麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年02月29日(土)
しかしながら終盤のミステリ的仕掛けによるサプライズの連続と、それによって見えてくる物語の構造は一読の価値があるだろう。本作は前述した細かい部分さえ割り切って読めば楽しめるデスゲーム物の快作である。
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posted at 13:25:20
本作で読者が気にすることはただ一つ――相浦と明日無という二つの視点で進むこのゲームが一体どういう形で収束するのか、だけである。但し作者的にはあまり本作を狭義のミステリとして意識していないのか、その基準で見ると所々にアンフェアな部分が散見されるかもしれない。
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posted at 13:25:09
第一回ファミ通文庫大賞特別賞受賞作。所謂デスゲーム物である本作は「誰が何の目的でこのゲームを始めたのか?」とか「超常現象としか思えない出来事はどういう原理で起きているのか?」とか、そういったことは一切考える必要がない作りになっている(一応最後に取って付けたような説明はされるが)。
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posted at 13:24:57
勅使河原あねも「クラスメイト・ゲーム 殺人者の教室」読了。突如学校に集められた見ず知らずの高校生三十人は≪クラスメイトゲーム≫というデスゲームに強制参加させられてしまう。そんな中、集められた生徒の一人である相浦に与えられたのは「誰も消せず誰からも消される」≪主人公≫の配役で――。
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posted at 13:24:43
2020年02月28日(金)
尤も犯人の計画に関してはかなり綱渡りのような気もするが、壮絶な東京大空襲の描写を踏まえた動機の説得力がそれを補って余りある。本作は前作にあった草野唯雄っぽさ(?)こそないものの、事件の構図と時代物に定評がある作者らしい警察小説の秀作である。
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posted at 23:49:06
その活かし方は捜査を盛り上げるための単なるシチュエーション作りだけに留まらず、事件全体の構図にまで及んでおり、特に終盤における東京大空襲の地獄絵図を経験したからこその気付きと、事件を起こすに至った犯人の動機が実に秀逸。
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posted at 23:48:38
「帝都大捜査網」に続く、警視庁特別捜査隊による大捜査網シリーズ(?)の二作目。前作では昭和十一年の東京を舞台にしていたのに対し、本作ではその八年後にあたる昭和十九年の東京、しかもタイトルにある通り、太平洋戦争真っ只中という状況を活かした捜査を描いているのが面白い。
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posted at 23:48:26
岡田秀文「戦時大捜査網」読了。一九四四年、国民服を着た丸刈りの女の死体が発見されたのが全ての始まりだった。女は何者でなぜ男装していたのか。そうこうしているうちに第二の事件が起きて……。特高や軍、果ては空襲に邪魔されながら捜査を続けた警視庁特別捜査隊が辿り着いた異形の真相とは?
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posted at 23:48:09
2020年02月24日(月)
とはいえ南極大陸で起きた事件の真相はバカミスといえるものであり、その光景を想像するとちょっと笑えるし、乱歩や泡坂、連城といった錚々たる面子の名前が出てくる作者の思い出話はこれはこれでなかなか興味深い。最初からミステリ部分はおまけと割り切って読めば、それなりに楽しめる作品である。
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posted at 18:42:49
かの幻影城出身の作者による長編ミステリ。といってもどちらかというと作者自身が体験した南極旅行記をミステリ仕立てにした感があり、まともなミステリと思って読むと些か肩透かしを覚えるかもしれない。加えて大阪漫才のような口語体で進行する物語はかなり読む人を選ぶことだろう。
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posted at 18:42:36
竹谷正「南極殺人事件」読了。南極旅行に向かった医師の武原夫妻と添乗員のきみ子の三人が遭遇したのは南極大陸であざらしやペンギンに囲まれる中、後頭部に隕石の直撃を受けたとしか思えない男の死体だった。更に船上で第二の事件が起こるが奇妙なことに今度の被害者もまた隕石に縁のある人物だった。
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posted at 18:42:23
2020年02月23日(日)
あとTLで「ミッドサマー」が金田一のいない八つ墓村という例えを見かけたが、それを言うなら差し詰め「ヘレディタリー継承」は金田一のいない獄門島(あくまで要素に過ぎないが)なのかなと思った。
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posted at 23:24:21
「ミッドサマー」観了。一言で言うなら儀式体感シミュレーション映画。前作「ヘレディタリー継承」よりもストーリー性はそれほど高くないが作品全体を覆う不穏感や考察したくなる感じはこちらの方が上か。聞くところによると監督の失恋をきっかけに作られたとのことだが全くいい趣味をしていると思うw
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posted at 23:20:11
2020年02月22日(土)
「劇場版ガンダム Gのレコンギスタ II ベルリ 撃進」観了。前作から引き続きテンポのいい展開もさることながら、G-セルフの無敵感やアイーダのポンコツぶりがいい意味で際立っているのも○。新規カットもだいぶ目立つようになり、これなら次回も期待できるなと思ったら三作目の公開が秋って……。
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posted at 22:13:35
2020年02月21日(金)
加えて事件の真相に関してもまたこの手のミステリの定番の域を出ていないため、さほど驚きはない。むしろ本作最大の驚きは探偵コンビに隠された秘密の方にあり、明らかにシリーズ化を想定した作りは賛否分かれるだろうが、もし続きが出るなら次こそは定番から脱したものを読ませてほしいと思う。
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posted at 22:24:56
ライトノベルの書き手によるファンタジー本格ミステリ。タイトルとその内容から田代裕彦の某作品を思い出してしまったが、幸いあちらとはネタ被りはしていない。それはさておき本作の展開そのものはこの手のミステリにはよくあるものであり、これをテンプレととるか王道ととるかは人によるだろう。
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posted at 22:24:32
紺野天龍「錬金術師の密室」読了。錬金術師のテレサ・パラケルススと青年軍人エミリアは、水上蒸気都市トリスメギストスへ赴いた。大企業メルクリウス擁する錬金術師フェルディナント三世が不老不死を実現し、その神秘公開式が開かれるというのだ。だが式前夜、三世の死体が三重密室で発見されて――。
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posted at 22:24:08
2020年02月20日(木)
加えて最後に語られる「家族とは何か?」についても倫理からはほど遠いところにあるにも拘わらず謎の説得力に満ちており、そういった点からも作者がただ者ではないことがよくわかるだろう。とりあえずはっきりと言えるのは白井智之(または菅原和也)好きであれば間違いなくハマる作品である。
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posted at 23:03:17
もっとも主人公のキャラ設定に関しては本作の事件の構図には必要不可欠であり、一見バラバラのように見える要素が思いもよらない因果の糸と逆説によって結びつけられていく様は反吐が出るほどひどい内容のはずなのに、次第に痛快に思えてくるのが不思議だ。
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posted at 23:02:52
その一方で本作はかなり人を食った作品であり、主人公の常識外れな行動や言動、清々しいまでの人でなしぶり、更に唐突にぶちこまれるポケモンやHUNTER×HUNTER、シャドバといったサブカルネタには戸惑う人もいるかもいるかもしれないが同時にそれが本作の独特な魅力となっている点も否定できない。
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posted at 23:02:38
第23回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。まず最初に断っておくと、本作は本格ミステリというジャンルでしか描けない暗黒家族小説である。そして本作に最も近い作風はと言えば特殊設定のない白井智之――言うなれば本作は鬼畜系パズラー家族小説(!)というべき極めて人を選ぶ話なのである。
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posted at 23:02:18
城戸喜由「暗黒残酷監獄」読了。同級生の女子から言い寄られ人妻との不倫に暗い愉しみを見いだし友人は皆無の高校生・清家椿太郎の姉・御鍬が十字架に磔となって死んだ。彼女が遺した「この家には悪魔がいる」というメモ。その真意を探るべく、椿太郎は家族の身辺調査を始め、残酷な真実に辿り着く。
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posted at 23:02:05
2020年02月19日(水)
どちらかといえば神社ネタの縛りがそれほどきつくない、なぜ彼氏のフィギュアを黙って処分したのかという謎を扱った第三話の方がまだ楽しく読めた時点で(あと伏線にしても一部おっと思わせるものあり)ネタの配分を誤った印象が否めない。せめて前作くらいのクオリティーで読ませてほしかった。
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posted at 23:41:00
神社で巻き起こる問題の数々を参拝者の前以外では笑わない美少女巫女が解決する連作ミステリシリーズの二作目。ミステリ的な面白さで言えば前作よりも落ちており、作者得意の伏線にしてもどれが伏線なのか分かりやすいのはともかくローカルネタや特殊知識に偏り過ぎてイマイチやられた感がないのが難。
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posted at 23:40:36
天祢涼「境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖」読了。源神社で働く坂本壮馬は一緒にトラブルを解決してきた「名探偵」の美少女巫女・久遠雫に想いをよせるがクールで感情の見えない雫の心はわからない。雫につきまとう謎の男・上水流や、壮馬の元カノ・佳奈が絡み、壮馬と雫の関係は渾沌としていく――。
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posted at 23:40:16
2020年02月17日(月)
一方「人がまだ見ることができない」は「鉱区A-11」(「C.M.B.」37巻)でも扱ったロボット三原則ネタを「溺れる鳥」(「Q.E.D.iff」11巻)の世界観を使ってやってみただけでなく、この作者ならではのアプローチで某国内SF作品のテーマと繋げてみせた点が素晴らしい。哀愁感溢れる結末も○。
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posted at 10:23:01
「その世界」はミステリでは定番の遺産相続物。次々と起こる不可能犯罪にこの作者らしい数学ネタを絡めており、漫画ならではの視覚効果抜群のトリックもさることながら犯人の計画の盲点をついたシンプルなロジックが巧く決まっている。
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posted at 10:22:46
加藤元浩「Q.E.D.iff」15巻読了。遺産相続で揉める雷明家で発見された山伏姿の逆さ吊り死体と奇妙な記号が書かれたメモ「その世界」、近未来の日本である日、AIが搭載されたロボットが暴走し新人弁護士の許にAI関係の依頼が殺到する事態に‥‥「人がまだ見ることができない」の二編を収録。
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posted at 10:22:33
2020年02月15日(土)
更に本作が優れているのは捨て推理が次の推理に意外な形で活かされるだけでなく、きちんと多重推理である必然性が用意されている点であり、しかも推理合戦の後には作者が得意とするプロットの捻りあり、そしてその捻りまでが計算ずくとあってはもはや脱帽と言わざるを得ない。
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posted at 16:41:11
過去に起きた毒入りチョコレート事件とそれを巡る多重推理を扱った長編ミステリ。ミステリ読みであればその組み合わせにニヤリとする所だが本作の見所はそれだけに留まらない。往復書簡で新たな推理が展開される毎に隠された人間ドラマが掘り起こされる様は四十二年という時の重みと相俟って実に秀逸。
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posted at 16:41:01
深木章子「欺瞞の殺意」読了。殺人犯として服役していた元弁護士が仮釈放後にある関係者に送った書簡。「わたしは犯人ではありません」と無実を訴えたその書簡は次第に四十二年前の「毒入りチョコレート」殺人を巡る推理合戦となり、やがて「真相」のぶつかり合いが思わぬ方向へ物語を導いていく。
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posted at 16:40:43