麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年02月24日(金)
鮎川哲也「この謎が解けるか? 鮎川哲也からの挑戦状!1」読了。犯人当てドラマ「私だけが知っている」のために執筆されたシナリオ7編を収録した作品集。まず本作には鮎川哲也の未完の作品「白樺荘事件」と同名のシナリオが収録されているが、これは題名が同じだけの別物なので、注意されたし。
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posted at 21:23:03
収録作はどれも初心者向け推理クイズの域を出ていないため、過剰な期待をすると肩透かしを覚えるが、最初からそういうものだと割り切ればある程度は楽しむことができるだろう。唯一の例外は「アリバイ」だが、生憎アリバイ物が苦手な自分には良さが全く分からなかった……。
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posted at 21:23:32
2012年02月25日(土)
飴村行「粘膜戦士」読了。これまでの粘膜シリーズと同じ世界観で展開する五つの物語を収録した著者初の短編集。その一方で粘膜シリーズの読者には馴染みのある人物も登場するので、見方によっては京極堂シリーズにおける「百鬼夜行 陰」のようなサイドストーリー集としても楽しむことができる。
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posted at 16:06:58
なお本作の内容紹介には「目眩く謎と恐怖が迫る、奇跡のミステリ・ホラー」とあるけれど、収録作の中でミステリと言えるのは「石榴」くらいだろう。この短編を読むと、作者が意識して展開の落差によってグロテスクな真相を際立たせようとしているのがよく分かる。
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posted at 16:07:37
個人的なベストは「粘膜人間」のあのコンビが被疑者の拷問に精を出す(?)「極光」で、まさか「粘膜兄弟」で強烈なインパクトを残したアレがオチに関わってくるとは思わなかったw 本作から読んでも支障はないが、できれば粘膜シリーズの過去作を読んでからの方がより一層楽しめる作品である。
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posted at 16:09:02
2012年02月27日(月)
井上ほのか「名探偵を起こさないで」読了。眉子・アロウラスは『少年探偵セディ・エロル』シリーズを愛読する内気な14歳の女の子。ところがある日事故のショックで人格が入れ換わり件の少年探偵セディになってしまう。それどころか怪盗事件や殺人事件に対し大人顔負けの名推理をするようになり――。
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posted at 17:58:13
「少年探偵セディ・エロル」シリーズの一作目。探偵役の設定は面白いと思うものの、同じ作者の「アイドルは名探偵」シリーズの一作目同様ミステリとしては特に語るところはない。どちらかと言えば本作は、シリーズキャラの顔見せ的なものなのだろう。
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posted at 17:58:52
2012年02月28日(火)
田代裕彦「修羅場な俺と乙女禁猟区2」読了。俺のことを殺したい程憎んでいる五人の婚約者候補の中からただ一人純粋に愛してくれる者を選ばなければいけない恐怖のゲーム「デッド・エンド・ハーレム」第2弾。今回はゲームの企画者である父から「あとひと月の間に選べ」と期限をつけられてしまい――。
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posted at 13:15:39
面白かった。前作では一部のヒロイン以外はイマイチ影が薄い印象だったが、本作ではちゃんと全ヒロインのキャラが立っているのがいい。また前作ではただの引っかけで婚約者を一人脱落させていたのに対し本作では可能性を徹底的に潰した後でロジックの死角を突くというミステリ的な技巧で魅せてくれる。
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posted at 13:16:45
2012年02月29日(水)
西澤保彦「幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇」読了。医者の夫を刺殺した容疑で逮捕されたピアノ教師。だが小学生の麻里は事件同時に彼女が別の場所でピアノを弾く彼女の姿を目撃していた。それから四十年後、作家になった麻里から事件をモデルにした小説を受け取った響季姉妹が真相を推理する。
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posted at 21:18:24
これ、なんてカジタツ?(誉め言葉) 本作は伏線と構図を何より重視する自分のような読者には格好の贈り物となるだろう作品である。扱っている事件含め、本作の展開は一見地味に思えるが、それも事件をモデルにした小説が探偵役である響季姉妹に託されてから一変する。
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posted at 21:18:45
探偵役が謎解きを始めた途端、今まで見えていた構図はガラリと反転し、次々と伏線が明かされていく様は正に快感の一言。特に伏線の隠し方の巧さという点では西澤作品の中でもかなり上位に入るのではないだろうか。また本作の登場人物である麻里の読書傾向に作者のミステリ遍歴が垣間見えるのも面白い。
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posted at 21:19:15