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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2020年05月10日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月10日

宮ヶ瀬水「推理小説のようにはいかない ミュージック・クルーズの殺人」読了。大学の室内楽サークルに所属する三澤利佳と葛原卯月は名古屋港での記念式典に演奏ボランティアとして参加するため横浜港から船に乗り込んだ。ところが船上の密室でボランティアの一人が殺されてしまう。一体誰が、なぜ?

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posted at 17:27:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月10日

第十六回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉「三度目の少女」でデビューした作者の二作目。ミュージック・クルーズという舞台設定や特殊な凶器を選んだ理由は面白いと思う反面、気になる点も多い。まず冒頭からとにかく説明が多く、物語が動き出すまでが遅すぎるのが難。

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posted at 17:27:34

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月10日

また説明過多が災いして探偵が気付くよりも前に事件の構図が読めてしまうせいで、タイトルにもなっている推理小説のようにはいかないことがミステリ的面白さに繋がっていないし、トラブルを呼び込む体質に絡む主人公と探偵役の関係性の変化も物語に巧く溶け込んでいるとは言い難い。

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posted at 17:27:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月10日

とはいえ前作よりもロジックの精度は上がっている(その代わりキャラクターとしての魅力は薄れたが)ので、ミステリとしては前作よりもお勧めできる作品である。

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posted at 17:28:21

2020年05月12日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月12日

岩崎正吾「異説本能寺 信長殺すべし」読了。天正十年六月二日。なぜ智将明智光秀は信長殺害を決行したのか? 背後に黒幕は存在したのか、したならばそれは誰なのか? 新発見の事実により導き出された「誰も気づかなかった」真相とは?

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posted at 18:44:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月12日

「ハムレットの殺人一首」で探偵役を務めた俳優の多岐一太郎がベッド・ディテクティヴで本能寺の変の真相に挑む歴史ミステリ。基本的には明智光秀を唆した黒幕探しのフーダニットで進行し、豊臣秀吉や徳川家康といった錚々たる面子の犯人説が挙がっては棄却される流れは多重推理的面白さがある。

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posted at 18:45:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月12日

しかしながら最終的に探偵役が提示する真相はミステリとしてみると興醒め以外の何物でもないのが難点で一応それなりに説得力を与えようと努力はしているものの正直滑っていると言わざるを得ない。力作であるとは思いつつもそもそもミステリとして発表したのが間違いな気がしてならない作品である。

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posted at 18:45:24

2020年05月13日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月13日

マツキタツヤ/宇佐崎しろ「アクタージュ act-age」11巻読了。クライマックスの連続と言うべき展開の中に役者一人一人のドラマを丁寧に織り込んでいく手腕もさることながら、いつ破綻してもおかしくないギリギリの緊張感を維持しつつ夜凪の葛藤の結末を見事に描ききったのは流石と言わざるを得ない。

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posted at 09:18:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月13日

五十嵐均「籠の女 湘南殺人海溝」読了。スキューバダイビングクラブのインストラクター・麻生貴彦は恋人・保科真紀を愛するが故に死体が絶対発見されない方法で殺害した。警察は貴彦を疑うが、証拠はなく捜査は難航する。そんな中、貴彦の許に真紀の知り合いだったという女・小見川千秋が現れて――。

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posted at 16:32:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月13日

クイーン最後の弟子を自任する作者による倒叙サスペンス物。焦点となるのは作者が自信を見せる死体処理方法だが、正直犯人の設定や最初の犯行シーン諸々でだいたい見当がつく上に、第二の犯行以降どんどん手口が杜撰になっていくので完全犯罪の穴探しという倒叙物としての面白さがほぼないのが難。

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posted at 16:33:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月13日

加えて事件を演出するラブロマンス描写もいかにも俗っぽく描いてしまっているので情緒の欠片もないし、最後の仕掛けにしてもある人物の不自然な描写からそれなりにミステリを読んでいる人間なら容易に予測できてしまうのがツラい。短い作品だが、それでも冗長に感じてしまう凡作である。

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posted at 16:33:18

2020年05月16日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月16日

岩崎正吾「探偵の夏あるいは悪魔の子守唄」再読了。現場に残された三本指の手形、対立する二つのお大尽家、病院坂で首を縊った死体、キチガイじゃがと呟く老人……奇妙な子守唄が伝わる辺境の村・八鹿村で繰り広げられる子守唄に見立てた連続殺人劇に、キンダイチと名乗る探偵が挑む。

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posted at 21:59:08

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月16日

作者のデビュー作にしてタイトルからも分かる通り横溝正史の本歌取りミステリ。しかもその本歌取りは実に徹底しており、横溝作品のタイトルやお馴染みのガジェット、果ては金田一耕助を演じた俳優の名前までこれでもかとばかりに詰め込まれているので横溝ファンであればそれだけでも楽しいことだろう。

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posted at 22:00:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月16日

そして本作の最大の特徴は、何と言ってもお馴染みのガジェットを使いつつも独自の捻りをきかせていることであり、特に見立てを活かした皮肉なドラマと渾身の一発ネタ(?)とも言うべき最後のオチが秀逸。

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posted at 22:01:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月16日

尤も純粋なパズラーとしてみると手掛かりの提示が不十分に感じる点も多々あるが、それを差し引いても本作の本歌取りとしての完成度が極めて高いのは間違いない。

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posted at 22:01:55

2020年05月19日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月19日

八目迷「きのうの春で、君を待つ」読了。かつて住んでいた離島・袖島を訪れた船見カナエはそこで時間を遡る現象『ロールバック』に巻き込まれた。その最中、再会した幼馴染・保科あかりが彼に数日前に亡くなった兄・彰人を救ってほしいとお願いをする。彼は彰人を救うため奔走することになるが――。

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posted at 21:33:49

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月19日

ロールバックと名付けた時間を遡る現象を使って事故死した幼馴染の兄を救おうとするタイムリープ物。しかしながら本作はこのロールバックを解き明かすのではなく、あくまでロールバックを使った青春物語として描いているため、どちらかといえばSFではなくファンタジーとして捉えた方がいいだろう。

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posted at 21:34:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月19日

とはいえこのロールバックという現象がヒロインが隠しているある秘密に纏わる伏線として効果的に使われており、それらがやがて一つに繋がった時、主人公に青春物らしい苦い選択を突き付けることになる点が実に秀逸。

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posted at 21:34:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月19日

そして、その選択があるからこそ結末の良さが際立つ点も○で、最後のあるお約束がそれに一役買っているのもいい。本作はタイムリープ設定を巧く物語を盛り上げる演出として用いた青春ファンタジーの佳作である。

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posted at 21:35:17

2020年05月20日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月20日

狗彦「五色の魔女」読了。蒸気機関車が走り、科学の発展した大国『ヤルングレイプ』の治安は『五色の魔女』と呼ばれる五人の少女たちによって護られていた。そんなある日、黒の魔女が死亡した。なぜ黒の魔女は突然死んだのか? 謎が深まる中、残った魔女四人が数十年ぶりに集結することになる――。

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posted at 13:47:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月20日

第1回集英社ライトノベル新人賞《特別賞》受賞作。帯の裏面には「スチーム×ファンタジー×謎解き」とあるけれど、黒の魔女の死の真相に関してはオマケ的な扱いにすぎず、メインはあくまでスチーム×ファンタジーの方――スチームパンクの世界で四人の魔女が巻き起こす壮絶なバトルになるだろう。

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posted at 13:48:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月20日

四人の個性的な魔女がそれぞれの魔法を駆使して殺し合う様は読んでいて実にワクワクさせられるし、その中で描かれる黄の魔女・ジャッカルと使い魔・スチーマーの関係性の変化が物語の程よいアクセントとして機能しているのも○。コンパクトに纏まった、良質なエンタメの見本のような作品である。

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posted at 13:48:23

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20年5月20日

鳥飼否宇「パンダ探偵」読了。ヒトという種が絶滅し動物たちのユートピアとなった世界。ジャイアントパンダで新米探偵のナンナンはライガーの先輩探偵・タイゴと共に白黒ツートーンの動物誘拐事件、密室から消えた草食動物の干し草の謎、共和国大統領暗殺事件など、様々な事件に立ち向かう。

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posted at 19:44:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月20日

動物たちの世界で起こる事件を描いた全三話構成の連作ミステリ。動物の世界が舞台のミステリだと個人的には新庄節美の「名探偵チビー」シリーズを思い出すが、あちらと比べると本作の方がリアル寄りの設定で動物の生態や特徴が活かされたミステリに仕上がっている。

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posted at 19:45:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月20日

但しその反面、動物にかなり詳しくないと全く解けない内容になっているため、いまいち謎解きの面白さが伝ってこないのが難。それでも最終話に関しては構図の反転や大胆な伏線などが盛り込まれているので、その手の知識に明るくなくてもある程度楽しめるようになっているのは○。

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posted at 19:45:26

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20年5月20日

ちなみにタイトルは「パンダ探偵」となっているが事件を解決するのは主にライガーの先輩探偵・タイゴの方だったりする。とはいえ一応最後に続編を匂わせているので、パンダ探偵が颯爽と事件を解決する姿は今後の展開に期待したい。

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posted at 19:46:32

2020年05月21日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

小島正樹「愚者の決断 浜中刑事の杞憂」読了。織物工場の社長が一億円の現金を強奪された。だが奪われた現金は犯人が隠していた山中の祠で火災が起こり焼失してしまった。そして未解決のまま約二年の月日が経ったある日、重要参考人と目された人物が殺害されたことで事件は再び動き出すことになる。

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posted at 14:41:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

強運の持ち主・浜中刑事が活躍するシリーズの四作目。本作はこれまでのシリーズ作と比べると最も地味に感じるかもしれない。一応トリックは幾つか盛り込まれているものの、どうにも大人しめな印象だし、構図にしてもやり過ぎミステリを得意とする作者にしてはあっさり気味で物足りなさが否めない。

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posted at 14:43:31

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

しかしながら本作の本領は最後の最後であり、そこで明かされるある事実によって事件の展開は勿論のことタイトルの意味合いすらもガラリと変わる点がいい。またシリーズではお馴染みの倒叙要素が巧いミスディレクションになっているのも○。本作はトリックよりもプロット面が光る快作である。

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posted at 14:43:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

天祢涼「あの子の殺人計画」読了。小学五年生の椎名きさらは母親の厳しい躾が実は虐待だったのではないかと気付き始める。一方、大手風俗店のオーナー・遠山が刺し殺され、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑いがかかるが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたというアリバイがあった。

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posted at 20:04:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

「希望が死んだ夜に」に続き生活安全課の仲田刑事と捜査一課の真壁警部補が活躍するシリーズの二作目。本作もまた前作と同じく社会派と本格の融合を試みているが個人的に前作はミステリに詳しくないはずの犯人が使ったいかにもミステリらしいトリックが社会派テーマから浮いているのが不満だった。

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posted at 20:05:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

そして本作では粗筋にもあるようにアリバイ崩しを扱っており、しかも途中で有栖川有栖のアリバイ講義まで出てきたことでまた前作と同じ欠点を抱えているのではと危惧したのだけど、結論から言うとそれは杞憂だった。というより今回はそれをあえて逆手に取った仕掛けを盛り込んでいるのがまず秀逸。

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posted at 20:05:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

しかもそのミステリ的趣向が絶妙なミスディレクションになっているだけでなく、本作のテーマである子供の虐待を象徴する真相の容赦のなさをより際立たせている点が実に圧巻で、中でも残酷な現実をイヤというほど突き付けられた後に待つある人物の悲痛な叫びは読者の心に深く刺さることだろう。

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posted at 20:05:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年5月21日

本作は読了後にタイトルの意味を考えさせられる、社会派本格ミステリの傑作である。

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posted at 20:08:14

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