの作者らしい要素は窺えるので、ファンならば読んで損はないと思う。
タグ:
posted at 23:56:37