麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年02月26日(火)
太田紫織「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」読了。平凡な高校生である僕の知り合いの櫻子さんは「三度の飯より骨が好き」という変わったお嬢様だ。骨を組み立てる標本士である一方で検死の真似事もできる彼女は「死」を呼び寄せる体質ゆえに巻き込まれた殺人事件の謎を次々と解き明かしていく。
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posted at 17:23:25
骨好きの変わったお嬢様が探偵役を務める連作ミステリだと思ったらミステリでも何でもなかった件(爆)。収録作三編はいずれも密室、奇妙な心中死体、降霊会での告発といった魅力的な題材を扱っているが残念なことに「こういう真相だったらアレだよね」というパターンを見事にやらかしてしまっている。
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posted at 17:23:44
それでも一話目はアンフェアかつ前例がある真相ながらまだ辛うじてミステリをやろうとした痕跡は見られるものの、二話目で早くも完全放棄、三話目に至っては開き直ったかのように推理もない後付けに次ぐ後付け展開で萎えさせてくれる。
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posted at 17:24:00
更にいうなら探偵役の設定がミステリはおろか物語にすらも活かされておらず、ただ奇抜なキャラを作っただけで終わってしまっている。特に二話に関しては折角設定を活かすチャンスがあったのにも拘わらず、どうしてこんな終わり方にしたのか正直理解に苦しむ。
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posted at 17:24:18
2013年02月27日(水)
大谷羊太郎「殺人航路」読了。娘が伊豆大島で撮った記念写真に写っていた、死んだはずの知り合いの姿にショックを受けた前原は友人の有田に電話した直後、密室状況下の書斎で変死する。それから数日後、その大島で他殺体が発見され、ある男に疑いがかかるが、彼には鉄壁のアリバイがあった――。
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posted at 18:26:08
亡霊の写真と密室、舞台設定を活かした逆密室と鉄壁のアリバイといった謎の演出に関しては申し分ない。加えて度々挿入される、仏具に囲まれた不可解な変死事件の経過が物語を大いに盛り上げてくれる。……しかし、それも着地が成功していなければ全てが台無しである。
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posted at 18:26:41
確かにアリバイトリックは無駄に手が込んではいるものの、今の読者からしてみれば意外性は一切なく隔世の感が否めない。また亡霊の写真と密室の謎は考えうる限り一番つまらない真相だし、仏具に囲まれた変死事件に至っては推理もへったくれもなく取って付けたような辻褄合わせで片付けられてしまう。
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posted at 18:27:25
米倉あきら「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい -In terrible silly show,Jawed at hermitlike SENSEI-」読了。怪作。あるいは奇書と言ってもいいかもしれない。
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posted at 22:34:28
本作はある孤島の中学校を舞台に、文芸部顧問であり処女専門の強姦魔(!)でもあるせんせいが次々と部員に手をかけ、それを女子中学生の比良坂さんがあらゆる手を駆使して無効化するというキワモノとしかいいようがない内容だが、そこに作者は実に多彩な要素を詰め込んでいる。
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posted at 22:35:03
ミステリパロディ、異世界ミステリ、ミステリ論、メタ、恋愛小説――特にミステリ論に至っては一部の本格ミステリファンが発狂しかねない暴論ではあるものの、ラノベミステリを取り巻く現状を顧みるに一理あると思わせる部分もなくはない。
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posted at 22:36:00
良くも悪くもやりたい放題やった作品であり、小説の体を成しているのが奇跡とも言える壁本スレスレの内容だが、一読忘れられないものがあるのも事実。我こそはというキワモノミステリ好きは一読の価値がある作品である
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posted at 22:36:40