麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年03月29日(金)
但し、その後に起こる事件に関しては犯人はバレバレかつ、トリックもあまり褒められたものではなく、過去の事件と比べるとどうにも物足りなさが否めない。できればこちらもそれなりの仕掛けを盛り込んでほしかった。
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posted at 15:57:11
業界人だった作者らしい、テレビ草創期の実話をふんだんに盛り込んだミステリ。メインとなる過去の事件は犯人の意外性こそないものの、この業界ならではの大がかりなトリックがなかなか楽しい。
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posted at 15:56:53
辻真先「電気紙芝居殺人事件」読了。二十七年前、天才脚本家と謳われた男がマンションの八階から墜落死した。目撃者の証言から自殺ということで決着がついたはずだったが、当時を知る老ルポライター・鬼堂がひょんなことからその事件を改めて調査すると、意外な真相が――。
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posted at 15:56:16
2013年03月28日(木)
伏線は相変わらず丁寧だが、前述したシンプルさ故に気付きやすいという欠点も抱えており、特に密室トリックに関しては分からない人の方が少ないのではないだろうか。また個人的には作中作の小説が全く面白くないのも難。
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posted at 19:06:52
架空の列車を舞台にし、作中作を取り入れた作者らしい凝った構成のミステリ。しかしながら凝った構成とは対照的に真相自体は極めてシンプルで、もしかしたらそのギャップにやや肩透かしを覚える人もいるかもしれない。
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posted at 19:06:18
辻真先「寝台超特急ひかり殺人事件」読了。ファンから新幹線二階建て寝台の切符を贈られた推理作家の牧薩次は、婚約者であるキリコの兄・克郎と共に列車の旅を楽しむつもりだったが、車内で奇妙な事件が続発。しかもその謎のカギは、ファンから預かっていた推理小説に暗示されているようで……。
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posted at 19:05:16
2013年03月27日(水)
ただ欲を言えば、捨て推理や物語だけではなくトリックにも異世界設定をきちんと反映してほしかった。とはいえ童話をテーマにした謎の構築とそれに実在の人物が絡んでくる点は面白いので、もしシリーズ化するのであれば次回作以降の更なる発展に期待したい。
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posted at 17:03:12
作者が得意とする異世界本格ミステリにして、ボーイミーツガール物。ミステリとしては豪快な物理トリックの一発ネタだが、異世界設定を踏まえた推理のビルド&スクラップとミスディレクションがそれを補っており、あまり密度の薄さは感じられない。
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posted at 17:02:49
北山猛邦「人魚姫 探偵グリムの手稿」読了。舞台は1816年のデンマーク・オーデンセ。父を亡くしたばかりの11歳の少年・アンデルセンは人魚の姫という美少女・セレナと風変わりな旅する画家・グリムと共に亡霊がやったとしか考えられない状況で起こった王子殺害事件の真犯人を追う。
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posted at 17:02:21
2013年03月26日(火)
その他「バベルの牢獄」に関して言えば、法月綸太郎が倉阪鬼一郎みたいなことをやったらこうなったというバカSFであり、法月ファンの中には「パズル崩壊」における某短編を思い出して思わず遠い目をしてしまう人もいるに違いない。本作は「おやまあ!」と叫びたくなる作者の新境地的作品である。
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posted at 22:31:13
「名探偵の掟」を彷彿とさせるパロディ的内容もさることながら、本作は作者による秀逸な評論として読むこともできる。尤もそれは表題作や「論理蒸発」も同様であり、特に「論理蒸発」から溢れ出る作者のクィーン愛には読んでいて思わずほっこりとしてしまうこと請け合いである(笑)。
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posted at 22:30:32
唯一「引き立て役倶楽部の陰謀」はSFとは言えないが、個人的にはこの作品が一番のお気に入りで、「アクロイド殺し」を読んだワトスン役たちの会『引き立て役倶楽部』が危険思想(!)と見なしクリスティを拉致、それがクリスティ失踪事件の真相という時点でバカとしか言いようがない(誉め言葉)。
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posted at 22:30:00
本格ミステリをテーマにしたSF作品集。故に本作は本格ミステリに対するある程度の知識がないと間違いなく楽しめないだろう。収録作はどれも、どうしてそれをSFに持ってこようと思ったのかとツッコみたいものばかりであり、そういう意味では奇想SFを目指した作者の狙いは成功したと言えるだろう。
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posted at 22:29:06
法月綸太郎「ノックス・マシン」読了。ノックスの十戒とタイムトラベルを絡めた表題作を始め古典ミステリの語り手たちがクリスティを抹殺しようとする「引き立て役倶楽部の陰謀」、前代未聞の脱獄物「バベルの牢獄」、電子テキスト炎上事件と『シャム双子の謎』の意外な関係「論理蒸発」の四編を収録。
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posted at 22:28:34
とはいえ、犯人が六歌仙に拘る理由にはそれなりの説得力があるし、殺人計画にしても毎回よく練られている。少なくとも作者の目指した「現代的な舞台設定と懐かしい探偵の世界の融合」という点では成功しているのではないだろうか。
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posted at 17:20:23
ミッシングリンクテーマを扱った連続殺人物。犯人の正体よりもミッシングリンクの謎に特化しているのはいいが、そのネタが一本の長編を支えるほど優れているのかと言われると正直疑問と言わざるを得ない。
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posted at 17:19:59
井沢元彦「六歌仙暗殺考」読了。不可解な心中事件から始まった連続殺人の現場には、僧正遍昭、在原業平といった六歌仙の歌仙絵が残されていた。犯人を追う鍵は六歌仙の秘密にあるのか。捜査陣を嘲笑うかのように殺人を繰り返す犯人の正体と被害者たちを繋ぐミッシングリンクに名探偵・南条圭が迫る。
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posted at 17:19:27
2013年03月25日(月)
最終章に至り、読者はそのことに気付かされると同時に突き付けられる予想外の真相に呆然とするに違いない。若干伏線が弱い気がしなくもないが、この設定を活かした真相は一読の価値があると思う。
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posted at 18:34:34
プロット型本格の秀作。本作は学園紛争を軸に二つの事件の顛末が並行して描かれる構成となっているが、メインとなるのはやはり刑事の父が担当する殺人事件の方だろう。やがて物語はアリバイ崩しの様相を示し始めるが、実はその時点で読者は作者の術中に嵌まっているのだ。
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posted at 18:34:07
斎藤栄「紙の孔雀」読了。学園紛争が活発な時代、学生寮に立てこもる一派に対する夜襲作戦に参加した少女は、攻撃を受け失神している間に何者かに強姦された。一方、横浜にある公園の野球場では男の他殺体が発見される。自分を強姦した男を探す娘と殺人事件の犯人を追う刑事の父が辿り着いた結末とは?
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posted at 18:33:23
というのも本作で張られている伏線はどれも決定的な手掛かりになりえていないのだ。物語としてはそれでいいかもしれないが、本格ミステリとしては失格もいいところである。更に噴飯物なのは猟奇殺人の理由で、これに関してはアンフェアを通り越して論外としか言いようがない。
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posted at 00:45:29
最初に断っておくと本作の帯には幾つか嘘がある。まず「都市伝説探偵、誕生」とあるがそんなものはどこにも存在しない(というかこじつけもいいところである)。また本作がさも「本格ミステリ」であるかののように書かれているが、実際は本格ミステリでもなんでもなく、ただ形を借りただけに過ぎない。
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posted at 00:45:02
後藤リウ「聖者が殺しにやってくる」読了。カクレキリシタンの風習を色濃く残す九州の名門・堂林家を襲った猟奇惨殺事件から十四年。その事件の唯一の生き残りである堂林暦の帰還を機に、再び無慈悲な惨劇の幕が切って落とされる。繰り返される猟奇殺人はかつてこの地で惨殺された聖者のタタリなのか?
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posted at 00:44:24
2013年03月24日(日)
とはいえ本作が作者の提唱するストリック(ストーリー+トリックの造語)の成功作であることは間違いなく、作者に対しイロモノイメージを持っている人(自分含む)にこそ読んでもらいたい作品である。
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posted at 01:21:42
ネタバレになるので詳しい言及は避けるが、ここで作者はある大胆な趣向を取り入れており、それが第二部で起こる事件の重大なヒントとして活かされいくのだ。また第二部で使われる殺害トリックも強烈だが、個人的には趣向の美しさから少々浮いているような気がしないではない。
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posted at 01:20:50
この第一部では密室殺人の真相よりもむしろ「勝海舟が二人いた」という根拠の方に注目したい。これに迫っていく過程は実にスリリングであり、歴史ミステリとしても充分に楽しめることだろう。だが本作の本領が発揮されるのは何と言っても第二部からである。
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posted at 01:20:14
斎藤栄「勝海舟の殺人」読了。まず本作は二部構成となっており、第一部では大衆作家の長谷川竜五郎に弟子入りし、勝海舟が二人いたという歴史小説の執筆準備に取りかかっていた「私」が美貌の作家夫人が密室で殺害された事件に巻き込まれる。
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posted at 01:19:48
2013年03月23日(土)
そして何より秀逸なのは、それらが毎回違和感なくプロットに溶け込んでいることだろう。本格ミステリとしてみるとフェアさを度外視している感が否めないのが残念だが、折鶴を通して浮き彫りになる人間ドラマは一読の価値がある。それにしても折鶴の天ぷらは一度食べてみたいものだ。←
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posted at 19:57:54
佐野洋「折鶴の殺意」読了。折鶴が趣味の刑事部長が遭遇した、折鶴に纏わる六つの事件。作者自身も折鶴が趣味なだけあって、作中に登場する折鶴のバリエーションは巣籠や釣ふねといった実在する折鶴の種類から果てはボトルシップならぬボトル折鶴(?)や折鶴の天ぷら(!)までと実に多彩だ。
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posted at 19:56:39