麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年02月04日(月)
とはいえ一応ミステリとして見ると、最初の誘拐犯が誰なのかといった謎はあるものの、伏線があからさまなので勘のいい人なら途中で読めてしまうことだろう。むしろ本作はミステリとしては考えず、凝ったプロットのコメディ作品として読んだ方が楽しめるかもしれない。
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posted at 18:36:41
本作は誘拐ミステリのカテゴリに入る作品だが、どちらかというと三谷幸喜作品を彷彿させるシチュエーションコメディに近い。事実、仲の悪い夫婦が子供を取り合って誘拐犯に身代金の入札(!)を提案したり、誘拐した子供が犯人に同情してやたらと協力してくれたりと笑えるシーンはかなりある。
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posted at 18:35:00
司城志朗「神様の誘拐」読了。妻と別居して離婚交渉中の鳥井啓介の五歳になる息子・一弘が何者かに誘拐された。犯人から一千万円の身代金を要求された啓介だったが、今の彼にそんな大金は払えない。悩んだ末、啓介は身代金目当てによその家の子供を誘拐することを思い付くが……。
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posted at 18:34:35
2013年02月03日(日)
作者らしい構図の反転の先に待ち受ける犯人と動機。それを示す伏線の張り方は相変わらず巧妙だが、それ以上にその戦争を背負った意外性が何とも言えない気分にさせる。決して派手な作品ではないが、戦時中という「灰色の季節」ならではの本格ミステリを扱った良作である。
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posted at 22:53:32
梶龍雄の書くミステリは過去が非常によく似合う。しかしそれが単なるノスタルジアだけで設定されたものでないことは一読すれば明らかだ。本作で描かれる事件のシチュエーションもさることながら、その真相も戦争が暗い陰を落とすこの時代だからこそ成立したものと言っていいだろう。
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posted at 22:52:27
梶龍雄「殺人回廊」読了。第二次世界大戦末期、東京目白にある新田公爵家の周囲に不審な男たちが出没しているという通報を受け警視庁強力犯刑事・堀川は張り込みを開始する。間もなく男たちはある人物をスパイ容疑で内偵する特高と判明、そしてその矢先に新田家の三男・俊三が死体となって発見される。
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posted at 22:51:53
2013年02月01日(金)
とはいえ鏡の能力を駆使するのはもっぱらズル賢い天才探偵・三途川理の方であり、彼が次々と繰り出す奇策のオンパレードにはほとほと感心させられる。特にラストの策に至っては登場人物の一人が語るように「狂気の発明」以外の何物でもないだろう。
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posted at 21:54:34
そして二部に入ると一転して物語は森川版デスノートとも言うべき内容になる。デスノートを「なんでも知ることのできる鏡」に置き換えて、命を狙う側と狙われた側がそれぞれ鏡の能力を踏まえた熾烈な頭脳戦を繰り広げるのだ。
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posted at 21:54:02
化け猫たちとのコンゲーム小説「キャットフード」でデビューした作者の二作目。二部構成の本作は一部で、本格ミステリにおいて反則技ともいえる「なんでも知ることのできる鏡」の能力を見せ付けると同時に、推理の過程の重要性を説いているのが面白い。
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posted at 21:53:39
森川智喜「スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ」読了。「なんでも知ることのできる鏡」を使って事件を解決する女子中学生探偵・襟音ママエは、とある事件をきっかけにズル賢い天才探偵・三途川理に付け狙われる羽目に。更にそこに彼女を亡き者にしようとする者の思惑も絡み――。
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posted at 21:52:54
謎解きでは一人娘の死に隠された真相にも驚いたが、その直後にまさか蝶に纏わるある手掛かりからあんな大胆な企みが導き出されるとは思わなかった。個人的に本作を読んで思い浮かんだのは三津田信三の刀城シリーズであり、仮にこのネタで刀城物の長編を書いたとしても全く違和感はないだろう。
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posted at 01:41:25
豪快な構図の反転が炸裂する傑作。細かいところを見れば密室の謎が差ほど意味がなかったり、脚本が度々挿入される構成が少々読みにくかったりと気になる部分もなくはないが、この驚きの構図と怒濤の伏線回収がそれを見事に帳消しにしてくれる。
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posted at 01:41:04
梶龍雄「紅い蛾は死の予告」読了。紅蛾が乱舞する山深い平家谷で旧家の一人娘が密室と化した蔵で死に、使用人まで含めた一族が入水心中するという悲劇が起きた。そして十八年後、一連の事件を題材にした映画を撮るため撮影隊と共に平家谷を訪れた女優は持ち前の好奇心から事件の調査を始めるが――。
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posted at 01:40:27