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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2018年05月26日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

飴村行「粘膜探偵」読了。戦時下の帝都。憧れの特別少年警邏隊に入隊したのも束の間、ある事情で謹慎処分となってしまった鉄児は汚名返上のため巷で噂の保険金殺人事件の解決に乗り出すが……。軍部の思惑、昏々と眠る老女、温室の謎の植物、行方不明の少女。それらが繋がる時、明らかになる真実とは?

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posted at 00:03:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

戦時下の架空日本を舞台にした粘膜シリーズの五作目。これまではたまにミステリ的仕掛けはあっても徹頭徹尾ホラーだったこのシリーズだが、今回はタイトルに探偵とあるのでかなりミステリ寄りなのかなと思いきや、事件の調査が始まるのは物語が半分も過ぎた頃というノンビリ展開にまず驚かされる。

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posted at 00:04:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

しかもその調査もイマイチ順調とはいえずこれはミステリとしてあまり期待しない方がいいかな……と思っていたらいきなりの極限状況&予想外の所から怒濤の謎解きが始まったので思わず吹いてしまったw 言うなればこれは物凄くひねくれた探偵ミステリであり擦れたミステリ読みほど楽しめるに違いない。

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posted at 00:04:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

そして極めつけは「黒い仏」のラストにも似た、謎の爽快感に満ちた結末――。本作はキワモノ好きは勿論、ひねくれたミステリが好きな人には是非お勧めしたい快作である。

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posted at 00:05:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

山崎洋子「熟れすぎた林檎」読了。作家志望でフリーターのみすずは親友である毬子の母に頼まれて謎の女・千加子を探ることになる。その結果、千加子の正体が毬子の父・明が雇った代理母であることが分かるが、やがてもう一人代理母を名乗る女が現れ、更に千加子の家に火炎瓶を投げ込まれる事件が……。

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posted at 17:18:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

代理母をテーマにしたサスペンス作品。二人の代理母と受精卵に隠された秘密をミステリとしての軸としつつ、一方で女同士の友情と崩壊した家族の再生を描いており、真相が二転三転する度にスリリングに変化していく家族像が実に巧みだ。

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posted at 17:19:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月26日

加えて各キャラクター設定が何気に真相の補強に一役買っている点もいい。サスペンス小説としてのツボを押さえた作りもさることながら、みすずの視点だけではなくあえてみすずの母・美由紀の視点を導入したことにより見えてくる母親と娘のそれぞれのドラマがしみじみと心に沁みる良作である。

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posted at 17:19:31

2018年05月28日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月28日

早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」読了。人工知能の研究者だった父が密室で謎の死を遂げた。探偵と犯人、双子のAIを遺して――。高校生の息子・輔(たすく)は探偵のAI・相以(あい)と共に犯人のAI・以相(いあ)を奪い悪用するテロリスト集団と本格推理対決をすることになる。

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posted at 22:27:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月28日

探偵と犯人、双子のAIの対決を主軸にした全五話構成の連作ミステリ。といっても物語としてはシリーズ化を視野にいれているためかあくまで前哨戦に過ぎない印象だが、それでも個々の事件は全編ハズレなしと言うべきハイレベルな出来で満足度はかなり高い。

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posted at 22:27:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月28日

例えば密室放火殺人の謎を扱った第一話はオリジナリティのあるトリックとシンプルながら切れ味のあるロジックもさることながら本格ミステリではお馴染みのあのテーマと人工知能の絡め方が面白いし、シマウマが殺人事件の凶器(!)となる第二話は予想外のところからくる異形のロジックが素晴らしい。

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posted at 22:28:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月28日

また学園で怪事件が連続する第三話は所謂不気味の谷現象の活かし方とこの設定ならではの意表を突いた動機で唸らされてくれし、かと思えば主人公の母親の死の謎に迫る第四話ではまさかの島田荘司的謎の提示と解決で唖然とさせてくれる。

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posted at 22:28:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月28日

そして極めつけは監禁された探偵コンビにある問題が突き付けられる第五話で連作ならではの仕掛けとロジックの融合が実に秀逸。その後日談に本格好きがニヤリとする要素があるのも○で、これは是非とも続編が読んでみたいと思うと同時に作者の作品では最も人に勧めやすい(?)傑作と言っていいだろう。

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posted at 22:29:03

2018年05月30日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月30日

河合莞爾「燃える水」読了。中小電機メーカー「ソルケイア」の技術者曽根が自宅で謎の感電死を遂げた。中途採用で人事課に配属された平原は社長から命を受けて調査に乗り出す。平原は曽根が商品開発の過程で「水が燃えた」と呟いていたことを掴むが……。果たして曾根の死は単なる事故死なのか?

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posted at 09:44:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月30日

あらすじを見るとかなり早い段階で事件が起きて人事課の主人公が調査に乗り出すように思えるがさにあらず。本作はそれまで大企業に勤めていた主人公がリストラの憂き目に遭うところからスタートしそこからハローワークを経て中小電機メーカーの人事課に再就職するまでの過程が驚くほど丁寧に描かれる。

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posted at 09:44:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月30日

一見するとそれは本筋の物語に必要ない描写のように思えるが、読者にそういった主人公の境遇を追体験させることで終盤における真相及びコンゲーム展開が際立つように設計されている点が実に周到だ。

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posted at 09:44:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年5月30日

その一方で本作はサラリーマン小説としてもよく出来ており、最後に待ち受ける痛快かつ夢のある結末に気持ちよく読み終えることができる良作である。

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posted at 09:45:21

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