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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2013年10月16日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月16日

土屋隆夫「地獄から来た天使」読了。エロ映画の勧賞中に殺人が起こり凶器が現場から消え失せた表題作を始め、上演中の舞台で起こった毒殺事件を扱った「わがままな死体」、何者から脅迫を受けていた政治家が密室から消失した後、別の場所で死体となって見付かる「私は今日消えてゆく」など七編収録。

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posted at 11:06:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月16日

作者の初期シリーズ探偵だった朝霧警部が探偵役を務める三編とノンシリーズ物四編からなる短編集。朝霧物はピンとこない機械トリック、明らかに不自然な犯人の行動、トリックは面白いのに状況を特定過ぎてバレバレなどそれぞれ欠点はあるが、強いて一編を挙げるなら動機にドラマ性がある「絆」だろう。

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posted at 11:06:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月16日

対してノンシリーズ物の方は「わがままな死体」の出来が飛び抜けており、台本をまるまる挿入するなどの凝った構成が単純ながら盲点をついた毒殺トリックを際立たせている。本作の個人的なベストを挙げるなら、やはりこの短編になるだろう。

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posted at 11:06:41

2013年10月17日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月17日

「Q.E.D.」46巻読了。寄席の楽屋で起こった現金盗難事件と若手女芸人の失恋がリンクする「失恋」と、1941年にハノイで行われた裁判で妻を殺した犯人を許した夫の心理に迫る「巡礼」の二編収録。

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posted at 18:59:09

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月17日

「失恋」はトリックこそ小粒だが、それを活かした構図が秀逸で、終盤の師匠の言葉が胸に染みる。一方「巡礼」は様々なエピソードを有機的に繋ぎ合わせることで感動的に見えた事実の裏に潜む強烈な悪意を鮮やかに浮かび上がらせる。本格ミステリで人間を描くことに成功した傑作と言っていいだろう。

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posted at 18:59:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月17日

「C.M.B.」24巻読了。二笑亭を現代に再現した男の真意「二笑亭」、ダイヤ盗難事件を倒叙形式で描く「ダイヤ泥棒」、幻のレースもろともヨットに火を放ち死んだ父親にかけられた叔父殺しの嫌疑「レース」、降霊術に使われた曰く付きの箪笥の中から出てきた他殺体「箪笥の中の幽霊」の四編収録。

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posted at 19:00:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月17日

微妙な話ばかりだった前巻から打って変わって今回は快作揃いなのがいい。「二笑亭」は珍妙な建物に纏わるエピソードの面白さもさることながら過去の事件と現代の事件のリンクのさせ方が○。「ダイヤ泥棒」は単純ながら盲点をついたダイヤの隠し方と倒叙形式だからこそ際立つどんでん返しが素晴らしい。

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posted at 19:00:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月17日

「レース」は幻のレースであることを逆手にとったミスディレクションが秀逸。「箪笥の中の幽霊」は単純なトリックを巧く組み合わせて、不可能状況を効果的に演出している。個人的なベストを選ぶなら「ダイヤ泥棒」。

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posted at 19:01:15

2013年10月18日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月18日

岡田秀文「伊藤博文邸の怪事件」読了。小説家の私が偶然手に入れた手記には明治17年に伊藤博文邸で起きた怪事件の様子が推理小説さながらに描かれていた。密室で行われた殺人、邸の周りをかぎ回る新聞屋、第二の死体……伊藤邸の書生・月輪龍太郎と杉山潤之助が推理合戦の果てに辿り着いた真相とは?

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posted at 22:28:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月18日

今年度の本格ミステリのダークホース。本作は小説家の私がたまたま古書店で入手した明治時代の手記を紹介するという体裁をとっているが、時代小説でならした作者だけあって、読者をその時代に引き込む手腕はさすがの一言に尽きる。

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posted at 22:28:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月18日

ミステリとしてみると密室殺人は一件のみで一見地味に思えるが、本作の主眼はそこではない。一言で言えば伏線と構成の妙であり、それを最初に体感するのは物語の途中で語り手がある事実を知らされる時だろう。初読時にはびっくりさせられたが、同時に丁寧に張られた数々の伏線に気付かされる。

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posted at 22:28:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月18日

そして何より本作の一番の見所はその後に炸裂する構成のトリックと言うべきある仕掛けであり、これには見事にしてやられた。恐らく大半の読者が「だからアレをあそこに持ってきたのか」と感心するに違いない。

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posted at 22:29:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月18日

その一方で密室の謎解きに関してはかなり際どい部分があるのが難だが、それを差し引いても梶龍雄を思わせる鮮やかな構図の反転が印象に残る秀作である。

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posted at 22:29:27

2013年10月19日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月19日

三津田信三「蛇棺葬」(文庫版)読了。幼い頃、引き取られた百巳家で私が覚えているのは蛇神を祀る奇妙な因習と連続する怪異、そして民婆との懐かしい思い出だった。その後、成長した私は訳あって再びその地を訪れる。開かずの離れ〈百蛇堂〉での葬送百儀礼で何が起こるのか?

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posted at 20:49:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月19日

十二月に文庫化予定の「百蛇堂 怪談作家の語る話」に繋がる物語である本作は、基本的には怪異の恐怖を描いたホラー小説だが、所々で明らかにホラーとは異なるミステリ的謎を提示しているのが興味深い。

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posted at 20:50:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月19日

これが近年の作品になると謎の段階で怪異とミステリの境目が分からなくなっており、デビュー作から一貫してホラーとミステリの融合を目指しているとはいえ、その見せ方が変わってきているのが面白い。本作で提示された謎が続く「百蛇堂 怪談作家の語る話」でどう解かれるのか期待して待ちたいと思う。

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posted at 20:51:34

2013年10月21日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月21日

伴野朗「三十三時間」読了。昭和20年8月16日、終戦を知らぬ守備隊千余名を救うため四名の日本軍特務員を乗せた一隻の機帆船が上海から東シナ海に浮かぶ孤島へ向かう。だが、その船内で密室殺人事件が発生。犯人は乗員に紛れ込んだ見えざる敵対工作員なのか? そして間もなく第二の殺人が……。

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posted at 21:56:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月21日

本作は三部構成となっており、四名の日本軍特務員が孤島へ向かうことになった経緯が語られる第一部、事件の舞台となる機帆船「ビスマルクの息子」号に乗る一癖も二癖もある人物たちを紹介していく第二部はスリリングな冒険小説だが第三部では一転、クローズドサークルテーマの本格ミステリに変貌する。

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posted at 21:56:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月21日

そこで起こる事件はミステリとしてみると難度はそれほど高くはないものの、丁寧に積み重ねてきた設定を踏まえた説得力の高いものに仕上がっている。そして何よりも本作は、本格ミステリと冒険小説を違和感なく融合させたプロットが秀逸な作品である。

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posted at 21:56:46

2013年10月23日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月23日

麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」読了。推理は全て所有物である使用人に任せる貴族探偵と新米女探偵が対決する連作ミステリ。友人に招かれやって来た別荘で女探偵が殺人事件と貴族探偵に遭遇する「白きを見れば」、座敷童子がいる旅館で起きた事件に仕掛けられた意外な罠「幣もとりあへず」など五編収録。

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posted at 22:57:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月23日

貴族探偵シリーズの第二弾である本作は、基本的に女探偵と貴族探偵の二段構えの推理で構成されている。女探偵の一見完璧と思われる推理を貴族探偵がどうひっくり返すかが焦点であり、それだけでも充分難度の高いことをやっているのだが、それだけでは終わらないのが麻耶雄嵩の恐ろしいところである。

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posted at 22:57:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月23日

そのことをイヤというほど見せ付けてくれたのが「幣もとりあへず」であり、ネタ自体は定番なのに使い方が相当捻くれているために謎解きで一瞬何が起きたのか分からなくなる感覚は「螢」にも通じるものがあるかもしれない。

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posted at 22:57:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月23日

また本作のトリを飾る「なほあまりある」では貴族探偵という設定の思わぬ活かし方で大いに唸らせてくれる。頼りの使用人が一人もいない状況で貴族探偵が事件に巻き込まれるという趣向もさることながら、そのオチも非常にふるっており、徹頭徹尾「これぞ麻耶雄嵩」が堪能できる作品と言っていいだろう。

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posted at 22:57:56

2013年10月24日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月24日

三沢陽一「致死量未満の殺人」読了。「弥生を殺したのは俺だよ」……雪の降る夜、花帆と夫の営む喫茶店を訪れた龍太は自分が弥生を殺した犯人であることを告白した。今から十五年前、大学のゼミ仲間が宿泊する雪に閉ざされた山荘で毒殺された弥生。彼はいかにして衆人環視の中で毒殺を成功させたのか?

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posted at 23:11:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月24日

第三回アガサ・クリスティー賞受賞作。本作を読み初めて最初に思ったのは「今時珍しいくらい、潔いハウダニット物だな」ということだった。挑むべき問題は毒殺の方法のみ。犯人は最初から分かっているばかりか、要所要所で自分の犯行のヒントまでくれるという親切ぶりである。

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posted at 23:12:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月24日

当然のことながら、これは余程毒殺トリックに自信があるのだなと考える読者もいるだろうが、そんな期待とは裏腹に終盤で登場人物の口から語られた毒殺トリックはものの見事に予測の範疇に留まってしまう。

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posted at 23:14:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月24日

しかしながら、本作の本領発揮はここからであり、そこから怒濤のように明かされる毒殺トリックを踏まえた構図にはなかなか見るべきものがある。尤も最後のアレに関しては些かやり過ぎな気がしないでもないが、個人的には処女作はこれくらい冒険しているくらいが丁度いいと好意的に捉えたい。

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posted at 23:15:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月24日

選評で有栖川有栖も語っているように、本作はなるべく早く第二作を読ませてほしいと読者に思わせる意欲作である。

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posted at 23:15:32

2013年10月25日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月25日

貴志祐介「雀蜂」読了。山荘で目覚めた小説家の俺が見たものは次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺されているため、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪で通信機器も使えず一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻の仕組んだ罠なのか?

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posted at 21:40:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月25日

帯にはサバイバル・ホラーとあるが、読んだ印象では石持浅海あたりが書く特殊状況物のミステリに近い(個人的には「ブック・ジャングル」を思い出した)。しかもそこかしこにギャグ要素があり、テレビの音で蜂の気をそらしたいのに、やっとの思いで付けたら将棋番組だったのには思わず吹いてしまったw

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posted at 21:41:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年10月25日

ミステリとしてはちょっとした仕掛けがあるものの粗筋で言うほど大したものではなくあくまで予測の範囲内に留まっている(というか粗筋で仕掛けのある具体的な頁数まで書くのはどうなのだろう)。正直作者の従来の長編レベルを期待すると物足りなさは否めないが、軽く読む分には丁度いいかもしれない。

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posted at 21:41:15

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