麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年02月17日(木)
一方「死後の手紙」は次々と起こる不可解な事件も魅力的だが、それ以上にこの真相を成立させる人物設定と、死者視点による語りという一見コミカルな要素が真相が明かされると共に悲哀に満ちた読後感へと転じる構成が実に秀逸。今回収録された二編だと個人的にはこちらを推したい。
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posted at 10:07:05
「ディオファントスの方程式」は作者お馴染みの数学ネタに不可解な人間消失を絡めたもの。正直ミステリ的には小粒だし、事件を起こす必然性も弱いものの、相変わらず話の膨らませ方はさすが。
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加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」21巻読了。数学オリンピックを目指す高校生たちの合宿中に起きた不可解な人間消失事件「ディオファントスの方程式」、ヤクザの舎弟が鉄砲玉として送り込まれた先で起きた密室殺人と内縁の妻に送られてきた死者からの空っぽの封筒の謎「死後の手紙」の二編収録。
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posted at 10:06:12
「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」観了。失踪した兄を探して山奥の屋敷へとやってきた妹とその恋人を待ち受ける恐怖。ジャンルはゴシックホラーだが真相に迫る過程はミステリ風でそんなバカなと思える死者蘇りの理由の後に明かされるある事実にはびっくり。あと夕子役の小林夕岐子ははまり役だと思う。
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2022年02月16日(水)
「悪魔が呼んでいる」観了。天涯孤独のヒロインが巻き込まれる不条理サスペンス劇。ヒロインがピンチになると決まってオカリナの演奏が流れ死体が転がる展開には思わず笑ってしまうが、終盤に明かされる意外な犯人と人間の怖さが浮き彫りになるホラー的結末が何とも忘れ難い印象を残す作品である。
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2022年02月15日(火)
前に読んだ「太陽のシズク~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~」ほどがっつりミステリ的仕掛けが凝らされた作品ではないものの、本作もまたミステリ要素をあくまでさりげなく盛り込むことで、物語を際立たせた良作である。
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それらの謎が物語が進むにつれて有機的に結び付いていき、やがて主人公が隠していた秘密や主人公の夫、親友の本当の姿を浮き彫りにしていく過程は正にミステリでしか描けない人間ドラマと言っていいだろう。そして、それが幸せ探しという本作のテーマと絡んで極めて前向きなラストへと繋がる点も○。
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posted at 11:23:17
ラノベミステリの書き手による幸せ探しの物語。粗筋からはミステリっぽさは感じられないが実際読んでみると「なぜ主人公は子供を作ることを躊躇っているのか」「なぜ主人公の親友は何も告げずに突然姿を消したのか」など複数の小さな謎を散りばめ、後に伏線として回収するミステリ的手法を用いている。
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三田千恵「しあわせ、探して」読了。母一人子一人で育った真子は夫・康生の転勤に従い絵本の出版社を退職し大分で暮らしている。優しい両親となり理想の家族を作りたいと思っていた二人は子どもを待ち望んでいたはずだった。が、ある日声をかけてきた男子高校生・高木と奇妙な関係を持つことになり――。
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2022年02月12日(土)
もっとも後半で明かされる地下5メートルもの深さに埋められていた白骨死体の真相や女優殺しの隠されていた背景に関しては後出しかつ取って付けた感が否めないしオチの構図ももっと巧くやれたのではないかと思ってしまうものの徹頭徹尾TV業界ならではの事件を描いている点だけは評価できる作品である。
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posted at 16:22:14
ドラマの脚本通りに起こる連続殺人の謎を扱った長編ミステリ。前作「カルチャーセンター殺人講座」同様、本作もまたやたらと濡れ場が多いが、本作の場合それが後にトリックの重要な気付きとして機能する点がまず面白い。しかもそのトリックの成立にあたってTV業界の内幕が一役買っているのも○。
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池田雄一「裏番組連続殺人事件」読了。地下5メートルもの深さに埋められていた白骨死体。事件の捜査でドラマ撮影中の女優・杜七重に会いに盛岡に向かった新米刑事の石部はそこで全裸で殺されている七重の第一発見者となってしまった。しかも殺人はなぜかドラマの脚本通りの状況で行なわれていて――。
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るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」9巻読了。モエ編完結。倒叙展開を巧く隠れ蓑にしたサプライズもさることながら「なぜあえて轢き逃げという殺害方法を選んだのか?」が真相にきちんと説得力を与えていて○。そしてメインの物語も大きく動き出し、次の舞台はまさかの刑務所……?(何にせよ楽しみ)
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2022年02月11日(金)
但しあくまでちょっとしたアレンジに過ぎないためさほど意外性が感じられないのが難だがただ一点ある場面を国内作家Nのように活かした点は○。とはいえ色々アンフェアなところあるしオチも定番過ぎて面白みに欠けるものの二時間サスペンスみたいなものと割り切れば、これはこれで楽しめる作品である。
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posted at 18:48:01
作中で主人公の脚本家が度々タイトルを伏せた上で古今東西の有名ミステリのネタを割り、これをどうアレンジしようかという趣旨の発言をしているが、本作の展開もまた定番のネタを幾つか組み合わせて、ちょっとしたアレンジを加えたものが導入されている。
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posted at 18:47:36
カルチャーセンターを舞台にした連続殺人を扱った長編ミステリ。連続殺人と主人公が受け持つミステリーシナリオ講座がリンクする趣向自体は面白いものの、被害者たちがいずれも生徒である人妻たちと不倫関係にあり、ちょくちょく濡れ場が挿まる点はいかにも通俗的で好みが分かれるところだろう。
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posted at 18:46:46
池田雄一「カルチャーセンター殺人講座」読了。都心のカルチャーセンターで脚本家の飛池克久がミステリーシナリオの書き方講座の授業を始めた途端、血まみれの男が教室に飛び込んできて絶命した。被害者は飛池と同じ講師の一人である作曲家。やがてそれは講師たちを狙った連続殺人事件に発展する。
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posted at 18:46:10
2022年02月10日(木)
一方後半ではこのシリーズでしばしば感じられる少女漫画的なノリが前面に押し出されており、特に第二王子とモニカのロマンス(!)とセンチメンタルなエピソードは必見。更にそれに加えて次回以降に繋がってくるであろう伏線もあちこちに張られている気配があるので次回の学園祭編を楽しみに待ちたい。
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posted at 00:57:30
気弱で臆病だけど最強の引きこもり天才魔女が正体を隠し王子に迫る悪を密かに裁く学園ファンタジーミステリシリーズの三作目。といっても今回はミステリ要素は鳴りを潜め、代わりにこのシリーズのもう一つの特長であるモニカの成長物語としての面白さが前半のチェス大会で堪能できるようになっている。
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posted at 00:56:24
依空まつり「サイレント・ウィッチ III 沈黙の魔女の隠しごと」読了。代表選手として参加したチェス大会の会場で〈沈黙の魔女〉モニカは因縁あるかつての旧友・バーニーとまさかの再会を果たす。そんな中、またしても第二王子の暗殺を目論む刺客が会場に紛れ込んでいて……。
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posted at 00:42:02
2022年02月08日(火)
捜査が進むにつれて浮かび上がってくる過去の事件の凝りようも見所の一つだが最大の見所は何と言っても鉄壁のアリバイに守られた容疑者との対決であり、そこからの逆転劇は前述した作者の手腕と共にある意味アリバイ物を逆手にとった仕掛けとも言えるかもしれない。本作はプロットも必見の良作である。
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posted at 21:05:54
北と南から東京に向かう寝台特急を舞台にしたアリバイ物。毎回作者は手を替え品を替え鉄壁のアリバイに守られた容疑者優勢の状況からどう逆転するかという点に拘ってみせるが本作は見方によってはその部分に数多くのドラマや映画の脚本を手掛けた作者の手腕が遺憾なく発揮された作品と言えるだろう。
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posted at 21:05:24
池田雄一「寝台特急「北斗星」「あさかぜ」連続殺人」読了。北斗星2号ツインDXに女の死体が、同時刻にあさかぜ4号個室デュエットから男の死体が発見された。男の死体に残されたナイフから同一犯の仕業と判明。捜査を進めるうちにある過去の事件と一人の容疑者が浮上するも鉄壁のアリバイが立ち塞がる。
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posted at 21:03:13
2022年02月05日(土)
尤もアリバイトリックとしては既存の組み合わせではあるものの、それまで犯人の圧倒的有利だった状況がラスト数ページで一気にひっくり返るカタルシスはなかなかのもの。ややラストに詰め込みすぎたきらいはあるが、普通のトラベルミステリには絶対にしないという作者の気概が感じられる良作である。
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posted at 16:42:06
更にそこへ第二、第三の殺人を起こすだけでなく、死んだ夫に纏わる不可解なエピソード、そしてまさかの鉄壁のアリバイのダメ押し(!)をすることで事件はますます混迷化、読者に一切の先読みを許さない練られた展開が素晴らしい。
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posted at 16:41:36
作者がエイコー・ノベルズ第一弾として書き下ろしたアリバイ崩し物。粗筋だけ見るとベタなトラベルミステリのように思えるが、それは二章までのこと。三章に入ると一転、新たな容疑者が浮上したばかりかこちらも鉄壁のアリバイがあり一体どっちが犯人なのかと作中のヒロイン同様読者を翻弄してくれる。
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posted at 16:41:14
池田雄一「「日本海4号」11分の壁」読了。蓉子の夫が伊豆・石廊崎で溺死した。現場に残された自筆の遺書から同僚の女性殺害を苦に覚悟の自殺と断定された。夫の無実を晴らそうと決意した蓉子は夫の上司・光岡に疑いを持ち、紀行作家の子安の協力を得て光岡が主張するアリバイを崩そうとするが……。
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posted at 16:40:46
2022年02月04日(金)
どちらかというと本作はトリックより犯人当てのロジックの方に見るべきものがあり特に終盤のロジックにおいてある印象に残る伏線を張ることで説得力を高めている点は○。また密室という趣向に青春小説要素を絡めたことで独特な物語に仕上がっており全体的に見れば良い意味で意欲作と言っていいだろう。
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posted at 16:07:36
しかしながらその肝心な密室トリックはバリエーションこそあるもののいかんせん質より量の感が否めず、中には前例があるものも混じっている点が難。加えて一つ一つの事件にしてもただ詰め込まれているだけで、最終的にそれらが有機的に繋がるという訳でもないのも好みが分かれるかもしれない。
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posted at 16:07:12
第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作。本作が面白いのは現場が密室である限りは無罪であることが担保された世界を作り上げたことでありそれにより密室の必然性を気にせず好きなだけ密室トリックを盛り込めるという点ではある意味「密室殺人ゲーム」と似ているかもしれない。
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posted at 16:06:53
鴨崎暖炉「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」読了。世間で密室殺人が激増する中、著名なミステリ作家が遺したホテル「雪白館」で密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ孤立した状況で凶行が繰り返される。現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて――。
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posted at 16:06:30