麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年02月17日(日)
とはいえ短いものの中にも優れた作品は幾つかあり、例えば〔不可能犯罪課〕に分類されている「三人の寡婦」はあらゆる可能性を潰した後に盲点をついた毒殺方法を示すことに成功しているし〔誘拐課〕の「消えた子供」も脅迫状の矛盾から指摘される犯人像に巧さがある。
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posted at 14:04:53
だがその反面、一番出来がいいのが収録作中最も長い「ライツヴェルの盗賊」の時点で、ある程度クオリティーに達するにはそれなりの長さが必要であることを証明してしまっているのは皮肉と言わざるを得ない。
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posted at 14:04:44
〔殺人課〕〔誘拐課〕といった具合に事件のジャンル別に分けられたショートショートに近い短めの短編を主に収録した連作ミステリ。本作を読んで感心するのは何といってもこれだけの短いページ数で手を替え品を替え様々な形の本格ミステリを表現している点だろう。
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エラリー・クイーン「クイーン検察局」読了。証人を乗せた列車が雪のように溶けて消失してしまう「七月の雪つぶて」、強盗事件の嫌疑をかけられた青年の無実を証明する「ライツヴェルの盗賊」など名探偵エラリー・クイーンが難事件を快刀乱麻を断つごとく解決する軽妙洒脱な知的パズル18編収録。
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2019年02月16日(土)
加えて本作には怪奇ホラーとしての側面もあり、多様化が著しい現代本格のあらゆるニーズに応えてくれる傑作と言っていいだろう。レーベル的にミステリ読者が手に取ることは少ないだろうが、騙されたと思って是非読んでほしいダークホース的作品である
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posted at 21:27:47
そんな本作は昨今流行(?)のアンデッドが蔓延る世界を舞台にからくり趣味や科学トリックを盛り込みつつ、百鬼夜行シリーズばりの異形のロジックと憑き物落としも炸裂させるという至れり尽くせりぶりで、正直これで面白くないわけがない。
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posted at 21:27:22
不死人=アンデッドを検屍鑑定し謎を解くファンタジーミステリ。本作の探偵役であるアンデッド検屍人のロザリアは生きた人間のやったこととアンデッドがやったことの仕分けをすることを信条としているが、それはさながら怪異と現実の線引きをする刀城言耶シリーズを彷彿とさせる。
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手代木正太郎「不死人(アンデッド)の検屍人 ロザリア・バーネットの検屍録 骸骨城連続殺人事件」読了。アンデッド検屍人の少女・ロザリアとアンデッドハンターのクライヴは吸血鬼の居城〈骸骨城〉で変死を遂げ屍人と化す花嫁たちの事件に遭遇する。惨劇の背後に隠された鮮血と狂気に塗れた真実とは?
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posted at 21:26:39
加えて動機は知らんがなだし終盤の展開はテンプレ、そして終章に至っては館シリーズの某作をとことん寒くしたようなネタでドン引きしてしまった。更にトドメとばかりに担当編集の解説が身内褒めの極みであり、この編集とは分かり合えないのがよく分かった。折角の最終作でこの出来は残念でならない。
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焼死や凍死の謎は登場人物の仮説の段階で嫌な予感はしていたが、まだ眼球堂のオマージュと思えば納得はできる。しかしメイントリックに関しては伽藍堂を上回ろうとしたのかもしれないが、残念ながら今までのシリーズを読んできた人間からすると想定内の上に前例があるのが難。
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本作は「堂」シリーズの最終作だけあってシリーズ最長となっているが、それに見合った内容だったかと言われると正直疑問と言わざるを得ない。一応本作では不可能犯罪を扱っているが、その真相がどれもミステリとして考えうる限り最も面白くない手段を採用してしまっている。
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posted at 16:40:00
周木律「大聖堂の殺人」読了。全ての事件を操る数学者・藤衛に招かれ北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。
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posted at 16:38:53
「劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢」観了。劇場版らしいスケールの大きな内容で、少しずつ謎を明らかにしていく構成が○。また原作者が脚本を手がけているだけあって、それぞれのキャラの見せ場や伏線がしっかりしているのも良かった。
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posted at 14:44:27
「PSYCHO-PASS SS Case.2「First Guardian」」観了。それなりに派手だったCase.1と比べるとびっくりするほど地味な話ながら突っ込みどころは少なく、無難な復讐譚に仕上がっていたと思う。あとサブキャラを掘り下げるという点でも(地味であることを除けば)Case.1より完成度は高い。
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2019年02月15日(金)
とはいえ幾つか盛り込まれたトリックの中には光るものもあるし、ある定番のネタに作者なりの捻りが見られるのは○。この手のミステリの新機軸とまではいかないものの、そこかしこに詰め込まれた作者らしいネタが楽しい快作である。
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本格ミステリ漫画「Q.E.D. 証明終了」の作者による長編ミステリ小説シリーズ第三弾。前作とは打って代わってオーソドックスな内容の本作だが正直ミステリを読み慣れている人間からすると犯人の意外性はあまりなく、折角面白そうな謎があってもあっさり解いてしまうためカタルシスが薄い感が否めない。
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posted at 21:12:00
加藤元浩「奇科学島の記憶 捕まえたもん勝ち!」読了。かつて不老不死研究が行われていたという"奇科学島"で連続殺人が発生した。ところがこの事件、殺された被害者が生き返り、もう一度動いたとしか思えない不可思議な痕跡ばかり。不老不死人間が実在したとしか思えぬ事件の真相とは?
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posted at 21:11:44
尤もそんなトリックとは裏腹に事件の構図としては悲劇的で、盲点を巧くついた犯人の意外性もさることながら、それ以上に運命に翻弄された登場人物たちのドラマがタイトルと相俟って忘れ難い印象を残す傑作である。
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posted at 09:03:21
「いい奴」は今日的テーマの誘拐ビジネスにコンゲーム要素を絡めた一編で、ミステリとしての面白さよりもタイトルに象徴される、交差する人間ドラマが胸に沁みる。一方「再生の時」は過去と現在で起きた二つの不可能犯罪が魅力的で、特に過去の事件のトリックは絵面的に豪快で思わず笑ってしまったw
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posted at 09:02:53
加藤元浩「Q.E.D.iff」12巻読了。誘拐の交渉人をする燈馬の知り合い・シーナが抱える案件は元・恋人の誘拐事件だった。「いい奴」、ボートでしか渡れない場所で発見された死体と四方を壁に囲まれた密室で発見された死体。事件に秘められた過去と現在を繋ぐ驚きの真実とは?「再生の時」の二編収録。
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2019年02月13日(水)
定番のネタに関してはやや言葉遊びの感がなきにしもあらずだが、哲学や宗教を絡めてきちんと説得力があるものにしているのは○。そして何より主人公が巻き込まれた陰謀と巧く結び付けてエンタメ性の高い物語として纏めあげたその手腕は相変わらずさすがと言わざるを得ない。
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お馴染みの「ロボット三原則」をテーマにしたSFミステリ。人間を殺せないはずのロボットがなぜ殺人を犯したのか? という定番のネタで読ませる一方で、ひょんなことから主人公の刑事と問題のロボット〈ジャンヌ〉がコンビを組み、決死のアクションとサバイバルを繰り広げる展開が実に楽しい。
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posted at 23:30:29
河合莞爾「ジャンヌ Jeanne,the Bystander」読了。警視庁の刑事・相崎按人はありえない現場を目撃する。改変不能の「自律行動ロボット三原則」を埋め込まれた家事ロボット〈ジャンヌ〉が主人を殺害し風呂場でその死体を洗っていたのだ。不可能な殺人を犯した彼女と対峙した相崎が見たものとは……?
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2019年02月11日(月)
表題作はその二編に比べると手掛かりはあからさまながら謎の魅力と物語の密度の高さは収録作中随一であり、謎解きにおける何とも言えない虚無感が忘れ難い印象を残す。その他の収録作も凝りに凝った趣向が盛り込まれており、全体的に高水準のパズラー集である。
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posted at 20:59:44
なお解説によると某国産誘拐ミステリの傑作とほとんど同じプロットとのことだが、恥ずかしながら言われるまで全く気付かなかった。一方「忘れられた男たち~」は「姿を消した少女」とは正反対の社会的弱者に向けられた温かな眼差しが印象的な作品ながら物語に巧みに隠された伏線には思わず唸らされる。
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posted at 20:59:33
その三編「忘れられた男たちの冒険」、表題作、そして「姿を消した少女の冒険」のうち、ベストは「姿を消した少女の冒険」で誘拐事件を扱った非情な物語がミスディレクションとして巧みに活かされると同時に残酷な真相を際立たせるのにも一役買っているという技巧の冴えには脱帽の一言に尽きる。
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posted at 20:59:11
クイーンのラジオドラマシナリオ集第二弾。前作「ナポレオンの剃刀の冒険」もクオリティの高い犯人当てが揃っていたが、本作はそれに輪をかけた出来であるのに加え、後半の三編に至ってはラジオドラマとは思えない豊潤な物語で読ませてくれる。
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posted at 20:58:59
エラリー・クイーン「死せる案山子の冒険」読了。トウモロコシ畑で見付かった血を流す案山子の正体は、切り刻まれた瀕死の男だった。男は一命を取り留めるが目を離した隙に病院から姿を消してしまう。そして、それこそが奇怪な事件の幕開けだった……。表題作を含む“聴取者への挑戦状”つき七編を収録。
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posted at 20:58:43
また「放火魔の冒険」もホワイダニットとフーダニットの絡ませ方が実に秀逸。もっとも収録作の中には当時の知識がないと解けないものや特殊な設定に無理があるものもなくはないが、全体的にみれば犯人当てに拘らなくても読み物として面白い作品集である。
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posted at 09:57:04
クイーンのラジオドラマシナリオ集第三弾。収録作はいずれも謎を際立たせる演出に優れており、特に表題作は〈犯罪コーポレーション〉という魅力的な設定もさることながら、物語の中に仕組まれた煙幕が強烈で、意外な真相が鮮やかに決まっている。
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posted at 09:56:37
エラリー・クイーン「犯罪コーポレーションの冒険」読了。〈犯罪コーポレーション〉として知られる犯罪グループの六人いる幹部の間で内紛が起こり、一人が銃弾に倒れ、一人が刺殺された。だが、残された幹部たちには全員アリバイがあった――表題作を含む、“聴取者への挑戦状”つき十一編を収録。
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posted at 09:55:35