麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年07月25日(火)
京極夏彦公認のシェアード・ワールドシリーズ「薔薇十字叢書」の一冊。百鬼夜行シリーズの人気キャラクターの中から小説家・関口巽をフューチャーした本作はミステリというより幻想SF小説の趣きが強く、その何ともとらえどころのない展開は確かに薔薇十字叢書随一の奇書というだけのことはある。
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和智正喜「蜃の楼」読了。昭和二十七年。巷を騒がす連続神隠し事件の被害者が消えた後に何故か小説家・関口巽の初長編小説『蜃の楼』が残されていた。犯人探しに巻き込まれ、関口は東京を彷徨う。視界には天を衝く長大な鉄塔“スカイツリー”が鎮座して――。薔薇十字叢書随一の奇書、登場。
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2017年07月22日(土)
但し最後の解釈に関しては少々やり過ぎな気もするが、あくまでホラーとして書かれていることを考えれば、これくらいモヤッとした方がいいのかもしれない。個人的には前作以上にホラーとミステリの融合が達成された佳作である。
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特に秀逸なのは幕間(一)における黒い部屋と白い屋敷の考察で、それら伏線が怒濤のように回収されるミステリ的カタルシスが更なる恐怖を呼び起こす構成になっている点が素晴らしい。また終盤の謎を解かないと怪異が身近に迫ってくる「作者不詳」を思わせるスリリングな展開も○。
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「どこの家にも怖いものはいる」 に続く、幽霊屋敷ホラー第二弾。作者はこれまでにも何度か怪異の中にミステリ的伏線を隠蔽する技巧を駆使した作品を発表しているが、本作もまたその技巧が遺憾なく発揮されている。
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三津田信三「わざと忌み家を建てて棲む」読了。人死にがあった部屋や家。それらを一箇所に集めて建て直した“烏合邸”。家主はそこに棲む人を募集する。さながら実験室のように……。黒い部屋、白い屋敷、赤い病院、青い邸宅――四つの怪異に関する記録が出揃った時、明らかになる真相とは?
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一応本作は少女たちが事件に関わってはいるものの、主人公を全面に押し出しすぎているせいかやはりその辺の物足りなさは否めない。加えてミステリとしても面白くもないトリックにトリビアを盛り込んだだけで特に語るところはなく、全体的に微妙な印象しか残らなかった。
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父親の異なる二児の母親で恋愛体質の女性警官を主人公にした警察小説連作。長澤作品というとシニカルかつフェチズム溢れる少女描写に定評があるが、ここ最近の作者の作品を読んでいると、どうも本来の持ち味から遠ざかっている気がしてならない。
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長沢樹「月夜に溺れる」読了。父親の異なる二人の子供を持つ神奈川県警生活安全部のエース・真下霧生。盛り場で起こる青少年の絡む事件、謎めいた殺人事件には必ず駆り出される遊軍のような存在だ。そんな彼女が遭遇した四つの殺人事件。容疑者たちの鉄壁のアリバイを彼女は見破ることができるのか?
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2017年07月21日(金)
以前作者は好きな作品に「ハサミ男」を挙げていたが、本作を読めばその殊能将之の某作をかなり意識しているのがよく分かる。それでいて作者ならではの血と暴力で彩ることにより、ただのオマージュ作品では終わっていないあたりが好印象の良作である。
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恋人の死の真相を探る青年の捜査行と孤島で起きた殺人事件の顛末が交互に描かれる本作は、メインの仕掛けだけ見ればそれほど新鮮味はないかもしれない。むしろミステリ読みが本作で注目すべきは作中からひしひしと感じられる殊能将之リスペクトだろう。
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菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」読了。ツアーで訪れた無人島で死んだ最愛の人・美紀。好奇心旺盛で優しい彼女は事故に遭ったのだ。僕は生きる意味を喪い自堕落な生活を送っていたが美紀と一緒に島にいた女と偶然出会いある疑いを抱く。美紀は誰かに殺されてしまったのではないか――。
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2017年07月20日(木)
他にも気付きが気付きになっていない部分がある、一部のトリックに前例がある、ラストのトリックへの対応がスマートではないなど気になる点が多々あるが、どちらかというとミステリとしての出来より細かいことは気にせず漫画的ノリを楽しんだ方が吉な作品である。
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事件が発生する前に探偵が犯人やトリックを突き止め、事件を未然に防ぐ倒叙形式連作ミステリの完結編。犯人たちが文字通り束になってかかってくる総力戦とも言える内容を考えると仕方ないのかもしれないが上巻の時に比べるとトリックが質より量になっているのがまず気になった。
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井上真偽「探偵が早すぎる(下)」読了。父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。四十九日の法要で彼女を暗殺するチャンスは寺での読経時、墓での納骨時、ホテルでの会食時の三回――犯人たちは今度こそ彼女を亡き者にできるのか? 完全犯罪トリックvs.事件を起こさせない探偵の結末やいかに?
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2017年07月19日(水)
言うなれば本作は作者が小説という媒体で作り上げたフェイクドキュメンタリーであり、その出来の悪さに思わず読者が苦笑いするところまでが計算通りという何ともタチの悪い問題作である。
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だが困ったことにこのつまらなさは作者の計算通りであり、作者の狙いは本来のクローズドサークル物とは全く別のところにある。というか普通こんなネタで長編を一本書こうとは思わないだろうが、それをあえてやってしまうところが作者のひねくれものたる所以だろう。
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posted at 22:48:05
作者久々の長編本格ミステリ。しかしながら本作を本格ミステリと言い切ってしまっていいものかどうか正直躊躇っている。というのも本作を所謂クローズドサークルテーマの本格ミステリだと思って読んだ場合、間違いなくつまらないからだ。
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詠坂雄二「T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか」読了。月島前線企画に持ち込まれた既解決事件。孤島に渡った六人が全員死体で発見されたが当人たちによって撮影された渡島から全員死亡までの克明な録画テープが残っていた。何が起こったかはほぼ明確だ。ところが依頼人は不満のようで――。
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2017年07月16日(日)
「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」観了。全体的に設定絡みの説明が端折られているため、TVアニメ版を観ているだけだとかなり分かりづらいかもしれない。とはいえ大まかな流れを追うだけなら何とかなるし見応えのあるシーンも多々あるので、ノゲラが好きという人なら一見の価値はあると思う。
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2017年07月14日(金)
その一方でシリーズのもう一つの特徴であるホラー要素がミステリ的仕掛けに絡んでいないのは残念だが代わりに物語としては巧く噛み合って独特の余韻を生み出すことに成功している。個人的にかなり難ありだったシリーズ前作「鬼を纏う魔女」から一転、本作はその不満を見事に払拭してくれる良作である。
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私立探偵・槙野康平と鉄仮面と渾名される女性刑事・東條有紀が活躍するシリーズの四作目。このシリーズは代々犯人が鬼畜という特徴があるが、今回の犯人もそれに負けず劣らずなかなかの鬼畜っぷりで、特に第三章で犯人が使った人を人とも思わない殺人トリックには痺れた。
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吉田恭教「化身の哭く森」読了。七年前に消息を絶った祖父の痕跡を探すため「入らずの山」と呼ばれる禁断の地に足を踏み入れた大学生・春日優斗と友人たち。下山後、ほどなくして彼らは次々と死を遂げる。更には祖父と繋がりのあった探偵も六年前に変死していた。これは祟りかそれとも……。
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2017年07月13日(木)
ただその一方でテーマが明確になっていくにつれ真相が見えやすくなってしまっているきらいがあるが、それも最後の事件「天守の密室」における戦国ならではのダイナミック過ぎる謎解きを見せられてしまうとさして気にならなくなる(というか変な笑いが込み上げてくる)。
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紅城と名付けられた戦国時代の城を舞台にした連作ミステリ。本作は言うなれば作者が得意とする逆説的本格ミステリで血塗られた因果を見事に描ききった作品であり、扱っている事件も後半になればなるほど真相のおぞましさが増していく点がいい。
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鳥飼否宇「紅城奇譚」読了。16世紀中頃。九州にある勇猛果敢で「鬼」と恐れられた鷹生龍政の居城・紅城で次々と起こる摩訶不思議な事件。消えた正室の首、忽然と現れた毒盃、殺戮を繰り返す悪魔の矢、そして天守の密室――眉目秀麗な鷹生氏の腹心・弓削月之丞が真相解明に挑む。
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2017年07月11日(火)
ただその反面、犯人を絞り込む根拠に些か物足りなさを覚えなくはないが、それを差し引いても充分お釣りがくるくらいの満足感がある。本作は構造的に見れば綺麗な(?)「○○○○○○○○殺人事件」とも言える傑作である。
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しかし似ているのはそこだけではない。本作に盛り込まれた謎の数々は全てある大ネタと有機的に結び付いており、大ネタが明かされることで全ての謎が芋づる式に解けるようになっている構成が実に秀逸。加えて、探偵役の存在が大ネタの絶妙なミスディレクションになっている点もいい。
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本書には、ドローンという最先端の科学技術を使ったトリックが仕掛けられている。今回諸君らに取り組んでいただくのは、そのトリックが何かを当てるということである――そんな不敵な挑戦状から始まる本作は、どことなくタイトル当てを謳った作者の処女作を彷彿とさせるものがある。
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早坂吝「ドローン探偵と世界の終わりの館」読了。北神大学探検部が向かった先は北欧神話の終末論に取り憑かれた男が建てた迷宮「ヴァルハラ」だった。神話に基づいた仕掛けが至るところに施されたその場所で一人、また一人と襲われていく部員たちをドローン探偵こと飛鷹六騎は救うことができるのか?
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posted at 23:14:20
ミステリとしてみると犯人は分かりやすいが、それよりもあるものをでっち上げた点に見るべきものがあり、そこから犯人を追い詰める根拠に繋げている点も巧い。小粒ながら手堅く纏まった作品である。
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パソコン通信を題材にした長編ミステリ。パソコン通信というと今や隔世の感があるが、実際読んでみると意外とやっていることは今のネットでのやり取りとあまり変わっていないような気がする。
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posted at 13:06:04
風見潤「恋愛ゲーム殺人通信」読了。零細編集プロダクションに勤める宝生敦子は晩夏のある日、原稿の進まない翻訳家・加賀淳平宅を訪れた折り、OL時代の親友・高瀬知美の自殺を知らされる。通夜の席上、機械嫌いだったはずの知美がパソコン通信をしていた形跡を発見した敦子は……!?
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