麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年09月05日(木)
それと本作に関して、作者はエロチックミステリーと語っているが、エロを謳うにはあまりにカラッとし過ぎていて、それほどエロいと思えなかったのが少々残念(?)。
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posted at 22:23:50
一応本作から読んでも楽しめるものの、やはり探偵役を取り巻く人物関係や最後のオチまで含めて楽しむのであれば、本作を読み前に最低限でも作者のデビュー作である「琅邪の鬼」は押さえておいた方がいいかもしれない。
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posted at 22:23:29
どこまでが現実でどこまでが妖かしなのか分からないその感覚は、例えるならば三津田信三「幽女の如き怨むもの」に近いものがあるかもしれない。個人的には女性のためならどんな手も厭わぬ探偵役の性格が面白く、収録作の中でベストを挙げるなら、それを最大限に活かした第三話「狐美女の決意」になる。
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posted at 22:23:19
丸山作品ではお馴染みの琅邪の街を舞台に妖力を持つ美女に纏わる五つの事件を女好きの美男巫医が解き明かす連作ミステリ。本来ミステリでは妖かしの存在は合理的な解決の前に否定されるものだが本作の舞台である琅邪の街では妖かしが普通に受け入れられており謎解きもそれを踏まえたものになっている。
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posted at 22:22:54
丸山天寿「死美女の誘惑 蓮飯店あやかし事件簿」読了。顔を潰され腹を割かれた死体と男を誘う幽霊娘、夢の中で繰り返される幽霊船の事件、水狐の呪いで浅瀬で溺れ死んだ男、木の天辺に突き刺さって死んだ男、人に化身して嫁入りする蛇女……古代中国・琅邪の街で次々と起こる怪事件に美男巫医が挑む。
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posted at 22:22:41
2013年09月04日(水)
だが問題は更にその後のエピローグで、これ以降に明かされるある仕掛けにより、本作はバカミスとは明らかに違う、哀愁感漂う愛の物語に変貌してしまうのだ。この趣向は個人的には嫌いではないが、純粋なバカミス(?)を期待して読むと明らかに戸惑うこと請け合いの、賛否が分かれそうな作品である。
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posted at 21:39:51
毎年恒例の倉阪バカミス最新作。しかしながら本作はバカミスかと言われると、正直首を傾げざるを得ない。勿論、本作もまたこれまでのパターンを踏襲し、「実は○○でした」という脱力的真相の後に「お疲れ様でした」と言いたくなるアレ系の仕掛けを披露してみせる。
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posted at 21:39:28
倉阪鬼一郎「八王子七色面妖館密室不可能殺人」読了。八王子にある七色に外壁を塗られた洋館『七色面妖館』で次々と起こる密室殺人。魔術、拷問、邪教などテーマごとに分かれた七つの部屋で一癖ある客達が血祭りにあげられていく。探偵・宵内初二は全ての謎を解き、館に隠された秘密に肉薄するが……。
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posted at 21:39:04
2013年09月03日(火)
そして探偵役とワトソン役の対決を描いた最終話に至っては、問題そのもののミスディレクション+連作形式を活かした仕掛けできっちり読者を騙しつつも、探偵役が根っからの変態であることに気付かせてくれるオチが何とも心憎い。本作は短編でもその技巧ぶりの健在を見せてくれる秀作である。
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posted at 23:59:46
続いて大学生レスラーにケガを負わせた犯人が密室から消失するという不可能犯罪を扱った四話目では、一部前例のあるネタを応用することで問題そのものをミスディレクションさせるという離れ業を見せてくれる。
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posted at 23:59:32
その片鱗を最初に感じさせてくれたのが家から忽然と消えたペットを巡る騒動を描いた三話目で、それまで何が起こっているのかよく分からなかった展開が、ある誤動されていた事実が明かされた瞬間、カメラのピントが合うように構図と共に大量に張られた伏線が浮かび上がってくる構成が素晴らしい。
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posted at 23:59:21
成績優秀性癖特殊の探偵役が五つの不可解な消失事件を解き明かす連作ミステリ。これまでの作品でも見られた美少女&フェチ要素は勿論のこと、作者の特長であるミスディレクションの巧さが本作でも遺憾なく発揮されている。
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posted at 23:59:09
長沢樹「上石神井さよならレボリューション」読了。それは“フェティシズムの捕獲”のため。写真部員の設楽洋輔は眉目秀麗で天才で変態の岡江和馬から勉強指導や報酬と引き換えに鳥好きでスポーツ万能の美少女・川野愛香の際どいフェチ写真の盗撮を請け負うが不可解な「消える」事件に巻き込まれ……。
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posted at 23:58:53
2013年09月02日(月)
尤もミステリとして見れば後半の方が凝っており、三編目は大がかりなアリバイトリックが、四編目は銃弾からのロジカルな犯人当てが堪能できる。しかしながらそういったミステリ部分と物語が噛み合っておらず、特に四編目に関しては構成も無理やり感が否めない。
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posted at 22:44:39
前半の二編はよくも悪くも軽い謎解きにほろりとさせるドラマとスイーツを絡ませてそれっぽく仕上げているが、後半三編目で時事ネタを取り入れてから話がおかしくなっていき、四編目に至ってはどこが「最後は、甘い解決を」なのかと小一時間問い詰めたくなるほど後味が悪い。
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posted at 22:44:04
元警察官でパティシエの探偵役が四つの殺人事件の謎を解く連作ミステリ。タイトルや粗筋から察するに「謎解きはディナーのあとで」や「珈琲店タレーランの事件簿」辺りの路線を狙ったと思われるが、物語が進むにつれて段々とコンセプトからずれていっているのが気になる。
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posted at 22:43:32
似鳥鶏「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」読了。惣司季が継いだ喫茶店で警察を辞めた弟・智がパティシエとして働き始めた。季としては弟をお菓子作りに専念させたいが、そんな願いとは裏腹に鋭敏な推理力を持つ智の前には次々と難解な殺人事件の相談が持ち込まれて……。
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posted at 22:42:50
2013年09月01日(日)
収録作のうち唯一「ひとよがたり」はミステリとは言い難いものの、大阪夏の陣に纏わる策略を描いた「抜け穴」の後日譚的な側面があると共に、魔性に取り憑かれた秀吉の糟糠の妻・ねねの壮絶な姿には思わずぞくりとさせられる。
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posted at 17:24:10
ミステリとしては「明智光秀の密書」に見られる作者お得意の暗号もさることながら、個人的には不老不死を求める秀吉と果心居士の心理戦を目の前で起こった若返りという魅力的な謎を通して描いた「賢者の復讐」と家康の死の原因は何かという史実の謎に大胆な策略を絡めた「最後の罠」の二編を挙げたい。
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posted at 17:23:39
本作に収録されている七つの短編はそれぞれ独立してはいるものの、永禄三年の桶狭間の合戦から元和二年の家康の死まで、史実をなぞるかのような順番で収録されているために、まるで一大叙事詩のような読み応えがある。
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posted at 17:23:21
井沢元彦「暗鬼」読了。徳川家康の妻が子を生んだ。今川義元の人質だった幼少の頃に家康は子種を経たれていたはずなのに……家康の我が子に対する疑心暗鬼を描いた表題作を始め、豊臣秀吉、徳川家康を巡る様々なコンゲームを収録した歴史ミステリ短編集。
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posted at 17:23:02