麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年06月21日(火)
次点はお馴染みのシリーズ探偵・音宮美夜が密室を作り上げた犯人と心理戦を繰り広げる天祢涼「楢山鍵店、最後の鍵」。逆にワーストは麻生荘太郎「寒い朝だった 失踪した少女の謎」で、申し訳ないがこの作品に関しては何がやりたいのかよく分からなかった。
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posted at 22:07:50
思わぬ所から密室が瓦解しそこから導き出されるロジックで一気に意外な犯人が明らかになる怒涛の展開は他の執筆陣を圧倒的に凌駕している。何から何まで計算された、無駄な部分が一切ない構成には脱帽するしかない。ぶっちゃけこのアンソロジーは大山誠一郎のためにあると言っても過言ではないだろう。
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posted at 22:06:08
二階堂黎人編「密室晩餐会」読了。本作は密室をテーマにした書き下ろし短編六本と中編一本が収録されたアンソロジーだが結論から言うと大山誠一郎の圧勝だった。殆どの作品が密室を単なるシチュエーションの一つとして扱っているがそれを最も上手く活かしたのが大山誠一郎「少年と少女の密室」だろう。
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posted at 21:59:13
エピローグから始まる展開に最初は首を傾げる人もいるかもしれないが、読み終わると成る程と納得する一方で、巧みに計算された蘇部作品らしからぬ(!)構成に驚くに違いない。自信作と作者が語るだけのことはある作品だと思う。
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蘇部健一「恋時雨」読了。一言でいうと蘇部版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。これまでに作者は何度かSF作品を発表しているがその中でも本作は「届かぬ想い」と並ぶ完成度の高いSFに仕上がっている。「届かぬ想い」を良質のバッドエンドSFであるとするなら本作は良質のハッピーエンドSF。
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2011年06月20日(月)
それでいて、犯人当てクイズに特化しすぎて小説としては全く面白くないという欠点を抱えている(その点では倒叙物の方がまだマシかもしれない)。鮎川哲也の犯人当てと言うと「達也が嗤う」や「薔薇荘殺人事件」クラスを期待していた自分にとっては残念ながら本作は期待ハズレな作品集だった。
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posted at 18:23:44
鮎川哲也「貨客船殺人事件」読了。本作は犯人当て推理傑作集とあるが、収録された九編のうち犯人当てと言えるのは五編で残りは全て倒叙物になる。そして、どの作品も傑作とはお世辞にも言い難い。というのも、ミステリ的にはどれも小粒過ぎて、かなり物足りないのだ。
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2011年06月18日(土)
その真相は士郎正宗の美麗なイラストと共に示されるが、その時の衝撃は正に「日常が一変する」という例えが相応しい。圧倒的奇想と胸躍るボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーが見事に融合した本作は「摩天楼の怪人」と並ぶ、島田荘司の近年の傑作である。
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posted at 18:23:05
「大地を揺るがす圧倒的な奇想」というキャッチコピーに偽りなし。大河ノベル「Classical Fantasy Within」第八話にあたる本作は独立した物語としても楽しめる島田荘司にしか書けない本格ミステリである。本作で扱われる謎――それはハロゥウイン・ダンサーという街の正体だ。
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posted at 18:17:05
島田荘司「ハロゥウイン・ダンサー」読了。空から太陽が消え世界から風が失われた季節のない街、ハロゥウイン・ダンサー。様々なルールが支配するその街で生きるエドとメラニーはいつしか自分たちがいる街の正体に興味を抱き始める。絶対に開けてはならない「雲の門」が開いた時、日常が一変する――。
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2011年06月17日(金)
発想としては悪くないが、この一発ネタでこれだけの長編を支えるのはさすがに無理がある。現に上巻の冗長さにはかなり閉口した。あとがきで作者はこれを書いた年は九作も出したと多作ぶりをアピールしているが、できれは次回作ではもう少し時間をかけて作り込んだミステリを読ませてほしいと思う。
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舞阪洸「青屋敷殺人事件」読了。「妄想」によって引き起こされる事件を解決する「壊し屋」翔子シリーズの二作目。前作が孤島が舞台だったのに対し、本作の舞台は嵐の山荘。しかも上下巻とくれば否応なしに期待は高まるが、残念ながらその期待に応えるような内容だったとはお世話にも言い難い。
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posted at 19:32:05
トリックにしても盲点を突いたというよりアレが外れることにビックリした。むしろ個人的に評価したいのは後者の方で何故燈馬たちが呼ばれたのかという理由に「グランドツアー」の意味を絡めた点が秀逸。そして人物設定を活かしたオチの付け方もまた素晴らしい。構成の上手さが光る秀作だと思う。
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posted at 10:01:51
「Q.E.D.」39巻読了。今回はオンボロアパートの開かずの間で起きた大家の首吊り事件に端を発する「ああばんひるず6号室事件」と『ボイジャー計画』に携わった燈馬の恩師が妻の命日を前に失踪、その真意に迫る「グランドツアー」の二本を収録。前者は大家の死の真相にまず脱力(苦笑)。
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2011年06月15日(水)
また本作に仕掛けられたトリックに関しては目新しさこそないものの、思った以上に伏線が張られていて好印象。田代裕彦「痕跡師の憂鬱」シリーズ同様、レーベルの特色を上手く活かしたミステリだと思う。あと妹好きの人にはお勧めのエロミスである点も個人的にはポイント高し(爆)。
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posted at 16:58:08
現実を侵食する「妄想」によって引き起こされる事件を解決する「壊し屋」翔子シリーズの一作目。基本的にはオーソドックスな孤島物(しかも読者への挑戦付き)だが、「妄想」というファンタジー設定が本作をバカミスたらしめている。特に島が消失した真相には思わず笑ってしまった。
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posted at 16:56:26
舞阪洸「万年島殺人事件」読了。横一列に並んだ二つの島「千年島」と「万年島」。樟葉学園ミステリー研究会の面々が合宿先である万年島の別荘にやって来た翌朝、何と千年島が忽然と消えてしまうという信じられない事態が発生する。そして、それを皮切りに外界から隔絶された万年島では惨劇が……。
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posted at 16:55:27
ミステリとしてみると正直イマイチな感は否めないが、長編のように中弛みすることなくテンポ良く読めるので、何か軽いものが読みたいという人には丁度いいのかもしれない。
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posted at 11:36:56
眉目秀麗な行動派探偵・荒城と学ランを着た義手探偵・真野原が活躍するシリーズの三作目。本作は作者初の連作短編集だが、ベタな冒険活劇物というスタンスは長編の時と変わらない。むしろ、短編の方がよりそれに拍車がかかっているような印象がある。
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posted at 11:35:46
山口芳宏「蒼志馬博士の不可思議な犯罪」読了。弁護士の私が密かに想いを寄せていた女性、綾子が姿を消したことが事件の発端だった。彼女は姿を消す前に米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた。一方、戦時中、数々の兵器を開発した天才科学者、蒼志馬博士を名乗る人物から米軍宛てに脅迫状が届く。
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posted at 11:33:47
2011年06月14日(火)
また物語としても、長々引っ張った割にあっさりし過ぎだったり、ご都合主義的な面が目立っていたのが残念でならない。折角の最終巻なのに微妙な感想になってしまった。
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明月千里「月見月理解の探偵殺人5」読了。このシリーズも今回をもって完結。タイトルに惹かれて買った一巻が思いの外面白かったのでここまで読んできたわけだが、結局ニ巻で感じた問題点(ミステリ的意外性も緊迫感もない、ただ複雑なだけのデスゲーム)を最後まで克服することなく終わってしまった。
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posted at 20:13:41
2011年06月12日(日)
個人的には良くできたパスティーシュ物とは元の作品の雰囲気を忠実に再現した上で、どれだけその作家の個性が発揮できるかで決まると思っている。その基準に当て嵌めて言うのであれば、本作は些か詰め込み過ぎなきらいはあるものの、作者の個性が実に良く活かされたパスティーシュ物の逸品である。
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posted at 10:53:03
金田一耕助のパスティーシュ物にしてどうしようもなく小川勝己な作品。本作は中盤までは金田一耕助作品を踏襲しているが、犯人が明らかになり動機の話になった途端、一転して小川勝己の独壇場になる。この狂いつつもどこか哀愁を感じさせる事件背景こそ小川勝己という作家の最大の特徴だと思う。
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posted at 10:51:10
小川勝己「愛の遠近法的倒錯」読了。岡山にあるSという村ではかつて小松崎家と藤平家という二つの勢力が対立していたが、ある出来事をきっかけに藤平家は没落し小松崎家の天下となった。だが終戦間もなく小松崎家の当主が割腹自殺を遂げたのを機に凄惨な連続殺人が発生。金田一耕助が事件に挑む。
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2011年06月11日(土)
しかも最後の短編に至ってはミステリですらない。とはいえ幾つか短編を読む限り、それなりのミステリセンスは感じられたので、引き続き次回作も読んでみたいと思う。
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posted at 19:09:15
本作は四つの短編から成る連作学園ミステリである。但し、それはあくまで広義の意味であって、狭義の意味でミステリかと言われると正直首を傾げざるを得ない。確かに本作はミステリの手法を用いてはいるものの、それ以上のものはなく手法のみで終わってしまってる感が否めないのだ。
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posted at 19:08:26
玩具堂「子ひつじは迷わない」読了。生徒会が毎週水曜日の放課後に第三会議室にて生徒たちの悩みを聞き、解決する相談会「迷わない子ひつじの会」。そこに持ち込まれる様々な悩みを解決するのは生徒会の精鋭メンバー……ではなく、その隣の資料室に居座る文芸部の幽霊部員、仙波明希だった。
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posted at 19:06:21
2011年06月10日(金)
事件の内容自体は派手さに欠けるものの、作者が知力の限りを尽くし、フェア・プレーで臨んだと語るだけあって、手堅い出来には仕上がっていると思う。我こそはと思う読者は、作者の仕掛けたこのゲームに挑戦してみてはいかがだろうか。
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posted at 19:32:46
ラノベレーベルから出たとは思えないくらい、キャラ萌え要素皆無の作品である。しかも物語の大半は『推理ゲーム』に費やされているため、ラノベ読者にとっては極めて地味な作品と言えるだろう。だが、それは言い換えれば、作者がそれだけ真面目に『推理ゲーム』に取り組んでいる証拠でもある。
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村瀬継弥「僕の推理とあの子の理屈」読了。高校2年の夏休み。ひと夏を楽しく過ごそうと二木平村を訪れた僕を待っていたのは、お正月に起こったある密室殺人を巡る『推理ゲーム』だった。事件当時、現場に人が出入りした形跡はなく、被害者と二人きりだった男の手には凶器の紐が握られていたという。
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posted at 19:30:02
「走りもしない列車によって轢き殺された男」という謎は魅力的ではあるが、個人的に惹かれたのは犯行方法よりもむしろ、その動機である。ミステリとしてはどうなのかという気がしないでもないが、そこに込められた作者のメッセージにはなかなか興味深いものがある。
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posted at 19:27:56
辻真先「ローカル線に紅い血が散る」読了。トラベルライター瓜生慎の恋人、真由子は大学の友人、鞠子から恋の助っ人を頼まれる。何でも鞠子と今の恋人の交際に父親が強硬に反対、有力議員の息子を押し付けられているという。そんな折り、廃止されたローカル線で鞠子の父親が轢死体となって発見される。
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posted at 19:27:10