麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年11月27日(水)
輪堂寺耀「十二人の抹殺者(ミステリ珍本全集2)」読了。「謹賀死年」「死にましてお芽出たうございます」――元旦に届いた殺人予告を機に二つの屋敷で次々と起こる連続殺人に名探偵・江良利久一が挑む表題作ほか私立の庭園にある三つの家で屍体を掛軸のように吊るす事件が続発する「人間掛軸」収録。
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posted at 22:27:25
表題作は設定や目次を見ると凄く面白そうなのに、実際読んでみるとかなり地味でびっくりさせられる。ガジェットをただ並べてみたところで面白くないという見本みたいな内容であり、加えて事件発生→捜査→トリックの解明を繰り返す単調な流れは退屈の一言に尽きる。
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posted at 22:28:03
しかもそのトリックもどこかで見たものばかりで独創性に乏しいにも拘わらず、作者一人が四次元の密室やら逆密室の殺人やら名付けて勝手に盛り上がっているのもアレ。唯一論証が丁寧なのは好感が持てるが、それだけで本作を読むのは些かキツいと言わざるを得ない。
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posted at 22:28:13
むしろ個人的には怪奇趣味に溢れた探偵小説「人間掛軸」の方が面白く読めた(とはいえ、こちらも盛り上げ方はお世辞にも上手いとは言えないが)。とりあえず幻の作品を読んでみたいというマニア以外は手を出さない方が無難な作品である。
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posted at 22:28:33
2013年11月29日(金)
竹内雄紀「悠木まどかは神かもしれない」読了。学習塾〈アインシュタイン進学会〉に通う小学五年生の小田桐、野田、望月が気になる美少女・悠木まどかには国語と算数のテストだけ受けて帰るという謎があった。「これは事件の匂いがする」――そんな中、教室でお弁当盗難事件が起きて……。
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posted at 01:11:34
一言でいえば、新潮文庫ご乱心。帯を見ると「胸キュン系バカミスの大傑作」とあるが、ぶっちゃけこれはバカでもなければミステリでもない。それどころか胸キュンですらなく、ただ延々と続くユーモアのかけらもない寒い文章のオンパレードは苦痛を通り越してもはや拷問レベルと言っていいだろう。
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posted at 01:11:52
以下、幾つか抜粋してみよう。「初めて悠木ジョシを見たときに(中略)〈これって、奇跡?〉GReeeeNのあの歌が頭の中に高らかに響き渡った」「悠木ジョシがその手で持ったストロー、ゲットだぜ!〈ファースト関節キス〉はできなかったけど、〈ファースト関節おててつなぎ〉、ゲットだぜ!」
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posted at 01:12:02
「あたりまえだのクラッカーだろ」「このトウヘンボクのメルシーボクー」……ちなみにこれらはまだほんの序の口である。加えて扱っている事件といえば「お弁当盗難」と「気になるあのコが国語と算数しか受けない理由」というかなり微妙なもので、その真相も正直ミステリを舐めているとしか思えない。
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posted at 01:12:12
また悠木まどかというメインヒロインにしてもただの痛いコという印象しかなく「これを読んでまどかちゃんに恋しない男子は、どうかしてる!(本作に寄せられた眞鍋かおりの推薦文)」のであれば、恐らく大多数の男子がどうかしてるということになるだろう。
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posted at 01:12:37
北山猛邦「ダンガンロンパ霧切2」読了。謎の組織「犯罪被害者救済委員会」の次なるゲームは「探偵オークション」。廃墟と化したホテルを舞台に繰り広げられる不可能犯罪と、殺人鬼の標的から逃れることのできる「探偵権」をかけた熾烈なオークションに霧切響子と五月雨結の探偵コンビが挑む。
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posted at 22:11:37
北山猛邦が手掛けるゲーム「ダンガンロンパ」のスピンオフシリーズ第二弾は、クローズドテーマの連続殺人とコンゲームが同時に楽しめる異色作。特筆すべきは何と言っても、その二つの要素が有機的に結び付いていることだろう。
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posted at 22:12:01
どちらが欠けても成立し得ないこの構図はなかなか面白く、これだけでも一読の価値がある。またこの作者らしい豪快なトリックも健在で、このシリーズだからこそできる無茶なトリックの連打は正に水を得た魚という喩えが相応しい。本作は従来の北山らしさの中に新機軸を打ち出した秀作である。
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posted at 22:12:36