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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2018年11月30日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月30日

また受賞作から四年かけて完成させたせいか短編によって人物描写にばらつきがあり、例えば最初の二編を読んだ後に三編目の一番古い受賞作を読むと違和感があるのが気になる。とはいえ時代ミステリとしては高いレベルを維持している作品である。

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posted at 07:59:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月30日

オーソドックスな犯人当てと思わせてからの意外な構図とそこから見えてくる被害者や犯人の心情が秀逸で、この時代の小道具の使い方もいい。しかしながらその二編以外の短編になると事件そのものよりも史実や連作としての物語に関わる企みに比重が置かれた内容になっていて、やや物足りなさがある。

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posted at 07:58:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月30日

第十二回ミステリーズ!新人賞受賞作「監獄舎の殺人」含む時代ミステリの連作。法月綸太郎「死刑囚パズル」などでお馴染みの謎に明治という時代だからこそ成立する動機と政治劇を絡めた「監獄舎の殺人」も良いが、ベストを選ぶならやはり最初の一編「佐賀から来た男」になるだろう。

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posted at 07:58:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月30日

伊吹亜門「刀と傘」読了。維新志士の怪死、密室状況で発見される刺殺体、処刑直前に監獄舎で毒殺された囚人、奇妙な暗殺事件、そして再び監獄舎で起こる殺人――幕末から明治初頭の動乱期の陰で生まれた不可解な五つの謎を通して、若き尾張藩士・鹿野師光と後に初代司法卿となる江藤新平の物語を描く。

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posted at 07:58:15

2018年11月28日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月28日

故に奇想や大トリックを期待すると肩透かしを覚えるかもしれないが逆を言うと不可能犯罪を扱っていない第五話や第六話こそが作者の本領と言える。それを考えると本作の大半を占める不可能犯罪という題材そのものが作者には合っていないような気がしてならず、ある意味損をしている作品と言えるだろう。

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posted at 22:47:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月28日

亡き兄の意志を継いで匿っている殺人犯かもしれない男が探偵役を務める連作ミステリ。帯には「不可能犯罪連発の奇想ミステリー劇場開幕」とあるが、本作は基本的にトリックよりもロジック、ハウダニットよりもホワイダニットに拘った作品であり、その真相は地に足が着いた現実的なものが多い。

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posted at 22:46:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月28日

山田彩人「皆殺しの家」読了。夏の海に浮かぶ氷付けの死体、真っ白な雪原に浮かぶ妖精の足跡、開けた採石場跡地で発見された奇妙な転落死体……警視庁の刑事である亜季が話す不可思議な事件の数々を亡き兄の親友であり家族三人を殺害した容疑で指名手配中の久能が亜季の双子の妹・羽瑠と共に推理する。

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posted at 22:46:12

2018年11月27日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月27日

その推理にしても些か強引な感が否めず、読んでいて凄くモヤモヤすることがしばしばであり、更に連作としてのまとめ方に至ってはあまりのこじつけっぷりに呆れてしまった。正直もう少し何とかならなかったのかと苦言を呈したくなる作品である。

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posted at 23:16:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月27日

前作はわざとミステリらしい展開をしなかった故のつまらなさと捉えることもできたが、本作は真っ当なミステリをやっているはずなのに事件が本当に盛り上がらなくて違う意味でびっくりする。しかも伏線はあからさまで作者がどういう風に推理を持っていきたいのかだいたい読めてしまうのが難。

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posted at 23:16:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月27日

メフィスト賞受賞作「NO推理、NO探偵?」の作者による美少女ストーカーが探偵役を務めるラブコメ本格ミステリの連作。前作「NO推理、NO探偵?」を読んだ人間であれば作者にラブコメなんて書けっこないのは分かりきった話なのでその滑りっぷりは割愛するとして、問題はミステリとしての出来だ。

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posted at 23:16:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月27日

柾木政宗「朝比奈うさぎの謎解き錬愛術」読了。探偵の迅人は美少女のストーカー・朝比奈うさぎに悩まされている。彼女は「迅人は私が好き」ということを証明する時にだけ驚異的な推理力を発揮、迅人と共に遭遇した四つの殺人事件の謎を彼女は妄想錬愛術で解き明かしてしまう――。

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posted at 23:15:32

2018年11月23日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月23日

そして現時点の最新刊である4巻ではいよいよ主人公の内面及び、この世界の謎に迫る話へとシフトしており、今後の展開が非常に気になるところだ。見方によっては現代本格らしい要素が凝縮された、実に興味深い作品である。

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posted at 22:25:45

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月23日

殺人者の視点から描くことで「どうやって被害者となる能力者を殺害するか?」と「どうやって自分を探る探偵役を出し抜くか?」を巧く両立させており、前者では2巻の未来予知の能力者を巡る話が、後者では3巻のゾンビ設定を活かしたあるトリックが素晴らしい。

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posted at 22:25:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月23日

るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」1~4巻読了。人類の敵に対抗すべく集められた若き能力者たちが訓練に明け暮れる絶海の孤島の学園を舞台にした倒叙ミステリ。原作者のるーずぼーいは過去に「白蝶記」の1巻でも倒叙形式を採用しているが、本作ではそれを特殊設定ミステリで試みているのが面白い。

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posted at 22:24:57

2018年11月21日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月21日

だがその反面、ヒロインに纏わるあるエピソードを最後まで伏せていたために第五話における連作としての仕掛けが巧く機能していないのが難で、悪い意味で急転直下という印象を受けてしまった。そこさえ目を瞑れば、キャラミスとして一定の水準は満たしている作品と言っていいだろう。

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posted at 20:15:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月21日

神社で巻き起こる問題の数々を参拝者の前以外では笑わない美少女巫女が解決する連作ミステリ。若干推理の弱さを感じる部分もなくはないが、そこは伏線でフォローしつつ、あくまで日常の範囲内で意外性を出そうとしている点はさすがといったところだろう。

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posted at 20:15:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月21日

天祢涼「境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖」読了。源神社で働くことになった信心ゼロの壮馬の指導役は思わず見惚れてしまう美少女だった。境内での心霊騒動に脅迫者探し、神社の移転を拒む宮司の説得等々、次々と巻き起こるトラブルに壮馬が体当たりし、指導役の美少女――久遠雫が謎を解き明かす。

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posted at 20:14:56

2018年11月18日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月18日

一方ミステリとして選ぶなら「孤独な妖精」で、自分のことを妖精だと主張する少女との童話的とも言える不思議な触れ合いから一転、ミステリに様変わりする意外な展開と読者の想像に委ねた結末が○。またかつて主人公を虐待していた継母の意外な素顔が明らかになる「匂い袋」も滋味深い好編である。

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posted at 16:56:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月18日

そんな中からホラーとして一編選ぶなら、かつて一人の女を無残に殺害し、画家の男を自殺に追いやった女が男と馴染みのあるホテルを訪れる「青い髪の人魚」で、定番ながら男女の関係を逆手にとった捻りをそつなく用いているのがいい。

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posted at 16:56:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月18日

本作の内容紹介には瀟洒な都会のホテルを舞台に男と女の愛の結末を描くホラー・ミステリー集とあるけれど、厳密にホラーと言えるのは最初の三編くらいで残りの五編はミステリ、もしくはサスペンスの範疇に入るだろう。

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posted at 16:56:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月18日

山崎洋子「ホテル・ルージュ」読了。パリ―サンジェルマンの裏通りにひっそりと佇むホテル・ルージュ。「毎年五月のこの日、ここで待っている」と言った彼がもしかしたら……。愛のさめた八歳年下の裕二とパリに来た衿子。彼女の胸に切ない想いがこみ上げて――。表題作含む八編収録。

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posted at 16:55:45

2018年11月16日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

加えて誘拐事件の真相を知った後に読み返してみると、ある場面が初読の時とは全く違った意味になる点も実に秀逸。個人的には殺人事件のトリックについてはあまり感銘を受けなかったが、この誘拐の構図だけでも充分秀作と言っていいだろう。

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posted at 18:56:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

ミステリとしてみると被害者が上から降ってきたチェストに潰されるという奇妙な殺人事件にも興味を惹かれるかもしれないが、それ以上に出来がいいのは何と言っても誘拐事件の構図だろう。似た前例はあるが、それを巧くアレンジして作者なりのオリジナリティを出すことに成功している。

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posted at 18:55:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

棋士探偵・水無瀬翔シリーズの長編四作目。作者は本作について「自信作です。もし不安があるとすれば、この先、私がこれを上回る本格推理を書けるかどうかという一点だけです」と語るほどかなりの手応えを感じているようだが、確かに読んでみると作者の言葉にも納得がいく会心の作に仕上がっている。

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posted at 18:55:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

本岡類「「不要」の刻印」読了。DIY店「パレット・ホームセンター」の社長・斎藤晴彦の一人息子が誘拐され、偶然身代金の受け渡し場所に居合わせた将棋棋士・水無瀬翔五段は奨励会時代の後輩・安野好平と共に誘拐の嫌疑をかけられてしまう。更に安野が奇怪な殺人事件の犯人として逮捕されてしまい――。

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posted at 18:54:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

加えて登場人物の設定もよく練られており、それによりトリックの解明=犯人の特定に繋がるシンプルな構造と犯人の意外性を両立させている点も○。様々な要素を盛り込みつつも、巧くバランスをとった良作と言っていいだろう。

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posted at 00:14:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

そしてその探偵の捜査で興味深いのは殺害状況の検証よりもひたすら事件関係者たちの人間関係を探ることをメインにしている点であり、それが行く行くはトリックの解明においてかなり重要になってくるところが面白い。

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posted at 00:14:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

本作は同時四重殺という不可能犯罪に産業廃棄物問題という社会派要素、それに龍王伝説という伝奇要素を絡めている点だけでも充分意欲作と言えるが、更に探偵役として元バイクレーサーの隻眼の私立探偵を起用し、ハードボイルド的展開まで盛り込んだ至れり尽くせりな内容となっている。

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posted at 00:13:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月16日

石井敏弘「龍王伝説殺人事件」読了。四人の人間が同時刻、遠く離れた龍王という名前のついた場所で殺害された。ところが事件が起こることを竜王村の伝承が予言していたばかりか更に四人が殺されることを暗示していた。この伝承の意味と不可能犯罪の謎に隻眼の私立探偵・南虎次郎が挑む。

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posted at 00:13:03

2018年11月14日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月14日

メインの毒殺トリックも正直バレバレではあるが、一応証拠が残らないよう工夫が凝らされているのは○。とはいえ、欠点の方が圧倒的に多いため、お世辞にも褒められない作品である。

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posted at 20:33:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月14日

未遂に終わった妻殺しの計画が綴られた日記から始まる長編ミステリ。著者の言葉を見るとそれなりに気合を入れて書かれたと思われるが、無駄に錯綜した展開の割に意外性がほとんどない真相、事件を追う刑事の行動が刑事っぽくない、犯人特定の決め手がないままの謎解きなど気になる点はかなり多い。

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posted at 20:32:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年11月14日

高柳芳夫「死を呼ぶ聖女」読了。医師の氷川隆也は相模湖で投身自殺を図った美女を救うが彼女は記憶を失っていた。やがて彼女を愛するようになった氷川は悪妻・京子の殺害を企てるが失敗に終わる。ところがそれから間もなく京子は道頓堀橋の上で毒殺され、氷川を含む容疑者たちには鉄壁のアリバイが――。

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posted at 20:32:26

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