麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2018年12月24日(月)
間宮夏生「法廷の王様 弁護士・霧島連次郎」読了。傲岸不遜にして毒舌、法廷で負け知らずの「法廷の王様」霧島に舞い込んだのはストーカー殺人で起訴された青年の弁護だった。青年の自白と完璧な状況証拠によって有罪確実な事件を逆転すべく、新人女性弁護士・雨宮と共に霧島が暴いた真実とは?
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posted at 16:42:55
毒舌イケメン弁護士が難事件を華麗に逆転する痛快リーガルドラマという触れ込みの長編作品。但しやっていることの大半は刑事物とあまり変わらず、有罪確実の難事件というわりに事件を調べれば調べるほど事件の不自然さが目立ち、難易度がどんどん下がっていくのが難。
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posted at 16:43:35
加えて弁護士としての一番の見せ場であるはずの法廷パートは終盤にちょこっとあるだけで、しかも検察側とやりあうこともなく一方的に意外性のない真相を披露して終わりなのでかなり物足りない。個人的にはもっと痛快という言葉の意味や難事件を逆転する爽快感を考えてほしかった。
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posted at 16:43:49
川口士「黒獅子城奇譚」読了。放浪の騎士グレンと魔術師リューは旅の途中、雷雨に襲われ黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込んだ。そこで二人は癖のある旅人たちと共に一夜を明かすことになるが、その晩、老騎士が右目を抉られた刺殺体となって発見される。陰謀と伝説の絡みあう廃城で何が起きたのか?
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posted at 16:45:20
廃城で起きた殺人事件を扱ったファンタジーミステリ。本作について作者はあとがきで「一夜の出来事」「謎解き」「大人らしい雰囲気」というこれまで挑戦したことのない題材を中心に書きあげたと語っているが、他はともかく「謎解き」に関しては正直巧くいっているとは言い難い。
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posted at 16:45:28
ミステリっぽい展開と動機の辻褄合わせだけに終始し、せっかく面白そうなガジェットがあるのに、ロジックやトリックにほとんど活かせていないのが勿体ない。あくまでミステリっぽい雰囲気のファンタジーとして読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 16:45:38
2018年12月27日(木)
中町信「Sの悲劇」読了。独信寮の管理人をする勝子のもとにある日突然妹が訪ねてきた。だが、その妹は勝子の留守中に何者かに撲殺されてしまった。Sというダイイング・メッセージを残して……。表題作のほか、美人作家が密室で半裸姿で殺されているのが見付かる「裸の密室」など全七編収録。
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posted at 23:26:02
作者初のミステリ短編集。収録作にはいずれも作者の作品にはお馴染みの要素が盛り込まれており、そういう意味では中町信という作家を知るのに打ってつけの内容と言えるかもしれない。ベストは「裸の密室」で、作者が好んで使う例の仕掛けとエロジック(!)の融合が実に巧く決まっている。
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posted at 23:26:31
次点は教習所を舞台に自動車の密室殺人を扱った「動く密室」で、堂々と書かれているのにそれと気付かせないあるシーンの描写がいい。尤もこの二編と表題作に関しては後に「暗闇の殺意」にも収録されており、あえてそれ以外から選ぶなら「カブトムシは殺される」になるだろうか。
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posted at 23:26:41
仕掛け自体はシンプルながらも、それを成立させるための工夫の跡とタイトルにもなっている気付きの面白さが◯。その他「サンチョパンサは笑う」と「312号室の女」はそれぞれ「天啓の殺意」と「模倣の殺意」の一部のトリックと被っているのが難だが、それを知らなければ問題なく楽しめるだろう。
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posted at 23:27:03
2018年12月29日(土)
香吹茂之「山比見村の殺人 最終回」読了。まさかの社会派ミステリだった(驚愕)。エロ漫画らしい謎解きの演出で言えば前作の方が優れているものの、本作は本作で舞台設定を活かしたホワイダニットに見るべきところがある。そして祝・2/1に単行本化!(タイトルは「「犯す人」の事を「犯人」と呼ぶ」) pic.twitter.com/lWMkf5zoGe
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posted at 17:29:49