麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年06月30日(木)
しかし、あとがきと題した最終章がアンチミステリであることすらも拒否して、結果「アンチミステリに似た何か」というよく分からない評価に。ある意味「奇書」と呼ぶに相応しい作品かもしれない。
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posted at 18:06:58
アンチミステリに似た何か。それが本作に対する率直な自分の感想だった。昭和軽薄体という変わった文体を採用した本作は一見、本格ミステリをパロディ化したユーモアミステリーのように思えるが、その真相はユーモアミステリーにしては極めて重く、どちらかと言えばアンチミステリに近い印象を受ける。
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posted at 18:03:32
橋本治「ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件」読了。テレビで見た横溝正史の金田一耕助物の影響で「我が家にも恐ろしいことが起こる」と怯えた鬼頭千満は優秀な探偵を呼ぶことを要請。かくして鬼頭家を訪れることになった僕だったが、その直後に千満は何者かに絞殺されてしまう。
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2011年06月28日(火)
とはいえ、これだけ入り乱れた物語をさらりと書いてしまうあたりはさすが赤川次郎と言うべきだろう。「死体は眠らない」などの作品が好きな人なら間違いなく気に入るであろう、ブラックユーモア溢れる逸品である。
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本作はタイトルにもある通り、「いつ」「誰が」殺されるのか?に主眼が置かれた作品である。といっても本作は推理してそれらを突き止めていくといった話ではない。きな臭い雰囲気が漂う中、運命の悪戯によって次々と人が死んでいくその展開はミステリというよりドタバタサスペンスといった方が正しい。
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posted at 16:42:08
赤川次郎「いつか誰かが殺される」読了。大財閥永山家の当主志津の70回目の誕生日を祝うべく続々と関係者が集まっていた。志津の家族は勿論のこと、脱獄した殺人犯やそれを追う警部、その警部の後を追う警部夫人までも……。そして全員が一堂に会した時、今年の賭けもとい殺人ゲームが幕を開ける。
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posted at 16:40:37
それに対し第二部は一転、冒険色の強いヒロインの探偵パートになり、ここで作者はあっさりと犯人を明かして一応の決着をつける。そして、第三部は……それは各自が実際に読んで確かめてほしい。とりあえず一つだけはっきりしているのは、本作が学園ミステリの傑作ということである。
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posted at 12:25:43
赤川次郎初期に書かれた学園長編ミステリである本作は、同じく初期に書かれた傑作「マリオネットの罠」と非常に構成が似通っている。三部構成で第一部は姿なき犯人によるショッキングな殺人シーンが目を引くサスペンス。
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posted at 12:24:11
赤川次郎「死者の学園祭」読了。「真知子、ねえ、真知子。――ここよ、ここよ!」校庭にいる真知子にそう声を掛けた後、クラスメイトの由子は校舎四階のベランダから飛び降りて命を絶った。その後、真知子は別の学校へ転校することになるが、その転校先で今度は謎の連続殺人に巻き込まれることに……。
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2011年06月27日(月)
またミステリ的にもかなりしょぼく、一つの作品集でまさか同じネタを全く同じパターンで二回見ることになるとは思わなかった(爆)。とはいえ「京都奈良殺人旅愁」でのイロモノバトル展開は結構好みではあるので、引き続きこのシリーズは追い掛けてみたいと思う。
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posted at 21:52:50
但し出来の方はかなりアレで、例えば粗筋にもある最初の短編「小豆島殺人旅愁」は紫水警部が何一つサイボーグらしい能力を発揮することなく普通に事件が解決、読者を違う意味で愕然とさせる(さすがに作者もこれはマズイと思ったのか続く中編「京都奈良殺人旅愁」では一転、紫水警部が大活躍するが)。
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posted at 21:50:49
……という粗筋だけ見るとありがちな旅情ミステリだが、冒頭ニベージ目にいきなり出てくる「サイボーグ」という単語に大半の読者が度肝を抜かれることとなるだろう。……そう、本作はサイボーグ警官(!)の紫水警部が活躍する中編一本、短編ニ本から成る「旅愁」シリーズの作品集なのである。
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posted at 21:49:43
斎藤栄「京都瀬戸内殺人旅愁」読了。瀬戸内海に浮かぶ小豆島に住む、沢美鈴警部補の旧友の父親が自殺を仄めかす書き置きを残して失踪した。それから間もなく、横浜本牧で父親と思しき無惨な焼死体が発見される。早速美鈴は小豆島に飛ぶが、事件の背後には宝の在りかを記した古文書の存在が……。
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posted at 21:47:56
2011年06月26日(日)
トラベルミステリっぽいタイトルとは裏腹に散歩する死体、幻の女、一夜にして消えたバー等々本格ミステリらしい謎が幾つも登場する作品。その解決も斬新さはないが極めて堅実。犯人を絞り込むロジックについても特に不満点はない。また物語としても適度に展開を持たせて飽きが来ない作りになっている。
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posted at 15:12:31
高柳芳夫「津軽富士殺人事件」読了。推理作家の朝見は当初の計画通り、プレイボーイのギーノ・ラーベを弘前城の濠に突き落として殺害した。だが翌朝、驚くべき事実が朝見を打ちのめす。何と、濠に沈んだはずのラーベが数キロ離れた奥羽本線の線路上で轢死体となって発見されたのだ。
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posted at 15:10:31
2011年06月25日(土)
ベストはバスティーシュ、ミステリ共に高いクオリティを維持しつつ、自分の個性を思う存分発揮した小川勝己「愛の遠近法的倒錯」。その他では金田一愛というより横溝愛に満ちた京極夏彦「無題」や、どこか東野圭吾「名探偵の掟」を彷彿とさせるギャグ作品の北森鴻「ナマ猫邸事件」が印象に残った。
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posted at 17:42:42
京極夏彦他「金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲」読了。タイトルにある通り金田一耕助をテーマにした九編の短編が収録されたミステリアンソロジー。中にはどうしてこの人が執筆陣に選ばれたのか首を傾げたくなる出来の短編もあるものの収録作の大半は充分金田一愛の感じられるものに仕上がっていると思う。
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posted at 17:41:52
2011年06月23日(木)
あとがきによると推薦者の竹本健治からは「本作品は破綻しているからこそ最大の価値がある」との賛辞を頂戴したとのことだが、それは失敗作に対する竹本健治なりの慰めなんじゃなかろうかと思ってしまうのは多分自分だけではないだろう。個人的には奇書とは狙って書くものではないと思う。
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posted at 18:56:01
本作は「匣の中の失楽」や「虚無への供物」を意識しているだけあって作者の気迫がひしひしと感じられるが、逆に言えば「それだけ」しかない作品。終盤に至っては作者がこれでもかと傍点を振る度に読者の方はどんどん萎えていく。作者の狙いが壮絶なまでに空回りしている典型例と言っていいだろう。
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posted at 18:53:27
篠田秀幸「蝶たちの迷宮」再読了。密室状態の部屋から突如聞こえた女の悲鳴。だが鍵を開けて中へ入ると、そこには女の姿はなく首に白い紐が巻かれた男の死体が転がっていた。一方、その六週間前には同人誌に『蝶』という短編小説を寄稿した少年が不可解な死を遂げていた。果たして、両者の関連は?
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posted at 18:52:40
ただ本作を読む限りミステリ部分はオマケに過ぎないのだろうなという気もする。作者が書きたかったのは百人一首と絡めたネタの方であってミステリ部分はそれを盛り上げる為の装飾に過ぎない。でもそれだったら最初からミステリとして書くなよと思ってしまうあたりが本作のダメミスたる所以なのだろう。
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posted at 01:56:51
あらすじで完全密室を謳っているものの、正直この真相は噴飯物と言っていいだろう。仮にこれを成立させるならもっと徹底的に下地を作らなければいけないところを作者は突貫工事で済ませてしまっている為、その有り得なさにもはや脱力するしかない。
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posted at 01:55:25
湯川薫「百人一首 一千年の冥宮」読了。ニューヨークに住む隼と真紀の許に届いた不気味な封書。中には百人一首の歌が血書されたタロットカードが入っていた。それから数ヶ月に渡り五通の封書が届いた後完全密室と化した部屋の中で隼の弟分・次郎が謎の言葉を残して死亡、真紀もまた姿を消してしまう。
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posted at 01:54:05
2011年06月22日(水)
むしろ表題作よりもオマケの短編の方が出来がいいと思っているのは多分自分だけではないだろう。自分が読んだのは文庫版なのでボーナス・トラックを含めた倒叙物の短編三本が収録されているが、どれも表題作より確実に面白い(爆)。やはり蘇部健一はアリバイ崩しより倒叙物の方が向いていると思う。
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posted at 17:41:33
タイトルからも分かるようにアリバイ崩しに真っ向から挑んだ本作は、双子を使ったアリバイトリックであることを堂々と宣言した上でこちらの予想を裏切ってみせるという離れ業を見せてくれる……のだけど、いかんせん見せ方が下手過ぎて凄いことをやっているようには全く思えないのが難点か(爆)。
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posted at 17:40:08
蘇部健一「長野・上越新幹線四時間三十分の壁」読了。新潟のマンションで殺された男はお天気お姉さんとして人気を誇る遠藤玲奈の双子の妹、安奈の恋人だった。警察は安奈を疑うが彼女には鉄壁のアリバイが……。数日後今度は長野で玲奈の夫が殺され玲奈が疑われるが彼女もまた鉄壁のアリバイがあった。
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posted at 17:39:19
作中で作者は何度も本作の謎を整理し、これみよがしに提示してみせるが、それをまともに取り合っていたらバカを見ること間違いなしである。また困った時の神頼みよろしく、新興宗教という設定をあまりに都合よく使いすぎている点も気になる。
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posted at 13:18:52
ミステリだと思って読んだら何か別のものだったというのは湯川作品の常だが本作はこれまで自分が読んだ湯川作品の中では最もミステリしている作品である。とはいえそれも終盤になるとミステリ部分は見事なまでに放棄され、代わりに台頭する新興宗教とトンデモ科学のコンボでかなりゲンナリさせられる。
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posted at 13:18:06
湯川薫「Dの虚像」読了。道行く人々の目前で起きた奇妙な女子高生誘拐事件。捜査に乗り出したサイバー探偵・橘三四郎は誘拐された少女の父親宛に送られてきたDNA暗号で書かれた脅迫文を解明し、少女を無事救出した。だが、それから間もなく少女の父親が密室で串刺しにされた無残な姿で発見される。
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posted at 13:17:22