麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年10月16日(火)
だが、それ以上にやられたのはプロレスの新人道場での密室殺人を扱った第三話「ロープ」で、密室トリックもさることながら何より連作であることを効果的に使った仕掛けが秀逸。成る程、だから第一話からあのネタを盛り込んでいたのかと非常に納得がいった。
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posted at 15:30:32
プロレスと本格ミステリの見事な融合。その組み合わせは一見、水と油のように思えるが、第一話「覆面(マスク)」を読むとそれが全くの偏見であることに気付かされる。古今東西、覆面を扱ったミステリは数あれど本作ほど極めて自然に仕掛けとマッチした作品はないだろう。
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posted at 15:30:19
伯方雪日「誰もわたしを倒せない」読了。後楽園のゴミ捨て場に遺棄された、後頭部の髪を刈り上げられた死体は、気鋭の覆面レスラー・カタナなのか?……覆面レスラー殺人事件の顛末を描いた「覆面(マスク)」他三編にエピローグを付け加えた、プロレス界が舞台の本格推理連作集。
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posted at 15:30:07
2012年10月15日(月)
記憶に纏わる謎をベースに神経科学、心理学、分析哲学などを盛り込んだこの話は、ゲームシナリオライターである作者の経歴を知っているとニヤリとさせられる反面、ミステリとしてみると手掛かりの出し方がぞんざいだったり、捻り方が物足りないなどの不満もある。
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posted at 17:31:47
全三話から成る連作ミステリ集。日常の謎を扱った最初の二編に関しては何てことのない真相だが、様々な雑学を用いて丁寧に書かれているのは好印象。だが、それ以上に作者が力を入れているのが第三話の「タツノオトシゴは思い出せない」である。
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posted at 17:31:02
すかぢ「えびてん 綺譚奇譚」読了。空き教室の黒板に度々描かれる踊る棒人間の落書き、夕暮れ刻に体育館裏の壁に浮かび上がる人型の黒い染み、そして失われた記憶に纏わる秘密……海老栖川高校に次々と起こる怪事件に海老栖川高校天文部の百合コンビ(?)伊勢田結花と大庭蓮實が挑む。
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posted at 17:30:32
何というか、材料はいいものを揃えたのに、肝心の調理の仕方を間違えた印象が強い。とはいえシリーズを重ねるごとに良くはなってきているので、次回作に期待したい。
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posted at 16:24:12
足らない伏線、読者に解かせることを放棄した暗号、薄っぺらい事件背景、そして「だからどうした」としか思えない使い方を完全に誤った仕掛け……尤も暗号に関してはミステリ読みの心をくすぐる単なるガジェットの一つとして見ることもできなくないが、それにしても欠点が多すぎる。
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posted at 16:23:57
シリーズ三作目である本作は一応長編ではあるものの個々の事件は連作短編のように一話ごとに解かれていく。その内容は殺人予告、暗号、犯人探し、毒物混入トリック等々、シリーズ中最もミステリ度が高いのはいいのだが、いかんせんこれまでのシリーズ同様作り込みの甘さが目立つ。
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posted at 16:23:38
村田治「名探偵は推理しない3」読了。事の始まりは学園祭を目前に控えた青瑛学園の掲示板に書き込まれた神无月神那と名乗る人物による不可解なメッセージだった。「本年度の学園祭において、複数人の学生が死亡する」――そして学園祭が始まると共に再び神无月神那から殺人予告と謎の暗号が舞い込む。
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posted at 16:23:07
2012年10月12日(金)
読み返してみると実にあからさまな形でヒントが示されていたにも拘わらず、気付くことができなかったのが不思議でならない。厳密には本格ミステリとは言えないかもしれないが、それに近いサプライズが盛り込まれた良作である。
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posted at 19:45:28
妬みや恨みを中心とした物語構成はいつものことながら、本作ではそれに加え、夢と現実の境目を曖昧にする手法が取り入れられている。そして、これが後々ミスディレクションとなって、作者がやりたかった仕掛けを効果的に演出している点が素晴らしい。
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posted at 19:45:11
真梨幸子「四〇一二号室」読了。病院の白いベットに横たわる植物状態の一人の女。私をこんな体にした犯人は一体誰。鍵を握るのは二人の女流作家と所沢にあるタワーマンションの心理的瑕疵物件・四〇一二号室。妬みと恨みが一つに繋がる時、明らかになる真実――あの部屋に関わる者みんな、不幸になれ。
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posted at 19:44:47
2012年10月11日(木)
特に「念波る」は、収録作のうち唯一の中編ということもあって一番読み応えがあるが、テイストはガリレオというより「さまよう刃」に近い。これはこれで面白いとは思うが、個人的には謎解きミステリからエンタメミステリに方針転換を図ったような本作よりも「虚像の道化師」の方が好みか。
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posted at 22:25:01
前に出た短編集「虚像の道化師」ではロジックや仕掛けが盛り込まれた話も見られたのに対し、本作ではそれらが完全にオマケ扱いとなっており、代わりに近年の作品に顕著なドラマ部分に焦点が当てられている。
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posted at 22:24:38
東野圭吾「禁断の魔術」読了。ガリレオシリーズ初の書き下ろし中短編集。透視ができるホステスが殺された「透視す」引退寸前のプロ野球選手に死んだ妻が伝えたかった想い「曲球る」姉の危険をテレパシーで察知したと主張する双子の姉「念波る」謎の爆破映像とフリーライター殺し「猛射つ」の四編収録。
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posted at 22:24:07
さすがにコンゲームとしての完成度でいえば前作より劣るものの、代わりに前作にはないサスペンス性やバトル要素が盛り込まれており、スピーディーな展開で楽しませてくれる。これなら次回作も期待して良さそうだ。
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posted at 14:13:21
今回本作を読んで最も感心したのは何といっても伏線の巧さだろう。一見何の関連性もない序盤にまさか今回のゲーム「クレタ人の朗読会」の勝利の鍵がさりげなく隠されているとは思わなかった。
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posted at 14:13:00
乙野四方字「ミニッツ3 ~神殺しのトリック~」読了。守垣内兄妹とのゲームバトルに勝利し迎えた夏休みのある日、穂尾付図書館が謎の集団によって占拠される。人質として囚われた彼方やアザミ、茉莉らを救うため、櫻は創作遊戯研究会の仲間と共に図書館へと乗り込む。
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posted at 14:12:39
2012年10月10日(水)
実際選評を見ると結構辛辣なことが書かれており、帯の大絶賛の文字は何だったのかという気がしないでもない。とはいえ、本格ミステリに対する情熱は充分感じることはできたので、二作目ではミステリとしての完成度もさることながら、何よりこの作者にしか書けないものを期待したい。
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posted at 22:10:29
まずロジックを売りにしているにも拘わらず、所々に詰めの甘さが目立つ。探偵が「○○だから○○だ」と断定する度に「そんな弱い根拠で大丈夫か?」とツッコミたくなったのは一度や二度ではないし、また密室のキーアイテムであるアレの存在が不自然すぎて全く盲点になってないのもいただけない。
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posted at 22:10:11
久々にここまでベタなミステリを読んだ。これを王道と捉えるか、よくある設定の寄せ集めと捉えるかは人それぞれだろうが、個人的には徹頭徹尾、ベタに徹したために読みやすかったのは好印象。但し本作をミステリとしてみた場合、かなり問題がある。
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posted at 22:09:42
青崎有吾「体育館の殺人」読了。風ヶ丘高校放送部の部長が殺害された旧体育館の舞台袖は発見当時、密室状態だった。発見者の一人である柚乃は、殺人の嫌疑をかけられた卓球部の先輩の窮地を救うため、学内一の天才であると同時に学内で暮らすアニオタの変人・裏染天馬に助けを求める――。
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posted at 22:09:11
2012年10月07日(日)
最初、本作のタイトルを見た時に自分は「普通に『モラトリアム・シアター』でいいじゃん。何だよ、『produced by 腕貫探偵』って」と思ったものだが、読み終わって大いに納得した次第。成る程、確かにこのタイトルの方がしっくりくる。
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posted at 13:33:15
腕貫探偵シリーズ三作目にして初の長編である本作の一番の見所は、何といっても「必然という名の偶然」で登場した富豪探偵・月夜見ひろゑと共演を果たしている点だろう。勿論これにはファンサービスという側面もあるだろうが、それ以上にこの二人でなければならない必然性がきちんと用意されている。
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posted at 13:32:57
西澤保彦「モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵」読了。女子校で相次ぐ不審死。混沌とする記憶を抱えたまま、事件に巻き込まれていく新任講師・住吉ミツヲを救うため、愛くるしい女子高生、ド派手な女富豪、腕貫着用の公務員という三人の個性派探偵が集結する――。
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posted at 13:32:33
2012年10月01日(月)
むしろ本作は謎が解明されることによりガラリと変わる構図に主眼が置かれており、特に壁に消えた少女の謎解きからの展開が秀逸。捜査の過程に幾つかご都合主義な部分が目につくものの、それを差し引いても充分良作と言える出来だと思う。あと本作に対する解説者の見解には疑問。
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posted at 17:42:49
壁に消えた少女、不可解な死体交換、そして容疑者の鉄壁のアリバイ等々、本作で登場する謎の演出に関しては申し分ないが、そこに巧妙なトリックを期待すると、些か肩透かしを覚えるかもしれない。
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posted at 17:42:06
大谷羊太郎「越後七浦殺人海岸」読了。十二年前、吉成は密かに想いを寄せていた少女・亜以子が廃工場で殺人を犯し壁に消えたのを目撃した。それから十二年後、結婚した亜以子の自宅から見知らぬ男の死体が、次いで亜以子の夫の死体が見知らぬ男の家からそれぞれ発見されるという奇妙な事件が発生する。
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posted at 17:40:52