麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年08月29日(金)
ギャグといえば「マ★ジャ」もまた同様で「魔物どもの聖餐」を彷彿とさせる場面やちょっとしたミステリ的仕掛けなど積木ファンならオッと思う部分もあるが、やはりタイトルに込められた最後のオチが全て持っていってしまうのがアレw この「歪んだ創世記」の結末にも似たお茶目さは嫌いではない。
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posted at 20:22:43
ラヴクラフト「闇をさまようもの」をテーマにした書き下ろしアンソロジー。「闇の美術館」は作者がモデルの登場人物が出てくる時点でどんなシーンでもギャグにしか見えなくなってしまうのがアレだが(爆)、マラソンホラーという見せ方は新しいように思う。
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posted at 20:22:30
倉阪鬼一郎他「闇のトラペゾヘドロン」読了。マラソンの下見中に偶然見付けた奇妙な美術館を訪れたことから二人の男が怪異に巻き込まれる倉阪鬼一郎「闇の美術館」、冥闇様という謎の存在が祀られた祠と世間を騒がせている不可解な殺人事件の関係に迫る積木鏡介「マ★ジャ」の他、ゲームブックを収録。
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posted at 20:22:19
2014年08月28日(木)
それでもミステリとしてみるならば、手垢のついたネタをこういうやり方で見せた点が新しいのかもしれないが、やはり核となるアイディアの小粒感は否めない。また一番のメインであるホワイダニットにしてもキャラの特徴付けをしただけにしか見えないのも痛い。
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posted at 23:40:49
例えるならば、ラノベのネタに本格ミステリ的演出を施したような作品。一応、異世界設定や特殊状況を活かしてはいるものの、今一つスッキリしないのは結局のところまるまる長編一本使ってやったのが、単なるキャラ紹介だったからの一言に尽きる。
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posted at 23:40:17
長沢樹「武蔵野アンダーワールド・セブン 多重迷宮」読了。太平洋戦争後、北と南に分断された、もう一つの日本。御坂摩耶の祖父が遺した建物の地下――鍾乳洞を利用して造られた巨大なシェルターで七ツ森神子都ら地下世界研究会のメンバーが屍蝋化した死体を発見した瞬間、連続殺人の幕が開く。
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2014年08月27日(水)
とはいえ、ただ形式だけ借りた作品というわけではなく、きちんと本格として破壊の理由を用意している点が個人的には好印象。「ラミア虐殺」のような真っ当でない本格が好きな読者であれば偏愛したくなる作品である。
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posted at 21:41:31
舞台や雰囲気はこれでもかとばかりに本格ミステリの王道。しかしながら、それは全て後半のぶっ壊れた展開を引き立てるための前ふりに過ぎない。王道をきっちりやってこそ、ぶっ壊した時の衝撃が凄まじいことを作者は非常によく分かっており、そこからはある種の破壊の美学すら感じられる。
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posted at 21:41:21
菅原和也「柩の中の狂騒」読了。かつて『悪魔』を作り出したことで学会を追放された男が館長を務める孤島の博物館。そこに所蔵された透明標本を見るため9人の男女が訪問した。その中には名探偵や逃走中の殺人犯も混じっていた。やがて首を切り離された死体が発見されると共に惨劇の一夜が始まる――。
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posted at 21:41:03
2014年08月26日(火)
タイトルにもなっている幻肢という現象から得た着想は面白いものの、それを活かした物語になっているかと言われるとかなり微妙。一応ラブストーリー+ミステリとのことだが恋愛物としてはいたって普通。ミステリとしても誰もが最初に思い付くオチなので正直コメントに困る(汗)。
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島田荘司「幻肢」読了。医大生・糸永遥は交通事故で大怪我をし一過性全健忘により記憶を失った。体と記憶は徐々に回復していくが事故当時のことだけがどうしても思い出せない。不安と焦りで鬱病を発症し自殺未遂を起こした遥は治療のためTMSを受けるがその直後から恋人・雅人の幻を見るようになる。
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posted at 23:30:10
またシリーズとしてみると謎の存在だった青鬼の正体に迫ったり、これまではひたすらイヤな性格だったキャラが一転、映画版のジャイアンさながらにいいヤツになってたりするのが面白い。ただ欲をいえば、そろそろクロケンならではの大仕掛けを見てみたいところではある。
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posted at 15:27:38
黒田研二による同名の人気フリーゲームを基にしたオリジナル小説第三弾。今回の見所は異形編というタイトルに象徴される、ある新設定で、それをミステリ的手法を用いてラストのホラーらしいサプライズに繋げている点が○。
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posted at 15:27:12
黒田研二「青鬼 異形編」読了。化け物屋敷と噂される〈ジェイルハウス〉から帰ってこない卓郎の父を探しに館を訪れたひろし、卓郎、美香、たけしの四人はまたして青い肌の怪物に襲われる。更にシュンが〈ジェイルハウス〉をモデルに作り上げたゲームをバージョンアップしたことで怪物に異変が……。
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posted at 15:27:03
2014年08月24日(日)
だが本作ではミステリ部分に力を入れず、あえて添え物程度にしたことにより、物語がミステリに邪魔されることなく生き生きと描けている。それが作者にとって良いことかどうかは分からないが、少なくともこの作品にとってその判断は正解だったと思う。
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posted at 16:18:10
本作は鮎川賞作家の手による日常の謎もの連作ミステリだが、ぶっちゃけミステリ的に見れば大した作品ではない。しかしながら小説としては作者の作品中一番面白かった。これまでの作者の作品はキャラや掴みは良くてもミステリパートに入った途端一気に作業的になり、正直いえばかなり退屈だった。
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posted at 16:17:48
山田彩人「今宵、喫茶店メリエスで上映会を」読了。仕事を辞め、幼い頃に暮らした街に帰ってきた亜樹が見たものはシャッター通りと化した商店街とかつての輝きを失った思い出の喫茶店「メリウス」だった。亜樹は「メリウス」と商店街を昔のように戻そうと決意、そこに映画と日常の謎が絡み合って……。
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posted at 16:17:24
ただどちらかというと本領発揮はその後の展開の方であり、よくある仕掛けではあるものの映像作家らしい演出を施し、それなりに魅せてくれる。コアなミステリ読みには受けが悪いかもしれないが、ミステリ初心者から中級者あたりには楽しめるかもしれない。
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posted at 13:19:18
出版禁止処分を受けた、ある心中事件のルポをたまたま入手した作者が紹介する、折原一風ミステリ。メインの心中事件の真相は二転三転するものの、最終的には被害者の人物像と人間関係を考えればこれしかないというところに着地してしまうため、些か物足りなさを覚える。
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posted at 13:19:01
長江俊和「出版禁止」読了。カリスマ・ドキュメンタリー作家が不倫中の女と心中し女だけが生き残った。本当は誰かに殺されたのではないか。不穏な噂はあったが女は頑なに取材を拒否。七年後、一人のルポライターが女のインタビューに成功し記事を書き上げる。しかし、そのルポは封印された。一体何故?
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posted at 13:18:39
2014年08月23日(土)
特に圧巻なのはラストの「終天のプシュケー」で、それまでの展開を絶妙な伏線として活かし久蔵の物語に終止符を打つと共に、機巧人形を通じて想いが受け継がれていく様には思わず胸が熱くなる。帯には「異形の本格ミステリー」とあるが、個人的には時代SFの傑作として本作を推したい。
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posted at 16:13:55
それ以降の収録作はどちらかといえばエンタメ寄りだが「神代のテセウス」や「制外のジェペット」は時代小説ならではの殺陣シーンを盛り込みつつ、優れたコンゲームで魅せてくれる。
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posted at 16:13:28
時代小説をベースに「精巧に作られた機巧人形に魂は宿るのか?」というお馴染みのSF的テーマに挑んだ連作長編。表題作はその世界観を説明するのに打ってつけの一編で、連城作品を思わせる鮮やかな構図の反転は本格ミステリとして見ることも充分可能だろう。
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posted at 16:13:12
乾緑郎「機巧のイヴ」読了。牛山藩の武士・江川仁左衛門は幕府配下の機巧師・釘宮久蔵に、自身が想いを寄せている遊女・羽鳥に似せた機巧人形の作製を依頼する。やがて羽鳥そっくりの機巧人形は完成するが、ある時、仁左衛門は久蔵に謀られたことを知り――表題作他、機巧人形を巡る四編収録。
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posted at 16:12:45
2014年08月21日(木)
そこを丁寧に描くことで、何てことない真相でもぐっと引き立つところが素晴らしい。中でも表題作は間接的に二人が同じ事件に関わるという趣向もさることながら、定番のネタを巧く捻っている点が秀逸で、いささか飛躍し過ぎなところもなくはないが昨今の東野作品では珍しくミステリ度が高いのは好印象。
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posted at 21:42:22
「マスカレード・ホテル」に続くシリーズ二作目は主役の二人――大胆な発想で犯人を暴く敏腕刑事・新田浩介と並外れた観察力を持つホテルウーマン・山岸尚美が出会う以前を描いた短編集。特筆すべきは何と言っても事件の気付きのポイントにそれぞれのキャラの持ち味が活かされていることだろう。
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posted at 21:41:50
東野圭吾「マスカレード・イブ」読了。東京で発生した大学教授殺人事件の捜査にあたる新田浩介は一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが何故かホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか? 表題作他、三編収録。
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posted at 21:41:28