麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2010年10月27日(水)
では、そういったSF要素を抜きにして本作のミステリ部分を見た場合どうなのかと言えば、小技を効かせてはいるけれど、どちらかと言えば直球ストレートな方だと思う。故に本作は「本格ミステリの王道と、変化球のストーリー」と呼ぶのが正しいだろう。
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posted at 19:59:08
まず本作の帯に「本格ミステリの王道にして、とてつもない変化球」とあるが、これには些か語弊がある。確かに本作は本格の王道である密室に加え、タイムスリッブに時間のループといったSF要素を取り入れてはいるが、それらは基本的にミステリとしてではなくエンターテイメントとして活かされている。
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posted at 19:58:07
牧薩次「郷愁という名の密室」読了。人生に絶望し自殺するつもりで雪山にやってきた主人公は気が付くと、17年前の世界にタイムスリッブしていた。しかも、そこでは何故か高校時代に片想いしていた後輩の少女が昔と変わらぬ姿で現れ、更にトドメとばかりに今度は不可解な密室殺人まで発生し――。
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posted at 19:57:18
2010年10月24日(日)
とはいえファンタジー的世界観のボーイミーツガール物としてはなかなか面白かったと思う。ただ欲を言えばやはり世界の謎まで踏み込んでもらいたかったけれど、本作がやりたいのはそれを解明することではなく、そういう特殊な状況下での人間ドラマなので、そこをどうこう言うのは野暮というものだろう。
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posted at 21:35:00
本作の内容を一言で言えば、杉井光版「Angel Beats!」。前に読んだ杉井作品「すべての愛がゆるされる島」がミステリ的仕掛けが凝らされた物語だったので、本作にもその辺を期待したら、そんなものは見事になかったという(爆)。
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posted at 21:33:47
杉井光「終わる世界のアルバム」読了。その世界では何の前触れもなく人間が消滅する現象が頻発していた。消えた人間の痕跡は人々の記憶からも消え去り最初からいなかったものとして扱われる。だがぼくだけは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなある日、ぼくは一人の少女と出会う。
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posted at 21:32:28
2010年10月23日(土)
本作を本格と言っていいかどうかは際どいところだが、個人的には今年のベスト5に入れたいぐらい、気に入った。しかし、改めて本作を読み返してみると、とんでもないところに堂々と事件の重大なヒントが書かれていることに驚かされる。こういった大胆さもまた本作を気に入った理由の一つだったりする。
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posted at 17:39:41
作者の狙いが明らかになるのは終盤、犯人の正体とその動機が判明した後のことだ。そこで作者は、ミステリという枠を軽々と越えてみせる。その衝撃はある意味、「[映]アムリタ」以上と言っても過言ではないだろう。本作読了後、改めて確信した。……やはり野崎まどはただ者ではなかった、と。
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posted at 17:20:51
まず本作をミステリとして見た場合、焦点となるのはやはり犯人の正体とその動機ということになるのだろうが、これに関しては残念ながら、あまり意外性は感じられない。しかし、だからと言って本作を凡作と見做すのは全くの早計である。何故なら、作者の狙いはそこにはないのだから。
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posted at 17:19:37
野崎まど「死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~」読了。生物教師の主人公が着任した学園には永遠の命を持つ死なない生徒がいるという噂があった。ある日、主人公は自分がその死なない生徒だと名乗る少女と知り合う。だがその二日後に少女は何者かによって首を斬られて殺されてしまう。
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posted at 17:18:27
2010年10月22日(金)
というか、本作はタック&タカチシリーズとして書いても良かったのではないだろうか。残念ながら真相に関しては途中で分かってしまったものの、それでも充分に楽しめる作品だと思う。ちなみに本作のタイトルだが、個人的には折原一の某タイトルの方がしっくりくるような気がする……。
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posted at 22:21:00
物語前半は主に文芸部の活動に割かれているため、かつて小説の創作を志したことのある人間であればノスタルジックな気分に捉われることだろう。そして特筆すべきは後半、時間軸が現在に戻ると共に展開される推理合戦は舞台が居酒屋というのも相俟ってタック&タカチシリーズを想起せずにはいられない。
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posted at 22:19:35
亡くなったはずの人物が写る写真の謎で幕を開ける本作は「回想の殺人」物の良作と言っていいだろう。全ての発端は22年前に起こった「女子高生作家怪死事件」。その当時、高校生だった主人公は文芸部に所属していた。
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posted at 22:18:28
西澤保彦「幻視時代」読了。何だこの写真は。一枚のモノクロの写真パネルの前で悠人はただ固まっていた。それは今から18年前に起こった地震の被災現場写真。その右側に一人の少女の姿が写っている。だがそれは到底有り得ないのだ。何故ならその少女は地震が起こる4年前に既に死んでいるのだから。
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posted at 22:16:32
2010年10月21日(木)
そんな中で比較的バランス良く仕上がっていると思ったのは「覆面作家は二人もいらない」だろうか。アレを使った謎解きというのは、ありそうでなかったアイディアだと思う。あと「夏と冬の迷走曲」も試みとしては面白いと思うが、いかんせん上記の理由で強く推すことができないのが悩ましいところ。
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posted at 21:34:31
それはさておき、本作を読んでまず気になったのは、前作よりも更に悪い意味でネタの詰め込み過ぎに拍車がかかっていること。この短い頁数でよくこれだけのネタを詰め込んだなという意見もあるとは思うが、個人的にはそれが逆に災いして折角のネタが活かし切れていないように思えてならかった。
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posted at 21:33:09
霧舎巧「新・新本格もどき」読了。新本格もどきシリーズ第二弾。二階堂黎人、森博嗣、北村薫、西澤保彦、芦辺拓、麻耶雄嵩(+ボーナストラックとして霧舎巧自身)をもどいた本作は作者曰く「新本格もどき・第二世代編」とのことだが、北村薫はどちらかと言うと第一世代のような気がする。
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posted at 21:31:50
個人的なお気に入りは「幽霊は先生」「誘拐ポリリズム」「母」の三本。「幽霊は先生」は全く別の方向から示される真相が秀逸。「誘拐ポリリズム」は「誘拐と言えば歌野」の片鱗が窺える好編。そして「母」は巧みな伏線と論理の飛躍が心地いい。ミステリ的にもキャラ的にも前作より完成度は高いと思う。
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posted at 13:34:57
作者曰く本作は「ゆるミス」とのことだが、とんでもない。ミステリとしてはなかなかに考え抜かれたものになっていると思う。また扱っている事件の中には本格的な「誘拐物」もあるため、見方によっては「ゆるミス」にあるまじき内容(?)と言えるかもしれない。
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posted at 13:33:46
歌野晶午「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」読了。前作から三年後、14歳になった舞田ひとみが、友人たちと共に日常で遭遇した事件の謎を解き明かす本作は、登場人物がリアルタイムで歳をとっているところをみるに、もしかしたら赤川次郎の杉原爽香シリーズみたいな扱いなのかもしれない。
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posted at 13:32:07
2010年10月19日(火)
なので、本作はミステリとしてではなく社会派エンターテイメントとして読むのが吉だろう。また前作「明日の空」とは違い、いつもの重厚で胸糞の悪い(褒め言葉)貫井小説なので、ファンであれば安心して読める作品に仕上がっているのではないだろうか。
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posted at 09:28:30
社会派作品としては読み応えのある一方でミステリ的にはそれほど評価すべき所はない。内容紹介には「予想外の結末」とあるが、ミステリファンならば難無く本作の真相に気付くことができるだろう。というか伏線があからさま過ぎて、むしろミスリードなんじゃないかと疑ってしまったくらいだ(爆)。
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posted at 09:27:33
検事の証拠捏造に、取り調べ室での度を越した警察官の恫喝――本作を読んでいると、ここ最近起こったそれらのニュースを嫌でも思い出さずにはいられない。本作はそんな実にタイムリーなネタを扱っていると共に、冤罪を生み出すものの正体に鋭く迫っている。
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posted at 09:26:31
貫井徳郎「灰色の虹」読了。殺人事件の冤罪で人生を目茶苦茶にされた男は、復讐を決意した。まず最初に殺したのは、男を逮捕した刑事。続いて検事が、弁護士が次々と殺されていく。だが、それでもまだ男の復讐劇は終わらない。果たして、次の標的は誰なのか――。
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posted at 09:25:12
2010年10月17日(日)
個人的には作者が「占星術殺人事件」をどう自分なりに消化したのかがなかなか興味深い作品だった。あと著者近影の作者のドヤ顔も、「不確定性原理殺人事件」の作者のマンダムポーズに比べたら遥かにマシだと思う(爆)。
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posted at 11:29:52
ではどこが間違っているのか――それは多分自分が思うに舞台や登場人物といった設定部分だ。正直本作が残業ミステリである必然性は全くないと思うし登場人物のDQN率の高さも気になる人は気になるだろう。その辺のところを作者の個性だと思って割り切れるか否かがこの作品の評価の分かれ目だと思う。
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posted at 11:28:55
「ダメミス」の代表作として語られることの多い本作だが、自分は最後まで普通に楽しく読んでしまった(汗)。確かに所々怪しい表現はあるもののトリック的にはなかなか良かったと思うし伏線の張り方も悪くはない。少なくともミステリ部分においては「ダメ」要素はあまり見受けられなかったように思う。
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posted at 11:25:10
松尾詩朗「彼は残業だったので」読了。情報処理会社に勤める中井が、会社の残業中にふとした思い付きで憎い相手を呪い殺す呪術を試してみたところ、後日その相手が本当に死体となって発見される。しかも、その死体は奇妙なことに念入りに焼かれバラバラに切断されたあげく木の枝で連結されていた――。
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posted at 11:23:44
2010年10月16日(土)
このスッキリしなさは同じ作者の作品である「夏の死」と似てるなあと思ってたら、あとがきで本作は「夏の死」のプロトタイプとも言えるもの、と語られていて至極納得した。正直誰にでもお勧めできる作品ではないが、ちょっと変わったものが読みたいという人であれば手に取ってみてもいいかもしれない。
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posted at 19:01:04
本作のあらすじを読んで自分が真っ先に思い出したのは「奇想の復活」に収録されている某作品だった。確かに本作にもアレを彷彿とさせる手の込んだトリックが使われてはいるものの、ミステリとしてはどうにもスッキリしない。何だか作者の意図がそういった所にはないような気がしてならないのだ。
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posted at 19:00:07
斎藤肇「あいまいな遺書」読了。一人の推理作家が電話で編集者に言い残した「これから死ぬ」という台詞。慌てて編集者が作家の家に駆け付けるとそこには既に作家の姿はなく、代わりに「あいまいな遺書」と題された小説の原稿が残されていた。やがて、山中から作家の切断された首が発見されて……。
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posted at 18:58:26
一方「アニマ」はアニメ製作会社という特殊な舞台を選んだせいかやたらと説明台詞ばかりの展開が目についてしまい、個人的にはあまり話に引き込まれなかった。勿論ページ数の関係もあると思うがもう少し自然な展開にはならなかったのだろうか。とはいえ盲点を突いた真相自体はなかなか良かったと思う。
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posted at 08:04:27
「Q.E.D.」37巻読了。今回収録されているのはプロファイリング講習会の会場で殺人事件が起こる「殺人講義」とアニメ製作会社で起こった事故の真相に迫る「アニマ」の二本。「殺人講義」は探偵役である燈馬とプロファイラーの推理対決を盛り込みつつも、シンプルなロジックが決まった佳作。
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posted at 08:02:04