麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年07月04日(土)
とはいえ今回収録された四話はいずれもパターンずらしという点では色々と考えられており、特に参加型名探偵ゲームを扱った最終話「名探偵はただの平民」は本来の犯人や真相を突き止めるのとはまた違った頭脳戦が堪能できるのが◯(ただこのシリーズはこれで打ち切りっぽいのが残念)。
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posted at 20:09:16
「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」シリーズに登場する自称名探偵・壱級天災が主役のスピンオフ作品第二弾。1巻を読んだ時に推理対決の舞台となる、未来の事件が具現化する異空間・惨劇の未来の設定に可能性を感じたが、その期待とは裏腹に2巻では何となくそれをもてあましている印象を受けてしまうのが難。
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posted at 20:08:45
鳳乃一真「壱級天災の極めて不本意な名推理2」読了。ひょんなことから悪魔バアルと推理勝負をすることになった自称名探偵・壱級天災。名探偵のいない状況での対決、推理勝負におけるポイント制の導入、名探偵が動けない中で進行する事件、そして洋館での名探偵ゲームで名探偵を待ち受ける屈辱とは?
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posted at 20:08:31
2020年07月03日(金)
辺天使/津田穂波「ボクとキミの二重探偵」1巻読了。不可解なことを突き止めずにはいられない得体の知れないヒロインと彼女に巻き込まれる主人公による学園ミステリ。手堅く倒叙物でいくのかと思いきや、三話目から二転三転する展開と共に真のテーマが明らかになって俄然面白くなった。次巻にも期待。
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posted at 09:38:14
マツキタツヤ/宇佐崎しろ「アクタージュ act-age」12巻読了。ダブルキャスト編サイド乙のターン。サイド甲も実に見応えがあったが、それ以上に覚醒した千世子の演技と、初めて目の当たりにする演出家・黒山墨字の凄さに圧倒される。そして、そんなマジ展開からのギャグ回という落差がひどいw
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2020年07月02日(木)
一話目の「壱級天災の極めて不本意な名推理」も掟破りの推理が楽しいが、掟破り過ぎて些かアンフェアなところが目についてしまうのがやや残念。とはいえ惨劇の未来という設定には可能性を感じるので、引き続き2巻にも期待したい。
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更にユニークなのが未来の事件を見た後に現実世界でも情報収集できる点であり、そこで得た手がかりによって事件の見え方が変わってくるところもいい。そしてそれらを最も巧く使いこなしたのが二話目「なすりつけダイイングメッセージ」であり、隠された企みをある気付きから暴き出す手腕が実に圧巻。
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posted at 22:35:14
TVアニメにもなった「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」シリーズに登場する自称名探偵・壱級天災が主役のスピンオフ作品。特筆すべきは推理対決の舞台となる異空間・惨劇の未来で、そこで起こる事件の真相を看破しないと近い将来現実でも同様の事件が起きてしまうという異色のタイムリミット設定が面白い。
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鳳乃一真「壱級天災の極めて不本意な名推理1」読了。自称名探偵・壱級天災が死を生む刻印の呪いを回収するために奇妙な悪魔バアルと推理対決をする羽目になる。舞台となるのは未来の事件が具現化する異空間・惨劇の未来。果たして天災は推理対決に勝利し、未来で起こる惨劇を防ぐことができるのか?
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2020年07月01日(水)
そしてその原因こそ凡庸だが、物語の最後にそれに絡んだちょっとしたサプライズが用意されている。だが情報の出し方がこなれていないせいで、あまり効果が上げられていないのが残念。とはいえ、それに目を瞑れば定番のネタでテンポよく読ませてくれる作品である。
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お嬢様学校を舞台に、ネゴシエーションの才能がある主人公が六人のヒロインたちの関係を修復していくラブコメ物。六人のタイプが違う美少女をどう攻略していくかというラブコメとしての楽しみもさることながら、一方でヒロインたちが不仲になった原因は何かというミステリ的趣向も兼ね備えている。
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築地俊彦「六人のお嬢様戦争をオレだけが攻略できる」読了。華凰学園のお嬢様ソサエティー「六麗」の一人・茜このはから六麗の仲を元に戻してほしいと頼まれた高校二年の桐村雪人。妹メグの家庭教師を条件に早速関係修復に動く雪人だったが六麗のメンバーはなぜかその原因となった出来事に口を閉ざす。
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2020年06月30日(火)
それにより作者らしい不条理とブラックユーモアに満ちた、一筋縄ではいかない捜査になっているのが何とも面白い。ただその反面ミステリとしての仕掛けは目新しさに乏しいが、本作のモチーフとなった「ピーター・パンとウェンディ」のある要素を巧く活かしているのは○。
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「アリス殺し」から始まる御伽の国を舞台にした本格ミステリシリーズの四作目。現実と夢の世界が交互に語られる構成はこれまでと同様ながら特筆すべきはメインとなる妖精ティンカー・ベル惨殺事件を追うのがカジュアル感覚で人を殺害する、根っからの殺人鬼(!)ピーター・パンであることだろう。
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posted at 20:11:30
小林泰三「ティンカー・ベル殺し」読了。夢の中では間抜けな蜥蜴のビルになってしまう大学院生・井森はある夜、海賊と妖精の国ネヴァーランドへとやってくる。だが、そこで彼を待っていたのは無邪気で邪悪な少年・ピーター・パンによる連続殺人だった。更に現実世界でも謎の連続死が起きて――。
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2020年06月26日(金)
そして更に終盤の謎解きが歌舞伎とクロスするというこれまた敷居の高い内容で読者を篩にかけるため、結果として選ばれた読者しか楽しめない欠点を抱えている。但し本作が作者にしか書けない作品であるのは紛れもない事実であり60歳を過ぎてもぶれない作者のスタンスこそ評価すべきなのかもしれない。
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posted at 16:55:40
加えて起こる事件にしても謎だけ取り出せばそれなりに魅力的なはずなのに見せ方が悪いのかどうにも地味な印象が否めず、どちらかと言えば作者の社会批判の方が印象に残る。ちなみにトリックに関してはかなり無茶なので、そこでまたかなり人を選ぶだろう。
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posted at 16:55:26
発表から刊行までおよそ十年という作者渾身の力作であると同時に極めて人を選ぶ作品。そもそも題材である鶴屋南北を分かっている人向けに書かれているため、歌舞伎や当時の時代背景にある程度精通していないと間違いなく置いていかれること請け合いなのが難。
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posted at 16:55:14
芦辺拓「鶴屋南北の殺人」読了。「わたしが取り返してほしいものとは……鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女……鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居自体の謎を追い森江は奮闘するのだが……。
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posted at 16:54:56
2020年06月25日(木)
シリーズ三作目。前作で未回収だった謎が無事回収されたのはいいが美しい伏線回収には程遠い、悪い意味で何でもあり感が加速した印象が強く、しかも作者自身開き直ったのかただでさえ無駄な設定が多いのにそこへ更にあまり深く考えてなさそうな設定が次々と盛り込まれていくのが読んでいて非常に辛い。
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posted at 20:33:19
二語十「探偵はもう、死んでいる。3」読了。今は亡き名探偵シエスタの助手だった俺・君塚君彦は誘拐された先で見せられた過去の映像によりシエスタの死の真相を知らされる。呆然とする俺の前に生前のシエスタそっくりの謎の少女が現れ、今の過去映像にはとある間違いが含まれていると語り出す。
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posted at 20:33:08
2020年06月24日(水)
しかしながら本作の本領はその後でアンフェアだと思っていたものが論理のアクロバットにより見事にねじ伏せられてしまう点であり、更にトドメとばかりに用意された最後のある仕掛けには脱帽と言わざるを得ない。本作は「The unseen見えない精霊」以来のマジシャンらしい企みが炸裂した傑作である。
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posted at 23:39:14
本作はまず事件現場がどこなのかを突き止めるところから始まる時点でただならぬものを感じさせるが、何より衝撃的なのは多重推理を展開した後に示される意外過ぎる犯人の正体だろう。但しその段階では意外を通り越してアンフェアだと怒る人が大半かもしれない。
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posted at 23:38:40
「The unseen見えない精霊」以来十八年ぶり(!)の長編二作目。「The unseen見えない精霊」は極めて人工的な舞台で離れ業を決めた作品だったが、それは大企業の本社地下にある密室と化した巨大な迷宮を舞台にした本作も同様――いや、トリッキー度で言えば「The unseen見えない精霊」以上かもしれない。
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posted at 23:38:06
林泰広「オレだけが名探偵を知っている」読了。ある理由をきっかけに大企業「ブッシュワッカー」本社地下の密室と化した巨大な迷宮で何かが行われているらしいことを突き止めた秋山が、あらゆる手を尽くしてそこへ足を踏み入れると五人の男女の射殺体が転がっていた。地下迷宮で一体何が起こったのか?
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posted at 23:37:17
2020年06月23日(火)
それでも前作よりは幾らか見せ方がマシにはなっているし、幾つか回収されていない謎もあるので、次巻ではそれらがきちんと回収され、かつ物語としての完成度もぐっと上がっていることを期待したい。
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posted at 21:35:01
とはいえ今回はちょっとしたミステリ的仕掛けを入れてそれなりに意外性を出そうと試みてはいる。しかしながら前作に引き続きジャンル全部載せだがどっち付かずの悪い意味で軽い作風のせいであまり巧く機能していないのが残念。
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posted at 21:34:32
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》を受賞した前作に続くシリーズの二作目。前作も設定の割りに名探偵感ゼロだったが、それは本作も同様……というかむしろ敵対する組織の正体が明らかになったことでますます拍車がかかっており、正直探偵である必要はなかったのではと思ってしまう。
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posted at 21:34:05
二語十「探偵はもう、死んでいる。2」読了。かつて名探偵の助手だった高校三年生の俺・君塚君彦はある日、夏凪たちと共に誘拐される。その先で語られるのは俺が『忘れている』らしい名探偵の死の真相。まだ誰も知らない真実――どうして探偵がもう、死んでいるのかを。
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posted at 21:33:20
天樹征丸/さとうふみや「金田一37歳の事件簿」7巻読了。函館異人館ホテル新たなる殺人完結。舞台を活かした仕掛けと細やかな気付きもさることながら、適度に高遠の介入を匂わせた手口や社会人編になりよりエグくなった動機が印象に残る良作だった。新たに始まった騒霊館殺人事件にも期待したい。
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posted at 08:55:58