麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年11月29日(水)
ただ最終作「吊られた男と語らぬ女」に関してはメタ的な視点から仕掛けが読めてしまうのでやや見劣りはするかもしれないが動機面を丁寧に掘り下げているのでさほど不満は感じられない。個人的には表題作と「恋人たち~」を推したいところだが総じて完成度の高い倒叙ミステリの佳作と言っていいだろう。
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posted at 23:45:28
そしてそれ以上に決め手となるあるものがどこに示されていたか読み返してみてびっくり。このぬけぬけとしたやり口こそ、この作者の本領である。続く三編目「恋人たちの汀」も被害者のある癖を活かしたロジックで唸らせてくれるだけではなく犯人の心情に踏み込んだラスト一行が実に心憎い。
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posted at 23:45:18
作者初の刑事コロンボ風倒叙ミステリ連作。全四編から成る本作は、最初の一編目「運命の銀輪」を読んだ時点ではそれほど凄みは感じられないかもしれないが、それも二編目の表題作から一変する。犯人が気付かれまいと細心の注意を払った結果、逆にそれが気付きになってしまうという倒叙の醍醐味。
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倉知淳「皇帝と拳銃と」読了。犯罪計画は完璧なはずだったのに……一体どこでミスを犯したのか? 恋愛小説家、主任教授、小劇団の主宰者、美人カメラマン──罪を犯した彼らを死神めいた風貌の警部が鋭利な推理で追い詰める全四編を収録。
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2017年11月25日(土)
何と言っても前半のタルさを吹き飛ばすようなスリリングかつスピーディーな戦闘と勝利の後に待ち受ける圧倒的な絶望のギャップ感が絶妙で、最後に明かされるニ作目のタイトルも非常に滾る。個人的にはニ作目が公開される来年の五月が待ち遠しくなる程度には面白かった。
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「GODZILLA 怪獣惑星」観了。三部作の一作目。特撮ではなくアニメということで不満を覚える人もいるかと思うが、とりあえず「シドニアの騎士」や「BLAME!」の制作元らしいCGアニメならではの特色を活かしたゴジラに仕上がっている点は○。
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posted at 22:55:39
2017年11月22日(水)
加えて前回のTV討論会を更に掘り下げたような各国首脳陣による自殺の是非を問う濃密な議論も読ませるし、その議論に聖書におけるある解釈を絡ませた点も巧い。しかしながらやはり前作と同様、曲世愛の存在が全てを台無しにしている感が否めず、正直今回も消化不良な読後感だった。
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posted at 20:17:00
タイトルに「―終―」とあるからてっきり最終巻だと思っていたけれどそんなことはなかった(爆)。前回のカオスな展開から一転、今回はアメリカに舞台を移し再び自殺とは何かという本作のテーマと真摯に向かい合っている点は好印象で、アメリカ大統領の大統領らしからぬ独特なキャラも実に魅力的。
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野崎まど「バビロン III ―終―」読了。自死の権利を認める「自殺法」。その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される時、世界の終わりを告げる銃声が響く。
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2017年11月20日(月)
とはいえ美夜の持つ共感覚能力が万能過ぎて頭脳戦という印象が薄いし、早いうちに明かされる透明人間のトリック(?)にしてもネタ的に本格ミステリとの相性はかなり悪く、せっかくの意外な犯人の演出もそれに相殺されてしまった感が否めない。
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「銀髪少女は音を視る」に続く、少女時代の音宮美夜が活躍するシリーズのニ作目。まず最初に断っておくと本作は透明人間の謎をメインにした話ではない。どちらかというと前作同様、姿が見えない犯人とのバトル&頭脳戦に主軸が置かれた内容になっている。
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posted at 21:54:10
天祢涼「透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル」読了。地方都市で空飛ぶナイフが通行人を襲う奇怪な事件が起きた。事件の謎を追って黒い噂のある研究所へ潜入調査を始めた共感覚探偵・音宮美夜を待ち受けていたのは脱出不可能な密室に仕掛けられた罠と所員を次々と殺害していく透明人間だった。
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2017年11月15日(水)
加えて最後に明かされる真相に至っては読者置きざりで作者だけが盛り上がっている感すらある。あとがきで作者は新本格愛について語っていたけれど、本作はぶっちゃけ新本格というよりメフィスト系(特に某作品の影響大)であり、新本格と思って読むと痛い目を見る作品である。
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posted at 23:39:12
前作同様盛り込まれた多重推理にしても目新しさはないがきちんと伏線でフォローしているのは好印象。だが良かったのはそこまでで肝心の真相はというとトリックはトンデモ、犯人特定のロジックは専門知識に偏りすぎ、動機(特に二人目に関して)はキャラの描写不足で説得力に乏しいと言わざるを得ない。
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posted at 23:38:41
デビュー作「ロジック・ロック・フェスティバル 探偵殺しのパラドックス」と同じ探偵役のシリーズニ作目。ミステリとしても小説としても問題だらけだった前作に比べるとだいぶ良くなっており、事件の演出や捜査パート一つ取っても適度にツボを押さえたものになっている。
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posted at 23:37:14
中村あき「トリック・トリップ・バケーション 虹の館の殺人パーティー」読了。現代本格の雄・文月優臣のデビュー三十周年記念パーティーに愛読者代表として絶海の孤島に招待された中村あきと元探偵でクラスメイトの鋸りりこはミステリ作家たちと共に前代未聞の密室殺人に挑戦することになって――。
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2017年11月13日(月)
ファンタジー世界を舞台にした裁判物の続編。密室殺人を扱っていた前作に比べるとミステリ要素はほとんどなくなり、ただの屁理屈と言葉遊びに終始してしまっているのが残念。「常識破りの奇想天外な解決策」と言うからにはせめて設定の盲点をつくような、あっと驚くものを用意してほしかった。
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posted at 21:20:59
蘇之一行「剣と魔法と裁判所2」読了。アイリが働く法律事務所のキールは勝利のためなら手段を選ばない無敗の男。そんな彼が挑む次の依頼は、冒険者によって殺されたモンスターの敵討ちだ。冒険者がモンスターを倒すことが当たり前のこの世界で、キールが導き出す常識破りの奇想天外な解決策とは?
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posted at 21:20:43
2017年11月11日(土)
まず最初におっと思わせたのは三編目の「ナナフシの夜」で、仕掛けがどこにあるか分かりやすかったそれまでの二編に比べると劇的に仕掛けの擬態化が巧くなっている。そして次の「火事と標本」に至ってはそこに奇想と人間ドラマが加わり、驚きと感動を両立させることに成功している。
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posted at 17:23:12
飄々とした探偵役と軽快な語り口が印象的な、第10回ミステリーズ!新人賞受賞作「サーチライトと誘蛾灯」を含むミステリ連作集。この手の短編集は大抵、受賞作の出来だけ飛び抜けているものだが、本作に関しては受賞作が一番微妙で、発表順(収録順)に従って徐々に良くなってきているのが興味深い。
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posted at 17:22:41
櫻田智也「サーチライトと誘蛾灯」読了。夜の公園で起きた変死事件。解決の手掛かりはカブトムシ?……表題作の他、街はずれのバーでのやり取りが悲劇の引き金となる「ナナフシの夜」、過去の心中事件に隠された真相に迫る「火事と標本」など昆虫好きのとぼけた青年・魞沢の推理が冴える全五編を収録。
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posted at 17:22:19
2017年11月08日(水)
またノーグレイが巻き込まれる無茶苦茶な展開は楽しいが、オチが殆ど同じせいで「どうせ何やったところで○○オチなんだろ?」と却って醒めてしまうのが難。せっかく面白そうな設定なのに異世界本格としても物語としてもいまいち消化不良で終わってしまった、何とも勿体ない作品である。
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posted at 20:56:40
五つの星で起きた五つの奇妙な事件に私立探偵のノーグレイが挑む連作ミステリ。一見すると本作は異世界本格っぽく見えるが真相はどれも微妙で例えば設定の段階で真相が読めてしまったりはたまた悪い意味で何でもありだったりと異世界本格の駄目な例を地で行くような内容になってしまっているのが残念。
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posted at 20:56:19
田中啓文「宇宙探偵ノーグレイ」読了。怪獣惑星で発生した人気怪獣の密室殺人、罪を犯すことが不可能な天国惑星で起きた連続殺人、全住民が脚本通りの生活をおくる演劇惑星で生じた劇中殺人……極秘に事件を解決するために招かれるは宇宙探偵ノーグレイ! 奇想天外な結末が待つ、宇宙ミステリ作品集。
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2017年11月05日(日)
そして何よりも曖昧模糊とした物語が終盤に至り焦点の合う騙し絵のような構造とある人物の正体がもたらす救いのあるラストが秀逸。若干堪え忍ぶ系の作品ではあるが、それに見合った驚きが得られる秀作である。
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posted at 19:45:02
しかしながら訳者があとがきで語るように重要なのは「いかにして読者の目を欺き、誤認へ導くか」だ。本格ミステリとしてみれば一部アンフェアじゃないかと思われる記述が見られるものの、某国内作家の二作品を彷彿とさせる大胆なミスディレクションと整合性を両立させる技巧には目を見張るものがある。
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posted at 19:44:43
ある村に、三人の女がいた。さて、あなたは、三人のうち誰が脱出に成功したと思うだろうか?……そんな謎めいたプロローグから始まる本作は仕掛けだけ取り出せば幾つか似た作品を思い浮かべることができるだろう。
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posted at 19:44:30
ミシェル・ビュッシ「黒い睡蓮」読了。モネの『睡蓮』で有名な村で発生した奇妙な殺人事件。殺された眼科医は女好きで絵画のコレクターでもあった。事件を担当するセレナック警部は眼科医が言い寄っていた美貌の女教師に話を聞くうちに彼女に心惹かれていく。一方、村では風変りな老女が徘徊し……。
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posted at 19:44:17