麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年02月25日(木)
また裁判の展開にしても焦点となるべきところを検証しないままなのはさすがに不自然と言わざるを得ない。作者はあとがきでファンタジー好きであることを語っているが、こういうタイプの作品を書くのであればもう少しミステリ方面についても理解してほしかった。
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posted at 23:01:53
第2回集英社ライトノベル新人賞特別賞受賞作。事件自体は魅力的だがいかんせん肝心の真相に難がありすぎる。まず密室の謎が実は隠し扉がありました並のザルっぷりだし犯人の正体にしても隠す気がないのはまだいいとして、その犯人を特定する決め手となるものにアンフェアな点があるのがいただけない。
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posted at 23:01:41
大桑康博「呪術法律家ミカヤ」読了。十七歳で呪術法律家の資格を取ったミカヤの初仕事は史上最悪の暗殺者・アイスフェルドの弁護だった。アイスフェルドは絶対に精霊呪術を通さない『精霊殺しの箱』で行われた密室殺人事件の犯人として捕まったが、彼はミカヤに冤罪を主張する。果たして真相は?
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posted at 23:01:26
2016年02月24日(水)
またダイイング・メッセージの発想が三影潤物の某短編と似ているのも興味深い。一方後者は殺人事件のアリバイの証言と引き換えに法外な金を要求された女が相手に一矢報いるために事件を調べ始めるというサスペンスタッチの話も面白いが何よりその展開そのものが結末の絶妙な煙幕になっている点が秀逸。
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「殺人配線図」などで探偵役を務めた新聞記者の吉村が活躍する表題作などが収録された短編集。ミステリとしてみると当たりだったのは表題作と「毒を制する法」の二編で、前者は事件の引き金となった出来事に纏わるさりげない伏線が相変わらず巧い。
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仁木悦子「死の花の咲く家」読了。資産家の父を持つ田垣宏子は休職中の新聞記者・吉村に父が殺されるかもしれないと助けを求めた。現在、家には喉頭ガンに冒された父親の財産目当てに親戚たちが集まっているというのだ。そして彼女が予感した通り、殺人事件が起こった――表題作含む七編収録。
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2016年02月23日(火)
メインの密室トリックに関して言えば必ずしもこの世界でないと成立しないものではないが発想としては鯨統一郎の某作に近いものがあり、なかなか面白い。ただその反面トリック以外の部分に作り込みの甘さを感じなくはないが、それを抜きにしてもアレ系が好きな読者であれば一読の価値がある作品である。
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posted at 22:52:05
作者が高校生の時に江戸川乱歩賞に応募し最終候補に残った作品。粗筋を見るといかにもミステリっぽいが、本題の密室殺人事件がかなり後半になってからでないと始まらないその構成は些か賛否が分かれるところかもしれない。
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posted at 22:51:47
小森健太朗「ローウェル城の密室」読了。夏休みのある日、真っ暗な森に迷い込んだ恵と保里は不思議な老人の手で少女漫画『ローウェル城の密室』の世界に送り込まれ、漫画の登場人物であるメグとホーリーになってしまう。蛮族が跋扈し、奇怪な風習に支配されたその世界で、密室殺人事件が発生した。
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2016年02月22日(月)
その他「沈丁花の家」はネタの性質上、他の収録作より伏線が多く張られているため、比較的真相は分かりやすいが、その丁寧な見せ方は好印象。惜しむらくは後半の二編「蜜色の月」「美しの五月」が一段落ちる出来であることだが、それを差し引いても充分良作と言える短編集である。
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posted at 18:11:48
所謂回想の殺人を扱った本作はこのテーマならではの気付きは勿論のこと、テーマが真相の絶妙な目眩ましとして機能している点が秀逸。次点は同じく過去の殺人事件を扱った「暗緑の時代」で一枚の絵に端を発する事件の展開の仕方とどちらとも取れる結末の余韻が○。
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posted at 18:11:37
私立探偵・三影潤シリーズの短編集。ミステリとしての出来で言えば前に読んだ同シリーズの短編集「夏の終る日」よりもこちらの方が上だろう。収録作は何気ない気付きからひっくり返してみせるタイプの作品が多いが、中でもとりわけ巧くひっくり返してくれるのが表題作である。
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posted at 18:11:04
仁木悦子「緋の記憶」読了。依頼人が何度も見る謎めいた夢と過去に起きた殺人事件の関係を探る表題作を始め、ふらりと立ち寄った画廊で見かけた一枚の絵に纏わる殺人事件の謎を解き明かす「暗緑の時代」、犯人が自首したことで決着したと思われた老人殺しに隠された秘密「沈丁花の家」など六編収録。
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2016年02月17日(水)
次点は社会派的ネタ(?)を伝説や風習でうまく隠蔽してみせた「地獄穴」だが、「ゴーストカー」の豪快なバカトリックも嫌いではない。あと宮内悠介が出てくる「動き回る死体」はアパートの住人たちが死体を押し付け合うシチュエーションは面白いが、肝心の真相がイマイチなのが残念。
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posted at 13:26:38
今回もバラエティに富んだ四編が収録されているが、中でも飛び抜けているのは「第27回探偵推理会議」だろう。水中脱出マジックという設定が真相の絶妙な目眩ましになっている点もさることながら、何よりも賞金のかかった犯人当て形式だからこそできた仕掛けが素晴らしい。
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posted at 13:22:58
加藤元浩「C.M.B.」31巻読了。山中の村に突如出現した大穴に纏わる不可思議な出来事「地獄穴」、亡くなった画家の愛車があり得ない場所から見付かる「ゴーストカー」、賞金がかかったマジシャンの死の謎に挑む「第27回探偵推理会議」など四編収録。
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posted at 13:22:40
一方「自転車泥棒」は過去の事件と再び対峙させてみせるノスタルジックな見せ方もさることながら、詰め込まれたアイディアの数と二転三転させる展開、苦い真相とそれでも希望ある結末のギャップが素晴らしい。一点気になるところもなくはないが、それを差し引いても、忘れ難い印象を残す秀作である。
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posted at 09:42:49
「三人の刺客」は倒叙物に捻りを加えた一編。三人の女の設定を活かした三者三様の殺害計画も面白いが、それらの隙を巧く突くことで皮肉な真相を提示してみせる手腕が実に見事。ユーモアたっぷりのオチも個人的には○。
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posted at 09:42:13
加藤元浩「Q.E.D.iff」3巻読了。三人の女がある詐欺師の殺害をそれぞれ別に計画。そして計画はパーティーの夜に実行されるが……「三人の刺客」、小学生の頃、自転車泥棒の濡れ衣を着せられた燈馬。その事件と年月を経て再び対峙することになる「自転車泥棒」の二編収録。
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posted at 09:42:00
2016年02月14日(日)
「残穢 住んではいけない部屋」観了。思っていた以上に本格ミステリだった。特にあるシーンと繋がった時の快感が正にそれで全体的に良かったとは思うが、だからこそショボいCGとラストの蛇足感が気になった(むしろCGを一切使わない方が良かったのでは)。あと平山夢明が癒しキャラだった。←
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posted at 20:57:18
2016年02月10日(水)
ユーモアと警句に彩られた収録作はいずれも殊能将之らしさ全開であり、作者のファンは元より、作者のファンでなくてもその魅力の虜になるであろう可能性を十二分に秘めている。どれも甲乙つけがたいが個人的には映画好きだった作者のセンスが最も感じられる「鬼ごっこ」が好みだった。
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posted at 22:09:53
作者が「ハサミ男」でデビューする前に書かれた習作三編に「ハサミ男」が出版されるまでの顛末を綴った私小説「ハサミ男の秘密の日記」を収録した短編集。正直言うと出来はあまり期待していなかったのだけど、いざ読んでみたら、これが普通に面白くて驚いた。
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posted at 22:09:36
殊能将之「殊能将之 未発表短篇集」読了。犬恐怖症の男が隣人とその飼い犬の様子がおかしいことに気付く「犬がこわい」、凶暴な男達が繰り広げる命がけの遊戯「鬼ごっこ」、死んだ妻を甦らせようとした男とその友人が巻き込まれた不可思議な出来事「精霊もどし」など作者の没後に発見された四編収録。
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posted at 22:09:25
とはいえ事件の構図はそれなりに考えられているし、イジメというテーマありきの物語としてはよくできている。あくまでミステリ風の青春小説として読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 10:51:46
第22回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作。読み始めは文章に色々引っ掛かるところがあるが、物語を引っ張る力がそれを補ってくれる。内容紹介や帯の推薦文を見るといかにも構図の反転物のミステリっぽいが、事件の真相は予測の範疇に過ぎないため、ミステリを期待して読むと肩透かしを覚えるかもしれない。
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posted at 10:51:38
松村涼哉「ただ、それだけでよかったんです」読了。ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です』という遺書を残して。だがKは人気者の天才少年で菅原拓はスクールカースト最下層の地味な生徒だった。悪魔と呼ばれた少年がその物語を語り始める時、驚愕の真実が浮かび上がる。
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posted at 10:51:16
全六話からなる安楽椅子探偵物の連作ミステリ……なのだけど、収録作のほとんどがミステリよりも作者らしい黒い笑いの方が強いため、謎解きがあってもあまりミステリを読んだ感じがしないのが難。とはいえ連作としての纏めに関しては前例があるものの、ちゃんとミステリしていると言えるだろう。
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posted at 04:19:48
小林泰三「安楽探偵」読了。熱狂的ファンの中年男に執拗に真似される恐怖を語る人気アイドル。何者かに太る薬を盛られていると主張するダイエットマニアの女。客が持ち込んだ食材を調理する風変わりな店で消えた娘を探してくれと訴える夫婦……事務所から一歩も出ないものぐさな探偵の推理とは?
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posted at 04:19:24