麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年05月04日(日)
このミスディレクションが強烈なのは単に作者の作り出す人間ドラマと密接に結び付いているからであり、しかも悲恋を強調するある要素が、後半に思わぬ形で構図の反転に一役買っていたりするので油断ならない。また本作は仕掛け面で綱渡りスレスレの芸当をやってのけている点でも見逃せない作品である。
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posted at 22:59:36
傑作。読めば読むほど謎が錯綜していく本作は、ある意味ホワットダニット物とみることができるだろう。そして終盤、事件の構図が明らかになった瞬間、読者は初めて作者の巧みなミスディレクションにずっと欺かれていたことに気付かされる。
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posted at 22:59:04
笹沢左保「悪魔岬」読了。オーシャン電機工業会長・小此木鋼一の次女である美紗は不倫の恋を清算するために三条雄介と心中を計ったが、不運にも一人だけ生き残った。美紗の元婚約者の松平は心中事件に疑問を持ち、三条の妻・八千代と共に真相を追うが、その美紗もまた三条の命日に不審な死を遂げる。
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posted at 22:58:33
2014年05月03日(土)
また第6話「知らなすぎた女」は婚約したばかりのカップルに対する悪質な悪戯が後に起こる首飾り盗難事件の絶妙な隠れ蓑になっている点が素晴らしい。本作は軽い見た目に反して、きっちり本格をやっているしたたかな短編集である。
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posted at 23:11:49
全七編中、最初の二編は大した出来ではないものの、第3話「取られた鳥」以降は見るべきものが多く、例えば第3話「取られた鳥」と第5話「カーテンの影」はこの形式だからこそ成立する構図が実に秀逸。
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posted at 23:11:30
ヒッチコックの映画を題材にした、私立探偵ミステリ。収録作は全て奇妙な状況が何故発生したのかというホワイダニットに重点が置かれており、これは本作に限らず作者が度々扱う趣向でもある。
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posted at 23:10:51
海渡英祐「トラブル・ハニムーン」読了。「トラブル・コンサルタントSRB」に持ち込まれるヒッチコック映画的事件の数々。ペンダント盗難が思わぬ事件に繋がる「取られた鳥」、訳あり物件に住む人妻への嫌がらせ「赤い恐怖」、夫の不審な行動調査に隠された意外な真相「カーテンの影」など七編収録。
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posted at 23:09:07
2014年05月02日(金)
尤も解説の城平京はそれを全体のバランスを重視した結果であると好意的に捉えていたが、個人的にはミステリとしてもファンタジーとしても中途半端なように感じてしまった。ともあれ、この作風をどう捉えるかで評価が分かれる作品である。
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posted at 23:33:17
だがミステリとして読むと個々のネタはあっさり気味で、異世界設定もそれほど活かされていないのが物足りない。また構図の反転にしても記号的なキャラにしてしまったが故に衝撃があまりなく、加えて一人称が整理されていないのでイマイチ分かりづらい。
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posted at 23:32:55
本来ファンタジーというと世界観を作り上げなければいけない都合上、描写に力を入れがちだが、本作はそれらを徹底的に省き、ひたすら展開の速さに注力している点がまず異色。言うなれば本作はミステリの文脈で書かれた作品であり、事実本作にはミステリではお馴染みの手法が幾つも盛り込まれている。
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posted at 23:32:31
瀬尾こると「ロマネスク」読了。故郷の神殿から盗まれた秘宝を探す旅を続けるバジリスクは蛮族に襲われていたシエナを助けたのが縁で砂漠の国ケ・イキョーに滞在することになる。そこで彼は老臣エゼカイオに見込まれ、怪物が徘徊する迷宮で重臣を殺害した犯人捜しを依頼されるが……。
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posted at 23:31:51
2014年05月01日(木)
その後もこの作者らしい発想の逆転が活かされた説が展開、最終的な着地点こそミステリ的なカタルシスには乏しいものの本当にこれが真相なのではと思わせる説得力があるのは流石。その反面、現実で起こる事件は完全におまけ扱いで、これならむしろ入れない方がすっきり纏まって良かったような気がする。
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posted at 21:22:26
日本人には馴染み深い『忠臣蔵』をテーマに、様々な資料から意外な真相を導き出す歴史ミステリ。その推理の過程は非常に緻密で、いきなり本題には入らずにまず『忠臣蔵』の元になった歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』を徹底的に分析することで読者の『忠臣蔵』に対する先入観を取り除いてみせる手腕が秀逸。
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posted at 21:21:48
井沢元彦「忠臣蔵 元禄十五年の反逆」読了。劇作家の道家和彦は劇団「ゆうとぴあ」を主宰している親友の久保誠一郎から『忠臣蔵』をテーマにした芝居を書くよう依頼されたのを機に赤穂事件と『忠臣蔵』の真実を探り始める。だがその一方で道家は何者かから命を狙われていた。
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posted at 21:21:23