麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年06月09日(木)
とはいえ知ってる人間からするとニヤニヤできる部分は多く、個人的には「インフェルノ」のサントラを聴きながら楽しませてもらった。またミステリとしてもなかなか面白い仕掛けが用意されているので、ホラーが苦手でなければ読んでみてもいいかもしれない。
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posted at 18:06:15
長編ホラーの書き下ろしシリーズ「異形招待席」の第一弾である本作は、倉阪版「インフェルノ」と言うべき作品である。ちなみにこの「インフェルノ」というのはイタリア・ホラー映画界の巨匠ダリオ・アルジェントの映画で魔女三部作の二作目なのだけど、知名度の低さ故に知ってる人は殆どいないだろう。
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posted at 18:05:27
倉阪鬼一郎「死の影」読了。亡くなった婚約者が書いた小説で一躍ベストセラー作家になった男。獲物を求めて街を彷徨する殺人鬼。ストーカーに目の前で自殺されて以来ノイローゼに陥った女。暗躍する宗教団体。そして……物語はやがて一つの『地獄』を迎える。
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posted at 18:04:13
2011年06月08日(水)
そして、それはやがて物語全体を覆い尽くし、遂にはホラーとは思えない美しいラストを迎えるに至る。そうして胸に残るのは、清々しい読後感。純粋に「恐い話」を求めている人には微妙かもしれないが、個人的には偏愛したい作品である。
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posted at 18:48:31
ホラー長編の書き下ろしシリーズ「異形招待席」の第三弾である本作はあとがきで作者が語るようにホラーとしては変化球な作品である。始まりこそ得体の知れない怪物に対する恐怖を描いたモンスターパニックホラーとも言うべき展開だが、中盤から一転してボーイミーツガール物の気配が濃厚に漂い始める。
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posted at 18:47:41
斎藤肇「廃流」読了。S県のほぼ中央に位置する人口およそ十二万の街・田山市が一夜にして日本中の人たちから好奇の目を向けられるきっかけとなったのは『路上に残された上半身』だった。帰宅途中に襲われたその女子高生の死体は、奇妙なことに下半身がまるで溶かされたように消滅していた。
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posted at 18:46:29
2011年06月07日(火)
読了後の感想は「やっちゃった」の一言に尽きる。というのも本作はメインのネタが去年出た某作品と完全に被ってしまっているのだ。それを抜きにしたとしても、このネタは余程上手くやらないとすぐに見抜かれてしまう危険性を孕んでいる(現に自分はその某作品もかなり早い段階で気付いてしまった)。
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posted at 12:33:01
門前典之「灰王家の怪人」読了。自分の出生の秘密を知るため鳴女村を訪れた慶四郎はひょんなことから既に廃業した温泉旅館灰王館に滞在することになる。そこで彼は女将の娘、綾香から十三年前に灰王家の座敷牢で起きた奇妙なバラバラ事件の話を聞くが、それから間もなく同じ座敷牢で再び事件が起こる。
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posted at 12:31:55
2011年06月06日(月)
まあ今回は天才型犯人が相手ではないからそれでも良かったのかもしれないが、従来のスタイルを崩してまでやりたかったことが「麒麟の翼」と丸被りなのはいただけない。巧みな筆致で読ませる作品なのは確かだが、ミステリとしては正直物足りなかったと言わざるを得ない。
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posted at 19:50:42
というか、そもそも子供嫌いであるはずの湯川がたまたま知り合った少年のことを何かと気にかけるというストーリー展開からしておかしいのだけど、それよりも納得がいかなかったのは前二作に比べてミステリ部分にそれほど重点が置かれていないことだった。
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posted at 19:49:20
シリーズ前作「聖女の救済」が毒殺ものの傑作だったこともあり個人的には大いに期待していたのだけど……結論から言うと湯川長編と言うより「麒麟の翼」を読んだような印象だった。これまでの湯川長編と言うと「天才型犯人対名探偵」というスタイルだったが、本作ではそれを大きく崩している。
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posted at 19:46:13
東野圭吾「真夏の方程式」読了。美しい海辺の町で夏休みを過ごすことになった少年。その少年が滞在する旅館には物理学者の湯川もいた。やがて一人の男が変死体となって発見される。最初は単純な事故と思われたが被害者が元警視庁の刑事であることが明らかになった途端、事件は思わぬ方向へ動き始める。
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posted at 19:45:18
2011年06月05日(日)
ちなみに作者はあとがきで「本気で書いてないこの小説は、おもしろくもなんともありません」と言っているが、とんでもない。本作は胸を張って面白いと言える児童向けミステリ作品である(下ネタ多めだけど)。
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posted at 21:18:59
更にはその読書会で自作を取り上げ、ボロクソにけなすなんていう自虐ネタまで用意するサービス精神には脱帽というしかない。またミステリとしては幽霊騒動よりも個人的には大胆過ぎるカンニングの手口の方に驚かされた。
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posted at 21:17:20
児童向けミステリにしてエロミスの快作(爆)。 まあエロ要素はシリーズ前二作にもあったけれど、声を出して笑ってしまったのは本作が初めて。読書会で男子生徒全員にポルノ小説を読ませ、しかも何も知らない女子生徒に音読までさせるなんて色々な意味で飛ばし過ぎだと思う(笑)。
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posted at 21:15:39
蘇部健一「ふつうの学校3 朝の読書はひかえめにの巻」読了。ぼくの名前は外池明。青陽小学校5年生。6月も終わりになって、クラスでは『朝の読書』で何を読むかで大騒ぎ。おまけに屋外トイレでは幽霊が出没。担任の稲妻先生もカンニングありのテストを行うとかとんでもないことを言い出して……。
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posted at 21:13:56
やられた。児童向けと思って甘く見ていたらものの見事に騙されてしまった。といっても、この「やられた」というのはタイトルにあるブラジャー盗難事件の方ではない。主人公はある時、憧れの女の子からお祖母ちゃんの初恋の人探しを依頼されるのだが、そこに作者は一つの罠を用意している。
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posted at 21:11:47
蘇部健一「ふつうの学校2 ブラジャー盗難事件の巻」読了。ぼくの名前は外池明。青陽小学校5年の生活にも慣れてきたけど担任(であり変人)の稲妻先生が家庭訪問で我が家にやってくるらしく凄く不安。おまけにプール開きの日には女子のブラジャー盗難事件が発生。その疑いがぼくにもかけられて……。
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posted at 21:09:43
本作に出てくる人間消失の謎や、ドンジャラ、班決めドラフト会議(!)におけるイカサマの真相はどれも他愛のないものだが、伏線の張り方はさすがミステリ作家らしく堂に入ったものだ。児童向け作品だが、大人が読んでも問題なく楽しめる作品だと思う。
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posted at 21:08:29
あの蘇部健一が書く児童向けミステリというと不安に思う人もいるかもしれないがこれがなかなかどうして真っ当な作品に仕上がっている(まあ所々に見られるしょーもないネタはどうしようもなく蘇部健一だけどw)。あとがきで作者は本作について謙遜しまくっているが個人的には面白く読ませてもらった。
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posted at 21:07:25
蘇部健一「ふつうの学校 稲妻先生颯爽登場!!の巻」読了。ぼくの名前は外池明。明日から青陽小学校の5年生。二年に一度のクラス変えでは念願叶って憧れのナナちゃんと一緒になったのはいいけれど新しく担任になった先生がとんでもない人だった。新学期早々、様々な事件に巻き込まれることに……。
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posted at 21:06:10
2011年06月04日(土)
最後に明かされる殺人事件の真相も登場人物の少なさが裏目に出てしまい、意外性に乏しい。むしろこの作品はミステリ部分よりもノスタルジックな雰囲気や少年と男の心の触れ合いに注目して読んだ方が吉かもしれない。
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posted at 19:06:59
谺健二「新・煙突綺譚」(「新世紀『謎』倶楽部」収録)読了。衆人監視の中、倒壊した煙突に巻き込まれた筈の殺人容疑をかけられた男が、忽然と姿を消してしまうという謎は申し分ないが、この解決はいただけない。奇跡というより個人的にはご都合主義的な印象を受けてしまった。
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posted at 19:06:09
ただの演出に過ぎないと思っていたアレが重大な伏線であることを知った時は、あまりの大胆さに思わず笑ってしまった。だが、それよりも感銘を受けたのは事件の構図である。普通にやったらバカミスにしかならないところを絶妙なバランスで踏み止まっているのが素晴らしい。
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posted at 00:43:49
ビルの屋上から飛び降りたアイドル歌手が地面に墜落する前に消失、その三十時間後に遠く離れた巨大なクリスマスツリーの上でバラバラ死体となって発見されるという冒頭の謎も魅力的だが、真相の方も実によく練られている。
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posted at 00:42:30
谺健二「殉霊」読了。谺健二には大作と言うべき作品が二つある。一つは「赫い月照」。そしてもう一つが本作である。但し両者には決定的な違いがある。それは「赫い月照」が現実の悪意にミステリ部分が呑み込まれてしまった問題作であるのに対し本作はミステリ部分においても傑作であるという点である。
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posted at 00:41:29
2011年06月02日(木)
個々の短編の出来にはバラツキがあるものの、基本的にどの事件も震災が大きく関わっている。ある時はトリックとして。ある時は動機として。その使い方はさながら異世界本格的と言ってもいいだろう。ベストは「紙の家」。二段構えの密室トリックと一枚の写真から明らかになる構図が印象深い一編である。
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posted at 17:09:07
谺健二「恋霊館事件」再読了。仮設住宅での幽霊騒動、紙で作られた家の密室殺人、呪いの椅子に纏わる殺人事件、遠隔殺人機による奇妙な殺人、いわくつきの異人館の消失……震災後の神戸で起こった五つの不可解な事件に、私立探偵の有希真一と振り子占い師の雪御所圭子のコンビが挑む。
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posted at 17:07:30