麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年09月30日(水)
青春ミステリの書き手として知られる作者の新境地……というと聞こえはいいが、それが成功しているかと言われるとかなり疑問。まず個々の仕掛けが見えやすいのもさることながら、それ以上に扱っているテーマと仕掛けが見事なまでに噛み合っていない。
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posted at 23:48:55
谷原秋桜子「その時の教室」読了。事実と反する証言をした生徒の真意、試験問題を配ったというのに解き始めようとしない生徒たち、学年トップなのに就職が決まらない生徒に隠された秘密、亡くなった教師の遺した奇妙なメッセージ。四つの高校で起きた不思議な出来事を教師の視点で描いた連作ミステリ。
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posted at 23:48:30
また「吸血の家[短編版]」は元の長編にある一部の足跡トリックだけ抜き出して書かれたものなので、長編版を読んでいるとどうしても物足りなさが否めないが、それさえ目を瞑れば、オーソドックスなミステリとしてうまく纏まっていると思う。
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posted at 11:11:51
一方「霧の悪魔」は二階堂作品ではお馴染みの(?)あるものをトリックに使った一編で、あとがきにある書かれた理由を考えれば仕方ないのかもしれないが、足跡トリックが明らかに余計に感じてしまうのが残念。
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posted at 11:11:28
カーのパスティーシュ二編にボーナストラックとして「吸血の家[短編版]」を収録した中編集。表題作は作者が自信を持つだけあってトリックはよく考えられているが、どちらかというと映像向きであり、小説だとあまり効果が薄いように思われる。
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二階堂黎人「亡霊館の殺人」読了。過去に足跡なき殺人が起きた館で、今度は目張り密室殺人が発生する表題作の他、三人の不良学生が密室状況の地下室で殺害される「霧の悪魔」など、ジョン・ディクスン・カーへの愛が詰まった作品集。
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2015年09月29日(火)
しかしながら全ての物語を作者らしい幻想と哀愁で纏めあげた表題作が小説として圧巻であり、「惑星カロン」というタイトルに象徴される、ありえざるものを見事に描き出している。ミステリとしてはあまりお勧めできないが、初野作品が持つ雰囲気が好きな読者ならば至福の一時を堪能できる作品である。
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posted at 22:18:28
ハルチカシリーズの五作目。本作は「呪いの正体」「音楽暗号」「逆密室」「人間消失」と、取り上げている謎だけ見ればいかにもミステリ度が高そうに思えるが、残念ながらこれまでのシリーズ作と比べるとミステリ度は最も低い。
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posted at 22:18:16
初野晴「惑星カロン」読了。チカが手にいれた呪いのフルート、怪しい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた鍵全開事件、そして謎の楽曲「惑星カロン」との出会い……コンクールと文化祭を経て、ちょっぴり成長したハルタとチカの許に、またもや難題が持ち込まれて――!?
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posted at 22:18:05
ただ最終的な真相に関しては前作同様、設定から見えやすい部分もあるものの、様々な工夫を凝らすことで全て見抜くまでには至らないようにしているのは好印象。些か詰め込みすぎた感もなくはないが、前作よりも着実に作者の成長を感じることができる力作である。
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posted at 01:15:45
ここで語られる真相そのものは恐らく○○○を使ったミステリから思い付いたのかもしれないが、それを巧くホラー的設定に組み込んでいる点は○。そして続く二編目は最初からオーソドックスな孤島ミステリの展開で、これでもかとばかりに推理合戦を詰め込んでくる。
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posted at 01:15:15
前作「人間の顔は食べづらい」で見せた飴村行的グロテスクな世界観とクイーン流のロジカルな推理合戦を更にパワーアップさせた怪作。まず本作がユニークなのは全二編の中編集のような構成になっている点で、一編目はホラーとしか思えない流れから探偵の登場を機にミステリへと反転する展開が見事。
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白井智之「東京結合人間」読了。男と女が互いの身体を結合させ、結合人間となって生殖を行う世界。売春斡旋業を営んでいた三人組が不思議な少女との出会いを機に起こした凄惨な事件と、一切嘘がつけない特殊な結合人間たちが集められた孤島での連続殺人が結び付いた時、驚くべき真相が明らかになる。
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2015年09月27日(日)
また誘拐事件が試合を盛り上げるための単なる演出だけで終わらず、きちんとミステリらしい捻りが入れられているのも○。構図としてはそこまで凝ったものではないものの、終始手に汗握る感覚が味わえる、一気読み必至の秀作である。
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posted at 13:53:28
本作は誘拐犯を追う警察の必死の捜査と理不尽な試合に臨まざるをえなくなった関係者たちの葛藤が平行して描かれているが、試合の日が刻一刻と近付くにつれて高まっていく緊張感と、遂に迎えた試合当日の、一切の予断を許さない展開が実に堪らない。
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岡嶋二人「タイトルマッチ」読了。二日後にタイトルマッチを控えた元世界ジュニア・ウェルター級のチャンピオン、最上永吉の義弟・琴川三郎の許に一通の脅迫状が届く。そこには最上の息子の誘拐と「タイトルマッチの相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない」という犯人の要求が……。
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posted at 13:52:21
2015年09月26日(土)
加えて最後に何故○○でなければいけなかったのか? に言及することでホロリとさせてくれる点もいい。お世辞にも派手な作品とは言い難いが、終戦工作を巡る男たちのドラマやそれに絡んだ悲恋の物語が胸を打つ佳作である。
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posted at 18:05:28
本作をミステリとしてみると、その見せ方は作者の「名探偵」シリーズに通じるものがあるが、技巧的には本作の方が明らかに上だろう。文書を解読していく展開が強烈なミスディレクションになっている点もさることながら、何よりも意外なところと結び付く動機が素晴らしい。
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posted at 18:04:59
戸松淳矩「終戦のマグノリア」読了。資産家・竹宮家の書庫から発見された『木蓮文書』。そこには昭和19年、海軍和平派と大学教授らが企てた終戦工作が書かれていた。だが文書の解読と前後して竹宮家の周辺では不審な出来事が相次ぐ。やがて事態は思いがけない方向へ……。文書に隠された秘密とは?
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posted at 18:04:16
2015年09月25日(金)
「殺人事件」とタイトルにあるにも拘わらず、その殺人事件があまり目立っていないという風変わりな作品。むしろ事件と平行して語られる血腥い史実の方に目を奪われがちだが、実はそれこそが作者の狙いであり、激動の時代の流れという壮大な煙幕の中から明らかになる犯人の正体はなかなかに衝撃的。
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posted at 00:41:10
磯部立彦「フランス革命殺人事件」読了。フランス革命後の一七九三年、国王ルイ十六世一家が幽閉されていたタンプル獄周辺で続発する殺人事件。蝮の這う廃屋で発見された両腕のない女の死体、宙吊りの袋の中で死んでいた男、売春宿の惨劇……様々な思惑が絡む中、青年貴族ラウルが辿り着いた真相とは?
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posted at 00:40:32
2015年09月23日(水)
加えて最終的に示される真相も実に衝撃的で、ぬけぬけと張られたその伏線の数々にはしてやられたと言わざるを得ない。本作は構成からタイトルに至るまで、十二分に計算された秀作である。
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posted at 18:46:27
エンタメ系本格ミステリの見本とも言うべき作品。競馬を知らない読者でもすんなり入っていける丁寧かつ自然な説明が後の謎解きのヒントとして機能する点もいいし、二転三転される展開で読者を惹き付けつつ同時にそれが真相の巧みな目眩ましになっているのも素晴らしい。
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posted at 18:46:15
岡嶋二人「焦茶色のパステル」読了。東北の牧場で牧場長と競馬評論家の大友隆一が射殺され、近くにいたサラブレッドの母子も流れ弾に当たって死亡した。隆一の妻・香苗は競馬新聞社に勤める親友の芙美子と共に、事件が起こる直前まで隆一が調べていたものの正体に迫る。第28回江戸川乱歩賞受賞作。
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posted at 18:45:59
2015年09月22日(火)
検事・霞夕子が探偵役を務めるシリーズの三作目。前二作までの倒叙形式をやめてしまったのに加え、何かしらの決め手で犯人を追い詰めることもなくなってしまったため、どうにも同じシリーズの作品を読んでいる感じが一切しないのが難。
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夏樹静子「風極の岬」読了。白骨死体と被害者が遺した謎めいた言葉、サロマ湖で発見された溺死体が阿寒湖の水を飲んでいた理由、事故死した教師と凍死体の関係、過去に凶悪犯罪を犯した若者が集団暴行されて殺された事件……北海道釧路地検に転勤になった検事・霞夕子が四つの事件を解き明かす短編集。
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2015年09月21日(月)
ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」の二次創作。フーダニットで動機から犯人に迫る展開はたいてい微妙な結果に終わるものだが、本作に関してはそれにちゃんと必然性があり、二次創作ならではのミステリに仕上げているのは○。あと真相に引っ掛けてちゃっかり自作の宣伝をする抜け目のなさに笑ったw
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posted at 10:54:43
深水黎一郎「名探偵名取、最初で最後の事件」読了。空母赤城が何者かに殺されているのが発見された。提督から探偵役を命じられた軽巡名取は動機の線から犯人に迫るが……。表題作の他、コラム二本を収録。
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posted at 10:52:41