麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年12月13日(月)
「Night Feeder」観了。サンフランシスコの下町を騒がせる連続殺人の真相とは?パンクバンドが製作に関わっているせいか、やたらと多いバンドの演奏シーンが印象的。ビデオ撮りのチープな映像ながら死体解剖の見せ方は頑張っているし何より殺人鬼の正体には微笑ましい気持ちになること請け合いである。
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posted at 23:58:44
表紙や導入部こそ監禁サスペンス風だがその実態はかなり都合のいい展開が目立つラブコメに過ぎず何となく作者がただ女子高生と同居するだけではつまらないから導入部だけ監禁サスペンスの枠組みを借りてきたのではないかと邪推してしまう。オチも極めてありきたりであり正直肩透かし感が否めなかった。
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穂積潜「見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話」読了。「ここはどこだ?」スランプの漫画家である俺が目を覚ますと見知らぬ天井、辺りに一切の明かりはなく、首には――首輪と鎖!? 不意に灯る部屋の電灯。そこにいたのは包丁を携えた女子高生。JKと漫画家、二人の監禁ライフが幕を開ける。
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2021年12月12日(日)
「ラストナイト・イン・ソーホー」観了。60年代ロンドンで起きた殺人事件を巡るホラーミステリ。幻視を介して過去と現在を交錯させ60年代ロンドンを身近に感じさせることで真相の意外性を際立たせている点がまず秀逸。また映画としても魅力的な二人の夢見るヒロインと華麗なダンスが印象に残った。
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2021年12月11日(土)
むしろミステリの切れ味でいえば物語中盤、ある窃盗未遂事件でルカが披露する論理的思考の方が上だろう。とはいえそれだからダメというわけでは決してなく、たとえ途中で真相が読めてしまったとしても様々な運命の悪戯を交え劇的に演出することで綺麗に物語の中に組み込んでいるのは好印象。
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第10回京都アニメーション大賞KAエスマ文庫特別賞を受賞したファンタジーミステリシリーズの二作目。本作は前作でも触れられたルカの義理の妹・愛里がなぜ昏睡状態に陥ったのか、その謎に迫っているが真相自体はそれほど難易度は高くなく、人によっては設定の段階で見破ってしまうかもしれない。
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小川晴央「サクラの降る町 白ノ帳」読了。空から花びらが降る不思議な現象・アマザクラ。だがルカの義理の妹・愛里が昏睡状態に陥った時からアマザクラは観測されなくなる。そして再びアマザクラが空を舞った日、意識を失ったルカが導かれたのは記憶を元に作られた愛里が見ている夢の中の世界だった。
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2021年12月10日(金)
田村由美「ミステリと言う勿れ」10巻読了。奇妙な誘拐は過去の事件を巡るデスゲーム物へと移行。そのEpisode2を思わせる先が読めない展開の面白さもさることながら、そこから急転直下の犯人当てと次々と明らかになる登場人物たちの醜い本性、そしてそれと対比して浮かび上がる親子の人間ドラマが○。
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2021年12月09日(木)
特に動機はその時代特有のものであり、それを成立させるための背景の作り込みが実に秀逸。ただそのせいで事件が起きるのがやや遅いのが難だが、それまで闇市を描いた小説としてじっくり読ませてくれるし終盤にはファンサービスも用意されているので全体的にはバランスが取れた佳作と言っていいだろう。
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転職探偵・物理波矢多シリーズの三作目。戦後の闇市で続発する通り魔事件を扱った本作は幾つか不可能犯罪が出てくるものの、注目すべきはトリックよりもむしろ不可能犯罪の扱い方、そしてそれによって際立つ動機部分だろう。
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三津田信三「赫衣の闇」読了。『黒面の狐』事件後、上京した物理波矢多は闇市「赤迷路」に巣食う怪人「赫衣」の正体を調べる中、密室で妊婦が腹を切り裂かれて殺される事件に遭遇する。更に妊婦が襲われる事件が立て続けに起きるが、その犯人は逃げ場のない路地から忽然と姿を消してしまい――。
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2021年12月08日(水)
「ブレインスキャン」観了。自分がゲームの中で犯した殺人が現実でも起きていることを知った少年の恐怖。導入部こそ悪くなかったが、トリックスターの存在が恐怖感を台無しにしているばかりか、このオチの付け方は正直ガッカリ感が否めない(ただエンドロールのちょっとした捻りは嫌いではない)。
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posted at 00:22:48
2021年12月06日(月)
惜しむらくは○○が多すぎてスマートさに欠ける点だが、それを差し引いてもいつも以上に(?)計算された本作は版元の“B級本格ミステリー"という謳い文句が的外れであることを痛感させること請け合いの佳作である。
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posted at 09:48:10
そしてもう一つは扱われている謎の数々にきちんと必然性が与えられて一つに繋がる点であり、これだけでも門前作品の中では完成度が高い方といっていいだろう。勿論作者らしい奇想に満ちた物理トリックにしてもお馴染みの建築ネタが活かされているのに加え、かなり映像映えしそうなのも○。
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posted at 09:47:49
名探偵・蜘蛛手シリーズの六作目にあたる長編ミステリ。本作もまた作者らしい奇想に満ちた物理トリックが目を惹くが、それ以上に注目すべきは二点、まず一つ目は作者らしからぬ構成を活かした仕掛けが用いられている点で、これに関しては過去に某作でも使っていたがその時よりも遥かにこなれている。
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posted at 09:47:24
門前典之「卵の中の刺殺体 世界最小の密室」読了。
コンクリートで造られた龍神の卵の中から発見された刺殺体。連続殺人鬼・ドリルキラーにより解体され人間テーブルにされた若者。そして龍神池近くの別荘で二度繰り返される密室殺人――次々と起こる奇怪な謎の数々を名探偵・蜘蛛手が解き明かす。
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posted at 09:47:01
2021年12月02日(木)
香吹茂之「女神家の一族」〈第5話〉読了。てっきり拷問からそのまま謎解きになだれ込むかと思いきや、ほぼまるまる一話使った回想回だった(そしてナンパ男が逆に掘られるのには笑ったw)。とはいえ、そんな回想を交えた展開の中にも謎解きに絡んできそうなキーワードが出てくるので油断ならない。 pic.twitter.com/su589HSyFF
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posted at 23:00:52
本作は一見バラバラに思える複数の謎が綺麗に一つに繋がるどころか、むしろ繋がるはずがないのに無理やり繋ぎ合わせてしまった、その無茶ぶりを楽しむくらいの心意気で読むべき極めて取り扱い注意な作品である。なお法月綸太郎氏による解説は殊能ファン必見である。
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posted at 22:19:45
そして問題はその真相だが……正直「そうはならんやろ」という○川ぶくぶ絵が脳内再生されるくらい動機がおかしい。こんな動機でここまでやるやつはいないと断言してもいい。だが一周回ってこの動機と事件の乖離っぷりが面白いかも……と思い始めたら最後、本作のことを愛おしくて堪らなくなるだろう。
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posted at 22:19:26
前作から十二年ぶり(!)に刊行される名探偵〈ツイスト博士〉シリーズの長編ミステリ。故殊能将之氏が絶賛したことで知られる本作は謎だけならシリーズ中トップクラスで面白いと言えるだろう。実際殊能氏も「前半だけなら最高傑作かも」というコメントを残している。
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posted at 22:18:55
ポール・アルテ「死まで139歩」読了。暗号のような言葉を残しロンドンの夜に消えた女。毎日手紙を運ぶ謎めいた仕事に雇われた男――調査に乗り出したツイスト博士は怪人の電話に導かれ無数の靴に埋もれた郊外の異様な屋敷へと辿り着く。更に埋葬されたはずの屋敷の主人の死体が密室の中に出現し……。
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posted at 22:18:28
また章が変わるごとに視点人物も変化し、それによって新事実が明らかになる点も物語のテンポの良さに一役買っている。ただその反面フーダニットとしてみるとそれほど意外性はなく、オチの付け方も定番の粋を出ないが、逆を言えば定番ならではの面白さが堪能できる作品である。
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posted at 12:34:00
「火喰鳥を、喰う」で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞≪大賞≫を受賞した作者の二作目。迷い込んだ館が殺人鬼の棲家だったというホラーの定番に人狼要素を絡ませた本作は一夜の出来事ということもあり基本的に物語はスピーディーに展開、退屈させる部分が一切ないのがまず好印象。
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posted at 12:33:43
原浩「やまのめの六人」読了。嵐の夜「ある仕事」を終えた男たちを乗せた車が土砂崩れに巻き込まれて横転。何とか生還した彼らが逃げ込んだ屋敷は不気味な老婆が支配する恐ろしい館だった。拘束された五人は館からの脱出を試みるが、いつのまにか仲間の中に「化け物」が紛れ込んでいるとわかり……。
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posted at 12:33:19