麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2010年10月30日(土)
……残念ながらその狙いは容易に見当が付くものであり、わざわざ入れたホラー要素にしても空回りしている感が否めない。むしろ本作は、そこはかとなく漂うキワモノぶりこそ楽しみたい。ちなみに前に読んだ「踊り子殺人事件」に続き、本作でも破○シーンを読むことになるとは思わなかった(爆)。
タグ:
posted at 04:31:12
草野唯雄「アイウエオ殺人事件」読了。苗字のアイウエオ順に次々と人が死んでいく……という本作の粗筋を聞いて咄嗟に「ABC殺人事件」を思い出す人もいると思うが本作の場合それとは大分展開が異なる。それぞれの事件に犯人がいて犯行方法などは全て分かっている。では作者の狙いはどこにあるのか?
タグ:
posted at 04:30:28
2010年10月28日(木)
しかし作者はそれをあえて書きしかも端正な本格として纏めあげてしまった。それが何よりも凄い。事件に関していえば被害者が奇抜な点を除けばこれと言って派手な要素はなく展開も本格らしいとはお世辞にも言えないけれど我慢して最後まで読んでほしい。本作は自分のようなアレ好きは必読の作品である。
タグ:
posted at 23:20:08
……という内容紹介だけで普通のミステリ読みはドン引きすること請け合いだが、なかなかどうしてこれが本格ミステリとして傑作だからびっくりする。本作の特筆すべき点は何と言ってもその事件の構図だ。普通の作家はまずこんなのは思い付かないし仮に思い付いたとしても間違いなく書かないだろう(爆)
タグ:
posted at 23:19:13
嵯峨島昭「踊り子殺人事件」読了。セールスマンの久里村は、ひょんなことからレズビアン・シスターズというコンビ名で地方巡業をしている踊り子たちと知り合う。彼女たちと親しくなるにつれてその妖しさに魅せられる久里村だったが、程なくして金粉ヌード・ダンサー殺人事件に巻き込まれることになる。
タグ:
posted at 23:16:48
2010年10月27日(水)
では、そういったSF要素を抜きにして本作のミステリ部分を見た場合どうなのかと言えば、小技を効かせてはいるけれど、どちらかと言えば直球ストレートな方だと思う。故に本作は「本格ミステリの王道と、変化球のストーリー」と呼ぶのが正しいだろう。
タグ:
posted at 19:59:08
まず本作の帯に「本格ミステリの王道にして、とてつもない変化球」とあるが、これには些か語弊がある。確かに本作は本格の王道である密室に加え、タイムスリッブに時間のループといったSF要素を取り入れてはいるが、それらは基本的にミステリとしてではなくエンターテイメントとして活かされている。
タグ:
posted at 19:58:07
牧薩次「郷愁という名の密室」読了。人生に絶望し自殺するつもりで雪山にやってきた主人公は気が付くと、17年前の世界にタイムスリッブしていた。しかも、そこでは何故か高校時代に片想いしていた後輩の少女が昔と変わらぬ姿で現れ、更にトドメとばかりに今度は不可解な密室殺人まで発生し――。
タグ:
posted at 19:57:18
2010年10月24日(日)
とはいえファンタジー的世界観のボーイミーツガール物としてはなかなか面白かったと思う。ただ欲を言えばやはり世界の謎まで踏み込んでもらいたかったけれど、本作がやりたいのはそれを解明することではなく、そういう特殊な状況下での人間ドラマなので、そこをどうこう言うのは野暮というものだろう。
タグ:
posted at 21:35:00
本作の内容を一言で言えば、杉井光版「Angel Beats!」。前に読んだ杉井作品「すべての愛がゆるされる島」がミステリ的仕掛けが凝らされた物語だったので、本作にもその辺を期待したら、そんなものは見事になかったという(爆)。
タグ:
posted at 21:33:47
杉井光「終わる世界のアルバム」読了。その世界では何の前触れもなく人間が消滅する現象が頻発していた。消えた人間の痕跡は人々の記憶からも消え去り最初からいなかったものとして扱われる。だがぼくだけは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなある日、ぼくは一人の少女と出会う。
タグ:
posted at 21:32:28
2010年10月23日(土)
本作を本格と言っていいかどうかは際どいところだが、個人的には今年のベスト5に入れたいぐらい、気に入った。しかし、改めて本作を読み返してみると、とんでもないところに堂々と事件の重大なヒントが書かれていることに驚かされる。こういった大胆さもまた本作を気に入った理由の一つだったりする。
タグ:
posted at 17:39:41
作者の狙いが明らかになるのは終盤、犯人の正体とその動機が判明した後のことだ。そこで作者は、ミステリという枠を軽々と越えてみせる。その衝撃はある意味、「[映]アムリタ」以上と言っても過言ではないだろう。本作読了後、改めて確信した。……やはり野崎まどはただ者ではなかった、と。
タグ:
posted at 17:20:51
まず本作をミステリとして見た場合、焦点となるのはやはり犯人の正体とその動機ということになるのだろうが、これに関しては残念ながら、あまり意外性は感じられない。しかし、だからと言って本作を凡作と見做すのは全くの早計である。何故なら、作者の狙いはそこにはないのだから。
タグ:
posted at 17:19:37
野崎まど「死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~」読了。生物教師の主人公が着任した学園には永遠の命を持つ死なない生徒がいるという噂があった。ある日、主人公は自分がその死なない生徒だと名乗る少女と知り合う。だがその二日後に少女は何者かによって首を斬られて殺されてしまう。
タグ:
posted at 17:18:27
2010年10月22日(金)
というか、本作はタック&タカチシリーズとして書いても良かったのではないだろうか。残念ながら真相に関しては途中で分かってしまったものの、それでも充分に楽しめる作品だと思う。ちなみに本作のタイトルだが、個人的には折原一の某タイトルの方がしっくりくるような気がする……。
タグ:
posted at 22:21:00
物語前半は主に文芸部の活動に割かれているため、かつて小説の創作を志したことのある人間であればノスタルジックな気分に捉われることだろう。そして特筆すべきは後半、時間軸が現在に戻ると共に展開される推理合戦は舞台が居酒屋というのも相俟ってタック&タカチシリーズを想起せずにはいられない。
タグ:
posted at 22:19:35
亡くなったはずの人物が写る写真の謎で幕を開ける本作は「回想の殺人」物の良作と言っていいだろう。全ての発端は22年前に起こった「女子高生作家怪死事件」。その当時、高校生だった主人公は文芸部に所属していた。
タグ:
posted at 22:18:28
西澤保彦「幻視時代」読了。何だこの写真は。一枚のモノクロの写真パネルの前で悠人はただ固まっていた。それは今から18年前に起こった地震の被災現場写真。その右側に一人の少女の姿が写っている。だがそれは到底有り得ないのだ。何故ならその少女は地震が起こる4年前に既に死んでいるのだから。
タグ:
posted at 22:16:32
2010年10月21日(木)
そんな中で比較的バランス良く仕上がっていると思ったのは「覆面作家は二人もいらない」だろうか。アレを使った謎解きというのは、ありそうでなかったアイディアだと思う。あと「夏と冬の迷走曲」も試みとしては面白いと思うが、いかんせん上記の理由で強く推すことができないのが悩ましいところ。
タグ:
posted at 21:34:31
それはさておき、本作を読んでまず気になったのは、前作よりも更に悪い意味でネタの詰め込み過ぎに拍車がかかっていること。この短い頁数でよくこれだけのネタを詰め込んだなという意見もあるとは思うが、個人的にはそれが逆に災いして折角のネタが活かし切れていないように思えてならかった。
タグ:
posted at 21:33:09
霧舎巧「新・新本格もどき」読了。新本格もどきシリーズ第二弾。二階堂黎人、森博嗣、北村薫、西澤保彦、芦辺拓、麻耶雄嵩(+ボーナストラックとして霧舎巧自身)をもどいた本作は作者曰く「新本格もどき・第二世代編」とのことだが、北村薫はどちらかと言うと第一世代のような気がする。
タグ:
posted at 21:31:50
個人的なお気に入りは「幽霊は先生」「誘拐ポリリズム」「母」の三本。「幽霊は先生」は全く別の方向から示される真相が秀逸。「誘拐ポリリズム」は「誘拐と言えば歌野」の片鱗が窺える好編。そして「母」は巧みな伏線と論理の飛躍が心地いい。ミステリ的にもキャラ的にも前作より完成度は高いと思う。
タグ:
posted at 13:34:57
作者曰く本作は「ゆるミス」とのことだが、とんでもない。ミステリとしてはなかなかに考え抜かれたものになっていると思う。また扱っている事件の中には本格的な「誘拐物」もあるため、見方によっては「ゆるミス」にあるまじき内容(?)と言えるかもしれない。
タグ:
posted at 13:33:46
歌野晶午「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」読了。前作から三年後、14歳になった舞田ひとみが、友人たちと共に日常で遭遇した事件の謎を解き明かす本作は、登場人物がリアルタイムで歳をとっているところをみるに、もしかしたら赤川次郎の杉原爽香シリーズみたいな扱いなのかもしれない。
タグ:
posted at 13:32:07
2010年10月19日(火)
なので、本作はミステリとしてではなく社会派エンターテイメントとして読むのが吉だろう。また前作「明日の空」とは違い、いつもの重厚で胸糞の悪い(褒め言葉)貫井小説なので、ファンであれば安心して読める作品に仕上がっているのではないだろうか。
タグ:
posted at 09:28:30
社会派作品としては読み応えのある一方でミステリ的にはそれほど評価すべき所はない。内容紹介には「予想外の結末」とあるが、ミステリファンならば難無く本作の真相に気付くことができるだろう。というか伏線があからさま過ぎて、むしろミスリードなんじゃないかと疑ってしまったくらいだ(爆)。
タグ:
posted at 09:27:33
検事の証拠捏造に、取り調べ室での度を越した警察官の恫喝――本作を読んでいると、ここ最近起こったそれらのニュースを嫌でも思い出さずにはいられない。本作はそんな実にタイムリーなネタを扱っていると共に、冤罪を生み出すものの正体に鋭く迫っている。
タグ:
posted at 09:26:31
貫井徳郎「灰色の虹」読了。殺人事件の冤罪で人生を目茶苦茶にされた男は、復讐を決意した。まず最初に殺したのは、男を逮捕した刑事。続いて検事が、弁護士が次々と殺されていく。だが、それでもまだ男の復讐劇は終わらない。果たして、次の標的は誰なのか――。
タグ:
posted at 09:25:12