麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年06月12日(金)
そしてトリを飾る「離背という名の家畜」では読了後、思わず「うわあ……」と声に出してしまうくらいの強烈な黒さを見せ付けてくれる。ユーモアミステリを読みたい人には全くお勧めできないが、黒西澤が読みたい人には(一編目以外は)胸を張ってお勧めしたい佳作である。
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posted at 00:04:36
加えてミステリとしての切れ味もぐっと良くなっており、例えば「自棄との遭遇」は泡坂の某短編を更に悪乗りさせたような真相が、「あの日、嵐でなければ」はある台詞が絶妙なミスディレクションになっている点が秀逸。
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posted at 00:04:16
黒西澤炸裂の短編集。前作もそこはかとない黒さはあったものの、本作にいたってはその比ではない。正直これを「ユーモア本格推理」で売るなんて版元は正気か? と思わないではないが、そのおかげで(?)前作以上に作者の持ち味がよく出た作品に仕上がっているのは好印象。
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西澤保彦「回想のぬいぐるみ警部」読了。ぬいぐるみ好きのイケメン警部・音無と同じくぬいぐるみ好きのお嬢様女子高生・美月が探偵役を務める連作シリーズ二作目。自宅に帰ってきたら見知らぬ男が殺されている「自棄との遭遇」、嵐の日に起きた事件に端を発する「あの日、嵐でなければ」など五編収録。
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2015年06月10日(水)
シリーズ完結。本作では再び1巻の時のようなループ現象を扱っているが、これまでにあったミステリ要素は一切なく、徹頭徹尾ラブストーリーとして描かれているのが特徴。
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御影瑛路「空ろの箱と零のマリア7」読了。「さあ、最後の対決だ。星野一輝くん」遂に迎えた“O”との対決。“O”が使うのはあの時と同じ、3月2日という中途半端な時期に来た転校生から始まった“繰り返し”を司る箱。――マリア。僕は、箱に囚われた君を必ず取り戻す。
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posted at 20:51:09
連作ミステリ風の長編。手掛かりはあからさまだし使われるトリックも決して目新しくはないが、話の展開はよく練られている。そして何よりも容疑者が絞られていく過程が丁寧なのが好印象で、さりげなく連作らしい意外性が凝らされているのも○。
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下村明「殺戮者」読了。終戦間もない中国を舞台に日本軍の捕虜たちの間で起きた殺人事件、村祭りの最中に発見された砂に顔を埋めた女の死体、偶然再会した戦友の謎の死……三つの事件の謎を元日本軍軍曹・五瓶高彦が解き明かす。
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posted at 01:25:20
2015年06月08日(月)
個人的にはトリックや伏線に設定が活かされている点が好感触で、特に嵐の島を舞台にした理由が○。解決編が些か唐突なのが残念だが、捻りのないベタな本格を読みたい人にはちょうどいい作品かもしれない。
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posted at 22:27:26
本作は推理小説研究家の山前譲氏が「必読本格推理三十編」に挙げたことで知られる作品だが結論から言えば別に傑作というわけではない。しかしながら曰く付きの島、複雑な家系の網元一族、嵐の島で起きる連続殺人といった要素は魅力的だし、話の展開に工夫が凝らされているので読んでいて普通に楽しい。
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posted at 22:26:30
下村明「風花島殺人事件」読了。失踪した内縁の夫・花紋鶴吉探しを依頼された私立探偵・葉山は捜査を進めていくうちに大分県の離島・風花島で起きた鶴吉の正妻殺しに遭遇する。葉山の推理で正妻殺しの真相が分かりかけたのも束の間、台風が直撃した風花島で次々と殺人事件が……。
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posted at 22:26:11
王道ゴシックホラーにフェイクドキュメンタリーミステリ要素を取り入れた良作。これにより最後に明かされる真相が一層生々しいものになっているのは○だが、だからといってミステリとして本作を読むのは正直お勧めしかねる。
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藤谷治「茅原家の兄妹」読了。新潟市一家溶解事件の重要参考人から託された手記。そこには大学時代の友人・茅原恭仁からの招待で山間の洋館を訪れた「私」が遭遇した不可思議な出来事の数々が記されていた。夜な夜な謎の研究に没頭する友人と変わり果てたその妹。一体ここでは何が起きているのか?
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posted at 01:12:25
2015年06月01日(月)
惜しむらくは第三部に入ってからやや失速しまう点と、真相を見破ることがほぼ不可能である点だが、それを差し引いてもテーマを活かした強烈な仕掛けが忘れ難い佳作である。
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第24回横溝正史ミステリ大賞優秀賞及びテレビ東京賞受賞作。単純と思われた事件に端を発する、複雑極まりない犯罪パズルにまず圧倒される。それでいて最大のサプライズは実にシンプルであり、これを成立させるためにここまで錯綜したプロットを用意してみせたところが何とも素晴らしい。
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posted at 22:03:48
射逆裕二「みんな誰かを殺したい」読了。峠で発生した殺人事件。二人の目撃者のうち、一人は木陰から犯行の一部始終を目撃し、もう一人は逃走する犯人の車と曲がり角ですれ違っていた。間もなく犯人の似顔絵が完成し、事件はすぐに解決するように思えたが――。
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posted at 22:03:20