麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年07月27日(土)
それ以外にも本作には実に多くの伏線が張り巡らされており、それらを見付け出すのも本作の醍醐味の一つだろう。また最後に明かされるエラリーのある心遣いは粋の一言に尽きる。基本的に本作はエラリーよりも相棒のボーの方が目立っているが、実はエラリーのさりげない役者ぶりも楽しい秀作である。
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犯人の正体を巡って二転三転するプロットはかなり錯綜しているが、決め手となるロジックは意外とシンプルだったりする。だがそれ以上に驚かされるのは中盤においてエラリーが演じていたある役割と、犯人に突き付けられる第三の証拠に纏わる大胆な伏線である。
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クイーン中期の長編ミステリ。クイーン作品の特徴として序盤の人間関係の説明にやや取っ付きにくさがあるが、その点に関しては本作は実に分かりやすいと言っていいだろう。但し約二百頁くらいにならないと明確な殺人事件が起こらないので人によってはヤキモキするかもしれない。
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エラリー・クイーン「ドラゴンの歯」読了。友人のボーと共に私立探偵社を開業したエラリーのもとに財界の大物カドマス・コールがやってきた。将来事件を委嘱すると言って巨額の契約金を払った彼は数日後ヨットで謎の死を遂げる。更に残された遺産を相続する二人の姪を巡って奇妙な事件が相次いで……。
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2019年07月23日(火)
特に後者に関しては徹底したミスディレクションもさることながら、探偵役に解かせる理由がこれ以上ない形で用意されているのがいい。個人的には帯の裏面にある「歴代島田賞受賞作の最高傑作」という謳い文句には異論があるものの、本作がよく考え抜かれた傑作であるのは間違いない。
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また訳者あとがきによると本作で主人公が探る事件は実際に中国で起きたものだそうだが、その真相の方はさほど驚くべきものではない。では本作の見所は何かと言えば作者が好きな作品を彷彿とさせる(訳者あとがき参照)大掛かりなトリックと更にその裏に隠された人間ドラマと直結したある仕掛けである。
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第四回島田荘司推理小説賞受賞作。本作でまず目を惹くのは帯や冒頭に書かれている「この小説には一つ叙述トリックが含まれている。ご注意を。」という文言だが、正直それがバラされているからと言って本作の評価にはさして影響はないだろう。
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雷鈞「黄」読了。中国の孤児院で育ち富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年・馮維本は中国で起きた六才の少年が木の枝で両目をくり抜かれる事件の真相を暴くべくインターポール捜査員の温幼蝶と共に事件現場となった村を訪れる。目が見えない代わりに鋭い直感と判断力を持つ馮維本の推理は……?
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2019年07月21日(日)
そして何よりも秀逸なのはその真相もまたかなり特殊なものであるにも拘わらずシンプルなロジックで鮮やかに解明されてしまう点であり、それをさらりとやってのけてしまったクイーンという作家に思わず畏怖の念を抱かずにはいられない。本作は新本格が好きな人ほど是非読んでほしい傑作である。
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しかも物語は次第に目次やタイトルに象徴されるように探偵役と黒幕による事件をチェスに見立てた頭脳戦の様相を示していくのだが、それらが後に絶妙なミスディレクションとなって真相の衝撃度を高めるのに一役買っているのが素晴らしい。
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クイーン後期の長編ミステリ。本作はかなり特殊な舞台設定もさることながら、それ以上に目を惹くのは序盤で殺人の実行犯と操りの構図が明らかにされている点だろう。言うなれば本作の趣向は実行犯探しではなく、その背後で操っている黒幕探しという舞台設定同様かなり特殊なフーダニットなのである。
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エラリー・クイーン「盤面の敵」読了。四つの奇怪な城と庭園から成るヨーク館で富豪の莫大な遺産の相続権をもつ甥のロバートが花崗岩のブロックで殺害された。しかもヨーク館には事件が起こる前に犯人からとおぼしき奇妙なカードが送られてきていた。果たして犯人の真の目的は?
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2019年07月20日(土)
「天気の子」観了。一言で言えば中途半端なリアリティーが鼻につくジュブナイル。話の大筋だけ分かればいい人は楽しめるかもしれないが、細かいところを気にする人は向いていないかもしれない(自分は後者)。相変わらず作画クオリティーは非常に高く、良くできたMVとしての需要は満たしていると思う。
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また探偵役のキャラ設定を活かしつつ、この連作ならではの大掛かりな仕掛けを凝らしたトリを飾る「同じ穴の狢」もいい。本作は後半になるにつれて本格ミステリとしての良さが分かってくる良作である。
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その最たる例が「前門の虎、後門の狼」で、竜巻が去った後に突如として教会の十字架に突き刺さっている首と両足のない死体が出現するという謎も強烈だが、なぜ犯人が首だけでなく両足も切断したのかという理由と短い頁数の中にさりげなく張られた伏線が綺麗に結び付く点が秀逸。
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地震、噴火、大雪、強風、大雨、竜巻、台風といった自然災害に本格ミステリを絡めた、ブラックユーモア色の強い連作。といっても前半三編は一編一編が短いのが災いして本格としてのカタルシスが得にくいのが難だが、後半になればなるほど枚数に慣れたのか、いかにも本格らしい事件を演出していて○。
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鳥飼否宇「天災は忘れる前にやってくる」読了。火事から助け出された善人の男が殺された理由、濁流に流された家から発見された男女の他殺体、竜巻が去った後に教会の十字架に突き刺さっていた首と両足のない死体――「特ダネ ゴーダニュース」の社長とバイトコンビが災害現場で遭遇する七つの事件とは?
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リメイク版「チャイルド・プレイ」観了。オリジナル版からオカルト要素を排除していることもあって正直ハズレじゃないかと思っていたが蓋を開けてみれば80年代ホラーをきっちりリスペクトしており、ファイナルディストネーションを彷彿とさせる凝った殺人シーンありシュールな笑いありで満足度高し。
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2019年07月18日(木)
犯人以外の容疑者となる囚人たちがほとんど目立っていないし、そもそも帯で趣向をばらしているのがいただけない。またトリックは伏線があからさまだし、どんでん返しにしても物語の展開上そうなるだろうなとしか思えないのが難。願わくは次巻ではもう少し囚人たちに活躍の場があることを期待したい。
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「闇探偵」月澤凌士シリーズの二作目。ミステリ的にも物語的にも問題があった前作に比べると、だいぶ破綻は少なくなりすっきりと纏まっているのがまず好印象。ただその反面、不可能犯罪の演出は巧みだが、意外性という点で言えば些か物足りなさが否めない。
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posted at 13:11:53
小島正樹「ブラッド・ブレイン2 闇探偵の暗躍」読了。警官五人を殺し確定死刑囚として独房にいながらも難事件を解決する月澤凌士。彼は「闇探偵」と呼ばれ警視庁捜査一課の百成完とバディを組む。ある日、月澤が収監される脳科学医療刑務所で毒殺事件が発生。更に所長の撲殺、密室殺人まで起きて――。
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2019年07月14日(日)
「ハッピー・デス・デイ 2U」観了。謎のループ現象によりクソ○ッチが殺人鬼に何度も襲われる話の二作目。物語的には前作の補完であり、前作では語られなかったループの原因をメインにしているためホラーというよりはSFという印象。またギャグのキレも増しておりエンタメとして楽しめる作品である。
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posted at 22:30:52
更にその絞り込みから大胆に隠されていた唯一無二の証拠が目の前に突き付けられた時の驚きと興奮―――本作は序盤の辛さを乗り越えてでも読む価値がある法廷ミステリの傑作である。
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posted at 15:10:30
圧倒的不利な状況をどうひっくり返すかという法廷物ならではの醍醐味もさることながら、終盤で示される被害者に纏わるある手掛かりの矛盾、そして絶体絶命の時に主人公に訪れる天啓――裁判でやり取りされた数多の証言の中に巧みに織り込まれていた容疑者ならぬアレの絞り込みは正に秀逸の一言に尽きる。
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posted at 15:10:22
村で起きた殺人事件を巡る特殊状況下での裁判を描いたノンシリーズ物の長編ミステリ。舞台と多すぎる登場人物の紹介に費やされた序盤はなかなか辛いものがあるが、それさえ乗り越えてしまえば一触即発の雰囲気の中、行われる裁判の行方は実にスリリングで読み応えのある内容に仕上がっている。
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エラリー・クイーン「ガラスの村」読了。ニュー・イングランド北部の一寒村〈シンの辻〉で老女流画家が撲殺された。すぐに彼女の家へ入るのが目撃された一人の男が逮捕されるが、彼は殺人の容疑を頑強に否定。男を吊し上げようとする村人たちを抑えるべく、急遽村で特別裁判が行われることになる――。
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2019年07月12日(金)
特筆すべきは終盤にエラリーが気付くある事実であり、そこから盲点とも言える人物を突き止める手腕が実に秀逸。但しそれ以降の展開は意外性こそあるものの唐突かつ蛇足感が否めず、その前で終わっておいた方が良かったのでは? と思ってしまう。個人的には秀作になり損ねた、何とも惜しい作品である。
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男女の愛憎のもつれが引き起こす射殺事件の顛末を描いた長編ミステリ。事件が起こるまでがやや長いものの、一度事件が発生して以降は次々と現れる容疑者と法廷を交えての逆転に次ぐ逆転、そして謎の脅迫者の登場と目まぐるしい展開で読者を物語に引き込んでくれる。
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エラリー・クイーン「三角形の第四辺」読了。売り出し中の作家デイン・マッケルは厳格勤勉な大実業家の父の浮気をやめさせるため、問題の女シーラに近づいた。ところがデートを重ねるうちに彼の心はシーラの魅力の虜となってしまう。そんな矢先、シーラが自宅で何者かに射殺されてしまい――。
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また本作は目次からも分かるようにフーダニットの他にもホワイダニットやフェアダニットなどの趣向が盛り込まれており更に物語の後半で次々に明らかになる意外な事実の連続が実に楽しい。ただその反面それをやり過ぎたせいで情報の後出し感が否めず最終的な真相がアンフェア気味に感じてしまうのが難。
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「クイーン警視自身の事件」の後日談として書かれた長編ミステリ。冒険とサスペンスの色が強かった「クイーン警視自身の事件」に対し、本作はいかにもな本格展開ながら、殺人が起こりそうで起こらないもどかしさがあり、それが後に犯人を絞り込む手掛かりとして機能する点が○。
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posted at 20:44:43
エラリー・クイーン「真鍮の家」読了。奇妙な招待状に誘われてクイーン警視夫妻が訪れたのはあちこちに真鍮が施された異様な屋敷だった。そこで屋敷の主である老人はクイーン警視の妻ジェシイを含む何の面識もない六人の男女に莫大な遺産を遺したいと提案。その裏にはいかなる謎が隠されているのか?
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posted at 20:44:24
るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」5巻読了。今回は鶴岡vs変身能力者という趣向だけでなく重力操作の能力者をどうやって殺すかという初心に戻ったような展開あり、しかも後者はこれまでで最もスケールの大きな能力&発動条件なのが楽しい。主人公の立ち位置も明確になり、舞台はいよいよ本土へ……!
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