麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年08月30日(火)
本作で自分が最も評価しているのは密室の扱い方、そして密室から消えた「幻の男」の正体である。どのようにして密室を作ったのかというも直球パターンも嫌いではないが、個人的にはこういう変化球の方が断然好み。怪奇部分はオマケと割りきれば、なかなかの良作だと思う。
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posted at 18:57:25
シリーズ前作「i(アイ) 鏡に消えた殺人者』に引き続き「怪奇と本格推理の融合」を試みた本作だが、前作に比べるとお世辞にも上手くいっているとは言い難い。だが本格推理単体として見た場合、出来はこちらの方が上だろう。
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posted at 18:56:17
今邑彩「『裏窓』殺人事件」再読了。三鷹にある九階建てのマンションで起きた女性の墜落死。向かいのマンションに住む少女は被害者の部屋の窓に男の姿を目撃したと証言するが、奇妙なことに部屋は密室状況にあった。それから暫くして中野で女子大生殴殺事件が発生。三鷹の事件と思わぬ繋がりを見せる。
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posted at 18:55:54
これといって突出したものはないが定番のネタを上手く活かした、お手本のような作品である。事件の真相に関しては作者の丁寧過ぎる伏線が災いして恐らく殆どの読者が途中で読めてしまうかもしれないが、その欠点を巧みな構成が絶妙にカバーしている。ある意味、安心感のある作品と言えるかもしれない。
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今邑彩「赤いべべ着せよ…」読了。鬼女の伝説が残る町に娘を連れてニ十年ぶりに帰郷した千鶴は、幼馴染みの一人の幼い娘が扼殺されて古井戸に投げ込まれたことを知る。それはニ十年前に起きた殺人事件と全く同じ状況だった。やがて、他の幼馴染みの子供たちも次々と何者かに殺されていく。
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2011年08月26日(金)
言うなれば、本作は「殺人鬼フジコの衝動」の変奏曲なのだ。ただしイヤミス色はだいぶ抑えめであり、そのせいか「フジコ」のような衝撃性はあまり感じられなかった。とはいえ、これはこれで面白かったと思うので続編の登場にも大いに期待したい。
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posted at 22:56:14
いかにもミステリらしい粗筋を見るととても真梨幸子の作品とは思えないが、いざ読み終わってみると基本的にこの作家のスタンスは変わらないことが分かる。マレー警部の地道な捜査が明らかにしていくのはジャンヌという哀れな女の一生であり、事件の構図は人間のどす黒さを浮かび上がらせる。
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真梨幸子「パリ黙示録 1768 娼婦ジャンヌ・テスタル殺人事件」読了。フランス革命が起こる二十一年前のパリ・セーヌ河畔で娼婦ジャンヌが惨殺死体で発見された。このあまりにも残忍な殺人を犯したのは何かと醜聞の絶えないあのサド公爵なのか? 貴族の監視任務に当たるマレー警部が事件に挑む。
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2011年08月25日(木)
とはいえ、それでここまで話が纏まっていれば上等。ただ友成作品らしいぶっ飛んだ展開はないので、そういった点を期待するとちょっと物足りないかもしれない。ちなみに本作には続編もあるそうなので是非とも読んでみたいが、問題はそれを見付けられるかどうかということ……。
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posted at 09:38:59
エログロ鬼畜満載の冒険ファンタジー、しかも友成純一なのに(!)ちゃんと話として成立している奇跡のような作品。やればできるじゃないか、友成先生! ……でも「黄金竜伝説」で初めて考えて話を書くようになったと語っていたのを考えると、多分この作品も勢いだけで書いたんだろうなと思われる。
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友成純一「邪神殿の少女」読了。腰まで伸びた黒髪と黒い瞳、男並みの身長と妖艶な肢体を持ち合わせた凄腕の女戦士・フレア。彼女は路銀を稼ぐために立ち寄った悪徳の街・ソドムで、有力者の娘・シャラの護衛として雇われていたが、そのシャラを守り切れなかったことから追われる身となってしまう。
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posted at 09:37:38
2011年08月24日(水)
それまで無茶苦茶だとばかり思っていた真相がエピローグで一転、納得できてしまうだなんて早々あるものではない。ただし、これは一作目から野崎まど作品を読んでいる人間にしか通用しない手だろう。野崎まど初心者には全く勧めないが、逆に「[映]アムリタ」からの読者には強くお勧めしたい。
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posted at 21:51:49
これまでの野崎まどはジャンルの越境を駆使して意外な真相を演出してきたが本作ではそれを封じ不可思議な現象に対し現実的な解決を試みている。しかしながら提示された真相は納得できかねるものであり正直本作はハズレかなと思っていたのだが……まさか最後の最後でこういう手でくるとは思わなかった。
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posted at 21:51:12
野崎まど「パーフェクトフレンド」読了。しっかり者の小学四年生・理桜はある日、担任の千里子先生からの頼みで不登校の少女・さなかの家を訪ねる。出迎えたさなかは、何と大学の勉学すらも身に付けた天才少女だった。学校に行く価値を感じないと言う彼女に理桜は友達と学校の大切さを説くが……。
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posted at 21:50:40
後半のポカーンとする展開に関しては友成作品ではもはやお馴染みなので別にどうこう言うつもりはないが、せめてそうする前に「凌辱の魔界」の鬼道や「聖獣都市」の陣内ほどではないにしろ、特殊部隊にもう少し活躍の場を設けてほしかった。
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posted at 14:59:49
事態を収束させるべく重武装の特殊部隊が送り込まれ、さあ次はいよいよ殺人鬼との血みどろのバトルだ!と友成ファンなら誰しも思うかもしれないが、残念ながら本作にそんなものは存在しない。何故か突然異空間化するのはまだいいとして折角の特殊部隊が何もせずに退場してしまうのが非常に物足りない。
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posted at 14:58:40
逸物をいきり立たせた全裸の大男が殺戮の限りを尽くす前半部がまず素晴らしい。このぶっ飛んだ展開に全国ウン千人(推定)の友成ファンは間違いなく狂喜乱舞するだろうが同時に一抹の不安が頭をよぎることだろう。「友成先生、最初からこんなに飛ばして大丈夫?」と。そしてその不安は見事に的中する。
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posted at 14:57:53
友成純一「殺戮幻魔楼」読了。七人の男女を素手で惨殺した殺人鬼〈キング・キラー〉が高層マンション〈シャトー成城〉に立て籠った。〈シャトー成城〉の警備を担当する〈東海警備保障〉はすぐさま重武装の特殊部隊を送り込むが、そのマンションの内部は何らかの力により異空間と化していた……。
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posted at 14:57:14
2011年08月22日(月)
だが、そのドラマにしても作者の独特な語り口が邪魔をして、最後まで乗りきれないまま終わってしまった。この作家の作品を読むのは本作が初めてだったが、どうも自分には合わないようだ……。
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posted at 17:40:27
本作の帯には「鬼才が仕掛ける今年度No.1の戦慄と謎」とあるけれど、実際の内容はというとそこから期待されるような話とはかなりかけ離れている。「死」のゲームと言っても熾烈な頭脳戦もなければサスペンス要素があるわけでもない。あるのは事件に巻き込まれた人間たちの懺悔のドラマだけである。
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posted at 17:40:00
東山彰良「ファミリー・レストラン」読了。金持ちの整形外科医に連れられて山奥のレストランにやってきた深月。だが和やかなムードは一人の男が店内に飛び込んできたのを機に一変する。「あなたもサバイバーですか」という謎の言葉を遺して自ら首を切る主人。そして「死」のゲームが幕を開ける――。
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posted at 17:39:44
本作の真相は常識的に考えれば有り得ないだろう。しかしながら一方で、もしかしたらと思わせるものがあるのも否定できない。粗筋を見ると「殺す」というタイトルが相応しいように思えるが、読み終わってみるとやはり「RUNNING WILD」という原題の方が本質を突いているような気がする。
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posted at 00:22:06
J・G・バラード「殺す」読了。ロンドン郊外にある高級住宅地パングボーン・ヴィレッジで32人の大人が殺され、13人の子供が姿を消した。一体この街で何が起こったのか?……あくまでミステリ読みの自分としては本作をホワットダニットとホワイダニットという二つの側面から楽しませてもらった。
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posted at 00:21:42
2011年08月18日(木)
でもこれだったら、むしろ追加しない方が良かったのではないかという気がしないでもない。不満は多々あるが、唯一ラスト一行だけはシリーズ読者にとって嬉しいサプライズと言えるだろう。
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posted at 18:40:45
しかも前者のアリバイトリックは短編向けの小ネタだし、後者の猟奇事件にしても真相はありきたりで本格ミステリ要素は希薄と言わざるを得ない。恐らくアリバイトリックを思い付いたのはいいが、それだけだとボリューム不足なのでとりあえず適当に事件を一つ追加してみたといったところなのだろう。
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posted at 18:39:53
名探偵・水乃サトルの社会人編シリーズ最新作。今回はアリバイトリックの絡んだ銃殺事件と若い女性ばかりを狙った連続猟奇殺人という二つの事件を扱っているが、一見無関係と思われる二つの事件が実は……という展開になるかと思いきや、本当に無関係だったのにはある意味びっくりしてしまった。
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posted at 18:39:22
二階堂黎人「東尋坊マジック」読了。旅行代理店勤務の名探偵・水乃サトルと部下の由加里はツアー企画の下見でやってきた東尋坊で銃殺事件に遭遇。一方、サトルと懇意にしている馬田刑事は二十年以上にわたり日本海各地で発生している殺人鬼〈冥妖星〉事件の捜査に当たっていた――。
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posted at 18:38:40
2011年08月17日(水)
金目当てに殺人を犯した男が、盲目の子供が作った粘土の犬によって追い詰められていくという筋立てのこの短編は、収録作で唯一ブラックな味わいだが、個人的にはこういう形の方が小粒さをあまり感じさせず、むしろさりげない巧さとしてアピールできるように思う。
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posted at 16:14:07
仁木悦子「粘土の犬」読了。仁木兄妹物が三編、ノンシリーズ物が二編という構成のミステリ短編集。トリック自体はどれも小粒だが、小道具を効果的に使った丁寧な出来で好感が持てる。特にその小道具の使い方が最も秀逸だったのはやはり表題作だろう。
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posted at 16:13:05
2011年08月16日(火)
一見誰の目から見ても明らかな事件の構図が後半ガラリと一変する様は実に鮮やか。加えて男を嵌めるために犯人が仕組んだ罠の全貌には慄然とせずにはいられない。自分は残念ながら犯人については途中で分かってしまったが、それでも何故犯人がそうするに至ったのか、その背景に関しては非常に感心した。
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posted at 22:10:58
戸川昌子「猟人日記」読了。若い女を獲物と称し、次々と食い物にしてはその結果を「猟人日記」と題したノートに記録していた男が巻き込まれた連続殺人。被害者はいずれも彼の獲物となった女たちだった――。デビュー作「大いなる幻影」と同じく、本作も構成がまず秀逸。
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posted at 22:10:14