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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2014年08月01日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月1日

滝田務雄「和気有町屋南部署 デカは死ななきゃ治らない」読了。かつて伝説の名探偵が犯罪に関わった人間を集めて造った町・和気有町。その名探偵の曾孫である屋南部署刑事課長・沖手範丞が対人恐怖症の刑事やストーカーの女巡査など問題児ばかりの部下に頭を悩ませつつ様々な事件に挑む連作ミステリ。

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posted at 23:21:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月1日

タイトルはユーモア警察小説風。だが第一話を読むとキレのいいロジックで魅せる犯人当てだし、第三話は宝石を巡る怪盗との頭脳戦、そしてメインの事件にいたってはアンチ名探偵物(!)という、かなり変わった内容となっている。

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posted at 23:22:09

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月1日

この警察小説だからこそできるアンチ名探偵物というアプローチに関しては面白いと思う反面、肝心のメインの事件が魅力的に描けているとは言い難いのが残念。またクセのある部下たちも後半になればなるほど活躍の場が減ってくし、読み終わってみれば完全に第一話がピークになってしまっているのも痛い。

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posted at 23:22:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月1日

とはいえ作者がやろうとしたその試みは充分評価できるし、東川ばりにギャグの中に伏線を隠すテクニックなど見るべきところも多い意欲作ではあると思う。

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posted at 23:22:34

2014年08月02日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月2日

小森収「土曜日の子ども」読了。土曜日になると五十円玉二十枚を千円札に両替しにくる幼い兄妹、店の本を入れ替える高校生、どしゃ降りの中傘を使わずに死んでいた男、体に重い障害を持つ彼女が暴漢を殺害した方法など、とある町の本屋さんが遭遇した六つの謎。

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posted at 19:56:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月2日

日常の謎二編、殺人事件四編で構成された連作ミステリ。一編目の表題作はあの五十円玉二十枚の謎に挑戦した意欲作で一部の真相は平凡だが、両替にくる人物を幼い兄妹に設定したことで真相にそれなりの説得力があるのは○。

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posted at 19:56:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月2日

続く二編目「ぬけられ小路の殺人」は使われなかった傘を巡るロジックは丁寧だが、その解答自体は前例があるのが残念。しかしながらそこから更に発展させ、犯人の正体に繋げている点は巧い。三編目「万引きよりも重い罪」は伏線があからさまで真相に気付きやすいのが難。

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posted at 19:57:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月2日

四編目「みっこさんの殺人」は伏線の巧さが光る作品で殺害方法もさることながら人物描写からの気付きが実に秀逸。五編目、六編目はそれまでの四編に比べると一段落ちる出来で、特に六編目「闇に誘う」はプロットの強引さが気になる。個人的ベストは「みっこさんの殺人」。

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posted at 19:57:41

2014年08月04日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月4日

麻耶雄嵩「さよなら神様」読了。隣の小学校の先生が殺され、容疑者の一人が担任の美旗先生と知った俺、桑町淳はクラスメイトの鈴木太郎に真犯人は誰かと尋ねてみた。彼の答えは絶対だ。何故なら彼は神様なのだから。「犯人は○○だよ」――物語の一行目から真犯人の名前が公開される画期的な六編収録。

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posted at 22:43:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月4日

あの問題作「神様ゲーム」の続編である連作ミステリ。収録作六編のうち前半三編は見るべきところもなくはないが、どちらかというとネタ的には小粒で、気が早い読者なら「麻耶老いたり」と落胆するかもしれない。だが、その印象も後半三編で激変することになる。

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posted at 22:43:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月4日

まず「バレンタイン昔語り」。ここからが本領発揮と言わんばかりの極悪ネタもさることながら、この設定だからこそできるミスディレクションが素晴らしい。続く「比土との対決」はトリック自体は目新しくないものの、それまでの人物描写を活かした動機との合わせ技が強烈な黒さを生み出している。

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posted at 22:43:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月4日

そして、それは最後の表題作も同様であり、個人的には後半三編に笹沢左保にも似た技巧を感じてしまった(もしかしたら収録作にアリバイ物が多めなのも、それを意図しているのかもしれない)。とまれ、笹沢好きの自分としては後半三編を強く推したいと思う。

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posted at 22:44:24

2014年08月06日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月6日

倉阪鬼一郎「波上館の犯罪」読了。とある半島の近海に浮かぶ小島に建てられた、白亜の洋館――波上館。波に浮かんで見えるその異様な館で次々と起こる殺人劇。それは亡き館主の仕業なのか。そして作者の語る究極の作品、「すべての文章、いや、すべての言葉が伏線になっているミステリー」とは?

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posted at 22:02:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月6日

絶句。読了後の感想としては正にその一言に尽きるだろう。率直に言えば、本作はミステリ作品として成立していることがまず奇跡に近い。もっとも個々のトリックだけ取り出せばいつもの倉阪としか言いようがないものなのだが、最後にある趣向が明かされた瞬間、それまでの苦笑が戦慄に取って代わる。

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posted at 22:02:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月6日

それが面白いかどうかというレベルは既に超越しており、ただただ凄いと言わざるを得ない。しかも恐ろしいのは、ゴシック要素を取り入れることにより、それをやる必然性まできっちり用意していることだろう。

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posted at 22:02:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月6日

アイディアはバカミス、しかしながら今回ばかりは「お疲れ様でした」どころではなく、「クラニー死ぬんじゃないか……?」と作者のことを本気で心配したくなる、近年稀に見る労作かつ怪作である。

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posted at 22:03:41

2014年08月07日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月7日

三津田信三「どこの家にも怖いものはいる」読了。ホラーミステリ作家・三津田信三の元に知り合いの青年・三間坂秋蔵が持ち込んだ幽霊屋敷話は人物、時代、地域など全く別々であるにも拘わらず、何故か妙に似ている部分があった。一種のミッシングリンクと三津田が語る、その奇妙な状況の真相とは?

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posted at 23:13:08

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月7日

物語の見せ方としては「のぞきめ」に近く、三津田作品の裏話的私小説とミッシングリンクテーマのミステリ、そして実話怪談風ホラーが同時に楽しめるのが特徴。ちなみに本作をミステリとしてみると、ミスディレクションがかなり卑怯くさい(爆)。

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posted at 23:13:34

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月7日

しかしながら、こうでもしないとすぐにネタが割れてしまう可能性があるため、それも仕方ないのかもしれない(個人的にはこのネタが某作のパロディとして使われているのかどうかが気になる)。とまれ、「のぞきめ」が好きな読者なら間違いなくハマる作品である。

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posted at 23:14:08

2014年08月08日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月8日

明利英司「旧校舎は茜色の迷宮」読了。白石秋美の通う高校で一年前の秋、一人の女教師が旧校舎内で何者かに殺害された。そして翌年の同じ日に、今度は秋美の慕う男性教師・小垣が旧校舎から飛び降りて死亡する。秋美は空手部の渋谷と生徒会長の木吉と共に、二人の死の真相に迫ろうとするが……。

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posted at 17:23:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月8日

第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。福ミスで学園青春ミステリというと、第1回の時の優秀作・水生大海「少女たちの羅針盤」以来。これまでの福ミス受賞作の大半がそうだったように、本作もまたリーダビリティが高く、小説としてはこなれている印象を受ける。

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posted at 17:23:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月8日

一方ミステリとしてみるとメイントリックに前例があるのが痛いが、代わりに登場人物に隠された意外な関係がそれをフォローしているのは○。ミスディレクションも巧く決まっているがその反面、選評でも指摘されているように意外性に拘るあまり一部の登場人物の行動に不自然なところがあるのが気になる。

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posted at 17:23:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月8日

とはいえ人物の対比など光る部分もあるので、もし次回作が出たらそちらも読んでみたいと思う。

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posted at 17:23:44

2014年08月11日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月11日

大谷羊太郎「死を運ぶギター」読了。所有者に死を齎すというギターを偶然手に入れた牧夫はプロミュージシャンに憧れ単身北九州へと渡るも、腕前を披露しようとした矢先にギターを盗まれてしまう。プロへの道を断たれ東京に舞い戻った失意の牧夫。だがそこで彼を待っていたのは不可解な密室殺人だった。

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posted at 23:00:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月11日

表題作他二編の短編を収録。表題作は舞台設定からして作者らしい青春ミステリの秀作で、これでもかとばかりに詰め込まれたトリックの密度にも圧倒されるが、それよりもむしろ何気ないエピソードの裏に隠された、その時代ならではの犯罪の構図が実に素晴らしい。

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posted at 23:00:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月11日

その他二編では曰く付きのアパートの怪異から思わぬ事実が明らかになる「まぼろしの鬼女」がなかなか面白い。個々のトリックこそ今となっては古びてしまっているが事件の構図とプロローグとエピローグに仕掛けられた遊び心が○。個人的には大谷入門編として「真夜中の殺意」と共に本作をお勧めしたい。

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posted at 23:03:15

2014年08月13日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月13日

大谷羊太郎「複合誘拐」読了。東都テレビのニュース・ショー番組に出演するはずだった社長令嬢が出演直前に誘拐された。フリーレポーターの田代は彼女を乗せたと思しきトラックを追うが、その途中で犯人は事故死、身代金も無事回収される。だが令嬢の姿は見付からず父親の許には新たな脅迫電話が……。

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posted at 22:40:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月13日

タイトルを見てピンとくる人もいるかもしれないが、本作のテーマはズバリ多重誘拐である。しかも重なるのは誘拐だけではない。警察や最初の誘拐犯の片割れ(!)など事件を追う側も複数存在し、様々な方向から真相に迫ることになる(尤も気付きのポイントはやや甘い部分もあるが、そこはご愛嬌)。

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posted at 22:40:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月13日

誘拐で使われるトリックは一つ一つがよく練られており、それらを出し惜しみすることなく畳み掛けてくる点が実に圧巻。加えて作者は殺人事件の謎まで用意し、二転三転させる展開で読者を翻弄してみせる。

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posted at 22:40:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月13日

とはいえ最終的な真相に関して言えば落ち着くところに落ち着いてしまった感があり、些か物足りなさを覚える読者もいるかもしれない。しかしながらそこに至るまでの過程が非常に凝っており、人物描写を活かした技巧や意外な犯人的趣向など見るべきところはかなり多い。

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posted at 22:41:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年8月13日

そして何よりも、これだけ複雑な話を破綻なく書き上げた作者の手腕が素晴らしい。本作は最後まで気が抜けない誘拐ミステリの秀作である。

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posted at 22:41:24

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