麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年07月20日(金)
そう考えれば、色々腑に落ちる。例えば、犯人が使った一部トリックに関して、登場人物が日本のミステリに前例があると指摘する場面がある。これなんかは通常の本格ミステリでは有り得ない場面だが、本作がコメディ小説であると考えれば、非常にしっくりくる。
タグ:
posted at 18:42:19
初読の時も感じたことだが、本作の真相はさして意外なものではない。むしろ、ミステリ読みであれば真っ先に検討する類いのものであり、故に初読の時は酷くがっかりしたものだが、今回再読してみて少々考えを改めた。これは本格ミステリ的シチュエーション・コメディ小説なのだ、と。
タグ:
posted at 18:41:46
奥田哲也「三重殺」再読了。刑事の私は、矢萩利行という名を三度も聞いた。まずは首なしのバラバラ死体、次に首なしの焼死体、最後は崖から突き落とされた男の身元てして……。果たして、この怪事件の真相は?
タグ:
posted at 18:40:30
2012年07月18日(水)
そこで示されるのは竹本健治らしからぬ論理のアクロバットであり、収録作のうち最も本格ミステリ的醍醐味が味わえる。但し、それで全てが終わったわけではなく、最後に待ち受けるエピローグ「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である」で、読者は本作が竹本健治の作品であることを思い知らされる。
タグ:
posted at 21:48:30
まず本作がホラーかミステリかと問われたら、自分はミステリだと答えるだろう。本作で語られる四つの物語には、いずれも精神科医・天野不巳彦により合理的解決が与えられる。その中でも特に秀逸なのは不可解な誘拐事件を扱った「零点透視の誘拐」だろう。
タグ:
posted at 21:47:52
竹本健治「かくも水深き不在」読了。見られたものが鬼になる、洋館で繰り広げられる恐怖の鬼ごっこ。廃墟に群生する真っ赤な花に秘められた忌まわしい記憶。憧れの女性に付き纏うストーカー。身代金奪取に成功する寸前で消えてしまった誘拐犯の謎……精神科医・天野不巳彦が遭遇した四つの怪しい物語。
タグ:
posted at 21:45:48
とはいえ、本格ミステリとしてみると物語に無駄な部分が多く、主人公の設定があまり活かされていないのもマイナス。これだったら短編で書いた方が良かったのではないだろうか。
タグ:
posted at 18:39:24
作者の長編第三作。デビュー作「霧の町の殺人」の著者の言葉で「普通の場所、普通の人々、普通の動機から生まれる独創的な犯罪」を目指していると語っていた作者だが、その試みは本作では幾分達成されているように思う。
タグ:
posted at 18:38:42
奥田哲也「絵の中の殺人」読了。現役を引退した元プロ野球選手の輝彦が第二の人生として選んだのは美術学校の事務員だった。だが、その歓迎会の夜、上司の田谷がアトリエで殺されてしまう。更に一年前にも、理事長が何者かに殺されていた。
タグ:
posted at 18:37:44
『なるべく普通の場所で、なるべく普通の人々が、なるべく普通の動機から、なんとか独創的な犯罪を犯せないものか』だが残念ながら本作で描かれた犯罪からは独創的な点はあまり見られなかった。むしろ事件よりも久寿里という街を丹念に描いていた印象が強く、情景の一つ一つが思い浮かびやすいのは○。
タグ:
posted at 18:36:59
新本格ムーブメントに乗ってデビューした作者の長編第一作。新本格というと、本格ミステリのガジェット満載な、非現実的イメージがあるが、本作にはそういった要素がほとんど見られない。それもそのはずで、本作の著者の言葉には次のようなことが書かれている。
タグ:
posted at 18:36:46
奥田哲也「霧の町の殺人」読了。北国の街、久寿里。霧が多く、空の晴れないこの街で相次いで陰惨な事件が起こった。まず最初に若い女性の首吊り死体が、続いて鍵のかかった密室から首なし死体が発見されたのだ。署長に嫌われ、捜査の主流から外れた四人の刑事が犯人を追う。
タグ:
posted at 18:36:27
2012年07月16日(月)
一応本作は本格ミステリに属する作品だが、事件そのものはB級ホラー愛に満ちている。犯人の設定もさることながら何より首を切った動機が奮っている。個人的には「霧の町の殺人」「三重殺」「絵の中の殺人」路線よりも「赤い柩」「冥王の花嫁」そして本作のようなホラー要素を活かした作品の方が好み。
タグ:
posted at 17:47:59
本作を読んでまず最初に思ったのは、ハードボイルドとホラーは思いのほか相性がいいということ。それは本作に限らず、例えば飛鳥部勝則「ラミア虐殺」にも言えることだが、耽美と幻想に彩られた上品なホラーよりも、怪奇色の強いグロテスクなB級ホラーの方がしっくりくる。
タグ:
posted at 17:47:34
奥田哲也「エンド・クレジット」読了。関係者が次々と事故死した呪われたホラー映画。脚本家は呪いを否定する為ドキュメンタリーの後日談を企画、私立探偵の美鳩にかつてのスタッフ捜索を依頼するが皮肉にもそれを機に関係者が次々と殺されていく。しかも首を落とされ、映画に見立てた細工を施されて。
タグ:
posted at 17:47:14
2012年07月14日(土)
唯一例外なのは最後の書き下ろし短編「つきまとう男」で、真相は途中で読めるかもしれないが、実に乾くるみらしいオチがついている。とはいえ、帯の「『イニシエーション・ラブ』に並ぶ面白さと驚き!」という文句はさすがに○AROに訴えてもいいレベルだと思う。
タグ:
posted at 20:26:58
前作もかなり小粒な短編揃いだったが、本作はそれに輪をかけて小粒……というか、もはや微粒(?)レベルのものもあり、考えようによってはそんなネタで短編を書いてしまったことが凄いのかもしれない。
タグ:
posted at 20:26:21
乾くるみ「カラット探偵事務所の事件簿2」読了。《あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします》「謎解き専門」の探偵事務所に持ち込まれた七つの日常の謎を、探偵・古谷が鮮やかに解決する連作短編シリーズの第二弾……なのだが、何か前作よりも更にスケールダウンしている印象。
タグ:
posted at 20:25:13
もっとも作者自身はあとがきで百パーセント成功したとは思っていないと語っているが、それでも作者が描きたかった狂った花のような女の魅力は充分感じ取ることができる。若干最後が呆気ないような気がするが、美しくもけだるい夢の終わりとはそんなものなのかもしれない。
タグ:
posted at 16:54:24
退廃的な魅力を持った女と、そんな女に惹かれてやまない男たちを描いた物語の傑作。本格ミステリとしてみた場合、差ほど優れたネタを使っているわけではないが(むしろ手垢がついたネタであるとすら言える)、それが却って物語に絶妙な深みを与えている。
タグ:
posted at 16:53:39
栗本薫「黒船屋の女」読了。沈丁花の匂いが漂う古びた洋館から突如聞こえてきた女の悲鳴。通りがかりのイラストレーターが駆け付けると、そこには床の上に転がる二つの死体と竹久夢二の描く「黒船屋」から抜け出したような魔性の女の姿があった……。彼女を巡り次々と起こる死の連鎖の先に待つものは?
タグ:
posted at 16:52:43
しかしながらバカミスとしてみると個々の仕掛けはイマイチ振り切れていないように感じる。また各事件が一つに纏まることなく完全にバラバラのまま終わってしまうのもかなりマイナス。とはいえ時代小説であることを活かした点は悪くないので、またこの路線で本格に挑むようであればその時に期待したい。
タグ:
posted at 16:52:09
時代小説の書き手として知られる作者がお江戸が舞台の本格ミステリに挑んだ野心作と内容紹介にある通り、確かに本作には密室、館もの、見立て殺人、読者への挑戦状とその手の趣向がてんこ盛りではあるものの、どちらかというとノリは正統派本格というよりメフィスト系バカミスに近い。
タグ:
posted at 16:51:22
幡大介「猫間地獄のわらべ歌」読了。猫間藩下屋敷の鍵のかかった書物蔵で御広敷番が絶命した。不祥事を恐れた藩主の愛妾和泉ノ方は御使番である俺に「密室破り」を命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼く国許では、不気味なわらべ歌どおりに次々と人が殺されていく事件が発生し――。
タグ:
posted at 16:50:35
2012年07月11日(水)
また見所はそれだけではなく、静おばあちゃんの孫娘・円と葛城刑事の恋の行方や、円の両親が車で轢き殺された過去の事件が絡んでくる。尤も後者の真相に関しては途中で読めてしまうかもしれないが、それとは全く関係ないところで作者はあるサプライズを用意している。
タグ:
posted at 22:51:44
「知恵」「童心」「不信」「醜聞」「秘密」というブラウン神父の作品集から採られた収録作のタイトルももしかしたらその決意の現れなのかもしれない。実際出来の方も手堅く時にはっとするロジックやトリックで魅せてくれる(ロジックでは「知恵」が、トリックでは「醜聞」のある小道具の使い方が秀逸)
タグ:
posted at 22:50:09
これまでの中山七里のイメージというと、本格ミステリのコアは持ち合わせてはいるが、どちらかといえばエンタメ寄りの作家という印象だったのだけど、本作は打って変わって真正面から本格に挑んだ短編集に仕上がっている。
タグ:
posted at 22:49:10
中山七里「静おばあちゃんにおまかせ」読了。黒い噂の絶えなかった警官の射殺事件、派手好きの老婆の死と頁の一部を破り取られた雑誌の謎、宗教施設で起きた死体消失、地上四百五十メートルの密室殺人、ホテルの密室で暗殺された独裁者。五つの難事件を元裁判官の静おばあちゃんが鮮やかに解き明かす。
タグ:
posted at 22:48:15
勿論コンゲーム的展開はあるものの、ルールの盲点をつくやられた感は一切なく最初から規定通りの結末に持っていった感が否めない。とはいえダブル主人公の構成は面白いと思うし、本作がシリーズのターニングポイントと言うべき見逃せない内容なのは間違いない。
タグ:
posted at 13:32:09
所有者に願いを叶える力を与える「箱」という存在を巡るコンゲームシリーズの五作目……だが、本作はどちらかというとコンゲーム部分よりもシリーズを通した物語の方に比重が置かれている印象を受ける。
タグ:
posted at 13:30:03
御影瑛路「空ろの箱と零のマリア5」読了。人々の罪を可視化、それを取り込むことによって対象を傀儡化する箱〈罪と罰と罪の影〉を使って人間を選別していく醍哉と、そんな彼を止めるため、箱〈願い潰しの銀幕〉の使用を決断する一輝。「箱」対「箱」の熾烈な頭脳戦を制するのは果たしてどちらか?
タグ:
posted at 13:29:28