麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年03月04日(水)
また真相の一部に関しては、作者が好きだという三津田信三の某作を思わせるのもいい。言うなれば本作は島荘と三津田を取り込みつつ、このシリーズならではの生物蘊蓄を巧く謎解きに活かした佳作である。
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posted at 22:56:07
〈観察者〉シリーズ久々の長編はミステリでは定番の一つである、宗教施設を舞台にした連続殺人物。本作が秀逸なのは一見古典的とも言える設定と真相のギャップ感で、これはある意味島田荘司の某作に通じるものがある。
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posted at 22:55:54
鳥飼否宇「生け贄」読了。撮影中の不慮の怪我のため白崇教と呼ばれる宗教施設に滞在することになった植物写真家の夏海はそこで連続殺人事件に遭遇する。密室の本殿で刺殺された教祖、海を漂う下半身のない死体……〈観察者〉にして生物探偵の鳶山は夏海と共に事件の真相に迫る。
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2015年03月02日(月)
個人的には作者ならではのアクロバティックな論理の飛躍が光る「ゼロの幻」「暗殺二重奏」あたりが好みだが、「赤い黄金」のしょーもないエロミス的気付きも嫌いではない(爆)。作者は本作についてアクション小説として楽しんでほしいと語っていたが、ミステリ読みが読んでも楽しめる作品である。
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posted at 23:20:44
スパイ小説の書き手としても知られる作者の持ち味が活かされた、007風味の作品。特筆すべきはやはり手に汗握るアクションや美女とのロマンスの中にさりげなく盛り込まれたミステリ的仕掛けだろう。
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海渡英祐「地獄への直行便」読了。警視庁外事課の警部補・石塚利彦が世界各地で犯罪組織と対決する連作ミステリ。花が散らばる廃屋で見付かった顔のない画家の死体「殺意の花束」、暗闇の中で起きた動機なき犯行「ゼロの幻」、要人の影武者を殺害した犯人探し「暗殺二重奏」など六編収録。
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posted at 23:20:00
2015年03月01日(日)
勿論、作者がそういう展開にしたのにはちゃんとした理由があり、最後にはそれを活かした意外な結末が待っているのだけど、その反面、どうやって読者を驚かせるつもりなのか? という視点で読んでしまうと展開からそれに気付いてしまうのが難。故に本作は余計なことは考えずに読むのが吉な作品である。
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強盗犯探しに賭ける主人公・庄司の執念が印象的な作品。といっても強盗犯の正体やその手口は早々と明かされてしまうため、ストーリー展開はミステリというよりサスペンスに近く、それは強奪した現金を巡る犯人たちの殺し合いが始まる中盤以降で更に加速することになる。
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posted at 18:08:27
山村正夫「ボウリング殺人事件」読了。城南ボウリング・パレスに侵入した強盗が社員の庄司と三谷を殴り倒し現金を奪って逃走、重傷を負った三谷はその後、病院で息を引き取った。生き残った庄司は警察からかけられた強盗の共犯の疑いを晴らすため、執念の犯人追跡を開始する。
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posted at 18:08:00
2015年02月27日(金)
もっとも多重推理に関しては、あるバカミス要素がちょっと浮いている気がしないでもないが、そこは大いに笑わせてもらったのでよしとしたい(爆)。最後に明かされる動機が突き刺さるのも実に青春ミステリ的であり、有栖川有栖の学生シリーズが好きな人には是非読んでもらいたい秀作である。
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posted at 23:44:10
今年度のダークホースその2。事件を通して描かれる青春群像劇と密室を巡る推理のビルド&スクラップ、そして第二の事件からの端正なロジックによるフーダニット――本作にはそれらが違和感なく綺麗に溶け込んでおり、しかも舞台や人物などの設定に何一つ無駄がないのも素晴らしい。
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posted at 23:43:55
村崎友「夕暮れ密室」読了。「遅刻厳禁!明日、晴れるといいね」――文化祭前夜、そう言い残した少女は翌朝、密室状態の水浸しのシャワールームで死んでいた。バレーボール部のマネージャーで男子生徒の憧れの的だった彼女の死に疑念を持った部員やクラスメイトたちは、真相究明に立ち上がるが……。
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2015年02月26日(木)
思ったよりミステリしてた(爆)。ただのはがないもどきかと思いきや、犯人当てあり、どんでん返しあり、ホワイダニットまである。しかしながら伏線が伏線とはっきり分かる書き方のせいで意外性はなく、しかも伏線を張ることを意識し過ぎた結果、全体的に不自然な展開が目立ってしまっているのが難。
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天地優雅「名探偵×不良×リア充×痴女×決闘者(デュエリスト)~犯人は誰だ!?~」読了。何者かに弱味を握られ、無理やり偽装を強要された面々が集まって設立された不思議な部活――偽装部。だがその犯人は部員の中にいるらしいのだが……。第19回スニーカー大賞特別賞受賞作。
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posted at 21:43:23
2015年02月25日(水)
キャラ小説としてなら前作よりこなれてはいるものの、個人的には「横槍ワイン」のようなミステリとしてもきっちり読ませてくれる作品を期待していただけに残念でならない。
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posted at 23:10:25
聴き屋シリーズの二作目。前作から一転、完全に日常の謎物へとシフトしたのはいいが、何というかネタが小粒すぎたり無理やり謎を作り出そうとした結果、謎解きにぴんとこなかったりで、ミステリとしてみると明らかに前作より劣っていると言わざるを得ない。
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posted at 23:10:07
市井豊「人魚と金魚鉢」読了。厳格な祖父が泣いた理由、聴き屋だからこそ見抜けなかった真相、何かに怯える美少年タレント、桜咲く公園で行われた隠れんぼの死角、コンサート会場を泡だらけにした犯人とその動機……生まれついての聴き屋体質の大学生・柏木君が巻き込まれた五つの事件を収録。
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2015年02月22日(日)
冒頭で作者は本作のヒントとなったと思われる江戸川乱歩の某作を引き合いに出して、これを書いた乱歩を絶賛しているが、本作はその某作以上に頭がおかしい(褒め言葉)問題作である。
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posted at 22:28:46
これは凄い。見所は何といっても密室トリックで、今であれば幾つか似た作例が思い浮かぶものの、それをこの時代にいち早くやっていたことにまず驚かされる。しかもその隠蔽の仕方はバカミスを通り越して狂気すら感じるほどである。
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posted at 22:28:17
日影丈吉「現代忍者考」読了。ビルの八階の窓から落下し、そのまま消えた人影。ビルの九階から発見された金髪ヌード・ダンサーの死体。人形とトランプが残された完璧な密室で殺された男……それらは現代に甦った忍者の仕業なのか。やがて事態は幽霊による殺人まで引き起こし、ますます混迷化していく。
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posted at 22:27:59
2015年02月20日(金)
それは連作としての仕掛けも同様であり、バカミス以上に自分は本作を優れたメタミステリとして評価したいと思う。ちなみにベストを挙げるなクライムサスペンス風の「問題作」で、バカミスというより西澤保彦が書きそうなゾクリとさせる異常な動機が実に秀逸な一編である。
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posted at 22:39:04
ただ個人的な見解としては本作はバカミスという一言では収まらないように思う。例えば「処女作」は処女懐胎を密室に見立てた内容だけ見ればバカミス以外の何物でもないが、最後に明かされるあるメタ趣向には思わずハッとさせられる。
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posted at 22:38:06
「処女作」「問題作」「失敗作」というタイトルからぴんとくる人もいるかもしれないが、本作は既に雑誌などで発表されているノンシリーズ物のバカミス短編を巧みに増田米尊シリーズの連作ミステリとして仕立てあげた作品である。
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posted at 22:37:31
鳥飼否宇「絶望的 寄生クラブ」読了。准教授・増田米尊は最近、発表用の論文がいつの間にか書いた記憶のない小説に入れ替わっている現象に悩まされていた。しかも「処女作」「問題作」「出世作」「失敗作」と題された四編の小説はいずれもバカミスばかり。増田は作者もとい犯人探しに乗り出すが……。
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posted at 22:37:02
2015年02月18日(水)
「21世紀はじめての密室」というサブタイトルに込められた意味にも驚かされたが、個人的には第二の事件の殺害方法とそれを使った理由もなかなかに強烈。本作は荒唐無稽なトリックにはそれ相応の理由がいるという作者の主張がひしひしと伝わってくる作品である。
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posted at 23:09:57
雪の山荘物の傑作。本作はトリックもさることながら、それ以上に「何故そのトリックを使ったのか」に力が入れられており、全体の半分以上を使って丹念に描かれた登場人物たちの関係を踏まえたその真相には思わず慄然とさせられるものがある。
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posted at 23:09:24
辻真先「にぎやかな落葉たち」読了。北関東の山間に建つグループホーム「若葉荘」。一癖も二癖もある入居者ばかりが集まるその建物で大雪の日、射殺死体が密室の部屋から見付かる。警察が雪で来られない中、ホーム最年少の少女スタッフ・綾乃は隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか?
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posted at 23:07:34
しかしながら、これまでの作者の作品にはなかった「しゃべくり探偵」を思わせる漫才のような語り口は新鮮で、そういう意味では作者の新たな可能性を感じさせてくれる興味深い作品である。
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posted at 09:53:40
名作落語をミステリ仕立てにすることでもう一捻りした、作者初の連作ミステリ。全編ミステリではお馴染みのガジェットを使って巧く料理しているが、その反面、手掛かりから真相が透けて見えてしまうのと、些か同じ設定が使われがちなのが気になる。
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posted at 09:53:22
河合完爾「粗忽長屋の殺人(ひとごろし)」読了。相次いで婿が短命で死ぬ謎、義太夫に隠された秘密、粗忽者の男に瓜二つの死体の正体、ある花魁に纏わる二人の男の話が食い違う理由……古典落語に隠された不可解な事件を長屋のご隠居が名推理で解き明かす連作ミステリ。
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posted at 09:53:09