麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年11月16日(土)
勿論真相の方もよく練られており特に感心したのは微妙な捻りを加えることで定番の真相を見えにくくしている点だろう。また山の特性を活かした心理トリックも○。前に読んだ同じ作者の「北アルプス殺人組曲」も良かったが本作もまたなかなかの良作であり、作者の入門編としてもお勧めできる作品である。
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posted at 17:37:23
本作は何と言っても序盤から中盤にかけての連続神隠しに密室、顔のない死体といった魅力的な謎の連打が素晴らしく、この展開にワクワクしないステリ読者は殆どいないに違いない。加えて中盤以降では全く同じ状況の第二の事件まで盛り込み、更に謎解き興味を加速させてみせる。
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posted at 17:36:54
長井彬「槍ヶ岳殺人行」読了。槍ヶ岳中腹の山荘で人妻・由美が突然消えたのを皮切りに他の山小屋でも二人の女が相次いで蒸発。間もなく由美は谷底で他殺体となって発見されるが何故かその顔は無残にも潰されていた。更に由美が突き落とされたと思しき山頂には犯行時刻、誰も行けないことが発覚し……。
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posted at 17:36:30
2013年11月15日(金)
話の展開はまんま二時間サスペンスだが、その中でも開かれた密室とも言うべき謎が目をひく作品。トリックそのものは地味だが手掛かりの出し方がフェアなのは好感が持てる。但しある人物の特徴が決め手となる点はフェアかどうか悩ましい所。駄作ではないが作者のファン以外にはお勧めし辛い作品である。
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posted at 20:55:56
長井彬「南紀殺人 海の密室」読了。和歌山県田辺の海岸で、人気俳優と美人シナリオライターの不倫の現場を狙っていたらしいカメラマンが転落、水死した。奇妙なことに事件当時、現場周辺は誰も出入りした形跡がない密室状況にあった。やがて事件の背後から道成寺伝説の清姫の姿が浮かび上がってくる。
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posted at 20:55:33
2013年11月14日(木)
ついでに言えば名探偵の設定も薄っぺらく、もう少し見せようがあったのでは。向き不向きはあるかと思うが、個人的には好きなものをそれっぽく盛り込んだだけの浅い作品としか思えなかった。
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posted at 21:54:53
そしてトリの密室殺人に関してはまず多重推理が面白くない(というか悪い意味で突飛なものばかりでまともな推理が一つもない)。また意外な犯人を提示するのはいいがその人物を犯人とする根拠が弱く、更にトリックにも前例があるばかりか、それを成立させるには伏線が足りないような気がしてならない。
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posted at 21:54:39
次に写真消失事件は、あからさま過ぎる手がかりをそのまま使ったことに唖然。その後の絞り込みに特殊知識を用いた点も個人的には少々引っ掛かるが、何よりどうかと思ったのが動機であり、これで納得する読者がいるのかどうか甚だ疑問と言わざるを得ない。
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posted at 21:54:21
本作で扱っている謎はおおまかに暗号メールと女子バスケ部の部室で起こった写真消失事件、それに密室殺人の三つに分けられるが、まず暗号メールは、前提となる手掛かりの説明が根本的に不足しているため、登場人物がいくら謎解きをしたところでいまいちピンとこないまま終わってしまう。
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posted at 21:53:48
「まだあった『新本格』推理小説」というのが本作の売り文句だが、率直な感想を言えば「新本格に憧れた中学生が書いたようなラノベ風ミステリ」という印象。新本格というにはミステリ部分の作り込みが甘く、ラノベというにはキャラ立てや設定がかなり弱い。
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posted at 21:53:23
中村あき「ロジック・ロック・フェスティバル 探偵殺しのパラドックス」読了。名探偵の代役として暗躍した過去を持つ名門高校・鷹松学園の新入生である僕は完全無欠の生徒会長・衿井雪から来る文化祭の実行補佐を命じられ学園の様々な事件を解決に導いていたが、文化祭の最中に密室殺人に遭遇し……。
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posted at 21:53:09
2013年11月11日(月)
だがその一方でこの手の小説の欠点がもろに出てしまっており、後半になるにつれて何でもあり感が否めなくなってくるのが難。特に「どくろ中納言」の真相は散々引っ張っておいて「こんなの分かるわけがない」とあっては納得できない人も少なくないだろう。途中まで良かっただけに些か残念な作品である。
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posted at 23:06:29
小田原合戦を巡る陰謀の数々を描いたコンゲーム小説。複雑に入り乱れた人間関係を見事に描ききった手腕もさることながら、それまで見えていた構図が次々とひっくり返されていく様は圧巻の一言に尽きる。
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posted at 23:06:07
岡田秀文「刺客 どくろ中納言 天下盗り、最後の密謀」読了。時は天正十七年、一人の間者が死ぬ間際に言い残した「どくろ中納言」なる謎の言葉を豊臣家の家臣・富田一白が探る一方で、秀吉による小田原合戦の準備が着々と進められていく。様々な思惑が渦巻く中、最後に笑う者は誰なのか?
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posted at 23:05:45
2013年11月10日(日)
(続き)これを大喜びで見られた人は自分を含め歪んでいると言えるかもしれない(暗黒微笑)。またアクションでは、ほむらとまみの銃撃戦が自分の中二マインドを大いに滾らせてくれて○。少々詰め込みすぎのきらいはあるが、実によくできた○○○○映画だと思う。
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posted at 19:34:10
「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」観了。これはいい異世界本格ミステリ。但しTV版を見ていないとフェアとは言えないあたりは野崎まど「2」に近い。そして全ての真相が明かされ、普通の映画ならここで終わるというところで更にツイストを加えた点が虚淵ならでは。(続く)
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posted at 19:33:20
2013年11月09日(土)
その他、コメディアンがコント終了後に飛び降りを図る「象られた心臓」の心理戦や肝臓癌の女性シンガーに酒を飲ませ続けたバーテンダーの真意に迫る「最期の一壜」のある行為で全てを説明してしまう鮮やかな演出など、見るべきところの多い作品である。
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posted at 16:48:34
次点は「私」の祖母が入居した老人ホームでかつてのストーカーと出会ったことから端を発する「追憶と追尾」で、ポオの短編「ウィリアム・ウィルソン」が浮き彫りにする見えざる悪意は醜悪の一言に尽きる。
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posted at 16:48:24
全体的に事件とモチーフとなるポオ短編の重ね合わせが巧いが、ベストは「時鶏館」という風変わりな博物館で消えた黒猫と「誰にも見えない部屋」の謎を描いた「複製は赤く色づく」で、謎自体は大したものではないが、モチーフとなる「赤死病の仮面」によって浮かび上がる美しいドラマが実に秀逸。
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posted at 16:48:12
デビュー作「黒猫の遊歩あるいは美学講義」の三年前、大学生だった黒猫と付き人の出会いを描くシリーズの四作目。今回は連作形式とポオ作品の解釈という原点に帰ったような内容ながら、その出来はデビュー作に負けずとも劣らない。むしろ物語の深みが増したという点では本作の方が優れていると言える。
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posted at 16:48:03
森晶麿「黒猫の刹那あるいは卒論指導」読了。大学の美学科に在籍する「私」がゼミで一人の男子学生と出会う。いつも黒いスーツを着て無愛想な彼――「黒猫」だが、時折見せるその猫のような論理の歩みと鋭い観察眼で六つのポオ短編に纏わる事件の謎を解き明かしてみせる。
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posted at 16:47:53
しかしながら「初恋」の本領は、最後の事件まで読んだところで初めて発揮されるものであり、全体を通して見えてくる構成の妙は圧巻の一言に尽きる。物語の集大成という意味では歌野晶午「コモリと子守り」に近いカタルシスがあり、シリーズ読者にとってはこれ以上ない傑作と言っていいだろう。
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posted at 16:47:44
シリーズ完結編。ミステリとしてみた場合、ベストは密室の謎を扱った「恋の幽霊」になるだろう。とはいえ注目すべきはハウよりもむしろホワイの方であり、そこから展開されるロジックが秀逸。一方「初恋」は目の付け所は悪くないが、明かされる真相は些か苦しいと言わざるを得ない。
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posted at 16:47:36
岬鷺宮「失恋探偵ももせ3」読了。ミステリ研の部室を根城に、恋に破れた人のために失恋の真実を調べる学校非公認の探偵活動――失恋探偵。初恋の人に隠された真相、幽霊からのラブレターと密室の謎、そして探偵自身の過去に纏わる最後の事件が解かれた時、待ち受ける結末とは?
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posted at 16:47:22
2013年11月07日(木)
とはいえ密室に関しては一番つまらない真相であるのに加え、別になくてもいいのではと思ってしまうのが少々アレ。むしろ本作で評価すべきは鏡の城が作られた理由と通り魔事件を有機的に繋げた点だろう。また左手首からの犯人の絞り込みも○。目新しさこそないが、様々なネタを巧く纏めた意欲作である。
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posted at 21:45:25
謎の通り魔事件に風変わりな建物で起こる奇妙な密室と、今回はいつになく本格ミステリを意識したあらすじだが、個人的には何よりもあのうんざりするくらい使い回されていた○○○トリックが使われていないのが好印象。
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posted at 21:45:14
石崎幸二「鏡の城の美女」読了。大手美容チェーンから3D身体データを盗み出し、その持ち主である女性を次々と襲う謎の通り魔「パーツキラー」。事件はやがて孤島に建つ鏡の城で、七枚の堅牢な扉に阻まれた奇妙な密室殺人を引き起こすことに……。女子高生ミリア&ユリと顧問の石崎の推理が冴える。
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posted at 21:44:58
2013年11月06日(水)
先に出た姉妹編「シュークリーム・パニック 生チョコレート」とは一体何だったのか(失礼)と戸惑うくらいミステリに対する姿勢に差がある本作だが、もしかしたらそのギャップこそが狙いだったのかもしれない。
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posted at 22:22:34
最後の「名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状」はいかにもなタイトルに反してオタク趣味丸出しの話で出だしから読者をずっこけさせてくれるが、実はそれこそが作者の罠とも言える。仕掛けとしては前例があるものだが、それをパロディ的に演出してみせた点が秀逸。
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posted at 22:22:11
続く「通い猫ぐるぐる」は一匹の猫に隠されたメッセージを刑事とその彼女が読み解こうとする話で、ほのぼのとした雰囲気の中、読者を翻弄させる展開から一気に盲点をついてみせる構成が実に上手く決まっている。
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posted at 22:21:58
しかしながら、そこまでやって作者に照れが生まれたのか(?)脱力のオチをつけて読者を苦笑いさせる。とはいえ、それはそれで初期の某短編を彷彿とさせてくれるのがいい。
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posted at 22:21:35
タイトルや内容紹介とは裏腹に、本気の倉知淳が垣間見える(!)切れ味鋭い中編集。まず「限定(以下略)」はびっくりするほど端正なフーダニットで、緻密なロジックの積み重ねとさりげない伏線の巧さに加え、なんと論理のアクロバットまで見せてくれる大盤振る舞いぶりである。
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posted at 22:21:05
倉知淳「シュークリーム・パニック Wクリーム」読了。体質改善セミナーに参加したメタボな中年男四人が絶食を強いられている中、インストラクターがおやつにとっていた冷蔵庫のシュークリームが盗まれる「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」など三編収録。
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posted at 22:20:38