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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2013年11月14日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

中村あき「ロジック・ロック・フェスティバル 探偵殺しのパラドックス」読了。名探偵の代役として暗躍した過去を持つ名門高校・鷹松学園の新入生である僕は完全無欠の生徒会長・衿井雪から来る文化祭の実行補佐を命じられ学園の様々な事件を解決に導いていたが、文化祭の最中に密室殺人に遭遇し……。

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posted at 21:53:09

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

「まだあった『新本格』推理小説」というのが本作の売り文句だが、率直な感想を言えば「新本格に憧れた中学生が書いたようなラノベ風ミステリ」という印象。新本格というにはミステリ部分の作り込みが甘く、ラノベというにはキャラ立てや設定がかなり弱い。

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posted at 21:53:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

本作で扱っている謎はおおまかに暗号メールと女子バスケ部の部室で起こった写真消失事件、それに密室殺人の三つに分けられるが、まず暗号メールは、前提となる手掛かりの説明が根本的に不足しているため、登場人物がいくら謎解きをしたところでいまいちピンとこないまま終わってしまう。

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posted at 21:53:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

次に写真消失事件は、あからさま過ぎる手がかりをそのまま使ったことに唖然。その後の絞り込みに特殊知識を用いた点も個人的には少々引っ掛かるが、何よりどうかと思ったのが動機であり、これで納得する読者がいるのかどうか甚だ疑問と言わざるを得ない。

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posted at 21:54:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

そしてトリの密室殺人に関してはまず多重推理が面白くない(というか悪い意味で突飛なものばかりでまともな推理が一つもない)。また意外な犯人を提示するのはいいがその人物を犯人とする根拠が弱く、更にトリックにも前例があるばかりか、それを成立させるには伏線が足りないような気がしてならない。

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posted at 21:54:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月14日

ついでに言えば名探偵の設定も薄っぺらく、もう少し見せようがあったのでは。向き不向きはあるかと思うが、個人的には好きなものをそれっぽく盛り込んだだけの浅い作品としか思えなかった。

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posted at 21:54:53

2013年11月15日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月15日

長井彬「南紀殺人 海の密室」読了。和歌山県田辺の海岸で、人気俳優と美人シナリオライターの不倫の現場を狙っていたらしいカメラマンが転落、水死した。奇妙なことに事件当時、現場周辺は誰も出入りした形跡がない密室状況にあった。やがて事件の背後から道成寺伝説の清姫の姿が浮かび上がってくる。

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posted at 20:55:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月15日

話の展開はまんま二時間サスペンスだが、その中でも開かれた密室とも言うべき謎が目をひく作品。トリックそのものは地味だが手掛かりの出し方がフェアなのは好感が持てる。但しある人物の特徴が決め手となる点はフェアかどうか悩ましい所。駄作ではないが作者のファン以外にはお勧めし辛い作品である。

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posted at 20:55:56

2013年11月16日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月16日

長井彬「槍ヶ岳殺人行」読了。槍ヶ岳中腹の山荘で人妻・由美が突然消えたのを皮切りに他の山小屋でも二人の女が相次いで蒸発。間もなく由美は谷底で他殺体となって発見されるが何故かその顔は無残にも潰されていた。更に由美が突き落とされたと思しき山頂には犯行時刻、誰も行けないことが発覚し……。

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posted at 17:36:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月16日

本作は何と言っても序盤から中盤にかけての連続神隠しに密室、顔のない死体といった魅力的な謎の連打が素晴らしく、この展開にワクワクしないステリ読者は殆どいないに違いない。加えて中盤以降では全く同じ状況の第二の事件まで盛り込み、更に謎解き興味を加速させてみせる。

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posted at 17:36:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月16日

勿論真相の方もよく練られており特に感心したのは微妙な捻りを加えることで定番の真相を見えにくくしている点だろう。また山の特性を活かした心理トリックも○。前に読んだ同じ作者の「北アルプス殺人組曲」も良かったが本作もまたなかなかの良作であり、作者の入門編としてもお勧めできる作品である。

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posted at 17:37:23

2013年11月17日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月17日

海渡英祐「咸臨丸風雲録」読了。咸臨丸の出航直前に殺された水夫の側にはWhと書かれた紙片が落ちていた。下手人が分からぬまま咸臨丸は出航するが、今度は船内で幽霊騒ぎが起こったのを皮切りに食材の紛失、忽然と現れた死体の消失と不可解な出来事が相次ぐ。この一連の事件の真相に福沢諭吉が迫る。

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posted at 17:43:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月17日

有名な咸臨丸の航海に、連続する怪事件の謎を絡めた歴史ミステリ。綿密な取材に基づいた歴史小説としては申し分ない反面、ミステリとしてみると、どうしても航海を盛り上げるエッセンス程度に収まってしまっているのが何とも物足りない。

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posted at 17:43:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月17日

とはいえミステリ的に全く見るべき所がないわけではなく、例えば消失トリックの気付きのポイントはこの作者らしい巧さを感じさせるし、丁寧な人物描写が真相の隠蔽に活かされている点もいい。あくまでミステリ部分に過度な期待をしなければ充分楽しめる作品である。

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posted at 17:44:17

2013年11月21日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月21日

中山七里「追憶の夜想曲」読了。少年犯罪の過去を持つ悪辣弁護士・御子柴礼司は夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦・亜季子の弁護を突如希望する。御子柴は何故主婦の弁護をしたのか? そして迎えた第二審で御子柴の前に天才ピアニストにして名探偵の岬洋介の父・岬恭平検事が立ちはだかる。

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posted at 22:24:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月21日

「贖罪の奏鳴曲」に続く、悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズの二作目。前作は仕掛けの都合上、半倒叙形式を採用していたのに対し、最初から前作のネタを割っている本作は一見普通のミステリっぽい展開をしているように思えるが、その実、かなり人を食った構成となっている。

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posted at 22:25:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月21日

それが分かってくるのは物語終盤であり、裁判の流れをひっくり返す決め手となったある事実を隠蔽し続けた技巧もさることながら、それ以上にその事実に気付いたきっかけとしてアレを持ってきたことに思わず唖然としてしまった。これが成立するのはひとえに御子柴礼司というキャラがあってのことだろう。

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posted at 22:25:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月21日

一部、伏線があからさまなのが気になったが、その後で捻りを入れてフォローしているのは○。前作未読の人にはお勧めできない欠点はあるものの、現時点での中山七里の最高傑作と言っても過言ではない作品である。

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posted at 22:26:12

2013年11月22日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月22日

戸川昌子「火の接吻」読了。昭和33年、洋画家宅で発生した火災は三人の幼稚園児の火遊びが原因とされた。だが三人の園児はこう証言する。ボクたち、火遊びなんかしなかったよ。ほんとに黒い蝙蝠が口から火を吹いたんだよ――それから26年後、成長した三人の周りで連続放火事件と奇妙な殺人が……。

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posted at 22:32:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月22日

ミステリとして書かれたにも拘わらず、何がメインの謎なのか、まるで見えてこない奇妙な作品。しかも登場人物にほとんど固有名詞を用いることなく展開するため、読み進めば読み進むほど、現実感すら希薄になっていく。

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posted at 22:32:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月22日

そして、この現実感を希薄にさせるという点こそが本作の狙いであり、それを徹底することで普通なら到底受け入れられないような冗談としか思えない真相を読者に認めさせてしまうその技巧には脱帽と言わざるを得ない。

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posted at 22:33:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月22日

その一方で作者のデビュー作に纏わる、ある趣向には思わずニヤリ。夢から覚めたようなエピローグも申し分なく、徹頭徹尾この作者にしか書けない怪作にして傑作と言っていいだろう。ちなみに本作を読んで、何となく西澤保彦の某作は本作を意識して書かれたのかもしれないと思った。

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posted at 22:34:02

2013年11月23日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月23日

二宮敦人「超巨大密室殺人事件」読了。仁菜の友人の照はオンラインゲーム「サンド・ランド」に現実とゲームの区別を失う程のめり込んでいたが、ある時ゲーム内で恋人が殺されたと泣き喚く。一方巷では殺人鬼・顔無しによる顔面を破壊する殺人事件が続発。やがて二つの事件は思わぬ繋がりを見せ始める。

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posted at 15:46:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月23日

まず最初に断っておくとタイトルにある「超巨大密室」とはミステリでいうところの密室ではなくオンラインゲーム世界のことを指す。二つの世界で平行して殺人事件が起こる話というと黒田研二「幻影のペルセポネ」や小林泰三「アリス殺し」を思い出すが本作はどちらかというと歌野晶午のテイストに近い。

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posted at 15:49:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月23日

舞台や登場人物の設定もさることながら何より犯人の手口や動機が正に密室殺人ゲームのそれ。加えて最後の捻りも非常に歌野らしい。ただ一点、犯人の正体が予定調和なのが少々残念ではあるが、その伏線の張り方は極めてフェアであり、充分本格ミステリとしても成立していると言っていいだろう。

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posted at 15:50:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月23日

本作は「密室殺人ゲーム」シリーズが好きな人にこそお勧めしたい作品である。

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posted at 15:50:27

2013年11月25日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月25日

京極夏彦「書楼弔堂 破暁」読了。明治20年代中頃、東京のはずれに佇む異様な書店「書楼弔堂」。そこの白い着流し姿の店主は常々こう主張する。ただ一冊、大切な大切な本を見付けられれば、その方は仕合わせでこざいます、と。そして、今日も訪れた客人に云うのだ。――どのような本をご所望ですか。

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posted at 22:44:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月25日

京極夏彦の新シリーズは、明治を舞台に古今東西の書物の墓場と言うべき異様な書店「書楼弔堂」の店主が迷える者たちに人生の伴侶となる大切な一冊を授ける、本に纏わる連作集。加えてその迷える者たちというのがなかなかの曲者で、いずれも明治を代表する著名人ばかりなのだから恐れ入る。

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posted at 22:45:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月25日

それを踏まえた上で「書楼弔堂」の店主が大切な一冊を授けた客人が一体誰なのか毎回予想するのも本作の楽しみ方の一つだろう。ある意味、日本史の裏話的な面白さがある本作だが、個人的には四話目にあたる「探書肆 贖罪」が最もそれがよく出ていたように思う。

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posted at 22:45:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

13年11月25日

客人の意外な正体もさることながら、授けた本のシュールさと意味深さのバランスが絶妙。あと鰻好きとしては読んでいて非常にお腹が空いた(爆)。その他、京極堂シリーズのファンには堪らない趣向もあり、実に至れり尽くせりな作品である。

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posted at 22:45:54

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