麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2020年02月28日
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2020年02月28日(金)
岡田秀文「戦時大捜査網」読了。一九四四年、国民服を着た丸刈りの女の死体が発見されたのが全ての始まりだった。女は何者でなぜ男装していたのか。そうこうしているうちに第二の事件が起きて……。特高や軍、果ては空襲に邪魔されながら捜査を続けた警視庁特別捜査隊が辿り着いた異形の真相とは?
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posted at 23:48:09
「帝都大捜査網」に続く、警視庁特別捜査隊による大捜査網シリーズ(?)の二作目。前作では昭和十一年の東京を舞台にしていたのに対し、本作ではその八年後にあたる昭和十九年の東京、しかもタイトルにある通り、太平洋戦争真っ只中という状況を活かした捜査を描いているのが面白い。
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posted at 23:48:26
その活かし方は捜査を盛り上げるための単なるシチュエーション作りだけに留まらず、事件全体の構図にまで及んでおり、特に終盤における東京大空襲の地獄絵図を経験したからこその気付きと、事件を起こすに至った犯人の動機が実に秀逸。
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posted at 23:48:38
尤も犯人の計画に関してはかなり綱渡りのような気もするが、壮絶な東京大空襲の描写を踏まえた動機の説得力がそれを補って余りある。本作は前作にあった草野唯雄っぽさ(?)こそないものの、事件の構図と時代物に定評がある作者らしい警察小説の秀作である。
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posted at 23:49:06
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