麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年10月31日(金)
〈宿〉に纏わるミステリを集めた「暗い宿」の姉妹編とも言える作品。本作で見るべきところはやはり舞台となる店の特徴がミステリとしてきちんと活かされている点だろう。特にそれが秀逸なのは「古物の魔」と表題作で、どちらもこの店ならではの構図とロジックで魅せてくれる。
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有栖川有栖「怪しい店」読了。店というのは不思議なものだ。「どうぞお入りください」と招かれて、時には悪意すら入り込む。骨董品店、古書店、ショーウィンドウ、理髪店、聴き屋――五つの店に纏わる謎をお馴染み、犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖のコンビが解き明かすミステリ短編集。
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でも終わってみたら完全に駕籠真太郎なのだから、やはりキワモノなのだろう。しかしながらミステリとしてみると意外にも真っ当な異世界本格で、時には真っ当すぎて真相の一部が透けて見えてしまうのが難だが、それがどうしたと言わんばかりに畳み掛けてくる解決編が実に圧巻。
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第34回横溝賞の最終候補作にして今年度最大の怪作。「生殖センターの殺人」を飴村行が書いたら丁度こんな感じになるのではないだろうか。着地が全く読めないキワモノ展開で読者を翻弄する一方で、時々我に返ったように(?)多重推理やロジカルな犯人当てを仕掛けてくるのだから質が悪い。
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白井智之「人間の顔は食べづらい」読了。人間のクローンが食用化されるようになった近未来社会。食用クローン人間の飼育施設で働く和志は密かに自宅で自らのクローンを違法で育てていた。ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから生首が発見され、和志が疑われることに――。
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2014年10月28日(火)
唯一面白かったのはカンニング疑惑に関する犯人当てだが、それもテーマとは一切関係がなく、ただ入れてみただけなのがアレ。個人的には労多くして実り少なしな作品としか思えなかった。
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うん、ネジれてるね……としか言いようがない作品。感覚的には「スノーホワイト」の鏡が携帯式時間移動装置になったような印象だが、ミステリというよりもSFに近い。これでもかとばかりにタイムパラドックスをやるのはいいのだけど、それが物語の面白さに繋がっているかと言われるとかなり疑問。
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森川智喜「未来探偵アドのネジれた事件簿」読了。探偵事務所を営む益井丸太の相棒・芽原アドは23世紀からやってきた元タイムパトロール隊員だ。携帯式時間移動装置「タマテバコ」を片手に様々な依頼を解決する二人はやがて未来犯罪者と対決することに――。
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2014年10月27日(月)
その他「百人一首のなぞ」は謎自体が大したものではないのはさておき、ある事実が完全に伏せられているのが気になる。「午後五時に消える」は事件にそこまでの必然性がいまいち感じられないのが残念。
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読者への挑戦が入ったジュブナイルミステリ。表題作は謎の見せ方は面白いものの、○○役が誰なのか気付いてしまうとすぐに真相が分かってしまうのが難。とはいえ展開でミスディレクションしようとしているのは好印象。
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都筑道夫「蜃気楼博士」読了。超能力を使って離れた場所にいる人間を次々と殺害する男の謎に迫る表題作の他、百人一首の暗号と誘拐がリンクする「百人一首のなぞ」、学校に侵入した男が消失し、後日男に関わりのある教師が謎の死を遂げる「午後五時に消える」の二編を収録。
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2014年10月25日(土)
むしろ本作のメインはその設定を通して文楽に関わる人々の業を描き出すことであり、そちらに関してはある程度成功していると言っていいだろう。どちらかといえばミステリというよりもホラーとして割り切った方が楽しめる作品である。
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第4回アガサ・クリスティー賞受賞作。本作は不可解な心中事件の謎を扱った所謂特殊設定ミステリの範疇に入る作品だが、その設定がミステリの仕掛けとして活かされているかと言われるとかなり微妙と言わざるを得ない。
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松浦千恵美「しだれ桜恋心中」読了。若き人形遣いの屋島達也はある日、上演すると人が死ぬという演目『しだれ桜恋心中』専用に作られた花魁の文楽人形・桔梗を見つける。一方、補助金削減問題に揺れる日本文楽協会は『しだれ桜恋心中』を呪いの演目として興行し、観客を呼びこもうとするが……。
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posted at 14:54:22
そして、その対決の果てに待つ探偵役の告白――そこで語られる真相そのものよりもむしろプロットによるミスディレクションと人物描写に裏打ちされた水面下の駆け引き、何より膨大な伏線からの事件の本質探しが実に凄まじい。本作はプロットに定評がある作者がその持ち味を存分に発揮した傑作である。
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posted at 00:12:28
本作でまず目を惹くのは凝りに凝ったその構成だろう。死んだ妻や息子による衝撃的な『死者』の告発に対し、被告人である夫『生者』が弁明する。その対決の構図は石持浅海『彼女が追ってくる』に通じるものがあるが、本作では更に関係者の証言を盛り込むことにより読者を徹底的に引きずり回してみせる。
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posted at 00:12:11
深木章子「敗者の告白 弁護士睦木怜の事件簿」読了。山荘で起きた妻子転落事件。被害者の遺した告発文と死亡した二人の体に残された争った跡から夫が容疑者として拘束されるが夫は妻こそが自分と子供を殺そうとしたのだと主張。更に関係者の証言も食い違う。誰が事実を偽り誰が真実を語っているのか。
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2014年10月23日(木)
一方、本格としてみると前ふりが長すぎな上、過去の事件にオマケとしてくっ付けただけという印象がどうしても否めないのが残念。せっかく中山作品の登場人物たちが意外な共演を果たしているのだから、「追憶の夜想曲」みたいな力作として仕上げてほしかった。
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posted at 00:24:24
冤罪をテーマにした社会派ミステリと本格ミステリの融合を目指した作品。但しそれが成功しているかどうかはまた話が別で、社会派ミステリとしてみると作者の筆力で読ませてくれるとはいえ展開自体はいたって凡庸と言わざるを得ない。
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posted at 00:23:59
中山七里「テミスの剣」読了。昭和59年に起きた不動産業者一家強盗殺人。浦和署の若手刑事・渡瀬はベテラン刑事の鳴海と共に一人の男を逮捕するが男は裁判で犯行を否定。しかし死刑が確定し男は獄中で自殺してしまう。それから五年後、渡瀬は管内で発生した窃盗事件の手口から真犯人の存在に気付く。
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2014年10月21日(火)
更に最終的な真相にしても、いくらコミカル調を演出しててもさすがにこれは無理がある。オチもさもありなんとしか思えず、個人的には面白さより微妙さの方が上回ってしまった。
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中盤で披露される多重推理は事件の見せ方が微妙なのを差し引けば、作者が得意とするバカミスとロジック全開で楽しませてくれる。但し問題はそれ以降の展開で、ネタを盛り込み過ぎたのが災いし、ただのこじつけとしか感じられない部分が多々見受けられるのが難。
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posted at 00:04:36
痴話喧嘩が理由で起きた単純な殺人事件のはずが本格ミステリ作家のプライド(?)のために密室見立て殺人へと変貌し、挙げ句の果てには理想の解決を求めて探偵まで呼ばれるというスラップスティック・ミステリ。相変わらずギャグが寒いが、それはもう仕方ないと割り切ることにする。←
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霞流一「フライプレイ! 監棺館殺人事件」読了。売れないミステリ作家がラブホテルだった建物を買い取り古今東西の本格ミステリの意匠を施した館『監棺館』。そこでうっかり女を殺害してしまった作家と編集者は相談する。「どうせなら本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にすべきでしょ!」
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2014年10月18日(土)
作者が意図したものなのかは不明だが壮絶な物語というには一部のキャラや展開がコミカル過ぎて、「絶叫」という切実なタイトルがいまいちぴんとこないのだ。またミステリとしてみると真相そのものはかなりベタだが、ある人物の正体について読者に一瞬考えさせてからあっと言わせる趣向は嫌いではない。
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「ロスト・ケア」で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビューした作者の二作目。社会的問題を扱いつつミステリ的な仕掛けで驚かせるという作風は前作と変わらないが、悲愴感という点では前作より劣ると言わざるを得ない。
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posted at 01:45:43
葉真中顕「絶叫」読了。その部屋には、死の海が広がっていた――事の始まりは国分寺にあるマンションの一室で発見された、猫に喰われ白骨化した女の死体。そこから鈴木陽子という女の壮絶な物語が始まる。貧困ビジネス、無縁社会、ブラック企業、保険金殺人、そして作者が仕掛けた驚愕のトリックとは?
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posted at 01:45:32