麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年01月26日(水)
「テシス 次に私が殺される」観了。一本のスナッフ・フィルムの出所を探るヒロインがやがて犯人に命を狙われるようになるスリラー物。二転三転する展開で最後まで誰が犯人なのか分からない点は○だが、終わってみれば犯人が誰かよりもむしろ皮肉なオチの方が印象的だった。
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posted at 01:39:47
宇佐美まこと「月の光の届く距離」読了。予期しない妊娠をしてしまった女子高生の美優は堕胎するには遅すぎると福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウスに預けられる。そこには明良と華南子という兄妹が、深刻な事情を抱えた子どもたちの里親となって高齢の母・類子と暮らしていた。
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posted at 15:59:25
血の繋がりより深い家族の在り方を描いた長編作品。本作は予期しない妊娠をしてしまった女子高生・美優の物語から始まり、彼女が預けられることになった奥多摩のゲストハウスで暮らしている明良、華南子、類子の隠された過去に少しずつ迫っていく内容になっている。
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posted at 15:59:54
その過程で浮き彫りになっていくのは家族に恵まれなかった人々が過酷な運命に翻弄されつつも血の繋がりを超えた絆で結ばれた真の家族を手に入れていくまでの人間ドラマであり、そんな彼らと出会ったことで美優の心境もまた変化し、人間として成長していく姿が深く読者の胸を打つことだろう。
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posted at 16:00:14
なお一応本作は「長編ミステリー」ということになっているが、正直ミステリーとしては???と言わざるを得ない。むしろ本作は純粋に家族小説として読んだ方が正当な評価が下せる作品である。
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posted at 16:00:33
2022年01月27日(木)
明神しじま「あれは子どものための歌」読了。どんな賭けにも負けない力を得た少女、あらゆる傷を跡形なく消し去る名医……。この世の理に背く力に人生を狂わされる者たちの五つの物語と、その背後で進行する国の存亡に関わる陰謀。架空の異国を舞台にした異色のミステリ連作集。
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posted at 23:20:08
「商人の空誓文」で第七回ミステリーズ!新人賞佳作を受賞してから十二年の歳月を経て刊行された作者のデビュー作であるファンタジーミステリ連作。本作の印象としては北山猛邦の書くメルヘンチックなミステリに近いが一編目の「商人の空誓文」の時点ではまだミステリとしてはこなれていない感がある。
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posted at 23:20:27
それが洗練されてくるのが二編目の表題作で、どんな賭けにも負けない力を得た少女の物語の中に巧みに伏線を折り込み、それらを終盤に一気に回収することで物語をミステリへと反転させるだけでなく、タイトルに込められた意味によって絶妙な余韻を生み出すことに成功している。
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posted at 23:20:43
そして三編目以降は一転して最初からだいぶミステリ寄りの話が続くことになるが、皮肉にもミステリ寄りになればなるほど作者の個性が希薄になるばかりかミステリ的にも真相が見えやすくなってしまっているのが残念。
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posted at 23:21:02
一応トリを飾る五編目に関してはコンゲーム物としてみればそれなりに巧く纏まってはいるものの、ベストの表題作と比べると些か物足りなさが否めない。できれば表題作のような方向性で最後まで書いてほしかった。
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2022年01月29日(土)
「バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」観了。原作ゲームの1と2を合体してホラーとして再映画化。原作を知っているとニヤリとする要素が盛り込まれているものの、そのどれもが中途半端でダイジェストを見せられている感が否めない。これなら前の映画の方がマシだったかもしれない。
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posted at 17:21:33