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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2020年01月25日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月25日

三田千恵「リンドウにさよならを」読了。想いを寄せていた少女の代わりに死んでしまったらしい神田幸久。二年後、地縛霊として目覚めた彼はクラスでいじめに遭う穂積美咲にだけ存在を気づかれ、友達になることに。少しずつ変わり始める美咲の境遇はやがて幸久が学校に留まる真実に結びついていく――。

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posted at 18:00:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月25日

第18回えんため大賞優秀賞受賞作。基本的には幽霊の主人公といじめられっ子のヒロインのボーイミーツガール物であり、主人公が手を貸すことでヒロインが徐々にいじめを克服していくというのが本作の主な流れになるわけだが特筆すべきはそのいじめと主人公の「死」の謎に密接な繋がりがある点だろう。

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posted at 18:00:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月25日

加えて物語の途中で出てくる新たな事実に関して読者はある一つの疑問を抱くことになると思うが、その答えが後にいじめの構図と綺麗に結び付くことで、隠された人間ドラマが浮かび上がるようになっているのも巧い。

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posted at 18:00:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月25日

尤も真相が明らかになると人によっては登場人物たちがある事実について全く触れないことを不自然に思うかもしれないが、そこは仕掛けを成立させる上で仕方ないものとしてギリギリ良しとしたい。とまれ本作はミステリ的な仕掛けによって人間ドラマを際立たせることに成功した佳作と言っていいだろう。

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posted at 18:00:55

2020年01月29日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月29日

米澤穂信「巴里マカロンの謎」読了。いつの間にか増えたマカロン、拉致された小佐内さんとCDの隠し場所、当たりの揚げパンを食べた人物が名乗り出ない謎、飲酒の濡れ衣を着せた犯人探し。心穏やかで無害で易きに流れる小市民を目指す小鳩君と小佐内さんの二人がお菓子に纏わる四つの謎を解き明かす。

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posted at 20:24:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月29日

小市民シリーズの四作目は番外編的位置付けの連作集。前作から十一年ぶりということもあって過度な期待をする人もいると思うが、ミステリとしてみると伏線がどれも分かりやすいので、それほど難易度は高くないかもしれない。

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posted at 20:24:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月29日

むしろ本作はキャラ小説として良くできていて、収録作はいずれも小鳩君の目から見た小佐内さんというキャラクターが実に可愛く(時に黒く)描けている。少なくともシリーズのファンであれば満足のいく内容と言っていいだろう。

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posted at 20:24:34

2020年01月30日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月30日

竹本健治「狐火の辻」読了。「手を返せ」と言いながら襲ってくる黒マントの怨霊。過去の轢き逃げ事件の現場に現れる幽霊。撥ねられた被害者が消えてしまった人身事故。誰かが誰かを尾行している要素を含んだ幾つかの話……湯河原を中心に広がっている怪談から天才棋士・牧場智久は何を見出だすのか?

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posted at 23:31:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月30日

竹本作品ではお馴染みの探偵役・牧場智久が登場する本作の帯を見ると「『涙香迷宮』の流れを汲む、幻惑のサスペンス・ミステリ」とあるが、怪談の出所を探るその内容はどちらかというと同じく怪談もとい都市伝説の出所を探る「将棋殺人事件」を彷彿とさせるものがある(実際、作中に言及あり)。

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posted at 23:31:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年1月30日

登場人物の一人が語るように本作の展開は実に「あやふやで、切れ切れで、とりとめがな」く、その幻惑感こそ、この作者にしか書けない魅力と言っていいだろう。但しその幻惑感に対し事件の真相の方はそこまで魅力的とは言い難いのがやや残念だが、それさえ割り切れば充分に楽しめる作品である。

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posted at 23:31:47

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