麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2010年11月29日(月)
伏線の張り方がフェアなのは評価できるが、いかんせん物語設定の説明を丁寧にやり過ぎたあまり重要な伏線がことごとくあからさまなのが非常に残念でならない。とはいえ中世ファンタジー物としては良作と言っていい出来だとは思う。あと本作を読んで何となく「琅邪の鬼」と構成が似ているように感じた。
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posted at 20:45:33
本作の内容紹介には「米澤穂信の新境地」とあるが、確かに作者にとっては今まで書いたことがないタイプであるため、そういう言い方はできるだろう。ただしミステリとして本作を見た場合、特殊世界を選んだことが完全に裏目に出てしまっている。
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posted at 20:43:43
米澤穂信「折れた竜骨」読了。時は中世、イングランドにあるソロン諸島の領主が何者かに殺された。現場に居合わせた東方より来たる騎士ファルクは、これは暗殺騎士の魔術により操られた人間「走狗」の仕業であると断定する――。
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posted at 20:42:20
2010年11月27日(土)
最後の短編「二つの真実」で明かされる事件の構図もさることながら、怒涛の伏線回収にはお見事と言うしかない。本作は伏線フェチを自認する人には是非とも読んでもらいたい作品である。あとこれは余談だが太田忠司氏による解説が富士見ミステリー文庫の裏側に触れていて、なかなか興味深かった。
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posted at 17:50:19
本作の収録作はどれも素晴らしい出来だが、ベストを挙げるとするなら「イタリア国旗の食卓」だろう。そのトリックは毒殺トリックの新機軸と言っても過言ではないもので、これだけでも年間ベストクラスなのは間違いない。また連作短編集としての纏め方も申し分ない出来である。
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posted at 17:49:16
本格を評価するポイントの一つに巧みな伏線が挙げられるが、この巧みな伏線というヤツがくせ者で、ミステリを読み慣れてくるるとこれが伏線だろうというのがすぐ分かるようになってしまう。その点、本作は伏線の張り方に抜かりがなく、久々に「これが伏線だったのか」という驚きを堪能させてもらった。
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posted at 17:48:02
谷原秋桜子「鏡の迷宮、白い蝶」読了。まず最初に自分は作者に謝らなければいけない。前作「手焼き煎餅の密室」を読んだ時は正直作者のミステリセンスに疑問を感じてしまったのだが、今回この「鏡の迷宮、白い蝶」を読んで180度評価を改めざるを得なくなった次第である。
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posted at 17:46:41
2010年11月26日(金)
そして、それと同時に読者は「情報一つで事実が歪んでしまうことの恐ろしさ」に慄然とすることだろう。本作は折原マジックの健在ぶりを存分に堪能できる傑作である。
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posted at 16:41:49
途中ある事実が発覚した時はてっきり折原版bit.ly/gRbgUIかと思ったが「騙りの魔術師」がそんなもので終わらせる筈がない。更に二転三転した末、明らかになる事件の構図には脱帽と言わざるを得ない。まさかアレやアレまで仕組まれたものだったとは思わなかった。
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posted at 16:40:44
情報一つで事実が歪んでしまうことの恐ろしさ――本作のテーマは何かと問われたら、恐らくこの一言に尽きると思う。物語が進んでいくにつれて、次第に誰が本当のことを言っているのか分からなくなってくる展開はさすが「騙りの魔術師」といったところだろう。
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posted at 16:38:57
折原一「追悼者」読了。昼は美人OL、夜は売春婦という二つの顔を持っていた女が安アパートの一室で何者かに殺された、通称「丸の内OL殺人事件」。事件に興味を抱いたノンフィクションライターの笹尾が女の生い立ちを取材すると、その周囲で奇妙な事件が相次いで起きていたことが分かる。
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posted at 16:38:10
2010年11月25日(木)
ただ個人的な見解で言えば、トリックの破壊力は前作の方が上か。とはいえ、労力で言えば明らかに本作の方が手が込んでいる。ちなみに本作には表題作の他に9編の短編が収録されているが、そのうち「美少女探偵天外沙霧」はエロミスとして、「改造」はSFミステリとして、こっそりお勧めしたい(爆)。
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posted at 22:02:52
果たしてこれはミステリなのかホラーなのかその境界が怪しくなってきた頃、遂に炸裂する大ネタのバカトリック! これもまた前作と同じく、漫画を熟知した作者ならではの仕掛けだろう。それに要した労力を考えると、作者にお疲れ様と言いたくなってくる。
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posted at 22:00:09
バカミスの怪作と言うべき前作「フラクション」に引き続き、駕籠真太郎がまたやってくれました(褒め言葉)。二つの物語が平行して語られる構成は前作と変わらないが、今回はそれが事件の混迷ぶりに拍車をかけることに一役買っている。
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posted at 21:58:28
駕籠真太郎「アナモルフォシスの冥獣」読了。実際の殺人事件や事故の現場を忠実に再現したセットで降霊会を行うイベント「アナモルフォシスの館」が今回呼び出したのは火薬量の間違いにより特撮セットの中で事故死した男の霊。降霊は無事成功するが、それから間もなく参加者が次々と怪死を遂げていく。
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posted at 21:57:32
2010年11月24日(水)
「最後の証人」に引き続き、本作でも作者は事件を通して人間を描くことに注力している。意外性を演出する要領で男の悲哀を浮き彫りにするその手腕にはつくづく感心させられる。ミステリと人間ドラマの幸せな融合を体験したい人には是非ともお勧めしたい良作だと思う。あとこのタイトルも何気に秀逸。
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posted at 19:24:49
柚月裕子「罪を押す」読了。刑期を終えて出所したのも束の間、窃盗事件の犯人として逮捕された男。男は自分がやったと全面的に認めており、誰の目から見ても後は起訴するだけの簡単な事件と思われた。だが、ただ一人、検事の佐方だけは男が無実であると主張する。
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posted at 19:22:17
2010年11月23日(火)
しかしだからと言って本作がミステリとして見るべき所がないかというと答えは否である。本作には見方によってはかなり大胆な(かつ、かなり無茶な)仕掛けが用意されている。こういった物語でもミステリ的仕掛けを忘れない作者の姿勢が何とも微笑ましい。是非とも続編を期待したいと思う。
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posted at 23:10:48
一言でいうなら、飛鳥部版「灼眼のシャナ」。ミステリと言うより伝奇バトル物とでも言うべき風格でbit.ly/fiKXi9(某飛鳥部作品)のミステリ以外の要素が好きな人であれば問題なく楽しめることだろう。
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posted at 23:09:00
飛鳥部勝則「フィフス」読了。大学生の鈴森一気がドーベルマンに導かれた先にはバラバラ死体と斧を手にした黒髪の美少女がいた。声を上げる暇もなく地面に倒され喉元に斧を突き付けられる一気。思わず命乞いをすると彼女は奇妙な命令を与える。「一気、私と共にフォースの失敗作たちを始末してほしい」
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posted at 23:06:09
2010年11月22日(月)
しかしながら、それをおどろおどろしく表現することなく、軽やかに書いてみせているのが何ともこの作者らしいところである。また最終話もリドル・ストーリーであると予め予告、謎は謎のままにした幕引きが実に美しい。本作は小泉喜美子という作家を知るのにうってつけな、いい意味で軽い作品である。
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posted at 18:32:52
と言っても本作に収録されている二編くらいは真っ当にミステリをやっているものもあることはある。だが、作者はそれをよしとせず、次第にミステリ以外の要素をも取り込み始める。例えば四話目の「藤棚のある料理店の謎」の味わいはミステリというよりホラーと言った方が相応しい。
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posted at 18:31:45
小泉喜美子「女は帯も謎もとく」読了。本作はミステリマニアを自認する芸者のまり勇が様々な事件の謎に挑むミステリー短編集である。そう説明すると竹本健治の「トリック芸者」シリーズや山村美紗の「祇園舞妓小菊シリーズ」を思い浮かべる人もいるかもしれないが本作の作風はそれらとはまるで異なる。
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posted at 18:30:59
2010年11月18日(木)
それ以外の収録作では「ロジカル・デスゲーム」が「LIAR GAME」のような味わいがあって、なかなか面白かった。残念ながら収録作の全てがお勧めというわけではないものの、とりあえず表題作だけでも読む価値はあると思う。
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posted at 22:36:37
そしてミステリの出来としても、まずまずの仕上がりなのではないだろうか。この中編はおよそ半分近くが事件に巻き込まれた学生の視点で進行するが、真相を知ると何故作者がこういう構成にしたのか腑に落ちることだろう。個人的には「46番目の密室」が好きな人には是非とも勧めたい好編である。
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posted at 22:35:22
有栖川有栖「長い廊下がある家」読了。幽霊が出るという噂のある、二つの家を繋ぐ長い廊下で起こった殺人事件。だが、容疑者の三人には鉄壁のアリバイがあった――本作には表題作を含む四編が収録されているが、ベストは断トツで表題作だろう。作家編でこの手の不可能犯罪を扱ったのは久々な気がする。
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posted at 22:33:03
2010年11月16日(火)
しかしだからと言って表題作がミステリとして見る所があるとは限らない。相変わらず意外性を出そうとしているプロット自体はいいのだけど、その意外性も提示されるのが小手先程度の真相では興ざめもいいところである。それは表題作だけではなく全編に言えることであり個人的にはあまり楽しめなかった。
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posted at 23:59:34
草野唯雄「殺人交響曲」読了。社員旅行先に置き忘れてきたレインコートについて問い合わせたことから、会社社長の墜落死事件に巻き込まれる表題作含む六編が収録されているミステリー短編集。収録作の中で最もミステリ度が高いものはやはり「読者への挑戦」を掲げた表題作ということになるだろう。
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posted at 23:57:43
2010年11月12日(金)
エロもグロもない友成作品はつまらないとは言わないまでも、何だか凄く物足りない。例えるならカレーライスのライスだけを塩のみで延々と食べさせられている感じとでも言おうか。個人的には「助走」なんていいからさっさといつものキレっぷりを見せて下さいお願いします、と思ってしまった次第である。
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posted at 21:52:23
そして、それは解説の綾辻氏も同じ気持ちだったようだ。たださすがに本音をそのまま書くわけにはいかないため、何故本作にその手のシーンがなかったのか、もっともらしい理由をつけた後で(!)本作は「さらなる大破壊への助走なのである」と結んでいる。
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posted at 21:50:36
(以下、友成ファンにしか分からない感想です)一読、愕然とした。というのも本作には友成作品の代名詞とも言えるグチャグチャドロドロのエログロが一つも出てこないのである。加えて友成作品なのにちゃんと話が成立しているという衝撃! 一体友成先生に何があったのだと思わず困惑してしまった(爆)
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posted at 21:49:11
友成純一「黄金竜伝説」読了。その所有者に世界を支配する力を与えるという、ユダヤの「契約の箱」。ある時、神に等しい存在からの啓示を受けた女子大生、折内忍は導かれるままに「契約の箱」に端を発した国際的テロの渦に巻き込まれていくこととなる。
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posted at 21:47:38