麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年11月30日(日)
久住四季「神様の次くらいに」(「ジュークブックスII」収録)読了。家電量販店の開店セールに纏わる日常の謎もの。ネタとしては小粒ながら伏線の使い方が巧いし、何よりタイトルが意味する優しさが光っているのがいい。とまれ、久々に作者のミステリを読んで、ますます復活が待ち遠しくなった。
タグ:
posted at 18:11:31
そして、その錯綜した状況を打破するのが人物描写を活かした巧みな伏線であり、何気ない文や台詞に隠された意味が次々と明かされる謎解きは正に圧巻の一言。その中でも特に画家と絵に纏わる伏線が素晴らしく「殉教カテリナ車輪」で飛鳥部勝則が本作を取り上げているのも非常に納得がいく(解説参照)。
タグ:
posted at 15:47:44
傑作。事件だけ取り出せば極めて地味だが、本作の読みどころはそこではなく、関係者の証言により事件や人物像が目まぐるしく変化し、錯綜していくプロットにある。むしろ事件がシンプルだからこそ、このような展開が効果的であると言えるだろう。
タグ:
posted at 15:47:33
アガサ・クリスティー「五匹の子豚」読了。かつて若い恋人に走った高名な画家が毒殺され、犯人として疑われた妻は裁判の末、獄中死した。それから16年後、その娘の依頼で再調査に乗り出したポワロは過去へと遡り、当時の状況を再現してゆく。関係者の錯綜した証言から紡ぎ出された真相とは?
タグ:
posted at 15:47:14
2014年11月28日(金)
しかもそれが「本陣殺人事件」を意識したものなのがまた心憎い。尤も手掛かりからある程度トリックが読めてしまうのが残念だが、それだけでは終わらせず、きちんと犯人特定のロジックでフォローしているのは○。前作並みのものを期待すると物足りないかもしれないが本作は本作で見所のある作品である。
タグ:
posted at 00:09:03
ゲーム「ダンガンロンパ」のスピンオフシリーズの第三弾。ボリュームたっぷりだった前作に比べると本作は箸休め的な内容だが、それでも作者らしい大掛かりなトリックが盛り込まれているのは流石。
タグ:
posted at 00:08:40
北山猛邦「ダンガンロンパ霧切3」読了。ノーマンズ・ホテル事件から生還した霧切響子と五月雨結を待っていたのは新たなる黒の挑戦――十二の密室事件だった。時間内に全ての事件を解決するか、未然に防ぐことができれば彼女たちが勝利することができる。早速、彼女たちは最初の事件現場へ赴くが……。
タグ:
posted at 00:08:28
作者の新シリーズ一作目。相変わらずネタは小粒だが、事件の見せ方とギャグにキレがあるのがいい。またキャラも一作目にしてはこなれており、掛け合いが読んでいて非常に楽しい。
タグ:
posted at 00:08:05
東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて」読了。地元でなんでも屋を始めた橘良太は巻き込まれた殺人事件。その謎を解き明かしたのはお守りを任された探偵一家のお嬢様・有紗だった。ヘタレ三十男と毒舌美少女のコンビが難事件に挑む連作ミステリ。
タグ:
posted at 00:07:39
2014年11月26日(水)
その中で唯一面白かったのがブリキの自動車に纏わる誘拐劇を扱った「ウェルメイド誘拐オキュパイド」で、事件を通して描かれる人間ドラマとブリキの自動車という小道具の使い方、ある違和感からの構図の反転などが巧く決まっている。できれば全作このクオリティでやってほしかった。
タグ:
posted at 22:26:17
かつて作者が「新・本格推理」に投稿した短編などを収録した連作ミステリ。おもちゃとミステリという組み合わせ自体は悪くないと思う反面、収録作の大半が特定の知識がないとピンとこなかったり、ネタが丸わかりだったり、はたまた小粒過ぎてコメントに困ったりするのが残念。
タグ:
posted at 22:25:54
堀燐太郎「ジグソー失踪パズル」読了。ジグソーパズルのダイイング・メッセージ、ドールズハウスの密室、殺された花嫁と見付からない縁起物、仕掛け絵本と消えた凶器、ブリキの自動車に纏わる誘拐劇……おもちゃづくしの五つの事件を、おもちゃ探偵・物集修が解き明かす。
タグ:
posted at 22:25:46
2014年11月25日(火)
その趣向に関しては面白いと思う反面、どれも事件の構図そのものをひっくり返すほどのインパクトはなく、あくまで添え物に過ぎないのが残念。とはいえ三つ目の事件の終盤で明かされる事実は、設定を巧く活かした意外性があって良かった。
タグ:
posted at 16:33:18
「妄想女刑事」の続編。本作で起きる三つの事件の真相をある程度見抜くのは、ミステリを読み慣れた読者であれば差ほど難しくないかもしれない。但し完璧に見抜くとなると一筋縄ではいかない。何故ならそこには前作同様、捻くれた趣向が仕掛けられているからだ。
タグ:
posted at 16:33:01
鳥飼否宇「迷走女刑事」読了。一度スイッチが入ると妄想の世界に旅立ってしまう女刑事・宮藤希美が遭遇した三つの事件。三人の数学教師の失踪、三枚の天狗面を被った犯人たちによる誘拐、三体のゴミ屋敷から発見された身元不明の死体……三ずくめの奇怪な事件の数々を希美は解決することができるのか?
タグ:
posted at 16:32:37
2014年11月21日(金)
ミステリとしてみると些か伏線に物足りなさを覚えるものの、遂に判明する七人目の正体はかなり意外。確かにその可能性は考慮に入れてしかるべきだったが、にしてもこれはまた思い切った選択をしたと言わざるを得ない。とはいえ、これでますますシリーズから目が離せなくなった。
タグ:
posted at 23:07:35
三巻以降はミステリ要素が希薄になっていたこのシリーズだが、五巻では再び七人目探しが焦点になり、一巻に近い雰囲気が感じられるのが嬉しい。しかも今回はそれに加え、二巻に見られたようなテグネウの奸計を巡るコンゲーム展開がより一層物語を盛り上げてくれる。
タグ:
posted at 23:07:09
山形石雄「六花の勇者5」読了。六花の勇者を破滅に導く人間の姿をした聖具「黒の徒花」。その情報を手に入れた六花の勇者はテグネウの追っ手を退けつつ〈運命〉の神殿に辿り着くがそこで彼らはテグネウの更なる一手を知ることになる。しかもフレミーが放った衝撃的な一言が新たな戦いの引き金に――。
タグ:
posted at 23:06:55
2014年11月20日(木)
しかしながらそれらは全てあるアクロバティックな企みを成立させるためのものであり、そのとんでもない構図が明かされた瞬間、思わず唸らされるに違いない。本作は北山作品中最長という長さにきちんと意味がある傑作である。
タグ:
posted at 01:20:26
待ちに待った『少年検閲官』の続編。本作はクローズドサークルで起きる連続殺人を扱っているが、出だしからバンバン人が死んでいくのかと思いきやさにあらず。事件はなかなか起きないし、起きたら起きたであっさりトリックをばらしたり妙に細々していたりとどうにも釈然としないものを覚える。
タグ:
posted at 01:19:58
北山猛邦「オルゴーリェンヌ」読了。書物が駆逐される世界。旅を続ける英国人少年クリスは検閲官に追われる少女・ユユと出会う。ユユが追われる原因を回収するべく少年検閲官・エノと共に海に囲まれたオルゴールを作り続ける洋館『カリヨン邸』を訪れた彼らを待っていたのは、奇怪な連続殺人だった。
タグ:
posted at 01:19:38
2014年11月19日(水)
そのため動機が明かされてもイマイチ釈然としないものが残り、手放しで誉めることができないのが難。犯人を示す手掛かりにはそれなりに気を遣っている分、もう少し動機の方にも配慮がほしかった。とはいえ、戦後間もない時代の空気作りはよくできていたと思う。
タグ:
posted at 01:31:33
第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。まず率直な感想としては、惜しいの一言に尽きる。本作は動機に見るべきところがあり、その発想自体は面白いと思うものの、いかんせんそれを読者に解かせるのに必要な手掛かりが不十分と言わざるを得ない。
タグ:
posted at 01:31:02
川辺純可「焼け跡のユディトへ」読了。プールに浮いた女教師の死体は服を脱がされ、能面が被されていた。それから間もなく発見された遊女の死体もまた同じ状況だった。果たしてこれは連続殺人なのか。やがて見付かる、被害者のある共通点。もしその見立てが正しければ、三人目は彼女かもしれない……。
タグ:
posted at 01:30:38
2014年11月16日(日)
「後日になって考えれば、思い当たることばかりであった。謎を解く手がかりは、その日の始まりから散らばっていたのである。」――本作はそんな書き出しから始まっているが、読み終わってみると正にその通りだったことに気付かされる良作である。
タグ:
posted at 16:49:48
またそれに伴って分かるある伏線が、動機の重要な手掛かりであると同時に強烈なミスディレクションも兼ねていたのには脱帽の一言に尽きる。トリックに目新しさはないが、こういう細かい技巧の積み重ねで唸らせてくれるところがこの作者の魅力だろう。
タグ:
posted at 16:49:39
作者が得意とする山岳ミステリの第二弾。犯人が仕掛けた二つのアリバイトリックはいずれも小粒ではあるものの、手掛かりの配置の仕方に巧さがある。むしろ本作が秀逸なのは動機の方であり、奇妙な詐欺事件で謎を更に深めた後に明かされるそれは完全に目から鱗と言わざるを得ない。
タグ:
posted at 16:49:08
長井彬「奥穂高殺人事件」読了。奥穂高山頂を目指していた伊東宏が雪庇を踏み外して転落死した。一緒に登っていた赤坂美知によると彼は転落する直前「ワナか? これは」という謎の言葉を遺したという。事件は美知の犯行か、それとも遠隔殺人か。山岳会の僚友・小泉信司は一人調査を始める。
タグ:
posted at 16:48:39