麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年03月31日(土)
読めたと思った展開は作者の用意したミスリードであり、無駄な描写と思われた部分はきちんと伏線として回収される。密室トリックも逆転の発想とも言うべきものでなかなか面白い。但し、あのダイイング・メッセージの解釈はちょっといただけない。また、かなりやの童謡がただの演出に過ぎないのも残念。
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posted at 18:17:34
正直言うと自分は本作のことを完全に見くびっていた。展開は先が読めるし、無駄な描写は多いしで、これはぶっちゃけハズレだなと思っていたのだけど、その考えは最後の最後で見事にひっくり返された。多分、自分の考えることは全て作者の計算通りだったに違いない。
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posted at 18:16:35
斎籐栄「金糸雀の唄殺人事件」読了。高校時代に同級生・柳瀬を生き埋めにして逃げた五人組に五年後、母校の寮に呼び出す手紙が届いた。罪の発覚を恐れた五人は急ぎ寮へ向かうが、その先で仲間の一人が謎の失踪を遂げる。そして今度は密室殺人が……。果たして柳瀬が生きていて復讐を企てているのか?
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posted at 18:15:58
仮にそのミスディレクションに引っ掛からなかったとしても、盲点をついたもう一つの罠が読者から犯人を遠ざける。本作もまた密室を扱った他の大山作品同様「どうやって密室にしたのか?」ではなく「何故密室だったのか?」に拘った犯人当ての秀作である。
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posted at 06:39:30
フェル博士のパスティーシュ作品。本作は目張り密室の謎が解かれると同時に犯人も導き出されるというシンプルな構造だが、その反面、作者が仕掛けた二重の罠により一筋縄ではいかないものになっている。特に秀逸なのがフェル博士のヒントがある意味絶妙なミスディレクションにもなっている点だろう。
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posted at 06:39:06
大山誠一郎「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」読了。過去に三人の妻を事故死に見せかけて殺害した疑いをかけられている男。その男と新たに結婚しようとしているコッパーフィールド夫人に警告をしようとするも時既に遅く夫人は目張りされた密室でペットの鸚鵡と共に冷たい死体となって発見される。
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posted at 06:38:51
2012年03月30日(金)
基本的に猟奇と凌辱で構成されているにも関わらず、その描写が酷く淡々としているのがかなり物足りないが、この粗筋に惹かれた人なら、それなりに楽しむことができるのではないだろうか。しかし、解説者の言うトリックなんて、一体どこにあったんだろう……。
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posted at 19:13:56
ぶっちゃけ本作は粗筋が全てを物語っていると言っても過言ではない。ただでさえツッコミどころ満載な粗筋に加えて、ヨガの修練で女陰の中に射精した精液を逆に吸い込むことができ(!)しかもその副作用で普通のセックスでは射精できなくなった(!!)とか、もうお前は何を言ってるんだ状態である。
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posted at 19:13:40
志茂田景樹「悪魔の棲む館」読了。現場に必ず指紋を残すことで知られる怪盗M207号がインドでの修業を終えヨガ道場を開設。顔も整形し別人となって暮らしていたが、内に秘めた屍姦願望に抗えず、今度は次々と女たちを殺害、凌辱したあげく乳首を切り取って持ち去るという猟奇的な犯行を重ねていく。
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posted at 19:13:18
しかし、この不必要な部分がミスリードになっているのもまた事実。本作においてミステリはオマケに過ぎないが、そのオマケでもきっちり驚かせてくれるならば、自分としては文句はない。
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posted at 19:12:54
だが終盤である事実が判明した瞬間、一転してミステリの雰囲気が濃厚になっていく。そして、探偵役の酒島警視が指摘する犯人と真相は確かに意外ではあるのだけど、それまでの展開がミステリ的に必要なのかといえば明らかに答えはノーだろう。
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posted at 19:12:28
嵯峨島昭「白い華燭」読了。かつて雪山で出会い惹かれ合いつつも告白することなく別れた男女が六年後、同じ雪山で思いもよらぬ形で再会する。だが男の方には既に車椅子の妻がいた――という昼メロさながらの粗筋を見て、どこがミステリなのかと首を傾げる人もいるかもしれない。
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posted at 19:12:00
2012年03月28日(水)
そして最後の表題作では現代本格においては定番なネタを使って綺麗に連作としてのオチをつけてくれる。構成が前作「空想オルガン」と似ているのがやや気になるものの、充分本格ミステリの水準は満たしている良作だと思う。
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posted at 23:23:02
このうち日常の謎として最も秀逸なのは「失踪ヘビーロッカー」で、読了後タイトルがダブルミーニングになっていたのには思わず笑ってしまったw ただ勘のいい人はある手掛かりが出た時点で分かってしまいそうな気もする。「決闘戯曲」は単純なネタからの話の膨らませ方が抜群に上手い。
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posted at 23:22:34
初野晴「千年ジュリエット」読了。ハルチカシリーズの四作目である本作には、幻のピアノの鍵の行方「エデンの谷」タクシーから降りようとしないヘビメタ少年の謎「失踪ヘビーロッカー」片目片腕の人間が決闘に勝つ方法「決闘戯曲」恋愛相談専門の会に隠された秘密「表題作」の四編が収録されている。
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posted at 23:21:57
加えて本作は登場人物たちのリンクの仕方が絶妙で、それが一つの結末に向かって綺麗に収束していく様は「新参者」で見せた職人芸的技巧を思わせる。あざといのに巧い――本作は正にその一言に尽きる作品である。
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posted at 19:31:19
今やすっかり感動路線に切り替えた感のある東野圭吾だが、連作短編集形式の本作もまた例外ではない。相変わらずあざとい展開を駆使し、読者の涙腺をこれでもかと揺さぶりにきているのが些か鼻につくが、あざといながらも決してワンパターンに陥らないのはさすがといったところだろう。
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posted at 19:31:01
東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」読了。空き巣狙いの三人組が一時的に逃げ込んだ先はかつて、あらゆる悩みの相談に乗ると評判の雑貨店の廃屋だった。そこで三人組はひょんなことから時空を超えて舞い込んだ手紙の相談役をする羽目に――。
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posted at 19:30:33
2012年03月27日(火)
これまでの作品同様、作者は推理小説の形を借りて野心に燃えた一人の男がひと夏の軽井沢に賭けて散っていく様を丹念に描いていく。しかしながら本作がミステリとしての魅力に乏しいかといえばそんなことはなく事件の行方が二転三転した後に明かされる真犯人の正体には誰もが唖然となるに違いない。
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posted at 18:54:53
嵯峨島昭「軽井沢夫人」読了。軽井沢にある富豪の別荘の裏庭から大学生・紫藤純一と思われる死体が発見された。酒島警視は一人被害者が軽井沢を訪れて以降の行動を洗い出していく――この作者にしては珍しく冒頭から死体が出てくるが、だからと言って真っ当に事件を追う筋になるかといえばさにあらず。
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posted at 18:53:54
2012年03月26日(月)
少女漫画をそのまま小説にしたようなキャピキャピ(死語)した描写がかなり辛いものの、話の筋は意外とまともで様々な展開を用意し最後まで読ませてくれる。その一方でミステリ的にはこれといって目を引く要素はないが、幽霊事件の真相としてはなかなか面白いものに仕上がっているのではないだろうか。
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posted at 22:48:34
黒須まりや「あなたに恋色ミステリー」読了。転校先の北ノ丸高校に伝わる七つの呪いのうち最も恐れられているのは入れば必ず死んでしまうという『あかずの講堂』。その『あかずの講堂』に呪いがデタラメであることを証明するため忍び込んだ幼馴染みの純人だったが、戻ってきて間もなく謎の死を遂げる。
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posted at 22:47:54
2012年03月25日(日)
また本作は設定もさることながらトリックも「セディ・エロル」を彷彿とさせる凝りようで、図解までしているところからも作者の気合いの程が窺える。唯一残念なのは犯人がバレバレでハウダニットの楽しみしかないことだが、この周到に計算されたトリックだけでも充分読み応えのある作品だと思う。
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posted at 16:25:44
そうなったのは恐らくあとがきで作者のいうように、単に「ロマンスが足らない」という要請を受けたためなのだろうが、それでも展開はどこまでいっても従来の「アイドルは名探偵」と変わらないのはさすがというか何というか(笑)。
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posted at 16:25:10
井上ほのかには「アイドルは名探偵」シリーズの他に、ロマン溢れる本格ミステリ「少年探偵セディ・エロル」シリーズがあるが、本作は「セディ・エロル」の設定を使って「アイドルは名探偵」をやってみた印象を受ける。
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posted at 16:24:26
井上ほのか「ロマンチックな恋したい」読了。先代城主が愛した人を探しに日本へやってきた『孤児の城』城主の美少年・エンツォ。その先代城主は六年前に密室で謎の死を遂げていた。アイドル探偵コンビの真名子と克樹はエンツォに力を貸すことになるがその矢先に再び密室で首吊り死体が発見されて――。
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posted at 16:23:38
2012年03月24日(土)
故に意外性や突き抜けたものを求めるとハズレだが、逆にとことんお約束通りの王道伝奇物が読みたい人ならば手に取ってみてもいいかもしれない。まあ考えようによっては、今どきここまでベタベタな作品は却って貴重かと。
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posted at 18:09:42
本作は始まりこそ「開かせていただき光栄です」を彷彿とさせるものの、結論からいうとミステリではなく伝奇ファンタジー、それもかなりベタなタイプの作品である。登場人物の設定から事件の真相に至るまで、どれ一つとってもお約束から逸脱することはない。
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posted at 18:09:18
田名部宗司「シャロン 死者は神を語らない」読了。少女の失踪事件が続発する19世紀末のパリ。遺体修復師として名高いシャロンの許にある日、美しい少女の死体が運び込まれてくる。それが巷を騒がせている連続失踪事件に巻き込まれるきっかけになろうとはその時のシャロンは知る由もなかった――。
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posted at 18:09:00