麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年08月27日(水)
菅原和也「柩の中の狂騒」読了。かつて『悪魔』を作り出したことで学会を追放された男が館長を務める孤島の博物館。そこに所蔵された透明標本を見るため9人の男女が訪問した。その中には名探偵や逃走中の殺人犯も混じっていた。やがて首を切り離された死体が発見されると共に惨劇の一夜が始まる――。
タグ:
posted at 21:41:03
舞台や雰囲気はこれでもかとばかりに本格ミステリの王道。しかしながら、それは全て後半のぶっ壊れた展開を引き立てるための前ふりに過ぎない。王道をきっちりやってこそ、ぶっ壊した時の衝撃が凄まじいことを作者は非常によく分かっており、そこからはある種の破壊の美学すら感じられる。
タグ:
posted at 21:41:21
とはいえ、ただ形式だけ借りた作品というわけではなく、きちんと本格として破壊の理由を用意している点が個人的には好印象。「ラミア虐殺」のような真っ当でない本格が好きな読者であれば偏愛したくなる作品である。
タグ:
posted at 21:41:31
2014年08月28日(木)
長沢樹「武蔵野アンダーワールド・セブン 多重迷宮」読了。太平洋戦争後、北と南に分断された、もう一つの日本。御坂摩耶の祖父が遺した建物の地下――鍾乳洞を利用して造られた巨大なシェルターで七ツ森神子都ら地下世界研究会のメンバーが屍蝋化した死体を発見した瞬間、連続殺人の幕が開く。
タグ:
posted at 23:39:37
例えるならば、ラノベのネタに本格ミステリ的演出を施したような作品。一応、異世界設定や特殊状況を活かしてはいるものの、今一つスッキリしないのは結局のところまるまる長編一本使ってやったのが、単なるキャラ紹介だったからの一言に尽きる。
タグ:
posted at 23:40:17
それでもミステリとしてみるならば、手垢のついたネタをこういうやり方で見せた点が新しいのかもしれないが、やはり核となるアイディアの小粒感は否めない。また一番のメインであるホワイダニットにしてもキャラの特徴付けをしただけにしか見えないのも痛い。
タグ:
posted at 23:40:49
2014年08月29日(金)
倉阪鬼一郎他「闇のトラペゾヘドロン」読了。マラソンの下見中に偶然見付けた奇妙な美術館を訪れたことから二人の男が怪異に巻き込まれる倉阪鬼一郎「闇の美術館」、冥闇様という謎の存在が祀られた祠と世間を騒がせている不可解な殺人事件の関係に迫る積木鏡介「マ★ジャ」の他、ゲームブックを収録。
タグ:
posted at 20:22:19
ラヴクラフト「闇をさまようもの」をテーマにした書き下ろしアンソロジー。「闇の美術館」は作者がモデルの登場人物が出てくる時点でどんなシーンでもギャグにしか見えなくなってしまうのがアレだが(爆)、マラソンホラーという見せ方は新しいように思う。
タグ:
posted at 20:22:30
ギャグといえば「マ★ジャ」もまた同様で「魔物どもの聖餐」を彷彿とさせる場面やちょっとしたミステリ的仕掛けなど積木ファンならオッと思う部分もあるが、やはりタイトルに込められた最後のオチが全て持っていってしまうのがアレw この「歪んだ創世記」の結末にも似たお茶目さは嫌いではない。
タグ:
posted at 20:22:43