麻里邑圭人

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2018年12月01日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月1日

皆川博子「ライダーは闇に消えた」読了。雨が降る深夜の公園でのバイクレースの最中、通報を受けて駆け付けた白バイの前で転倒して誠司の弟・浩介が死亡したのを皮切りに、オートバイで繋がる八人の男女の間で不可解な死亡事故が続発する。やがて一連の事故が人為的なものではないかという疑いが……。

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posted at 17:40:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月1日

オートバイに熱狂する若者たちが次々と謎の死を遂げていく長編ミステリ。真相に捻りを入れてはいるものの、あるトリックの性質上犯人の意外性はあまりなく、むしろ捻りを入れたことで狭義のミステリとしてみた場合、些かアンフェアなところが出てきてしまっているのが気になる。

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posted at 17:41:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月1日

とはいえ、それを差し引いてもオートバイづくしの殺人トリックとオートバイと共に駆け抜けた若者たちの刹那的な青春群像劇が魅力の作品である。

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posted at 17:41:22

2018年12月02日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月2日

高橋泰邦「大暗礁」読了。相次ぐハッチのカバーが切り裂かれる事件の犯人探し、船の進路を巡る攻防、漂流船救助の裏で進行する陰謀、そして主人公自身の遭難死の真相に迫る海事審判……海の男として生きた老船長・桑野の生涯を四つの事件を通して描く連作短編集。

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posted at 16:10:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月2日

老船長・桑野の長い船員人生の中で遭遇した四つの事件の顛末が語られる海洋サスペンス連作。収録された四編中三編が真相あるいは結末よりも船上という舞台を活かしたそこに至るまでのサスペンスに見るものがあり、特に漂流船を救助する側とされる側の思惑がスリリングに描かれる表題作が圧巻。

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posted at 16:11:31

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月2日

唯一の例外は主人公自身の遭難死が焦点となる「殉職」で、最後に明かされる真相にはそれまでの桑野の海の男としての生き様に感情移入していた読者からしてみると、何とも言えないやるせなさを覚えずにはいられないだろう。

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posted at 16:11:40

2018年12月04日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月4日

深谷忠記「東大・一橋大 ゼロの誘拐」読了。進学塾「栄冠セミナー」の女生徒が帰宅途中に暴行され殺されるという事件が起こった。塾の経営者・木暮彰の家族に嫌がらせの電話がかかり出したのはその直後からだった。更に数日後、木暮の娘・由香が何者かに連れ去られ三千万円を要求する脅迫電話が……。

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posted at 19:35:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月4日

不可解な誘拐事件を扱ったノンシリーズ物の長編ミステリ。本作の冒頭で作者は「〝ある実験〟を試みることにした」と宣言するが、これは言うなれば「その実験とは何か?」という作者から読者への挑戦状であり、故に作者は「注意深く読んでいただきたい」と読者を挑発する。

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posted at 19:36:08

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月4日

そしてその趣向は見事に成功しており、徐々に事件の真相が見え始めてくるにつれてそれまで認識していた事実が次々と反転していく様が実に秀逸。人によっては某国内ミステリを連想するかもしれないが、本作は本作で構成だけではなく刑法を絡めてそれを成立させているところにセンスを感じる作品である。

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posted at 19:36:23

2018年12月06日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月6日

深谷忠記「黒の組曲 〈虚の四重奏〉殺人事件」読了。椚芽ぐみの手元には小説形式で書かれた父の手記二冊と父の友人・君沢昌三の小説『静寂の秘密』が遺された。それらの中には久米英明の不審な死と伯父・陽一郎の自殺に関する秘密、そして君沢の各事件への関わりが隠されていた。

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posted at 09:52:45

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月6日

作中作を取り入れた多重構造の企みに満ちた長編ミステリ。事件の内容自体は不審死の謎を追うだけなのでやや退屈な部分もあるが、暴漢に襲われるハプニングや恋愛を絡めたりして何とか展開に起伏を盛り込もうとしている点は好感が持てる。

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posted at 09:52:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月6日

むしろ本作の見所は終盤の多重構造の仕組みが明らかになっていく怒濤の展開と、最後に明かされる『静寂の秘密』の解決(何気にこれも良くできている)を踏まえた真相であり、それを読めばなぜ作者が作中作を取り入れたのか腑に落ちることだろう。

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posted at 09:53:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月6日

尤もここまで多重構造にする必要があったのかどうかはやや疑問が残るところだが、それでも本作が凝りに凝った力作であるのは間違いない。

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posted at 09:53:27

2018年12月07日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月7日

宇佐美まこと「聖者が街にやって来た」読了。神奈川県多摩川市で花屋を営む小谷桜子の一人娘・菫子が市民の結束を目的に企画されたミュージカルの演者に選ばれた。街は盛り上がるが、水を差すかのように若い女性が立て続けに殺される。それぞれの遺体近くには異なる花びらが一片だけ残されていた。

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posted at 20:29:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月7日

新旧住民入り乱れる再開発地区で起こる不可解な連続殺人を扱った長編ミステリ。といっても連続殺人が物語のメインになっていくのはかなり後半になってからであり、それまでは小谷母娘を中心にミュージカルを巡る街の人々の光と闇が丹念に描かれていく。

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posted at 20:30:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月7日

ミステリとしてみると伏線が丁寧すぎるせいかかなり早い段階で真相が読めてしまうが、不思議とあまりガッカリ感はない。むしろ事件はミュージカルを巡る物語を盛り上げるための演出の一環に過ぎず、物語のピースとして収まるところに収まっていく過程は約束された感動に繋がっていく安心感すらある。

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posted at 20:30:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月7日

どちらかというとミステリとしてより良質なエンタメとしてお勧めしたい作品である。

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posted at 20:30:32

2018年12月08日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月8日

深谷忠記「ハーメルンの笛を聴け」読了。いじめを苦に少年が投身自殺を遂げ、いじめで一人息子を喪った母親が鉄道に飛び込んだ。二つの事件を結びつけたのは〈第一の笛は天から、第二の笛は鉄路のかなたから〉と書かれた『ハーメルンの笛吹き男』からの手紙だった。そして手紙には次の事件の予告が――。

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posted at 17:05:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月8日

作者がかつて江戸川乱歩賞に応募した同名作品が原型の長編ミステリ。自分が読んだノベルス版には長編サスペンスとあるが、確かに本作は予告犯罪という魅力的な趣向が用意されてはいるものの、基本的に読者が解けるようなフェアな書き方はされていないのでそう呼ぶのが妥当なところだろう。

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posted at 17:06:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月8日

むしろ本作は謎解き興味よりも社会的テーマの方が強く、相次ぐ事件を通して描かれる様々な家庭や学校、進学塾の問題とタイトルにもなっている『ハーメルンの笛吹き男』を結び付けたある壮大かつ悲痛な動機にこそ見るべきものがある。

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posted at 17:06:27

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18年12月8日

尤も本作の結末には非現実的と批判する人もいるかもしれないが、その一方で夢も希望もない物語が続いた後だからこそ一抹の救いを見出だそうとした作者の心情に共感を覚える読者もいることだろう。

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posted at 17:06:57

2018年12月11日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月11日

深谷忠記「運命の塔」読了。元法務大臣・榎木雪夫の孫が誘拐された。反政府組織を名乗る犯人は身代金一億円の奪取を図る一方で犯行声明文を公表する。榎木の義父で政界の重鎮である大河原善造の特命を受け、元秘書・平岡道義は事件の裏を探り始めるが、事態はやがて道義の業火の記憶と交錯していく――。

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麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月11日

作者のターニングポイントとなった四百字詰め原稿用紙換算一三五〇枚にも亘る大作ミステリ。本作について作者は「主人公・平岡道義への熱い思いを込めて書いた。謎と論理の本格推理小説とスリリングな冒険小説の融合を目指して」と語っているが、その言葉に嘘偽りは一切ない。

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posted at 17:15:53

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18年12月11日

サスペンスたっぷりに描かれる前半の幼児誘拐事件だけでも非常に見応えがあるが、それが終わった後こそが本作の本番であり、ある人物の謎が浮上すると共に道義自身の事件へと切り替わる。そこからは作者の言うスリリングな冒険小説が顔を出し、立ち所に読者を物語の世界へと引き込んでくれるだろう。

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18年12月11日

ミステリとしてみると使われているネタ自体はいずれも定番のものが多いが、冒険小説としての展開が巧いミスディレクションとなっているのもさることながら、何より冒険小説の中だからこそそれらが物語の絶妙なアクセントとして機能している点が素晴らしい。

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posted at 17:16:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月11日

終盤の謎解きはミステリ史に残る緊迫感に満ちており、いつしか読者は主人公の道義は勿論のこと、彼を取り巻く血の通った登場人物たちが織り成す一大ロマンから目が離せなくなっていること必至の傑作と言っていいだろう。

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posted at 17:16:30

2018年12月13日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月13日

米澤穂信「本と鍵の季節」読了。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、夜の美容院での出来事、テスト問題盗難の嫌疑をかけられた不良生徒、自殺した友が最期に読んでいた本の謎、昔話が発端の宝探し……放課後の図書室に持ち込まれる謎に、図書委員の男子高校生二人が挑む全六編収録。

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posted at 21:01:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月13日

作者が得意とする日常の謎を主に扱った青春ミステリの連作。人から色々と頼まれることが多い堀川次郎と皮肉屋の松倉詩門のコンビは所謂探偵と助手の関係ではなく事件の局面によってコロコロと探偵役が入れ替わる。そして、それが結果的には物語の奥行きを生み出すことに成功しているのがいい。

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posted at 21:02:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月13日

ミステリとしての切れ味で選ぶなら、よくある暗号物の一種かと思いきや、些細な気付きの積み重ねからその裏にある企みを暴き出す「913」になるが、作者らしい謎解きを通して隠れた人間心理を浮き彫りにするセンスが光る「ない本」も○。

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posted at 21:03:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

18年12月13日

また本作の掉尾を飾る「昔話を聞かせておくれよ」とその後日談的エピソードの「友よ知るなかれ」は二編を繋ぐ気付きの部分や最終的なオチの意外性はあまりないものの連作の纏めとしてはよく練られており、米澤穂信という作家に読者が求めている青春ミステリとしては申し分ない出来と言っていいだろう。

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posted at 21:03:16

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