麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年08月20日(水)
多分それを避けるための新キャラ投入なのかもしれないが、そういったものよりも個人的には一作目「九つの殺人メルヘン」のような不可能犯罪縛り+連作ならではの仕掛けでまたあっと言わせてほしいと思う。
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posted at 22:45:45
事件とは全く関係ないビール談義と懐メロ話、そこから一転オペラになぞらえたような事件の話になり、探偵役がオペラの新解釈を披露しつつ、それを突破口にして事件も解決する――その完成された流れは相変わらず手堅いものの、さすがに何作も続けられると飽きがくる。
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posted at 22:44:25
鯨統一郎「オペラ座の美女 女子大生桜川東子の推理」読了。毎週金曜日にバー〈森へ抜ける道〉を訪れる女子大生・桜川東子が安楽椅子探偵形式で難事件を解き明かすシリーズの五作目。今回のお題はオペラで、「カルメン」「椿姫」「蝶々夫人」「フィガロの結婚」「サロメ」を扱った五編を収録。
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posted at 22:43:59
ちなみに本作のあとがきで作者が執筆の苦労を語っているものの、残念ながら読者側にはあまりピンとこない。だがそれは裏を返せば、奇天烈な話を自然に読ませようとした作者の苦労が報われた結果とも言えるだろう。本作は多重推理に見せかけたプロット本格の良作である。
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posted at 12:32:38
SF設定を用いた多重推理物。といっても、そこで展開される推理の一つ一つは別段大したものではない。むしろ本作で注目すべきは「何故、こういった構成を採用したのか?」であり、それにきっちり意味を持たせた点が実に秀逸。
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posted at 12:32:07
芦辺拓「異次元の館の殺人」読了。冤罪が疑われる殺人事件の追加捜査のため放射光による鑑定を兼ねて関係者が集った洋館ホテル〈悠聖館〉に赴いた菊園検事と森江春策。だが放射光鑑定をするはずの研究機関で暴走事故が発生、更に〈悠聖館〉で密室殺人が起こり菊園検事は異次元へと迷い込む羽目に……。
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posted at 12:31:47
2014年08月19日(火)
前作でも怒濤の伏線回収と構図の反転で魅せてくれた作者だが本作ではそれに輪をかけた鮮やかさに加え悪魔的奇想で読者を打ちのめしてくれる。前作よりも歴史ミステリ要素が減ったのが少々残念だが、その代わり本格としての完成度は前作以上かつ今年度を代表する本格と言っても差し支えない作品である。
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posted at 23:26:24
しかもその謎の盛り方は半端なく、頁数が五十を切ってもまだ止まるどころか更に謎が増えていく展開に読んでいるこちらが却って不安になるくらいだ。しかしながらそこは完全に作者の計算通りであり、残り僅かな解決編で一気にけりをつけてしまうその手際は、さながら刀城シリーズを彷彿とさせる。
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posted at 23:26:15
傑作。まず本作は「伊藤博文邸の怪事件」に続くシリーズ二作目だが、密室殺人を扱いつつも歴史ミステリの趣が強く比較的展開が緩やかだった前作に対し、本作は本格ミステリの王道とも言える内容で、畳み掛けるように事件が起きていく。
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posted at 23:25:49
岡田秀文「黒龍荘の惨劇」読了。その異様な大量殺人はあまりの奇怪さゆえ明治の闇に葬り去られた……。舞台は山縣有朋の影の側近と囁かれる漆原安之丞の屋敷・黒龍荘。そこでまず主人自身の首なし死体が発見されたのを皮切りに住人たちが次々とわらべ唄通りに殺されていく。探偵・月輪の推理やいかに。
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posted at 23:25:32
2014年08月14日(木)
一応トリックだけ取り出せばバカミスの部類に入るが、伏線があからさま過ぎて意外性はない。また所々、手掛かりが後出しなのも気になる。とはいえ神々の法廷という設定は展開次第では面白くなりそうなので今後に期待したい。
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posted at 19:55:30
物語の展開からキャラ、手掛かりの出し方に至るまで、まんま逆転裁判(これで逆転裁判のBGMを流せば完璧)。故にパロディとして読めばそれなりに楽しめるが、逆にこの作品ならではのオリジナリティを求めるとかなり不満が残る。
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posted at 19:55:03
多宇部貞人「封神裁判」読了。神界の首都「神々の庭」にある弥勒法律事務所に所属する弁護神・伏羲はある日、巷を騒がせる「イザナミさま殺神事件」の弁護を引き受けることになる。弁護する相手はオカマバーを経営する炎神イフリート。しかも捜査が進むにつれ密室とアリバイの壁が立ちはだかり……。
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posted at 19:54:39
2014年08月13日(水)
とはいえ最終的な真相に関して言えば落ち着くところに落ち着いてしまった感があり、些か物足りなさを覚える読者もいるかもしれない。しかしながらそこに至るまでの過程が非常に凝っており、人物描写を活かした技巧や意外な犯人的趣向など見るべきところはかなり多い。
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posted at 22:41:13
誘拐で使われるトリックは一つ一つがよく練られており、それらを出し惜しみすることなく畳み掛けてくる点が実に圧巻。加えて作者は殺人事件の謎まで用意し、二転三転させる展開で読者を翻弄してみせる。
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posted at 22:40:56
タイトルを見てピンとくる人もいるかもしれないが、本作のテーマはズバリ多重誘拐である。しかも重なるのは誘拐だけではない。警察や最初の誘拐犯の片割れ(!)など事件を追う側も複数存在し、様々な方向から真相に迫ることになる(尤も気付きのポイントはやや甘い部分もあるが、そこはご愛嬌)。
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posted at 22:40:25
大谷羊太郎「複合誘拐」読了。東都テレビのニュース・ショー番組に出演するはずだった社長令嬢が出演直前に誘拐された。フリーレポーターの田代は彼女を乗せたと思しきトラックを追うが、その途中で犯人は事故死、身代金も無事回収される。だが令嬢の姿は見付からず父親の許には新たな脅迫電話が……。
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posted at 22:40:03
2014年08月11日(月)
その他二編では曰く付きのアパートの怪異から思わぬ事実が明らかになる「まぼろしの鬼女」がなかなか面白い。個々のトリックこそ今となっては古びてしまっているが事件の構図とプロローグとエピローグに仕掛けられた遊び心が○。個人的には大谷入門編として「真夜中の殺意」と共に本作をお勧めしたい。
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posted at 23:03:15
表題作他二編の短編を収録。表題作は舞台設定からして作者らしい青春ミステリの秀作で、これでもかとばかりに詰め込まれたトリックの密度にも圧倒されるが、それよりもむしろ何気ないエピソードの裏に隠された、その時代ならではの犯罪の構図が実に素晴らしい。
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posted at 23:00:40
大谷羊太郎「死を運ぶギター」読了。所有者に死を齎すというギターを偶然手に入れた牧夫はプロミュージシャンに憧れ単身北九州へと渡るも、腕前を披露しようとした矢先にギターを盗まれてしまう。プロへの道を断たれ東京に舞い戻った失意の牧夫。だがそこで彼を待っていたのは不可解な密室殺人だった。
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posted at 23:00:05
2014年08月08日(金)
一方ミステリとしてみるとメイントリックに前例があるのが痛いが、代わりに登場人物に隠された意外な関係がそれをフォローしているのは○。ミスディレクションも巧く決まっているがその反面、選評でも指摘されているように意外性に拘るあまり一部の登場人物の行動に不自然なところがあるのが気になる。
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posted at 17:23:32
第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。福ミスで学園青春ミステリというと、第1回の時の優秀作・水生大海「少女たちの羅針盤」以来。これまでの福ミス受賞作の大半がそうだったように、本作もまたリーダビリティが高く、小説としてはこなれている印象を受ける。
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posted at 17:23:20
明利英司「旧校舎は茜色の迷宮」読了。白石秋美の通う高校で一年前の秋、一人の女教師が旧校舎内で何者かに殺害された。そして翌年の同じ日に、今度は秋美の慕う男性教師・小垣が旧校舎から飛び降りて死亡する。秋美は空手部の渋谷と生徒会長の木吉と共に、二人の死の真相に迫ろうとするが……。
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posted at 17:23:05
2014年08月07日(木)
しかしながら、こうでもしないとすぐにネタが割れてしまう可能性があるため、それも仕方ないのかもしれない(個人的にはこのネタが某作のパロディとして使われているのかどうかが気になる)。とまれ、「のぞきめ」が好きな読者なら間違いなくハマる作品である。
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posted at 23:14:08
物語の見せ方としては「のぞきめ」に近く、三津田作品の裏話的私小説とミッシングリンクテーマのミステリ、そして実話怪談風ホラーが同時に楽しめるのが特徴。ちなみに本作をミステリとしてみると、ミスディレクションがかなり卑怯くさい(爆)。
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posted at 23:13:34
三津田信三「どこの家にも怖いものはいる」読了。ホラーミステリ作家・三津田信三の元に知り合いの青年・三間坂秋蔵が持ち込んだ幽霊屋敷話は人物、時代、地域など全く別々であるにも拘わらず、何故か妙に似ている部分があった。一種のミッシングリンクと三津田が語る、その奇妙な状況の真相とは?
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posted at 23:13:08
2014年08月06日(水)
アイディアはバカミス、しかしながら今回ばかりは「お疲れ様でした」どころではなく、「クラニー死ぬんじゃないか……?」と作者のことを本気で心配したくなる、近年稀に見る労作かつ怪作である。
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posted at 22:03:41
それが面白いかどうかというレベルは既に超越しており、ただただ凄いと言わざるを得ない。しかも恐ろしいのは、ゴシック要素を取り入れることにより、それをやる必然性まできっちり用意していることだろう。
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posted at 22:02:57
絶句。読了後の感想としては正にその一言に尽きるだろう。率直に言えば、本作はミステリ作品として成立していることがまず奇跡に近い。もっとも個々のトリックだけ取り出せばいつもの倉阪としか言いようがないものなのだが、最後にある趣向が明かされた瞬間、それまでの苦笑が戦慄に取って代わる。
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posted at 22:02:44
倉阪鬼一郎「波上館の犯罪」読了。とある半島の近海に浮かぶ小島に建てられた、白亜の洋館――波上館。波に浮かんで見えるその異様な館で次々と起こる殺人劇。それは亡き館主の仕業なのか。そして作者の語る究極の作品、「すべての文章、いや、すべての言葉が伏線になっているミステリー」とは?
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posted at 22:02:22