麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年02月27日(水)
良くも悪くもやりたい放題やった作品であり、小説の体を成しているのが奇跡とも言える壁本スレスレの内容だが、一読忘れられないものがあるのも事実。我こそはというキワモノミステリ好きは一読の価値がある作品である
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posted at 22:36:40
ミステリパロディ、異世界ミステリ、ミステリ論、メタ、恋愛小説――特にミステリ論に至っては一部の本格ミステリファンが発狂しかねない暴論ではあるものの、ラノベミステリを取り巻く現状を顧みるに一理あると思わせる部分もなくはない。
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posted at 22:36:00
本作はある孤島の中学校を舞台に、文芸部顧問であり処女専門の強姦魔(!)でもあるせんせいが次々と部員に手をかけ、それを女子中学生の比良坂さんがあらゆる手を駆使して無効化するというキワモノとしかいいようがない内容だが、そこに作者は実に多彩な要素を詰め込んでいる。
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posted at 22:35:03
米倉あきら「インテリぶる推理少女とハメたいせんせい -In terrible silly show,Jawed at hermitlike SENSEI-」読了。怪作。あるいは奇書と言ってもいいかもしれない。
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posted at 22:34:28
確かにアリバイトリックは無駄に手が込んではいるものの、今の読者からしてみれば意外性は一切なく隔世の感が否めない。また亡霊の写真と密室の謎は考えうる限り一番つまらない真相だし、仏具に囲まれた変死事件に至っては推理もへったくれもなく取って付けたような辻褄合わせで片付けられてしまう。
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posted at 18:27:25
亡霊の写真と密室、舞台設定を活かした逆密室と鉄壁のアリバイといった謎の演出に関しては申し分ない。加えて度々挿入される、仏具に囲まれた不可解な変死事件の経過が物語を大いに盛り上げてくれる。……しかし、それも着地が成功していなければ全てが台無しである。
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posted at 18:26:41
大谷羊太郎「殺人航路」読了。娘が伊豆大島で撮った記念写真に写っていた、死んだはずの知り合いの姿にショックを受けた前原は友人の有田に電話した直後、密室状況下の書斎で変死する。それから数日後、その大島で他殺体が発見され、ある男に疑いがかかるが、彼には鉄壁のアリバイがあった――。
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posted at 18:26:08
2013年02月26日(火)
更にいうなら探偵役の設定がミステリはおろか物語にすらも活かされておらず、ただ奇抜なキャラを作っただけで終わってしまっている。特に二話に関しては折角設定を活かすチャンスがあったのにも拘わらず、どうしてこんな終わり方にしたのか正直理解に苦しむ。
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posted at 17:24:18
それでも一話目はアンフェアかつ前例がある真相ながらまだ辛うじてミステリをやろうとした痕跡は見られるものの、二話目で早くも完全放棄、三話目に至っては開き直ったかのように推理もない後付けに次ぐ後付け展開で萎えさせてくれる。
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posted at 17:24:00
骨好きの変わったお嬢様が探偵役を務める連作ミステリだと思ったらミステリでも何でもなかった件(爆)。収録作三編はいずれも密室、奇妙な心中死体、降霊会での告発といった魅力的な題材を扱っているが残念なことに「こういう真相だったらアレだよね」というパターンを見事にやらかしてしまっている。
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posted at 17:23:44
太田紫織「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」読了。平凡な高校生である僕の知り合いの櫻子さんは「三度の飯より骨が好き」という変わったお嬢様だ。骨を組み立てる標本士である一方で検死の真似事もできる彼女は「死」を呼び寄せる体質ゆえに巻き込まれた殺人事件の謎を次々と解き明かしていく。
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posted at 17:23:25
2013年02月25日(月)
案の定ミステリ的仕掛けが凝らされており伏線は極めてフェアに張られている。しかしながら本作を読むメインの読者層に合わせたためか仕掛けの難易度は低くミステリ読みであればすぐに気が付いてしまうに違いない。とはいえどんな作品であろうとミステリマインドを忘れない点はさすがと言うべきだろう。
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posted at 22:37:20
本作は同名の人気フリーゲームのノベル版ということだが、あとがきによると内容はあくまでゲームの世界観を活かしたオリジナルらしい。ミステリ作家である作者がモンスターホラー物を料理したらどうなるのか気になって読んでみたが……結論から言うと実にクロケンらしい内容だった。
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posted at 22:36:56
黒田研二「青鬼」読了。町外れにある巨大な洋館〈ジェイルハウス〉。今は廃屋となっているこの館にはある噂があった。曰く、ここには化け物が棲んでいる。一度忍び込んだら二度と戻ってこられない――そんな〈ジェイルハウス〉にひょんなことから忍び込んだ六人の中学生を待ち受けていたものとは……?
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posted at 22:36:09
確かにその手口は盲点をつくものであり、感心する部分もある反面、ミステリとしてみると伏線が不十分なのが残念(ついでにいうとある人物の隠れた繋がりに関しても伏線を入れておくべきだった)。しかしながら事件自体はよく練られているので、フェアかどうかは気にせずに読むことをお勧めしたい。
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posted at 17:46:40
粗筋だけ読むとまるで高杉警部が主役のように見えるが、どちらかというと本作の主役は犯人グループの方である。早い段階で犯人グループの正体と動機は明かされるが、どうやって三人を誘拐したのか、その一点だけは分からない。故に本作はハウダニットものの倒叙ミステリというのが正しい見方だろう。
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posted at 17:46:18
種村直樹「日本国有鉄道最後の事件」読了。分割民営化を翌年に控えた初冬、中京旅客鉄道会社の会議に出席するため、東京駅から〈ひかり41号〉に乗り込んだ要人三人。だが、名古屋駅に着いた時、三人の姿はどこにもなかった……。この不可解な謎に愛知県警きっての切れ者・高杉警部が立ち向かう。
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posted at 17:45:45
2013年02月23日(土)
仕掛けとしては過去に一度作者が使っている手ではあるが、これには全く気付かなかった。加えて本作は作者の作品では最も物語としての完成度が高いため、ミステリをあまり読まない層にもお勧めできる作品ではあると思う。
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posted at 14:58:53
一応、犯人の正体を捻っている点は評価できるものの、それを特定する根拠がいまいちピンとこない。また事件の構図自体もミステリ慣れしている人が読めばかなり早い段階で気付くのではないだろうか。むしろ本作で秀逸なのは、主人公たちが事件の真相を暴くために仕掛けたある策略の方だろう。
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posted at 14:58:36
前作「死闘館」から約三年ぶりの本作は、少女の敵討ちと若手レスラーの成長要素を盛り込んだ、作者らしいプロレス本格ミステリ。一見何の関連性もない二つの事件が実は……という話はミステリの定番ではあるものの、少女連続殺人の必然性が些か弱い気がする。
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posted at 14:58:17
伯方雪日「ガチ! 少女と椿とベアナックル」読了。プロレスラーだった父の急死と少女連続殺人事件。一見何の関連性もないと思われた二つの出来事が繋がっていることに気付いた時、父と友人を失った女子高生・つくしは父を尊敬していた若手レスラー・吉野と共に真相を暴くため、闘うことを決意する。
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posted at 14:58:00
2013年02月21日(木)
その他、二転三転する強盗殺人の顛末を描いた「鍵」や推理作家を殺害する周到な計画に皮肉なオチがつく「里親」も捨て難いが、何と言ってもミステリをやりつつも十二の物語を綺麗に纏め上げたエピローグが素晴らしい。本作はミステリ読みの琴線に何かしら触れるであろう遊び心に満ちた短編集である。
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posted at 16:32:03
本作に収録された十二編全てが必ずしもミステリとは限らないものの、そのうちの幾つかはミステリ的などんでん返しであっと驚かせてくれる。中でも最も人を食っているのが酒乱の父を抱えた娘がある日突然金持ちの紳士に見初められる「玉の輿」で、最後に書かれた作者の注釈には唖然とさせられる。
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posted at 16:31:39
井上ひさし「十二人の手紙」読了。キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、書簡のみで構成された十二編の短編にエピローグを付け加えた、仕掛けの書簡小説集。
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posted at 16:30:16
また「禁断の筋書」「少女の沈黙」の二編に関しては何が決め手となるかがかなりあからさまな形で書かれており、その辺りの意外性を期待すると些か肩透かしを覚えるだろう。残る「女神の微笑」にしてもミステリ的な面白さより、どちらかというとあるキャラの顔見せ感が強い。
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posted at 01:27:33
前作「福家警部補の再訪」から約三年。相変わらず面白いと言えば面白いのだが、これまでの二作と比べるとミステリのキレよりも物語としての面白さを優先した印象を受ける。特にそれが顕著なのは「少女の沈黙」で、例えるならば任侠小説に倒叙ミステリ要素を足したような感じと言えばいいだろうか。
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posted at 01:26:37
大倉崇裕「福家警部補の報告」読了。とぼけた見た目に反して切れ者な福家警部補と犯人の対決を描く倒叙ミステリシリーズの三作目。かつての同人仲間を殺害した漫画家「禁断の筋書」、誘拐にまで手を出した外道を始末したヤクザ「少女の沈黙」、銀行強盗を爆殺した老夫婦「女神の微笑」の三編収録。
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posted at 01:26:05