麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年02月17日(火)
どうみても現実的でない犯罪計画をやるならやるで、それに相応しい説得力をきちんと盛り込んでほしかった。とはいえ、最後まで読者を驚かせようという作者の意気込みは評価したいと思う。
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posted at 22:46:06
名探偵海老原シリーズの新作。本作もまたこれまでの作品と同じ「やり過ぎミステリ」であり、これでもかとばかりに詰め込まれた不可解な謎は魅力的であるが、その反面、全体的にうまくいきすぎているのが気になる。
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posted at 22:45:35
小島正樹「呪い殺しの村」読了。東北の寒村で受け継がれる三つの奇跡の解明に探偵の海老原が挑んでいたその頃、都内では警視庁の鴻上管理官が瞬間移動して密室の中で死んだ女の謎に頭を悩ませていた。やがて邂逅した二人は四半世紀前に発生した神隠し、更に村に伝わる怨嗟の歴史に巻き込まれていく。
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posted at 22:45:17
密室トリックは相変わらず盲点をついた面白さはあるものの、金田一少年の「ゲームの館殺人事件」同様わざわざここまでやらなくてもと思ってしまうのがアレ。また過去の事件の動機が分からないままなのもモヤッとする。個人的に推すなら「観測」の方か。
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posted at 10:16:11
今回は二編とも書き下ろし。「観測」は犯人の消失トリックに疑問がなくはないが、それよりもむしろラストのある人物の言葉が胸に突き刺さる。一方「脱出」は一言でいうなら「Q.E.D.」で脱出ゲームをやってみたら、こんな感じになりましたという内容。
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posted at 10:15:11
加藤元浩「Q.E.D.」50巻読了。暗黒物質の観測施設で次々と何者かに実験が妨害され、その犯人を追い詰めるも煙のように消えてしまう「観測」、16年前に起こった密室殺人の謎と、それに纏わる脱出ゲームを作った主催者の意図に迫る「脱出」の二編収録。
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posted at 10:14:53
2015年02月14日(土)
特に秀逸なのは冒頭のアンフェアすれすれのある一文で、これのおかげでダイイング・メッセージがあからさまだったにも拘わらず、まんまと騙されてしまった。もっとも事件の構図自体は「またこれか」というものなので、中町作品を続けて読んでいるとすぐに気付いてしまう可能性大。
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posted at 14:17:33
本作は作者の作品をある程度読んでいると「あれ、この作品、もしかして前も読んだことがある……?」と思わず錯覚してしまうくらいテンプレの設定と展開だが、トリックだけは小粒ながらも相変わらず抜け目ないのが心憎い。
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posted at 14:17:09
中町信「草津・冬景色の女客」読了。羽生五郎の妻・照美が半年前に起きた転落死に纏わる手紙を残して死んでいるのが発見された。だがその手紙からは真相に言及した部分が欠如していた。事件の解明を依頼された作家探偵・氏家周一郎は関係者たちによる温泉ツアーに参加するが、そこで新たな死者が……。
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posted at 14:16:36
2015年02月12日(木)
父と娘による合作長編。本作には暗号やアリバイトリックなどが詰め込まれているものの、正直それらの印象は薄く、どちらかというと物語の悲劇性が強く胸に残る。とはいえミステリとしてみるなら暗号の解明と同時に判明する事件の構図が第一のアリバイトリックの重要な手掛かりになっている構造が秀逸。
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posted at 16:35:18
藤雪夫/藤桂子「獅子座」読了。幼い二人の娘を残して、女がクリスマスの夜に失踪してから三十年後、埼玉県隈ヶ谷署に殺人現場を目撃したという匿名の手紙が届く。それを裏付けるように間もなく消費者金融の支店長の他殺体が見付かり、彼が使っていた貸金庫から一枚の暗号紙片が……。
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posted at 16:35:07
2015年02月11日(水)
だがその反面、本筋の物語が凡庸なのが残念で、できるなら話を無難に纏めることより最後まで意外性重視でいってほしかった。とはいえ、作者の作品の中では一番題材を巧く料理していたように思うので、次回作もこの路線を希望したい。
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posted at 13:30:00
「ミニッツ」の作者の久々のオリジナル新作は、『ウミガメのスープ』を題材にした新感覚『推理ゲーム小説』。少ない手掛かりから論理の積み重ねによって真相に辿り着くその過程は『九マイルは遠すぎる』的な面白さがあり、特に第二問のキチガイぶりと第四問のアンフェアすれすれの発想が秀逸。
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posted at 13:29:42
乙野四方字「ラテラル ~水平思考推理の天使~」読了。リモコンを踏んで叫んだ女、買ったばかりの水を捨てる男、勝つことを諦めた少女、信号の横断歩道を渡る女……クラスメイトの少女・すすめの秘密に迫るべく、謎を解くことが生きがいの少年・論は『天使』が生み出す謎の【状況】の【解明】に挑む。
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posted at 13:29:26
2015年02月10日(火)
ベストは迷うところだが深水黎一郎「言霊たちの夜」の某短編を思わせる「全年齢官能小説 人妻悦料理~媚猫弄り地獄~」か、電子書籍とニコニコ動画を合体させた(!)「ワイワイ書籍」あたりだろうか。巻末の「電撃文庫館人間消失事件」もメタメタな感じがいい意味で「増加博士と目減卿」っぽくて○。
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posted at 10:12:59
また恒例のボツネタ集は前回よりもボツになった理由がはっきり分かるものが多いが、個人的にはブラックユーモアが際立つ「まごのてコレクション」は嫌いではない。中には何故か早川書房のボツ原稿が混じっていて思わず笑ってしまったw
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posted at 10:12:46
斬新という点ではカフェの看板を使った「Cafe Bleuetは元気です」やQRコードを使った「人生RありゃQもあるさ」もなかなか(但し後者に関しては小林泰三の短編に前例がある)。
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posted at 10:12:26
独創短編シリーズの二作目。前回よりもギャグの切れ味が増しており、初っぱなの「白い虚塔」からして「小説家になろう」ならぬ「お医者さんになろう」で手術動画をあげてランキングを競うという内容が酷すぎる(誉め言葉)。
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posted at 10:12:11
野崎まど「独創短編シリーズ2 野崎まど劇場(笑)」読了。図ありイラストあり、挙げ句はQRコードすら載った奇文珍文目白押しの短編集第二弾。電撃文庫マガジン連載分、ボツ原稿、書き下ろしに加え、あとがき、巻末広告、カバー裏(!)までフルに活かした全25編収録。
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posted at 10:11:43
2015年02月08日(日)
むしろ本作はもう一つのアリバイトリックの方に見るべきところがあり、原理としては非常に単純ながら伏線の張り方がユニークで、しかもそれが何気にミスディレクションも兼ねている点が巧い。作者の意気込みはこの際無視して(!)アリバイ物として楽しんだ方が吉な作品である。
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posted at 15:25:43
本作で使われた一部のトリックについて、作者は「一度〝その地でなければ成立しない〟大仕掛けなトリックを書いてみたいと思っていました」と語っているが、確かにこのトリックは奈良でしか実現できないものだろう。しかしながら、それが面白いかどうかはまた別の話である。
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posted at 15:25:26
本岡類「奈良「ささやきの小道」殺人」読了。奈良で鹿恐怖症の老人が鹿に襲われてショック死した。警視庁独立捜査班の高月は老人の莫大な遺産目当ての犯行ではないかと見て捜査を開始するが、手掛かりは杳として掴めない。そんな中、関係者の一人が殺されるが、容疑者には鉄壁のアリバイがあった。
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posted at 15:25:00
2015年02月07日(土)
しかしながら収録作の幾つかはある程度ミステリを読み慣れているとテーマや設定から真相が容易に読めてしまうのが難だが、中には「相続欠落の秘密」のようにパターンの捻り方が絶妙なものもあるので油断ならない。また真相が読めてしまっても手掛かりの見せ方などに巧さが感じられる作品である。
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posted at 21:23:50
正当防衛、親告罪、不作為犯といった法律的テーマを取り上げ、事件を通じて分かりやすく見せていく本作は一見するとガチガチの司法ミステリのように思えるが、さに非ず。それらのテーマを巧く本格ミステリとして料理している点に好感が持てる。
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posted at 21:23:21
夏樹静子「星の証言」読了。娘の婚約者を泥棒と間違えて殺した男、強姦犯が名乗り出た直後に別の犯人が現れる奇妙な状況、法廷での証言拒否に隠された企みなど七つの事件に、イソ弁の朝吹里矢子がボスの藪原や司法試験浪人の志朗らの協力を得ながら果敢に取り組んでいく連作ミステリ。
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posted at 21:22:18
2015年02月04日(水)
そして連作の掉尾を飾る「赤は上木らいち自身の色」にいたっては「お前は麻耶か!」と言いたくなる色々な意味で凄い趣向が炸裂、読者は感心と脱力が同時に味わえるという稀有な体験をすることになる。本作はエロなくして本格ミステリの発展は有り得ないことを思い知らせてくれる(!)怪作である。
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posted at 22:13:01
全編思い付いたとしてもこんなネタで書かねえよ!と言いたくなる内容のオンパレードで、しかもそれを使って見事に本格ミステリとして仕上げているのが素晴らしい。それが一番よく発揮されているのが「青は海とマニキュアの色」で、詰め込まれた仕掛けのくだらなさと騙しの技巧には唖然とさせられる。
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posted at 22:12:19
「○○○○○○○○殺人事件」で第50回メフィスト賞を受賞した作者の二作目は、前作に引き続き愛すべきビッチ探偵・上木らいちが活躍する連作ミステリ。前作も相当なエロバカミスだったが、本作では更にそれに磨きがかかっているのだから恐れ入る。
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posted at 22:11:55
早坂吝「虹の歯ブラシ 上木らいち発散」読了。高校生で名探偵の上木らいちには曜日ごとにらいちの許を訪れる援交の固定客がいる。殺人現場に残された12枚の死体のカラーコピー、密室で腕を切断され殺された教祖、盲点をつくストーカー撃退法……固定客に纏わる事件の数々を解決した先に待つものは?
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posted at 22:11:21