麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年10月30日(火)
その他「ハードロック・ラバーズ・オンリー」もベタなオチだが、短編らしい巧さを感じさせる好編。今回の短編集に「望月周平の秘かな旅」や「老紳士は何故……」が収録されていないのは残念だが、それはいつか出るだろう短編集第二弾の楽しみとして取っておきたい。
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posted at 13:26:02
収録作九編のうち、ベストを挙げるとするなら、轢死体を巡るフーダニットとアリバイトリック物「やけた線路の上の死体」だが、アリスが望月の書いた犯人当てに挑む書き下ろしの「除夜を歩く」もミステリに対する作者の考え方が分かってなかなか面白い(あとトリックは言う程しょぼくもない気がする)。
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posted at 13:25:39
有栖川有栖「江神二郎の洞察」読了。学生アリスシリーズ初の短編集。但しこれまで発表された長編に比べると収録作の出来にはばらつきがあり、どちらかというと作家アリスの短編集を読んでいる感覚に近い。とはいえ本作はミステリとしての出来よりも学生アリスの短編が一冊に纏まったことに意義がある。
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posted at 13:24:44
2012年10月29日(月)
その他、印象に残ったものだと不良少女にかけられた強盗の嫌疑を探偵志望の少年が解き明かす「さよならシンデレラ」。この短編は蘇部健一が書きそうなバカミス(!)で、多分「六とん」に収録されていても違和感はないだろう(爆)。
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posted at 22:30:33
「アイランド」の真相は某国内作家Sの長編を彷彿とさせるものの、見せ方はこの作者ならではのもの。一方「悲しみの子」は二つある仕掛けのうち一つは分かりやすいが、もう一つがそれを巧くフォローしているのが○。
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posted at 22:30:11
本作を読んでまず感じたのは七河迦南という作家の引き出しの多さであり短編ごとに文体や構成を変えて技巧の限りを尽くしている。それまで見えていた絵がラストで反転する快感は収録作の大半に共通しているが個人的には「瓶詰の地獄」から発想を得たと思しき「アイランド」と「悲しみの子」を推したい。
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posted at 22:29:45
七河迦南「空耳の森」読了。前作「アルバトロスは羽ばたかない」でミステリ読みの度肝を抜いた作者の新作はバラエティ豊かな九編を収録したノンシリーズ物ミステリ短編集……かと思いきや、収録作の中には「アルバトロス~」の後日談もあるため、「アルバトロス~」未読の方は要注意。
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posted at 22:29:12
ある手掛かりに気付けば何てことのないシンプルな真相なのだが、それにおいそれと気付かせない、さりげない描写が巧い。また捨て推理ではあるものの、この世界ならではの要素を取り入れているのも地味にポイントが高い。
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posted at 17:47:57
本作は所謂ジュブナイルものに属する作品だが、ジュブナイルだと侮るなかれ。密室、限定された容疑者、推理対決に読者への挑戦とミステリ読みなら心くすぐられる要素が盛り沢山なのもさることながら、何よりもよくできたパズラーであることに感心した。
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posted at 17:47:36
新庄節美「名探偵チビー 雨あがり美術館の謎」読了。動物たちが住む平和な町、五月の風市で大事件が発生。密室状態の美術館から名画『ハリネズミのほほえみ』が忽然と消え失せたのだ。この奇妙な事件に名探偵の子ネズミ・チビーと助手の子ネコ・ニャットのコンビが挑む。
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2012年10月25日(木)
だが終盤、ある事件の収束と同時に一転、本作はミステリへと変貌を遂げる。そこで明らかになる意外な構図は一見、荒唐無稽のようにも思えるが、重厚な物語の中に丁寧に伏線を張り、きちんと説得力を持たせている。また主人公を取り巻く状況が見事なミスディレクションになっている点も秀逸。
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posted at 21:15:06
誘拐ミステリの傑作。といっても本作は一般的な誘拐ミステリとは少々毛色が異なる。何しろメインであるはずの誘拐事件は策略劇のきっかけに過ぎず、ひたすら腹の探り合いばかりが展開するのだ。これのどこがミステリなのだと首を捻る人も中にはいるかもしれない。
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posted at 21:14:47
横山秀夫「64」読了。ロクヨン――それは昭和64年にD県警の管内で起きた女児誘拐殺人事件の符丁。未解決のまま十四年が経過したその事件を巡り、D県警の刑事部と警務部が全面戦争に突入することに……。広報官・三上義信は両者の狭間で何を見出だすのか?
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posted at 21:14:12
2012年10月19日(金)
そして後半に明かされる事件の構図が某古典ミステリそのものなのもこの作者らしい。ただ逆を言えばこの作者がよくやるパターンを知っていると徹頭徹尾テンプレ通りなのが物足りない。てっきり違う名前だから少しは作風を変えるのかと思ったら、どうしようもなく草野唯雄だった(苦笑)。
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posted at 17:06:03
天藤真、大谷羊太郎、草野唯雄によるユニット(?)鷹見緋沙子の三作目。本作の執筆を担当したのが草野唯雄だと知った上で読むと、炭鉱という設定、倒叙形式を採用したサスペンス重視の展開、随所に捻りを加えたプロットなど実に草野唯雄らしい作品であると言える。
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posted at 17:05:20
鷹見緋沙子「最優秀犯罪賞」読了。炭鉱が潰れて東京に流れ着いた四人の男。ある日莫大な遺産を相続することになった仲間の一人が残りの三人に最もセンセーショナルな犯罪を行った者に賞金を出すことを提案する。三人はそれぞれ憎い相手を交換し殺害する犯罪を計画、まんまと成功したかに思えたが……。
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posted at 17:04:58
2012年10月18日(木)
唯一不満なのは連作ならではの仕掛けがないことだが、その代わり「理由ありの密室」における「密室を作る動機講義」で挙げられた第九の理由はなかなか面白いと思う。と同時に、推理の穴を潰すためにそこまで検討する作者の徹底ぶりはさすがと言わざるを得ない。
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posted at 21:38:11
そして、そのホワイダニットが絶妙な気付きとなって、今まで見えていた事件の構図がガラリと一変する。一見単純そうな事件ほどタチが悪いということを、自分は本作を読んで嫌というほど思い知らされた。
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posted at 21:37:33
捨て短編一切なしの「密室」に拘ったハイレベルな作品集。「密室」に拘った作品集というと近年では貴志祐介「鍵のかかった部屋」があるが、あちらがハウダニット「どうやって密室にしたのか?」を扱っているのに対し本作はホワイダニット「何故密室だったのか?」を追求しているのが特徴だ。
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posted at 21:37:09
大山誠一郎「密室蒐集家」読了。密室あるところに必ず彼は現れる。目撃された殺人と消えた犯人、目の前を落下する女、鍵を飲み込んだ男、足跡なき雪の密室……神出鬼没の名探偵「密室蒐集家」が五つの密室の謎を解き明かす、連作ミステリ短編集。
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posted at 21:36:49
但し肝心のトリックに関してはお世辞にも褒められた出来ではない。しかしながら一応手掛かりはちゃんと用意されているしその犯行の様子を想像するとかなりバカらしいので個人的には嫌いではなかったりする(爆)。見えてる地雷もといトンデモナイものを読んでみたいという奇特な人にのみお勧めしたい。
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posted at 16:11:50
うん、間違いなくこれを書いた作者の頭はおかしい(断言)。初夜の模様を参加者が見守るという状況だけでもおかしいのに(因みにベッドの振動によって起こる水面の波動は常に観測されており新記録を出すと賞品(!)まで貰えたりする)それがアリバイトリックに繋がるときては完全に狂気の沙汰である。
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posted at 16:11:07
斎藤栄「新婚恐怖殺人旅行」読了。プール中央に浮かぶベッドで繰り広げられる新婚夫婦の初夜の模様を参加者たちが見守るという前代未聞の結婚式が福島のホテルで行われていた頃、東京では悪辣な米国人サラ金業者が惨殺される事件が発生。同時進行する二つの出来事の交点に隠された異色のトリックとは?
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posted at 16:10:51
2012年10月17日(水)
そのため、ピンからキリまである謎解きが一緒くたで語られてしまい、どうにもカタルシスを得にくい状況に陥ってしまっている。あれもやりたい、これもやりたいというのは分かるが、個人的には詰め込み過ぎの中にも、これといったネタをメインに据えて巧く見せてほしかった。
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posted at 22:11:25
小島作品の特徴といえば、詰め込み過ぎミステリと称されるくらい過剰に謎が用意されることだが、今回はそれが悪い意味で出てしまった印象がある。というのも本作は全体的に駆け足気味で、終始展開に緩急が感じられない。
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posted at 22:11:03
小島正樹「祟り火の一族」読了。人柱にされた娘、すすり泣いて血を流す橋脚、生き返った白装束の女、人骨の池、林の中ののっぺらぼう、頭蓋骨から飛び出す緑色の少女……包帯男に語り聞かせる怪談から始まった探偵・海老原と劇団員・明爽子の捜査はやがて火に祟られた一族の連続殺人と繋がりを見せる。
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posted at 22:10:24